Kurage 質問主意書アシスト

ことばで探す › 参議院 第164回

イレッサの副作用被害問題に関する質問主意書

参議院 第164回 第52号承知していない ×1

提出者
参議院
提出日
2006年4月27日
内閣転送 2006年5月8日
答弁書受領日
2006年5月12日
提出から15日
答弁の項目数
8
質問 1,742字/答弁 1,991字

質問本文

イレッサは、英国アストラゼネカ社が製造する手術不能又は再発非小細胞肺癌に使用されている抗悪性腫瘍剤(抗がん剤)ゲフィチニブの販売名である。アストラゼネカ社の日本法人であるアストラゼネカ株式会社が平成十四年一月二十五日に医薬品輸入承認申請を行い、優先審査の対象とされたことから、わずか五か月後の同年七月五日に世界で初めて承認され、同月十六日より販売が開始された。ところが、販売開始から三か月後の同年十月十五日までに、間質性肺炎等肺障害発症例二十六例(うち死亡十三例)が報告され、同日、間質性肺炎について警告する緊急安全性情報が発出された。その後も間質性肺炎の被害は止まらず、平成十七年四月二十二日現在で間質性肺炎等肺障害発症例千五百五十五例(うち死亡六百七例)、平成十八年三月末日現在で同症例千六百三十一例(うち死亡六百四十三例)もの報告がなされている。

一方、ゲフィチニブの有効性の指標となる延命効果については、延命効果を確認する第Ⅲ相臨床試験(INTACT1・2、ISEL、SWOG0023)の結果が相次いで報告されたが、平成十四年八月に報告されたINTACT1・2、平成十六年十二月に報告されたISEL、平成十七年五月に報告されたSWOG0023の中間解析のいずれにおいても、ゲフィチニブに有意な延命効果は認められなかった。以上の結果を受け、英国アストラゼネカ社は、平成十七年一月四日にEU公衆医薬品審査庁への承認申請を取り下げた。また、米国食品医薬品局(FDA)は、平成十七年六月十七日にゲフィチニブの新規使用を原則禁止とした。

これに対し、我が国では依然ゲフィチニブの使用が継続されている。平成十七年五月にSWOG0023試験に関する研究発表がなされた際にも、厚生労働省は、ゲフィチニブの使用継続を前提に、製薬企業に対しこの研究発表を医療関係者に情報提供するよう指導するとともに、日本肺癌学会に対し「ゲフィチニブ使用に関するガイドライン」改訂の必要性について検討を依頼することを発表した。

以上の事実関係を踏まえ、ゲフィチニブによる被害の実態を明らかにし、ゲフィチニブ又は他の抗がん剤による同様の被害を防止する観点から、以下質問する。

一 ゲフィチニブによる副作用被害について、平成十八年三月末日現在で報告のある間質性肺炎等肺障害発症例数及び死亡例数が公表されたが、累積使用患者数については公表されていない。被害の実態を明らかにするため、同日時点でのゲフィチニブの累積使用患者数を明らかにされたい。

二 政府は、ゲフィチニブが六百人を超す副作用被害死亡例を出した原因をどのように考えているのか、具体的に明らかにされたい。

三 政府は、これまでのゲフィチニブによる副作用被害の実態を踏まえ、ゲフィチニブによる副作用被害を今後出さないために、現段階までにどのような対策を講じ、また、今後講じる予定でいるのか、具体的に示されたい。

四 多数の副作用による被害が生じている上、諸外国で使用されなくなったゲフィチニブを、なぜ我が国では継続して使用しているのか、明確に示されたい。

五 抗がん剤について、使用患者総数に対してどのような著効例がどの程度の割合認められた場合に有効性があると判断しているのか。また、どの程度の割合の死亡例が報告された場合に安全性が欠如すると判断しているのか。有効性及び安全性の評価基準を具体的に明らかにされたい。

六 抗がん剤について、どのような副作用被害がどの程度の割合発生したときに、その承認を取り消したり使用の中止を命じたりすることとしているのか。その基準を具体的に明らかにされたい。

七 平成十七年五月にSWOG0023試験に関する研究発表がなされた際の厚生労働省の対応は、この試験について米国の国立がん研究所のホームページから入手できる資料以外に、詳細な情報を入手して検討した結果であるのか。そうであれば、いつ、いかなる方法で、どのような情報を入手したのか。

八 政府は、我が国で承認審査中若しくは使用中の医薬品に関する海外での臨床試験結果等の情報収集について、遺漏なきようにするためにどのような体制で臨んでいるのかを明らかにされたい。

右質問する。

参議院の原文・経過

政府答弁書

一について

お尋ねの平成十八年三月末日時点のゲフィチニブの累積使用患者数については、把握していない。

二について

厚生労働省に報告されているゲフィチニブ使用後の間質性肺炎等による死亡例が六百例以上となっていることについての原因は明らかではない。

三について

厚生労働省がこれまでに講じてきたゲフィチニブに係る主な安全対策は、次のとおりである。

平成十四年十月、本剤の使用により間質性肺炎等が発現することがあるので、胸部X線検査を行うこと等を添付文書の警告欄に記載すること、緊急安全性情報を配布すること等をアストラゼネカ株式会社に指示した。

