ことばで探す › 参議院 第195回
三十五歳から四十歳代の就職氷河期世代の生活実態に関する質問主意書
参議院 第195回 第40号お答えすることは困難 ×5趣旨が明らかではない ×3
質問本文
いわゆる就職氷河期世代は、一般に働き盛り、子育て世代と言われる三十五歳から四十歳代にさしかかり、現役世代の中軸として社会を支え、牽引する役割が期待されている。しかし、バブル崩壊後の社会経済情勢の影響等により、就職氷河期世代における様々なひずみが顕在化している。
こうした観点から、以下、質問する。
一 「平成二十九年版厚生労働白書」(厚生労働省)によれば、三十五歳から四十四歳の男性一般労働者の所定内給与は減少傾向にあり、他の年齢層と比してここ十年間の減少傾向が強い。また、世帯主が三十歳代及び四十歳代の世帯では、ここ二十年間で世帯総所得三百万円未満の低所得世帯割合が増加し、所得分布が全体的に低い方へシフトしている。さらに、世帯主が四十歳代の世帯(二人以上世帯)では、ここ二十年間で住宅保有率は減少傾向にあるにもかかわらず、金融資産額が大きく減少している。これらの原因についてどう考えるか。
二 独立行政法人労働政策研究・研修機構が「平成二十八年賃金構造基本統計調査」(厚生労働省)を元に作成した資料によれば、男性一般労働者の所定内給与の賃金カーブは、年齢階級、勤続年数階級いずれにおいてもここ二十年間で上昇が緩やかになり、賃金が上がりにくい状況にある。特に、四十歳代、勤続二十年から二十九年の層で一九九五年調査とのかい離が大きい。また、一九九〇年と比較した二〇一五年の大学・大学院卒の労働者に占める課長の比率は、三十歳代後半が十三・四%から七・二%へ、四十歳代前半が三十二・三%から十七・八%へと大きく低下し、ピークが四十歳代後半にずれている。これらの原因についてどう考えるか。
三 「平成二十九年版労働経済の分析」(厚生労働省)によれば、三十五歳から四十四歳の男性の就業率は平成五年以降低下傾向で推移しており、平成二十八年はリーマン・ショック前の平成十九年と比較して〇・七%のマイナスと、各年齢層の中で最も減少幅が大きくなっている。この原因についてどう考えるか。
四 「平成二十八年賃金構造基本統計調査」(厚生労働省)で平成二十四年と平成二十八年を比べると、短時間労働者の一時間当たり賃金は全体として上昇傾向にある中で、三十五歳から四十四歳の男性短時間労働者の一時間当たり賃金は、減少している。この原因についてどう考えるか。
五 「平成二十八年度過労死等の労災補償状況」(厚生労働省)によれば、脳・心臓疾患の労災補償を年齢層別に見ると、四十歳代の請求件数は対前年度四十一件増の二百三十九件と、他の年齢層の件数の推移と比して急増している。また、精神障害の労災補償を年齢別に見ると、四十歳代は請求件数五百四十二件(全年齢層の三十四・二%)、支給決定件数百四十四件(全年齢層の二十八・九%)といずれも最も多くなっている。これらの原因についてどう考えるか。
六 「平成二十八年度我が国における過労死等の概要及び政府が過労死等のために講じた施策の状況」(厚生労働省)によれば、月末一週間の就業時間が六十時間以上の就業者の割合は、三十歳代、四十歳代の男性で高いが、平成二十七年以降は両者の割合が逆転し、四十歳代の男性が最も高くなっている。この原因についてどう考えるか。
七 「労働力調査(詳細集計、平成二十八年平均)」(総務省)によれば、三十五歳から四十四歳及び四十五歳から五十四歳の非正規職員・従業員である男性が非正規雇用労働者である理由として正規の職員・従業員の仕事がないことを挙げた割合は約四割であり、他の年齢層と比べても「不本意非正規」の割合が高い。この原因についてどう考えるか。
八 「労働力調査」(総務省)によれば、非労働力人口のうち家事も通学もしていない無業者の数は、三十四歳以下の若年層では平成十四年に急増して以降ほぼ横ばいで推移しているが、三十歳代後半では平成二十年まで増加傾向にあり以降は横ばいが続き、四十歳代では平成二十年代前半においてもなお増加傾向が続いた。この原因についてどう考えるか。
