ことばで探す › 参議院 第171回
第二次軍転特措法に関する質問主意書
参議院 第171回 第48号趣旨が明らかではない ×1検討してまいりたい ×1
質問本文
米軍再編で日米合意された沖縄の米海兵隊のグアム移転は、二〇〇九年度予算において日本側の経費負担が三百四十六億円計上され、その着実な実施に向け踏み出す一方、グアム移転に係る日米の新たな協定も締結される運びとなっている。しかし、政府は、米軍再編に伴い合意された嘉手納飛行場以南の米軍基地の返還に対しては、その返還が目前に迫っているにもかかわらず、返還基地が抱える有害物質等による土壌汚染や米軍が遺棄した不発弾、火薬類の調査、原状回復と地権者の補償等、返還基地対策において明らかに遅れをとり、その着実な実施が危ぶまれる。
沖縄県の各自治体、特に米軍基地を抱える嘉手納町、北谷町、沖縄市、宜野湾市などの首長が参加した沖縄の「基地と行政」を考える大学人の会が昨年七月に主催したシンポジウムでは、現行の「沖縄県における駐留軍用地の返還に伴う特別措置に関する法律」(以下、「軍転特措法」という)が二〇一二年三月三十一日をもって失効することから第二次の軍転特措法の制定を求めて、参加者決議が行われた。昨年十月には、この「責任ある返還対策を国・県に求める決議」(以下、「第二次軍転特措法決議」という)が首長らにより沖縄防衛局や外務省沖縄事務所に手交されている。
同決議において最も重視されているのは米軍基地がもたらした有害物質による土壌汚染等の環境対策であり、沖縄に関する特別行動委員会(SACO)合意で返還されたキャンプ桑江の跡地の浄化作業等が軍転特措法の給付金の交付期限三年と、沖縄振興特措法の特定跡地給付金の交付期間一年半を要しても終了せず、跡地利用が始まらない厳しい現状を指摘している。
現行の軍転特措法は、駐留軍用地及び駐留軍用地跡地が広範かつ大規模に存在する沖縄県の特殊事情にかんがみ、駐留軍用地の返還に伴う特別の措置を講じ、もって沖縄県の均衡ある発展並びに住民の生活の安定及び福祉の向上に資することを目的としており、目前に迫った嘉手納飛行場以南の米軍基地の返還においても軍転特措法の趣旨を生かし、かつ拡充した早期の第二次軍転特措法の制定が求められる。よって以下、質問する。
一 第二次軍転特措法の制定に対する政府の見解を示されたい。
二 返還実施計画において、沖縄県における駐留軍用地の返還に伴う特別措置に関する法律施行令第二条(返還実施計画に定める事項)第二号のイからニに掲げる事項について、国が調査を行っているのであれば、時系列で示し、それぞれ調査期間、調査内容、基地名(施設及び区域)、予算額を明らかにされたい。
三 現行の軍転特措法の第八条の給付金について年度ごとに返還基地名(施設及び区域)と、地権者等給付金の対象者人数、給付金の額を明らかにされたい。
四 第二次軍転特措法決議においては、政府に対し左記の三点を提起しているが、政府の見解を示されたい。
1 有害物質等による土壌汚染地域の特定を容易にするための基地使用履歴書情報の米軍からの情報提供
2 返還前の時点での米軍基地内土壌汚染調査、埋蔵文化財調査の日本政府による実施と米軍による受け入れ
3 返還基地の調査、原状回復期間をカバーするに足る給付金の日本政府による地権者への支給
右質問する。
政府答弁書
一について
沖縄県における駐留軍用地の返還に伴う特別措置に関する法律(平成七年法律第百二号。以下「法」という。)は、平成二十四年三月三十一日限り、その効力を失うこととされているが、その後の取扱いについては、関係各方面の意見を聴きながら、今後検討してまいりたい。
二について
沖縄県における駐留軍用地の返還に伴う特別措置に関する法律施行令(平成七年政令第二百五十二号)第二条第二号イからニまでに掲げる事項につき国が調査を行う必要があると認めたものについて、米軍施設及び区域ごとに、調査期間、調査内容及び予算額をお示しすると次のとおりである。
陸軍貯油施設 平成十五年五月から同年八月まで 土壌汚染調査 約三千百万円
瀬名波通信施設 平成十八年十一月から平成十九年五月まで 土壌汚染調査 約三千百万円
読谷補助飛行場 平成十九年一月から同年三月まで 土壌汚染調査 約二千四百万円
楚辺通信所 平成十九年一月から同年三月まで 土壌汚染調査 約三千三百万円
三について
