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道路建設計画と高規格道路および暫定工事の問題事例に関する質問主意書

参議院 第169回 第30号検討してまいりたい ×1

提出者
参議院
提出日
2008年2月13日
内閣転送 2008年2月18日
答弁書受領日
2008年2月22日
提出から9日
答弁の項目数
6
質問 1,727字/答弁 1,706字

質問本文

本年三月の、道路特定財源の暫定税率期間の法定期限切れを期にわが党などが、暫定部分を廃止し減税および環境税への転換に充てること、および道路特定財源の制度を廃止し一般財源に移行して、交通弱者への配慮・過疎地等の公共交通手段の整備および自動車公害・交通事故抑制等に充てることを主張していることは周知のとおりである。暫定税率が最大三十四年も続いていることも問題だが、社会環境の変化に対応せず、毎年五兆円規模(本則分含む)の使途を道路に特定し、毎年一兆円規模で生ずる余剰財源を含めて既得権化しているしくみを改めるべき潮時である。

しかし政府は、あらたに「道路の中期計画」により五十九兆円を要するという道路建設固執の意向を示している。その一翼をなす論法が、飽和状態となった道路需要を人為的に高度化する「高規格道路」論である。もとより山間の積雪地や多雨量の河川沿線等において、自然災害等による交通遮断に耐える道路の整備は望まれるところであるが、「高規格道路」論がその声を利用して不要不急の道路建設に多額の地方負担を強要するしくみと化してはならない。

以上の観点から、以下富山県内に例をとって質問する。

一 高規格道路として建設することの意味について

国土交通省が定めた富山高山連絡道路(計画)は、延長八十キロメートルの「地域高規格道路」とされる。

1 この区間を高規格道路として建設する必要性とされるもののうち、自然災害による交通規制の弊害とは、どのような規模・頻度のものか。

2 「連続雨量百二十ミリで通行規制となるため二車線のバイパスが必要」というのが高規格道路建設の必要の根拠だというが、一九七九(昭和五十四)年から二〇〇六(平成十八)年までの二十八年間に通行規制がかかったのは二十六回、年平均で〇・九回にすぎない実情をどう理解しているか。

二 全線開通の時期と効果について

1 経済社会的にみた場合、この道路(計画)の効果は、両端の富山と高山の都市を直結することにあるとされているようだが、その効果はいつ、どのように計測したもので、競合する交通計画(北陸新幹線、東海北陸自動車道等)のその後の進展による需要の下方修正はなされているのか。

2 また、現在のところ計画は小糸までの富山県境以北のみであり、小糸以南の岐阜県部分は白紙である。全線の開通により右の効果が発揮されるのは、いつ頃を想定しているか。

三 現在の工事が無駄になる可能性について

現在、工事は庵谷(いおりだに)と楡原(にれはら)の間三・〇キロで、(仮称)庵谷橋の新設を含めて進められている。しかしこの区間の最終計画では、布尻と片掛の間を、現工事より東寄りに二つの新しい橋と道路で結ぶものとされる。

1 この計画が事実とすれば、現在建設が進められている(仮称)庵谷橋はルートからはずれ、数十億円を投下した同橋はムダとなるのではないか。

2 またそうではなく庵谷トンネルの現道を使うのなら、ここは通行規制区間であり、高規格道路となりえないのではないか。

この疑問について富山県は、議会において「国が決めること」と述べて責任を回避しているので、国の見解を説明されたい。

四 県負担金の額および、国直轄事業地方負担金の廃止について

この計画は国の直轄事業とされており、今のところ総事業費は二百六十億円、富山県の負担は八十億円と予想する、と県は答弁している。国直轄事業は全国で年額一兆一千億円、うち道路は六千億円に上るが、この制度そのものが国道の建設費を、国の決定により自治体に負担させるという、分権自治に反したしくみである。

私は制度の廃止を二〇〇三年以来数度にわたって主張してきたが、地方六団体の毎年の主張、また今般の特定財源改革論においてもその廃止が提案されている。

1 本件につき富山県は、県の負担が八十億円を超えることはない旨、期待を表明しているが、今後、事業費または県負担が増嵩することはないか。

2 また、原則論からいえば国直轄事業にかかる地方負担金制度は廃止し、道路計画のより多くの部分を、自治体の主体的な判断により策定・実施するよう、分権化をすすめるべきと考えるがいかがか。

