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アッシャー症候群及び網膜色素変性症に係る治療アクセス等に関する質問主意書

衆議院 第221回 第27号お答えすることは困難 ×2趣旨が明らかではない ×1

提出者
中道改革連合・無所属
提出日
2026年7月1日
内閣転送 2026年7月6日
答弁書受領日
2026年7月10日
提出から9日
答弁の項目数
7
質問 2,188字/答弁 3,373字

質問本文

アッシャー症候群は、感音難聴と網膜色素変性症を併発する遺伝性疾患であり、視覚及び聴覚の双方に障害を生じ得る。とりわけ二型では、幼少期から難聴を有し、思春期から若年成人期に夜盲、視野狭窄等の視覚症状が現れ、その後進行する例が多いとされる。網膜色素変性症は、原因遺伝子、発症時期及び進行速度が多様であるものの、残存する視機能は失われれば回復が困難である場合が多い。

海外では、特定の原因遺伝子を標的とする治療、原因遺伝子を問わず幅広い患者を対象とする治療及び進行後の視覚機能の再建を目指す治療が並行して開発されている。例えば、網膜色素変性症に対する調節遺伝子治療OCU400は米国で第三相試験の登録を完了しており、アッシャー症候群関連網膜色素変性症に対する経口治療候補NPI-001は第一・二相試験の結果を踏まえた確認試験が計画されている。また、USH2A遺伝子エクソン十三変異を対象とする核酸医薬ウルテブルセンについても国際的な第二相試験が進められている。米国には、通常の治験に参加できない患者が一定の要件の下で治験薬を使用できる拡大アクセス制度も設けられている。

我が国においても、先駆的医薬品等指定制度、希少疾病用医薬品等指定制度、患者申出療養制度等が整備され、国内発の遺伝子治療等の研究開発も進められている。また、重度の視力低下を有する遺伝性網膜ジストロフィーを対象とするMCO-010が先駆的再生医療等製品に指定され、海外の新興バイオ医薬品企業の開発品を我が国へ導入するための国際共同治験ワンストップ相談窓口も設けられている。

しかし、海外で後期治験に進む治療候補について、日本人患者の国際共同治験への参加、国内での早期試験及び承認申請に必要なデータの収集方針が明らかでないものがある。また、治験又は治療の適格性が遺伝子型によって決まる時代になりつつあるにもかかわらず、包括的な遺伝学的検査へのアクセスは限定されている。さらに、患者申出療養を利用する場合も、未承認薬等の費用は原則として患者負担となり、実施計画を作成する医療機関及び製品を提供する企業の協力が必要であるため、高額な遺伝子治療等への現実的なアクセス手段になりにくい場合がある。

これらの疾患における数年の治療アクセスの遅れは、単なる待機期間ではなく、教育、就労、移動、自立その他の社会参加の機会に不可逆的な影響を及ぼし得る。政府は、海外の有望な治療候補を早期に把握して国内治験へつなげるとともに、遺伝学的検査、国際共同治験への参加及び治験対象外患者の早期アクセスを一体的に進めるべきである。

以上を踏まえ、以下質問する。

一 包括的な遺伝学的検査へのアクセスについて

治験及び治療の適格性判断並びに遺伝カウンセリングに用いるため、遺伝性網膜ジストロフィーが疑われる患者について、特定の承認済み治療の適応判定に限らない包括的な遺伝子パネル検査を保険診療で受けられるよう、保険適用の範囲を拡大すべきではないか。政府の見解、現在の検討状況及び実施時期の見通しを示されたい。

二 海外開発品の能動的な選定及び企業への働き掛けについて

厚生労働省、独立行政法人医薬品医療機器総合機構、国立研究開発法人日本医療研究開発機構等が連携し、海外で第二相後期又は第三相に進む希少疾患治療候補を定期的に選定し、開発企業に対して日本を含む国際共同治験、国内治験又は同時申請を具体的に提案する仕組みを設けるべきではないか。

また、OCU400、NPI-001及びウルテブルセンについて、政府は開発状況及び我が国への導入可能性を把握しているか。各品目について、開発企業又は権利保有企業から対面助言、事前相談、治験届その他の相談又は申請を受けた事実の有無を、企業秘密に配慮しつつ可能な範囲で示されたい。

三 国際共同治験及び国内早期試験への参加支援について

海外で臨床開発が先行する希少疾患治療について、科学的に不要な場合には日本人のみを対象とする追加的な第一相試験を一律に求めず、日本人患者の国際共同治験への参加を促進する現在の考え方を、海外の小規模な開発企業にも分かりやすく周知し、個別相談を無償又は低額で提供すべきではないか。

