ことばで探す › 参議院 第170回
平成二十年十月七日衆議院予算委員会における内閣法制局長官答弁に関する質問主意書
参議院 第170回 第130号
質問本文
一 平成二十年十月七日衆議院予算委員会において、憲法の定める政教分離の原則に関する一般的な考え方についてのやりとりがあった後、オウム真理教の教祖を党首とした真理党を例に挙げつつ、「真理党が大きな多数を占めて権力を握って、政治権力を使ってオウムの教えを広めようとした場合…憲法二十条の政教分離の原則に反するか」といった事実関係を仮定しての菅直人議員の質問に対して、内閣法制局長官は、「まさに宗教団体が統治的権力を行使するということに当た」り、「違憲になる」と答えている。
このような事実関係を仮定しての質問に対して、内閣法制局長官が法令を当てはめて答弁したことは不適当であり、また、答弁内容も、特定の宗教団体が支援する政党に所属する者が国政を担当するに至った場合に憲法二十条第一項後段に違反することになるというような誤解を与え、従来の政府見解を変更したかとも受け取られかねない誤ったものである。
事実関係を仮定しての質問に対して、内閣法制局長官が答弁したこの部分は、撤回すべきではないか。
二 特定の宗教団体が支援する政党に所属する者が公職に就任して国政を担当することは憲法二十条第一項後段に違反するか否かについて、内閣法制局の一般的な憲法解釈はどのようになるか。
三 前記一の委員会において、内閣法制局長官は、憲法の定める政教分離の原則に関する従来の政府の見解を縷々答弁し、その後、真理党を例に挙げつつ行われた事実関係を仮定しての質問に対して法令を当てはめて答弁をしている。
麻生総理は、これらのやりとりの後、「法制局長官が答弁をされたのが基本的な考え方だと私も思う」と答弁しているが、この麻生総理の答弁の趣旨を改めて伺う。
右質問する。
政府答弁書
一について
御指摘の内閣法制局長官の答弁は、仮に、宗教団体が国又は地方公共団体に独占されている統治的権力の一部を授けられてこれを行使した場合には、当該宗教団体が統治的権力を行使するということに当たり違憲となるという趣旨のものであり、憲法の定める政教分離の原則に関する従来の政府の見解を変更する趣旨のものではない。
しかし、事実関係を仮定しての質問に対して法令を当てはめて答弁した御指摘の部分については、憲法第二十条第一項後段に関し、誤解を与え、従来の政府の見解を変更したとも受け取られかねないものとなっていることは御指摘のとおりであり、内閣法制局として、撤回させていただきたい。
二について
憲法第二十条第一項後段の規定は、宗教団体が国又は地方公共団体から統治的権力の一部を授けられてこれを行使することを禁止している趣旨であって、特定の宗教団体が支援する政党に所属する者が公職に就任して国政を担当するに至ったとしても、当該宗教団体と国政を担当することとなった者とは法律的に別個の存在であり、宗教団体が「政治上の権力」を行使していることにはならないから、憲法第二十条第一項後段違反の問題は生じないと解してきているところである。
三について
内閣法制局長官は、御指摘のとおり、憲法の定める政教分離の原則に関する従来の政府の見解を答弁しており、お尋ねの麻生内閣総理大臣の答弁は、この従来の政府の見解を述べた内閣法制局長官の答弁の内容が「基本的な考え方」である旨を述べたものである。
似た質問主意書
件名と質問本文の冒頭の意味が近いものを、前もって計算しておいた表から近い順に8件並べました(multilingual-e5-large)。同じ言葉を使っていなくても出ます。論点が少しずれていることもあります。