九 「親と同居の未婚者の最近の状況(二〇一六年)」(総務省統計研修所)によれば、二〇一六年における親と同居の壮年未婚者(三十五歳から四十四歳)は二百八十八万人であり、その完全失業率は八%を超え、高い水準で推移している。さらに、このうち基礎的生活条件を親に依存している可能性のある者(完全失業者、無就業・無就学者及び臨時雇・日雇者)は五十二万人もいるとされている。こうした状況をどう認識し、どのような対策を講じていく考えか。
十 「長期高年齢化したひきこもり者とその家族への効果的な支援及び長期高年齢化に至るプロセス調査・研究事業報告書」(KHJ全国ひきこもり家族会連合会・厚生労働省平成二十八年度社会福祉推進事業)によれば、ひきこもりが高齢・長期化し、四十歳以上のひきこもりが多数存在することが自治体等による各種調査で明らかになったとされている。こうした実態をどう認識し、どのような対策を講じていく考えか。
十一 「若者の生活に関する調査報告書(平成二十八年九月)」(内閣府)におけるひきこもりに関する実態調査の対象は満十五歳から満三十九歳までに限定され、満四十歳以上は調査の対象からはずされている。満四十歳以上も対象としたひきこもりに関する実態調査を早急に行うべきではないか。
十二 ひきこもりに特化した専門相談窓口であるひきこもり地域支援センターについて、センターによっては相談の対象者をおおむね四十歳までに限定しているところがあるとの指摘があるが、こうした実態をどう把握、認識しているか。また、前記十の報告書では、「本人や家族が自立相談支援の窓口の利用以前に利用した相談機関や窓口」としてひきこもり地域支援センターを挙げたのは、全年齢で九・九%、四十歳代以上ではわずか二・〇%に過ぎず、「実際の相談ケースに関して、連携を行った相談機関や窓口」としてひきこもり地域支援センターを挙げたのも全年齢で六・六%、四十歳代以上では二・六%と極めて低調である。これについてどう認識しているか。
十三 「生活困窮者自立支援制度の自立相談支援機関における支援実績の分析による支援手法向上に向けた調査研究事業報告書」(みずほ情報総研・厚生労働省平成二十八年度社会福祉推進事業)によれば、平成二十七年四月から平成二十八年十二月の新規相談者のうち四十歳代が全体の二割を占め、他の年齢層の中で最も多い。この原因についてどう考えるか。
十四 就職氷河期世代の実態把握と雇用対策に関する質問(第百九十回国会質問第一四七号)に対する答弁書(内閣参質一九〇第一四七号。以下「答弁書」という。)では、四十歳代前半の者も支援の対象として「わかものハローワーク」等を設置している旨答弁しているが、わかものハローワークが四十歳代前半層も対象としていることについての周知はほとんど進んでおらず、また、地域によっては対象年齢を三十四歳以下等に限定しているところがある。こうした実態をどう認識しているか。三十五歳以上の職業紹介、正職員化に特化した窓口を設置する必要があるのではないか。
十五 答弁書では、地域若者サポートステーション(サポステ)の対象年齢を四十歳代前半まで引き上げることについて、①四十歳代前半の無業者の実態や、②これらの者に対するサポステにおける職業的自立に向けた支援方法の有効性等を踏まえつつ、検討してまいりたいと答弁しているが、検討状況如何。また、①及び②についてどう認識しているか。
十六 政府は、我が国の社会保障制度を全世代型に改革し、「人づくり革命」を行うとしているが、その観点から、三十歳代後半及び四十歳代の世代への支援をどう講じていく考えか。中でも、同世代でありながら、政府等が実施する子育て世代に対する支援のような恩恵を受けることができない、子どものいない非正規雇用労働者や無業の者に対する支援方策を問う。
右質問する。
政府答弁書
一について
