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エビデンスが乏しい予防医療施策への公的補助の見直しに関する質問主意書

参議院 第217回 第210号お答えすることは困難 ×2趣旨が明らかではない ×2

提出者
参議院
提出日
2025年6月19日
内閣転送 2025年6月20日
答弁書受領日
2025年7月1日
提出から12日
答弁の項目数
3
質問 1,556字/答弁 1,792字

質問本文

近年、国・自治体・健康保険組合等は「健康寿命の延伸」や「医療費適正化」の名の下に様々な予防医療施策を展開し、公的補助を行っている。しかし、そうした予防医療施策の中には、科学的根拠(エビデンス)が乏しく、効果や費用対効果の実証が不十分であるにもかかわらず、形骸化したまま継続されている施策が少なくない。こうした「エビデンスが乏しい予防医療施策」(以下「当該医療施策」という。)については、以下のような具体例及び問題点がある。

1 「健康教室」、「ウォーキングイベント」、「食育講座」等の一過性イベント型施策

費用対効果が非常に低く、「参加すること」自体が目的化している例が多い。一過性の行動変容で終わり、疾病予防への実効性が乏しい。

2 「睡眠改善教室」、「ストレス対策講座」など主観評価型の保健指導

主観的指標に依存しており、アウトカム評価が困難でありながらも多くの補助事業で組み込まれている。

3 がん検診や健康診断における科学的根拠が乏しい検査

・胸部X線検査(肺がん検診):死亡率を下げない。被曝リスクがある。

・バリウム検査(胃がん検診):内視鏡に比べ精度劣り、穿孔・誤嚥リスクあり。

・甲状腺がん検査・PSA検査:過剰診断と不必要な治療の誘発。

・脳ドック・PET検査・レントゲンによる腰痛スクリーニング:治療不要な異常の検出による医療の無駄と不安の助長。

4 「一律保健指導」、「高齢者全員への介護予防体操」

リスクの低い層に対して過剰な介入が行われ、科学的な有効性も限定的。高齢者に対する一律的な介護予防体操についても、明確なアウトカムが示されておらず、複数の研究で費用対効果に疑義が呈されている。

当該医療施策への継続的な補助は、限られた医療財源を非効率に消耗させ、真に有効な介入への投資機会を阻害している可能性がある。限られた医療資源の有効活用及び国民の健康増進に真に資する予防医療のため、以下質問する。

一 当該医療施策の具体例に対する補助の実態について

1 当該医療施策に類する施策に対し支出された、国費・地方交付金等の国庫補助金について、直近五年間の実績額、対象事業及び実施主体を全て示されたい。

2 当該医療施策について、介入群と非介入群での比較・RCT(ランダム化比較試験)・費用対効果分析等、医学的エビデンスに基づいた検証を行った事例があるか示されたい。ある場合、詳細を全て示されたい。ない場合、当該理由を示されたい。

3 前記一の2に関連して、科学的根拠が否定的又は確認できていない施策について、補助が継続されている理由、政策評価や廃止又は見直しの判断基準を施策ごとに明確に示されたい。

二 政策形成におけるEBPMの適用及び制度的仕組みについて

1 当該医療施策に対して、政府が掲げるEBPM(エビデンスに基づく政策形成)に照らして、客観的評価・見直しを行う制度やガイドラインが存在するか示されたい。存在する場合、具体的な運用方法を示されたい。存在しない場合、当該制度やガイドライン等を作成する必要があると考えるが、政府の見解を示されたい。

2 地方自治体や健康保険組合が実施する予防医療施策に対して、国として費用対効果の基準を定めた交付要綱や指針は存在するか示されたい。存在する場合、当該交付要綱や指針の詳細を施策ごとに全て示されたい。

3 今後、原則として費用対効果が不明又は否定的である予防医療施策への補助を廃止又は縮小すべきと考えるが、政府の見解ないし今後の方針を明らかにされたい。

質問主意書については、答弁書作成にかかる官僚の負担に鑑み、国会法第七十五条第二項の規定に従い答弁を延期した上で、転送から二十一日以内の答弁となっても私としては差し支えない。