右質問する。

参議院の原文・経過

政府答弁書

一について

国道四十一号は、名古屋市から富山市に至る東海地方と北陸地方を結ぶ我が国の重要な幹線道路であり、災害又は通行規制により交通が遮断された場合、富山市と飛騨高山地域及び東海地方との間の移動が困難となり、広域的な物流及び人の移動に支障を生じるほか、国道四十一号の沿道に存する集落が孤立するなど、国道四十一号の沿線地域の住民の生活に重大な支障を生じるものと理解している。このため、富山高山連絡道路の整備は、落石、雪崩等による国道四十一号の通行止め等の通行規制を必要とする事態の解消を図ることを目的の一つとしている。この通行規制の規模や頻度がどのようなものであるかについての基準は定めていないが、事業の実施に当たっては、個別具体に通行規制の状況等を踏まえ、整備の必要性を検討しているところである。

二の1について

国土交通省において、平成十三年度に、富山高山連絡道路の全線が開通した場合の効果を試算したところ、富山市と高山市の間の所要時間が約一時間に短縮されるとの結果が得られており、この結果を同年度に公表しているところである。当該試算は、富山高山連絡道路の延長約八十キロメートルを、当該試算を行った当時の地域高規格道路の設計速度である時速約八十キロメートルで除することにより算出している。

また、現在事業を実施している富山市小糸から楡原までの約七キロメートルの区間については、事業の実施に際して、「客観的評価指標及び費用便益分析マニュアルの改定について」(平成十五年八月一日付け国都街第三十九号国土交通省都市・地域整備局街路課長・国道分評第十五号国土交通省道路局企画課長通達)に基づき、平成十八年に事業評価を実施している。その中では、東海北陸自動車道を始めとした将来の道路網を考慮したネットワークを設定した上で、平成四十二年時点の交通量等の推計を行い、富山市小糸から楡原までの区間の整備による走行時間短縮便益、走行経費減少便益及び交通事故減少便益を算出することにより、道路整備の効果を便益として算出している。

二の2について

富山高山連絡道路の富山市小糸から高山市までの区間については、現時点ではルート及び構造等の計画の内容が未確定であることから、富山高山連絡道路の全線が開通する具体的な時期等についても未定である。

三について

国道四十一号の富山市楡原から小糸までの区間においては、現在、楡原から庵谷までの約三キロメートルの区間において工事を進めているところである。庵谷から片掛までの区間は現在の国道を活用し、片掛から小糸までの区間についてはバイパスを整備することとして設計等を進めているところであり、現在工事を行っている庵谷橋(仮称)が無駄になるとの御指摘は当たらない。なお、庵谷から片掛までの区間の整備については今後の交通量等を勘案して改めて検討することとしており、そのルートについては、庵谷橋の位置等を考慮しつつ、決定することとしている。

また、楡原から庵谷までの区間の工事が完成した際には、通行規制の要因である落石の危険箇所を回避して通行することが可能となることから、楡原から片掛までの区間の通行規制を解除できるものと考えている。

四の1について

現在、国土交通省が富山県に示している事業費は、現時点で知り得る地形、地質等の条件下において適切な工事内容を想定して算定している。国土交通省としては、事業の実施段階においても適切にコストの管理を行い、現在示している事業費が増加しないよう努めてまいりたい。

四の2について

国の直轄事業に係る地方公共団体の負担金については、事業から生じる受益が直接的にその事業の実施地域の地方公共団体にも及ぶことから、事業費の大部分は国が負担しつつ、受益者たる地方公共団体にも一定の負担を求めているものであり、合理性を有した制度であると考えている。地方分権については、従来より国土交通省として積極的に取り組んできたところであり、今後とも、地方分権改革推進法(平成十八年法律第百十一号)の基本理念にのっとり、国と地方の適切な役割分担の下で道路に係る施策を推進してまいりたい。

参議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

検討してまいりたい ×1

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

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