同年十二月、少なくとも使用開始後四週間は入院又はそれに準ずる管理下で、間質性肺炎等の重篤な副作用発現に関する観察を十分に行うこと等を添付文書の警告欄に記載すること等を同社に指示した。

平成十五年四月、本剤による治療を開始するに当たり、特発性肺線維症等の合併の有無を確認し、これらの合併症を有する患者に使用する場合には特に注意すること等を添付文書の警告欄に記載すること等を同社に指示した。

平成十六年九月、特に全身状態の悪い患者ほど、間質性肺炎等の発現率及び死亡率が上昇する傾向があること等を添付文書の警告欄に記載すること等を同社に指示した。

平成十七年三月、本剤を使用する際は、日本肺癌学会のゲフィチニブ使用に関するガイドライン等の最新の情報を参考にすることを添付文書の重要な基本的注意欄に記載すること、間質性肺炎等の発症原因の解明や回避方法の策定等に向けて努力し、その進捗について定期的に厚生労働省に報告すること等を同社に指示した。

厚生労働省としては、今後とも、アストラゼネカ株式会社からの報告やゲフィチニブに関して得られた知見について、薬事・食品衛生審議会に報告するとともに、同審議会における議論等を踏まえ、必要な安全対策を講じてまいりたい。

四について

ゲフィチニブの使用については、平成十七年三月、医学、薬学等の専門家等からなるゲフィチニブ検討会において、ゲフィチニブの使用の継続を前提に、国及び企業は、ゲフィチニブに関する従来の安全対策を引き続き実施するとともに、その適正使用の推進等の措置を講じることが適当であるとされたところであり、厚生労働省としては、当該検討会における検討の結果やアストラゼネカ株式会社からの報告等についての薬事・食品衛生審議会における議論等を踏まえ、必要な安全対策を講じてきているところである。

五について

一般に、抗がん剤の有効性については、腫瘍縮小効果、延命効果等を指標として、また、抗がん剤の安全性については、国際的に認知されている基準に沿って判断される有害事象の内容及び重症度を基に、それぞれ、がんの発生部位、その種類、その進行度等様々な要素を考慮した上で、個別具体の事例に即し専門的かつ総合的に判断している。したがって、使用患者総数に対して一定の著効例が一定程度の割合認められた場合に有効性があると判断しておらず、また、一定程度の割合の死亡例が報告された場合に安全性が欠如すると判断していない。

六について

厚生労働省においては、抗がん剤の有効性及び安全性については、一般に、がんの発生部位、その種類、その進行度等様々な要素を考慮して、個別具体の事例に即し専門的かつ総合的に判断しており、あらかじめ一定の種類の副作用が一定の割合で生じた場合にその承認を取り消したり販売等の一時停止を命じたりすることを定めているものではない。

七について

平成十七年五月十五日、厚生労働省においては、御指摘の研究発表がなされた米国がん治療学会に出席した我が国の肺がん治療の専門家から、当該研究発表の内容を聴取するとともに、同学会のホームページに掲載された当該研究発表の資料を入手し、所要の対応を行ったところである。

八について

薬事法(昭和三十五年法律第百四十五号)第八十条の二第六項及び薬事法施行規則(昭和三十六年厚生省令第一号)第二百七十三条の規定により、治験の依頼をした者等は、重大な疾病が発生するおそれがあること等を示す海外での研究報告等を知ったときは、その旨を厚生労働大臣に報告しなければならないこととされている。

また、同法第七十七条の四の二第一項及び同規則第二百五十三条第一項の規定により、医薬品の製造販売業者等は、重大な疾病が発生するおそれがあること等を示す海外での研究報告等を知ったときは、その旨を厚生労働大臣に報告しなければならないこととされている。

さらに、厚生労働省においては、独立行政法人医薬品医療機器総合機構と連携し、一定の学術雑誌等を対象に、海外での臨床試験結果等を含む必要な安全性等に関する情報について収集する等、必要な安全性等に関する情報を収集する体制を整備しているところである。

参議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

承知していない ×1

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

似た質問主意書

件名と質問本文の冒頭の意味が近いものを、前もって計算しておいた表から近い順に8件並べました(multilingual-e5-large)。同じ言葉を使っていなくても出ます。論点が少しずれていることもあります。

提出 2007年5月22日 小池晃 答弁 2007年6月1日
参議院 第166回 第42号お答えすることは困難 ×3
提出 2009年4月16日 小池 晃 答弁 2009年4月24日
参議院 第171回 第135号お答えすることは困難 ×2
提出 2008年6月19日 小池晃 答弁 2008年6月24日
参議院 第169回 第176号お答えすることは困難 ×2
提出 2005年2月8日 小池 晃 答弁 2005年2月15日
参議院 第162回 第2号お答えすることは困難 ×1
提出 2008年10月2日 平岡 秀夫(民主党・無所属クラブ) 答弁 2008年10月10日
衆議院 第170回 第61号
提出 2008年3月12日 平岡 秀夫(民主党・無所属クラブ) 答弁 2008年3月21日
衆議院 第169回 第166号
提出 2009年7月17日 川田 龍平 答弁 2009年7月24日
参議院 第171回 第248号

この論点で次の質問を書くなら

アシストで並べる