右質問する。

参議院の原文・経過

政府答弁書

一及び二の1について

政府として、御指摘の「こうした「エビデンスが乏しい予防医療施策」(以下「当該医療施策」という。)」のような定義はしていないため、これに関するお尋ねについてお答えすることは困難である。その上で、御指摘の「国庫補助金」に関しては、例えば、御指摘の「健康教室」、「睡眠改善教室」等の健康教育に対しては、市町村(特別区を含む。)が健康増進法(平成十四年法律第百三号)第十七条第一項及び第十九条の二の規定に基づき実施する健康増進事業(がん検診(健康増進法施行規則(平成十五年厚生労働省令第八十六号)第四条の二第六号に掲げるがん検診をいう。以下同じ。)を除く。以下単に「健康増進事業」という。)において補助の対象としており、健康教育を含む健康増進事業に係る交付実績額は、令和六年度は三十二億九千六百三十六万二千円、令和五年度は三十二億三千六百十二万七千円、令和四年度は三十二億四百九万二千円、令和三年度は三十一億九千二百六十八万二千円、令和二年度は三十一億二千三百六十三万八千円である。また、がん検診に係る費用については、平成十年度に国庫補助金等が一般財源化されているところである。

また、御指摘の「エビデンス」に関しては、例えば、御指摘の「胸部X線検査(肺がん検診)」については、先の答弁書(令和七年六月二十日内閣参質二一七第一六三号)一の1についてでお答えしたとおりである。

さらに、予防・健康づくりの取組において、御指摘のように「補助が継続されている」場合におけるその「理由」については、一概に述べることは困難であるが、いずれにせよ、それぞれの必要性等に鑑み、予算措置が行われているものである。

加えて、御指摘の「政策評価」に関しては、例えば、「行政事業レビューの実施等について」(平成二十五年四月五日閣議決定)に基づき、「事業に係る予算の執行状況等について、個別の事業ごとに整理した上で、毎会計年度終了後速やかに必要性、効率性及び有効性等の観点から検証して当該事業の見直しを行」うこととしており、また、御指摘の「EBPM」に関しては、例えば、令和五年度に内閣官房において、「EBPM」の基本的な考え方や、機動的で柔軟な見直しを可能とする政策形成及び評価の実践を普及・浸透させるため、「EBPMガイドブック」を作成しているところ、これも参考に、必要な取組を行うこととしている。

二の2について

御指摘の「費用対効果の基準を定めた交付要綱や指針」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、例えば、御指摘の「地方自治体」が行う予防・健康づくりの取組については、令和五年度に、各地方自治体等における予防・健康づくりに係る取組の参考に供するため、厚生労働省が作成した「健康づくり施策のためのTextbook」において、御指摘の「費用対効果」に関しては、「ハイリスクアプローチは、・・・費用対効果などの結果が出やすい」、「ポピュレーションアプローチは、・・・費用対効果が小さくなったりする可能性があります」等と示しており、また、御指摘の「健康保険組合」が行う当該取組については、健康保険法に基づく保健事業の実施等に関する指針(平成十六年厚生労働省告示第三百八号)において、「本指針は、・・・保険者が加入者を対象として行う特定健康診査及び特定保健指導のほか、・・・健康教育、健康相談及び健康診査並びに健康管理及び疾病の予防に係る加入者の自助努力についての支援その他の加入者の健康の保持増進のために必要な事業・・・に関して、その効果的かつ効率的な実施を図るため、基本的な考え方を示すもの」と定めた上で、御指摘の「費用対効果」に関しては、「事業の評価は、健康・医療情報を活用して、費用対効果の観点も考慮しつつ行うこと」と定めているところである。

二の3について

御指摘の「費用対効果」に関しては、例えば、一及び二の1についてで述べたとおり、「行政事業レビューの実施等について」に基づき、「事業に係る予算の執行状況等について、個別の事業ごとに整理した上で、毎会計年度終了後速やかに必要性、効率性及び有効性等の観点から検証して当該事業の見直しを行」うこととしているため、お尋ねの趣旨が必ずしも明らかではないが、いずれにせよ、今後とも、こうした取組について適切に進めてまいりたい。

参議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

お答えすることは困難 ×2趣旨が明らかではない ×2

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

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