また、国際共同治験への途中参加が困難な場合には、日本人を対象とする少人数の安全性・用量確認試験又は長期安全性試験を迅速に立ち上げるため、試験費用、治験製品の輸送、通訳及び翻訳、保険、製造品質への対応並びに国内治験管理人に係る費用を公的に支援すべきではないか。政府の見解を示されたい。

四 治験対象外患者の早期アクセスについて

治験の年齢、病期、遺伝子型その他の基準により参加できない患者に対し、安全性及び有効性に関する一定の科学的根拠がある場合には、拡大治験、患者申出療養等を通じて未承認治療へ適切にアクセスできるよう、希少疾患向けの標準実施計画、相談窓口及び迅速な審査手順を整備すべきではないか。

また、患者申出療養において、高額な治験製品又は未承認製品の費用が原則として患者負担となることが、事実上の利用障壁となっているとの認識はあるか。公的研究費、企業負担、基金その他の方法により、患者の所得によって治療機会が左右されない費用支援制度を設けるべきではないか。政府の見解を示されたい。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一について

我が国の医療保険制度においては、治療等と疾病等との関係が明らかであり、疾病等に対する有効性、安全性等が確立した治療等を保険適用の対象としており、こうした考えの下、御指摘の「遺伝性網膜ジストロフィーが疑われる患者」に対する「遺伝子パネル検査」については、「診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について」(令和八年三月五日付け保医発〇三〇五第六号厚生労働省保険局医療課長及び歯科医療管理官連名通知)において、「遺伝性網膜ジストロフィ遺伝子検査は、(中略)ボレチゲン ネパルボベクの適応の判定の補助を目的として実施した場合」には「算定できる」こととしており、現時点では、お尋ねの「特定の承認済み治療の適応判定に限らない包括的な遺伝子パネル検査」への「保険適用の範囲」の「拡大」については、慎重に検討すべきものと考えている。

二の前段について

お尋ねについて、網羅的に御指摘のような「海外で第二相後期又は第三相に進む希少疾患治療候補を定期的に選定し、・・・具体的に提案する」ことについては困難であると考えているが、御指摘のような「企業への働き掛け」に関しては、例えば、「国際共同治験ワンストップ相談窓口事業 実施要綱」(令和七年五月一日付け産情発〇五〇一第十三号厚生労働省大臣官房医薬産業振興・医療情報審議官通知別添)に定める「国際共同治験ワンストップ相談窓口事業」により、「日本国内に開発拠点を有さない海外のスタートアップや製薬企業からの国内での治験・臨床試験の実施に関する相談の受付、国内での治験の実施の支援・誘致を行うワンストップ相談窓口の設置を行うことで、国際共同治験の実施体制の強化」を行うこと等を目的とし、「日本の制度、治験環境等に関する英語での広報資材の作成、相談・支援窓口に係るwebサイト(日英バイリンガル)の構築等による相談・支援窓口の広報活動など、海外のスタートアップ等に対する日本での治験実施の誘致活動」等に取り組んでいるところである。

二の後段について

お尋ねの「開発状況」については承知しているが、「我が国への導入可能性」及び「開発企業又は権利保有企業から対面助言、事前相談、治験届その他の相談又は申請を受けた事実の有無」については、個別の企業に関することであることから、お答えを差し控えたい。

三の前段について

お尋ねについては、御指摘の「海外の小規模な開発企業」等に対して、「医薬品等審査迅速化事業費補助金等(国内未承認薬・適応外薬審査迅速化事業等)実施要綱」(平成二十九年四月十四日付け薬生発〇四一四第四号厚生労働省医薬・生活衛生局長通知別紙(最終改正 令和八年四月七日))に定める「医薬品国内開発伴走事業」により、御指摘の「考え方」を含む日本の薬事規制についての周知を行うとともに、独立行政法人医薬品医療機器総合機構が米国に設立した事務所において、日本の薬事制度に関する相談に無償で対応しているところである。

三の後段について

御指摘の「国際共同治験への途中参加が困難な場合」の意味するところが必ずしも明らかではないが、御指摘の「日本人を対象とする少人数の安全性・用量確認試験又は長期安全性試験」を含め、医薬品の臨床研究又は治験については、国立研究開発法人日本医療研究開発機構が実施している臨床研究・治験推進研究事業により、我が国における革新的な医薬品を創出するため、科学性及び倫理性が十分に担保された質の高い臨床研究又は治験を行う研究費の助成が行われており、引き続き適切な支援を継続してまいりたい。

