まだ聞かれていない論点を見つけて、書いた例
質問主意書アシストは文章を作りません。過去の質問と政府答弁の原文、答えていない型を並べるだけです。ここでは、その出力を見て人が起案するまでを1件たどります。
1. 論点の語を入れて、過去を並べた
入れた語は「フードデリバリー 配達員 使用者責任」。出てきたのは次のとおりです。
| 収録範囲 | 2023年10月20日〜2026年7月24日の質問主意書 2,167件 |
|---|---|
| 「使用者責任」 | 1件のみ。内容は別の団体に関するもので、就労とは無関係でした |
| 「フードデリバリー」 | 2件。うち1件はライドシェアの文脈 |
| 最も近い先例 | 参議院 第217回国会 質問第241号「ギグワークに関する質問主意書」 提出 水野素子 議員/2025年6月20日提出・2025年7月1日答弁 |
念のため国会会議録検索システムでも確認しました。2023年以降、「フードデリバリー 使用者責任」「業務委託 使用者責任」「ギグワーカー 使用者責任」はいずれも0件です(2026年9月25日実測)。委員会での質疑も含めて、この論点は空白でした。
2. 先例の答弁が、どこで逃げていたか
アシストは答弁を「答えていない型」で数えます。先例の答弁書(889字)はこうでした。
| 趣旨不明の型 | 2回 「御指摘の〇〇の意味するところが必ずしも明らかではないが」 |
|---|---|
| 個別事案の型 | 1回 「個別の事案に応じ」 |
質問548字に対して答弁889字。長く書かれていても、問いの中心には答えていません。原因は問いの側にもあります。「労働者性判断、交通安全の確保、社会保険制度への影響等の諸課題」とまとめて聞いたため、「意味するところが明らかではない」と返す余地を残しました。
3. 逃げられない書き方に直して起案した
やったことは3つです。
| 条文で固定する | 「責任」ではなく「民法第七百十五条第一項にいう『使用』」と書く。解釈の幅を条文の語に限定します |
|---|---|
| 過去答弁を引く | 日付と発言者を明示して引用する。政府が既に述べたことなので「意味するところが明らかではない」と言えません |
| 1問1点にする | まとめて聞かない。5つに分け、それぞれ答えの形(見解・理由・条文・有無)を指定します |
4. 起案した質問主意書(例)
これは提出されたものではありません。道具の使い方を示すために当社が書いた例です。
質問主意書は国会議員が議長に提出し、議長の承認を経て内閣に転送されます。内閣は原則として受け取った日から7日以内に答弁書を閣議決定して返します(国会法第七十四条・第七十五条)。答弁書は公式記録として残るため、「現行法で足りる」と出れば法改正の議論は根拠を失い、「立法措置が必要」と出れば請願や地方議会の意見書に進む足がかりになります。
よくある質問
これは製品が自動で書いたものですか?
いいえ。質問主意書アシストは文章を作りません。過去の質問と政府の答弁の原文、そして答えていない型を並べるだけです。上の文面は、その出力を見たうえで人が書いたものです。
実際に提出されたものですか?
いいえ。道具の使い方を示すために当社が起案した例です。質問主意書は国会議員だけが提出できます(国会法第七十四条)。
なぜ条文番号と答弁の日付ばかり書いているのですか?
政府答弁で最も多い逃げ方が「御指摘の〇〇の意味するところが必ずしも明らかではないが」だからです。先例の答弁でもこの型が2回使われていました。抽象的な語で聞くとここで止まります。条文番号と、日付つきの過去答弁で範囲を固定すると、この型が使いにくくなります。
この論点は本当にまだ聞かれていないのですか?
当社が収録している2023年10月20日以降の質問主意書2,167件を検索したところ、「使用者責任」を含むものは1件のみで、内容は別の団体に関するものでした。国会会議録検索システムでも、2023年以降の「フードデリバリー 使用者責任」「業務委託 使用者責任」は0件です(2026年9月25日実測)。
この道具について
衆参の質問主意書と政府答弁書を、本文の中までことばで引けるようにしたものです。同じ論点で過去に誰が何を聞き、政府が何と答え、どこが「お答えすることは困難」とされたかを1画面に並べます。要約も論評も文章の生成もしません。