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歯科疾患総合指導料における文書による情報提供の「義務化」に関する質問主意書

参議院 第165回 第31号

提出者
参議院
提出日
2006年12月8日
内閣転送 2006年12月13日
答弁書受領日
2006年12月19日
提出から11日
答弁の項目数
6
質問 1,193字/答弁 1,557字

質問本文

本年四月診療報酬の改定が行われ、歯科においては歯科疾患総合指導料が新設され、説明内容を文書により情報提供するという歯科診療における総合的指導管理に関する評価がされることになった。これにより歯科医師は文書を書くことに診療時間の多くを割かれ、歯科医師の負担が増大することとなり、患者のためにもなっていない状況である。実際、この文書による情報提供の見直しを求める声が多数上がっている。

私がこれにつき、平成十八年十月二十六日参議院厚生労働委員会において質疑を行った際に、政府は、「本当にこの指導管理が必要のない方であれば、当然これは文書も必要ありませんし指導管理料もないということになる」と答弁しているものの、趣旨が明確ではなかったことから、以下の点について質問する。

一 厚生労働省のホームページ上にある中央社会保険医療協議会総会(第八十五回)配付資料の「平成十八年度診療報酬改定における主要改定項目について(案)」の百五ページでは、「患者に対し行った病状、治療計画、指導内容等を文書により患者に情報提供することを算定要件とするとともに評価の見直しを図る項目」との記載がある。これは、歯科疾患総合指導料が算定されるためには文書を書くことが義務であることを意味するが、文書による情報提供を義務付けた理由及び文書を使わずに歯科医師による口頭での説明では足りないと厚生労働省が判断した理由について、それぞれ明らかにされたい。

二 文書による情報提供を算定要件としたことによる患者のメリットについて示されたい。

三 歯科医師が歯科疾患総合指導料を得るために、患者一人当たりに文書を書くことに費やす平均時間をどの程度と想定したのか。また、一日に歯科医師が診察できる患者数が平均どの程度増減すると想定したのか。それぞれ明らかにされたい。

四 歯科医師が文書による情報提供が必要であると判断したにもかかわらず、患者が文書に署名することを拒否した場合、あるいは、歯科医師が文書による情報提供が必要ないと判断したにもかかわらず、患者が文書による情報提供を要求した場合、それぞれにおいて歯科疾患総合指導料、歯科疾患総合指導料を除いた診療行為に係る保険請求が算定されるのか明らかにされたい。

五 仮にすべての患者が文書による情報提供を求めない場合、又は情報提供に必要な書面への署名を拒否した場合について、直近の数値とその前年度とを比較して、歯科医師の収入は何パーセント低下するのか示されたい。

六 平成十八年診療報酬点数改定で歯科に関する部分はマイナス一・五パーセントということであったが、歯科医師の何パーセントが文書による情報提供を行うと想定し、保険点数を決めたのか明らかにされたい。

七 平成十八年診療報酬点数改定で、歯科医師の平均年間収入は何パーセント増減すると想定したのか明らかにされたい。

右質問する。

参議院の原文・経過

政府答弁書

一について

平成十八年度の歯科診療報酬改定(以下「十八年度改定」という。)においては、かかりつけ歯科医初診料を廃止し、その算定対象としていた歯科診療行為について、歯科初診料と歯科疾患総合指導料に区分して評価することとしたところであるが、歯科疾患総合指導料は、患者への情報提供を推進する観点から、病名、症状、治療内容及び治療期間等に関する一連の治療計画に基づき患者に対し総合的な指導を行った上で、当該指導内容に係る情報を文書により患者に提供することについて、歯科診療報酬上の評価を行うものである。歯科疾患総合指導料の算定については、患者自身による療養管理が不可欠であるという歯科疾患の特性を踏まえると、患者に対する情報提供は、患者自身が療養管理を行うために分かりやすいことが重要であることから、歯科医師の口頭による説明のみでは不十分であると考え、患者に対する指導内容に係る情報の文書による提供(以下「文書提供」という。)をその要件としたものである。なお従前のかかりつけ歯科医初診料においても、既に文書提供はその算定要件となっていたところであり、また、日本歯科医学会が平成十七年二月に行った「歯科診療における患者満足度調査」(以下「患者満足度調査」という。)においては、指導内容の情報提供が「非常に分かりやすかった」と答えた患者の割合が、指導内容が書かれた用紙を受領した場合においては四十四・五パーセントである一方で当該用紙を受領しなかった場合においては二十六・四パーセントであった。

二について

歯科疾患総合指導料の算定要件とされている文書提供は、患者自身による効果的な療養管理及び歯科診療の内容に対する患者の理解の促進、歯科診療に係る患者の選択等に資するという長所があると考えている。

三について

十八年度改定の議論においては、文書提供を伴う歯科診療行為のプロセス全体に要する時間について、日本歯科医学会が平成十六年十一月に行った「歯科診療行為(外来)のタイムスタディー調査」の結果を基に、患者一人当たりおおむね四分から十分程度と想定していたところである。

また、一についてで述べたとおり、従来のかかりつけ歯科医初診料においても、既に文書提供をその算定要件としており、文書提供を伴う歯科診療行為のプロセス全体に要する時間には変化がないと考えられたため、平成十八年度改定の議論においては、お尋ねの患者数の変化について想定しなかったところである。

四について

歯科医師が文書提供を必要であると判断した場合であって患者が文書に署名することを拒否した場合については、歯科疾患総合指導料の算定要件である患者の同意を得ていないと考えられるため、歯科疾患総合指導料は算定できない。また、歯科医師が文書提供は必要ないと判断した場合であって患者が文書提供を要求した場合についても、そもそも歯科医師が文書提供は必要ないと判断した時点で、当該患者に対する文書提供に係る保険診療は不必要であると判断したと考えられるため、歯科疾患総合指導料は算定できない。一方、歯科疾患総合指導料以外の歯科診療報酬については、それぞれの算定要件を満たしていれば算定できる。

五及び七について

歯科診療報酬改定については、個々の改定項目が個々の歯科医師の診療行為に対して与える影響は様々であることから、これらの影響により全体としての歯科医師の収入がどのように変化するかを推計することは困難であり、お尋ねの点についてお答えすることはできない。

六について

十八年度改定の議論においては、お尋ねの歯科医師の割合ではなく、調査対象の約九割の医療機関が文書提供を行っていたという患者満足度調査の結果を基に、約九割の医療機関が文書提供を行うと想定していたところである。

参議院の原文

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