四の前段について

お尋ねに関しては、御指摘の「希少疾患」の患者も含め患者に係るものとして、御指摘の「拡大治験」については、「人道的見地から実施される治験の実施について」(令和六年九月十三日付け医薬薬審発〇九一三第二号厚生労働省医薬局医薬品審査管理課長通知)において、「人道的見地から・・・治験に参加できない患者に対して未承認薬等を提供できるようにするための方策」を示しており、具体的には、「主治医が治験実験者に拡大治験の実施の要望を行うこと」、「拡大治験の実施ができないと治験実施者から回答を受けた主治医及び患者が・・・納得できない場合、主治医は、主たる治験に参加できない理由及び拡大治験の必要性等を・・・厚生労働省・・・に提出することができる」こと、「拡大治験の治験実施計画書の作成に当たっては、必要に応じてPMDAの治験相談等を利用することができる」こと等を示している。また、御指摘の「患者申出療養」については、「健康保険法及び高齢者の医療の確保に関する法律に規定する患者申出療養の実施上の留意事項及び申出等の取扱いについて」(平成二十八年三月四日付け医政発〇三〇四第三号・薬生発〇三〇四第一号・保発〇三〇四第十八号厚生労働省医政局長、医薬・生活衛生局長及び保険局長連名通知(最終改正 令和七年三月十二日))において、「患者申出療養は、困難な病気と闘う患者の思いに応えるため、先進的な医療について、患者の申出を起点とし、安全性・有効性等を確認しつつ、身近な医療機関で迅速に受けられるようにするものである」と示しており、具体的には、「患者申出療養として告示されていない医療技術に係る申出等の取扱い」として、患者が「申出書」を提出する際には、「当該申出に係る療養の実施計画」や「治療の内容及び費用」等を記載した「臨床研究中核病院の意見書」等を添付し、「意見書を作成した臨床研究中核病院を経由し」、厚生労働省に「提出すること」とした上で、「患者申出療養評価会議」(「患者申出療養評価会議設置要綱」(平成二十八年四月十三日厚生労働大臣伺定め)に基づき設置された先進的な医療に係る専門的知見を有する有識者により構成される評価会議をいう。以下同じ。)において、「患者申出療養の適否に係る審議」を行い、「実施が承認されたものを告示するものとする。また、厚生労働大臣は、患者申出療養評価会議の審議結果について、意見書を作成した臨床研究中核病院に通知するものとするとともに、当該臨床研究中核病院は速やかにその旨(承認されなかった場合にあっては、その理由を含む。)について申出を行った患者に通知すること。告示は、厚生労働大臣が申出を受理した日から起算して原則六週間以内に適用するものとする」等と示しているほか、「患者申出療養に係る患者からの相談の取扱い」として、「申出を行うに当たり、患者は必要に応じて、かかりつけ医等の保険医療機関の支援を受け、特定機能病院又は臨床研究中核病院に相談することができる」こと等について示している。これらを通じて、御指摘の「希少疾患」の患者も含め患者が「未承認治療へ適切にアクセスできるよう」努めているところであり、引き続き、適切な周知等に努めてまいりたい。

四の後段について

御指摘の「患者申出療養」における「患者負担」については、「「療担規則及び薬担規則並びに療担基準に基づき厚生労働大臣が定める掲示事項等」及び「保険外併用療養費に係る厚生労働大臣が定める医薬品等」の実施上の留意事項について」(平成十八年三月十三日付け保医発第〇三一三〇〇三号厚生労働省保険局医療課長及び歯科医療管理官連名通知(最終改正 令和八年三月二十七日))において、「その徴収の対象となる療養に要するものとして社会的にみて妥当適切な範囲の額とすること」としているところ、患者が必要とする療養及びそれに伴う御指摘の「患者負担」は様々であることから、お尋ねの「認識」について一概にお答えすることは困難である。また、御指摘の「患者申出療養」における「患者負担」については、四の前段についてで述べたとおり、患者が「申出書」を提出する際には、「治療の内容及び費用」等を記載した「臨床研究中核病院の意見書」等を厚生労働省に提出した上で、患者申出療養評価会議において、当該「臨床研究中核病院の意見書」の内容も踏まえ、「患者申出療養の適否に係る審議」を行うこととしており、これにより、当該「妥当適切な範囲の額」を担保することとしていることから、現時点で、お尋ねのような「費用支援制度」を設けることは検討していない。

衆議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

お答えすることは困難 ×2趣旨が明らかではない ×1

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

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