法第八条第一項に基づき国が支給した給付金について、年度ごとに、返還された米軍施設及び区域の名称、土地所有者の数、給付金の額をお示しすると次のとおりである。
平成八年度 恩納通信所、キャンプ・マクトリアス、嘉手納飛行場及びキャンプ瑞慶覧 五十二人 約千四百万円
平成九年度 キャンプ・シュワブ、キャンプ・ハンセン、恩納通信所、キャンプ・マクトリアス、嘉手納飛行場、キャンプ瑞慶覧、普天間飛行場及び陸軍貯油施設 百五十七人 約五千百万円
平成十年度 キャンプ・シュワブ、キャンプ・ハンセン、恩納通信所、キャンプ・マクトリアス、嘉手納飛行場、キャンプ瑞慶覧、普天間飛行場及び陸軍貯油施設 五百三十一人 約一億七千四百万円
平成十一年度 安波訓練場、キャンプ・シュワブ、キャンプ・ハンセン、嘉手納弾薬庫地区、キャンプ瑞慶覧、ホワイト・ビーチ地区、普天間飛行場及び陸軍貯油施設 三百七十五人 約二億三千九百万円
平成十二年度 安波訓練場、瀬名波通信施設、嘉手納弾薬庫地区、トリイ通信施設、キャンプ瑞慶覧、ホワイト・ビーチ地区及び普天間飛行場 三百三十五人 約二億九千万円
平成十三年度 安波訓練場、瀬名波通信施設、嘉手納弾薬庫地区、トリイ通信施設、ホワイト・ビーチ地区、那覇港湾施設及び陸軍貯油施設 三百十五人 約二億九千万円
平成十四年度 キャンプ・ハンセン、瀬名波通信施設、嘉手納弾薬庫地区、トリイ通信施設及び牧港補給地区 八十人 約千二百万円
平成十五年度 キャンプ・ハンセン、トリイ通信施設及び牧港補給地区 三人 約百万円
平成十六年度 キャンプ・ハンセン及び牧港補給地区 二人 約十六万円
平成十七年度 キャンプ桑江及び陸軍貯油施設 三百六十八人 約二億二千五百万円
平成十八年度 キャンプ桑江及び陸軍貯油施設 三百三十八人 約四億五千八百万円
平成十九年度 瀬名波通信施設、嘉手納弾薬庫地区、楚辺通信所、読谷補助飛行場及びキャンプ瑞慶覧千三十一人 約三億九千九百万円
四の1について
お尋ねの「基地使用履歴書情報」が具体的に何を指すのか必ずしも明らかではないが、沖縄県における米軍施設及び区域の返還に当たっては、国が米側等から、当該米軍施設及び区域の土地使用の実績に関する資料等を収集しているところである。
四の2について
米軍施設及び区域内において生じた土壌汚染については、日米合同委員会の下にある環境分科委員会等の枠組みを通じて対処している。
米軍施設及び区域内に埋蔵されている文化財については、既に米軍の同意の下に、地方公共団体がその有無を確認するための調査を行っており、国は当該調査に対する補助を行っている。また、国は、地方公共団体から当該調査を行うために米軍施設及び区域への立入りの申請があるときは、従前と同様、今後とも米側との間で調整を行ってまいりたい。
四の3について
米軍施設及び区域の返還後、国が原状回復措置を行うため、返還される土地を土地所有者等に引き渡すことができない期間においては、返還前に支払っていた賃借料に相当する額を補償している。
また、返還後、土地所有者等が引き続き当該土地を使用せず、かつ、収益していないときは、返還後三年を超えない期間内で法第八条第一項に規定する給付金を支給している。
さらに、当該土地が沖縄振興特別措置法(平成十四年法律第十四号)第九十八条第一項に規定する大規模跡地に指定され、返還後引き続き三年を超えて、土地所有者等が当該土地を使用せず、かつ、収益していないときは、返還後三年を経過した日から政令で定める期間を限度として同法第百三条第一項に規定する大規模跡地給付金を支給することとし、また、当該土地が同法第百一条第一項に規定する特定跡地に指定され、返還後引き続き三年を超えて、土地所有者等が当該土地を使用せず、かつ、収益していないときは、返還後三年を経過した日から政令で定める期間を限度として同法第百四条第一項に規定する特定跡地給付金を支給している。
なお、当該土地の土地所有者等への引渡し後に米軍の使用に起因する土壌汚染等が発見された場合には、国の責任において当該土壌汚染等の除去等の措置を講じている。
似た質問主意書
件名と質問本文の冒頭の意味が近いものを、前もって計算しておいた表から近い順に8件並べました(multilingual-e5-large)。同じ言葉を使っていなくても出ます。論点が少しずれていることもあります。