宅地造成工事規制区域の調べ方——盛土規制法の規制区域を、住所で確認する
株式会社エクスブリッジ(名古屋のAIシステム開発会社)/ 全国104,309区域を収録した判定システムを自社開発している立場から、不動産・建築・造成の実務者向けに書いています
2021年の熱海市伊豆山の土石流を受けて、2023年5月26日に盛土規制法(宅地造成及び特定盛土等規制法)が施行されました。区域内で一定規模以上の盛土・切土をするには、着手前に許可または届出が要ります。そして宅地造成等工事規制区域は、宅地建物取引業法35条の重要事項説明の対象です。
1. まず、2種類あることを押さえる
| 区域 | どこに指定されるか | 必要になるもの |
|---|---|---|
| 宅地造成等工事規制区域 | 市街地や集落など、崖崩れ・土砂流出の被害が出るおそれが大きい区域。宅地・農地・森林を問わない | 一定規模以上の盛土等の工事に許可 |
| 特定盛土等規制区域 | その周辺。山間部などを含めて広く指定される | 規模の大きい工事に許可、それ以外の一定の工事に届出 |
指定するのは都道府県知事・指定都市の長・中核市の長です。だから告示も「静岡県告示第799号の3」「名古屋市告示167号」「豊田市告示第…」のように発行者が分かれます。
2. 大規模盛土造成地マップと混同しない
ここがいちばん間違えられます。
| 示すもの | 工事の可否 | |
|---|---|---|
| 大規模盛土造成地マップ | そこに盛土があるという土地の成り立ち | 決めない |
| 盛土規制法の規制区域 | そこで工事をするには許可・届出が要るという法律上の線 | 決める |
重ねるハザードマップ(国土地理院)に載っているのは前者です。土地を買う・造成する前に効くのは後者です。
3. 公式に調べる手順
最終確認はこの流れです。
- 指定主体を特定する。その市が指定都市・中核市なら市、そうでなければ都道府県。
- その自治体の盛土規制法のページで、区域図と告示を見る。「盛土規制法」「宅地造成等工事規制区域」で検索すると担当課のページに当たります。
- 地番で担当課に確認する。公表されている図は縮尺の都合で境界が概略です。敷地が境界付近なら、必ず窓口で確認します。
4. 住所ひとつで横断的に引く
1件ずつ都道府県のページを当たるのが現実的でない場面——物件の一次スクリーニング、複数候補地の比較、問い合わせ対応——では、国土数値情報を取り込んだ検索ツールが要ります。
当社の Kurage 盛土規制区域マップ は、住所を入れると区域の種別・指定した主体・告示番号・施行年月日を返します。無料で試せます。
| 収録 | 104,309区域/1,539市区町村/43都道府県 |
|---|---|
| データ | 国土数値情報A56(国土交通省・CC BY 4.0)/2025年7月18日時点 |
| 返すもの | 区域の種別・指定主体・告示番号・施行年月日 |
5. 「区域外」と「未指定」は、必ず分けて考える
実務でいちばん危ないのがここです。
当社のツールも、この2つを画面上で必ず区別して表示します。さらに、区域外だった場合も「これは工事の許可が要る範囲であって、崖崩れの危険そのものを示すものではない」と毎回書いています。
6. 自社のシステムに組み込む
不動産会社・建築設計・造成業で、社内の物件管理や査定フローに組み込みたい場合は、判定システムごと自社サーバーに置けます。
①無料で試す → Kurage 盛土規制区域マップ(住所で判定・地図つき)
②買い切りで自社に置く(55,000円税込・月額なし・ソース同梱)→ Kurage App Store
PostGISもDockerも不要。SQLiteとPythonだけで動きます。APIもあるので既存システムから呼べます。
あわせて調べたいもの
- Kurage 災害危険区域マップ — 建築基準法39条。条例で住宅の建築が制限される区域(盛土規制区域は工事の許可、こちらは建築の制限)
- Kurage 洪水・内水ハザードマップ — 浸水の想定
- Kurage 土砂災害マップ — 土砂災害警戒区域
最後に、正直な注意
国土数値情報は「概略的な位置を示すものであり法的図書ではない。申請資料や根拠を示す必要がある資料への利用はできません」と明記されています。当社のツールも同じ制約の中にあります。一次スクリーニングには使えますが、地番単位の最終判断と申請には使えません。告示番号を手がかりに、指定した自治体の担当課で確認してください。
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