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自衛隊の市ケ谷基地に関する質問
参議院 第119回 第1号
質問本文
自衛隊市ケ谷基地に関する質問主意書
防衛庁本庁を移転しようとしている自衛隊市ケ谷基地は、江戸時代の尾張藩の上屋敷があったところである。この旧尾張藩上屋敷の遺跡から遺構、遺物が大量に発見されている。
新宿区教育委員会が四月~五月に一部発掘した百カ所の試掘坑の約九割から遺構五百九十二基、遺物六千六百十点が発掘されている。
このような大規模な遺跡は、新宿区だけでは対応できないため、東京都教育庁で発掘調査することになっている。東京都教育庁の発掘調査が実施されればさらに貴重な遺物が出てくることが予想される。これまで遺跡を発掘してきた新宿区の関係者は、この遺跡の重要性について「遺跡の残存状況がよく、その広さからいっても、江戸時代の上屋敷遺跡としては第一級といってよい」と述べている。
いま、防衛庁は、自衛隊市ケ谷基地に十九階建庁舎を含む六つの庁舎、建物の延べ面積二十二万五千三百平方メートルもの防衛庁本庁の建設を計画している。もしこの計画が実施されれば、市ケ谷基地内にある旧尾張藩上屋敷の貴重な遺跡が破壊されてしまうことは明らかである。
また、市ケ谷基地周辺の人達、区民、都民は、防衛庁本庁が移転され、いざ戦争になれば、最初の攻撃目標にもなること、また日照問題、電波障害、ヘリコプター騒音、工事の際の騒音、土砂搬出の際の公害発生等々から移転に反対している。
このような事態を踏まえて、以下質問する。
一 防衛庁は、新宿区の発掘調査及び独自のこれまでの調査で、市ケ谷基地内にどのような遺跡が、どのような規模で存在していると認識しているか。
二 東京都の行う予定の発掘調査のうち、防衛庁予算額はどのくらいか。
三 尾張藩の大規模で貴重な遺跡の確認という事態のもとで、防衛庁は移転の工事計画について、どのような再検討を考えているのか。
四 防衛庁本庁のビル建設に伴う周辺の民家への日照の影響、電波障害、工事の際の騒音公害、土砂搬出の公害の影響はどの程度のものとみているのか。また、東京都の環境影響評価条例があるが、これに基づく調査を行うのかどうか。
五 市ケ谷の新防衛庁本庁の屋上と地上にヘリポートをつくる計画があるが、このヘリポートを設置する基準はなにか。移転計画にある新設のヘリポートは、設置基準を満たしているのかどうか。
六 市ケ谷基地のヘリポートの使用回数は、六十三年度は二百四十六回(離着陸)であるが、どのようなことに使用しているのか、内容を明らかにしていただきたい。
七 すでに、新宿区議会は、防衛庁本庁の市ケ谷基地への移転計画撤回を求める意見書を採択している。今回、新宿区の調査で、旧尾張藩の遺構が大規模で、しかもかなり良く保存されたままの形で存在することが確認された以上、防衛庁は貴重な遺跡保存のため最大限の努力をすべきである。この際、防衛庁本庁の移転計画を撤回し、市ケ谷基地内の遺跡を保存し、遺跡、遺構を広く国民が見られるよう開放すべきではないか。
八 市ケ谷基地は、都心の高台にあり、都民にとって残された貴重な国有地である。いま都心は地価高騰のあおりで、都民の憩いの場所が少なくなっている。市ケ谷基地を撤去して、広く国民に開放すべきではないか。
右質問する。
政府答弁書
一について
防衛庁本庁庁舎等の移転計画(以下「移転計画」という。)に係る市ケ谷地区における埋蔵文化財の発掘調査は今後実施される予定であり、現在までのところ、東京都新宿区又は防衛庁独自による埋蔵文化財の発掘調査は実施されていない。
なお、東京都新宿区教育委員会が平成二年七月に作成した「新宿区市ケ谷本村町五-一(陸上自衛隊市ケ谷駐屯地)における埋蔵文化財存否確認調査概要報告書」によると、「百箇所の試掘坑を調査した結果、五百九十二基の遺構と六千六百十点の遺物を検出するに至った。五百九十二基の遺構は、ほとんど江戸時代に比定されるもの」とされており、また、「遺物の所属時代は各時代にわたるものの、大半は江戸時代に属するものであった。」とされている。
二について
市ケ谷地区における埋蔵文化財の発掘調査については、現在のところ、これをいつどのようなかたちで実施するか未定であり、その予算額について申し述べる段階にはない。
三について
移転計画は、市ケ谷地区における埋蔵文化財の発掘調査により、当初の予定より遅延することは避け難いものと考えているが、防衛庁としては、可能な限り早期に移転計画を完了できるよう努めてまいる所存である。
四について
移転計画のうち市ケ谷地区に係るものについては、東京都環境影響評価条例(昭和五十五年十月二十日東京都条例第九十六号)の対象事業には該当しないが、防衛庁としては現在自主的に実施中の同地区に係る環境調査の結果を踏まえ、関係法令を遵守の上本計画を実施してまいる所存である。
五について
市ケ谷地区におけるヘリコプターの離着陸場は、自衛隊法(昭和二十九年法律第百六十五号)上の飛行場として計画しているものではないが、その構造等について、同法上の飛行場の設置に関する基準も参考とし、これを設置する予定である。
六について
昭和六十三年度においては、防衛庁長官等の輸送に使用した。
七について
市ケ谷地区における埋蔵文化財の取扱いについては、関係法令に従うとともに、関係地方公共団体と十分調整の上、適切に対処することとしているが、移転計画のうち同地区に係るものについては、発掘調査を実施しつつ推進してまいる所存である。
八について
市ケ谷地区は防衛施設として重要な施設であり、引き続き使用していく考えである。
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件名と質問本文の冒頭の意味が近いものを、前もって計算しておいた表から近い順に8件並べました(multilingual-e5-large)。同じ言葉を使っていなくても出ます。論点が少しずれていることもあります。