平成二十九年版厚生労働白書では、二千年代以降の三十歳代及び四十歳代の男性一般労働者の所定内給与額の減少については「バブル崩壊後の採用抑制と賃金制度の見直しによる影響の可能性」が考えられる旨を、世帯主が三十歳代及び四十歳代の世帯における世帯総所得三百万円未満の世帯割合の増加については「三世代世帯割合の減少」、「単独世帯割合の増加」等による旨をそれぞれ記述している。なお、御指摘の「住宅保有率は減少傾向にあるにもかかわらず、金融資産額が大きく減少している」の意味するところが必ずしも明らかではないが、世帯主が四十歳代以下の二人以上世帯における金融資産額の減少については、平成二十九年版厚生労働白書では、「住宅・土地購入による負債が増加した」ことによる旨を記述している。
二について
御指摘の「資料」が具体的に何を指すのか必ずしも明らかではないため、お尋ねについて一概にお答えすることは困難であるが、御指摘の「男性一般労働者の所定内給与の賃金カーブは、年齢階級、勤続年数階級いずれにおいてもここ二十年間で上昇が緩やかになり、賃金が上がりにくい状況」については、バブル崩壊後の賃金制度の見直しにより、年功的な賃金カーブが抑制された影響が現在まで続いていることが可能性のある要因の一つとして考えられ、また、御指摘の「大学・大学院卒の労働者に占める課長の比率は、三十歳代後半が十三・四%から七・二%へ、四十歳代前半が三十二・三%から十七・八%へと大きく低下し、ピークが四十歳代後半にずれている」ことについては、男性の就業者のうち四十歳以上のものの割合が増加していることが可能性のある要因の一つとして考えられる。
三及び八について
お尋ねについては、様々な要因が考えられることから、一概にお答えすることは困難であるが、いわゆる就職氷河期に学校を卒業し就職の時期を迎えたと考えられる者のうち、雇用環境等により安定した就職に至らなかったものが、就労に困難を抱えたまま加齢したことが、可能性のある要因の一つとして考えられる。
四から六までについて
お尋ねについては、様々な要因が考えられることから、一概にお答えすることは困難である。
七について
お尋ねについては、様々な要因が考えられることから、一概にお答えすることは困難であるが、いわゆる就職氷河期に就職活動を余儀なくされて非正規雇用労働者となった者の多くが、現在においても、非正規雇用労働者であることが、可能性のある要因の一つとして考えられる。
九について
御指摘の「親と同居の未婚者の最近の状況(二○一六年)」において、平成二十八年の「親と同居の壮年未婚者(三十五歳から四十四歳)」の完全失業率が八パーセントを超えていること及び当該「壮年未婚者」のうち「基礎的生活条件を親に依存している可能性のある者」が平成二十八年において五十二万人いることが指摘されていることは承知しており、こうした「壮年未婚者」のうちの「基礎的生活条件を親に依存している可能性のある者」のニーズに応じた安定した雇用の確保が重要であると認識している。このため、政府としては、当該者が安定した職業に就くことができるよう、「わかものハローワーク」等を設置し、就職支援ナビゲーターによるきめ細かな職業相談・職業紹介等を実施しており、今後とも、こうした施策に取り組んでまいりたい。
十について
御指摘の「自治体等による各種調査」の結果において四十歳代以上の「ひきこもり」の状態にある者の存在が指摘されていることは承知しており、こうした者については、必要な支援を受けられるようにしていくことが重要であると認識している。このため、都道府県等に設置された専門相談窓口である「ひきこもり地域支援センター」での相談支援等を通じた支援を行ってまいりたい。
十一について
お尋ねの「満四十歳以上も対象としたひきこもりに関する実態調査」の意味するところが必ずしも明らかではないが、内閣府においては、平成三十年度概算要求において、満四十歳以上の者を対象とした「ひきこもり」に関する調査を実施するための費用を計上しているところである。
十二について
一部の都道府県において、「ひきこもり地域支援センター」の相談支援対象者をおおむね四十歳までとしているが、その場合であっても、四十歳以上の者から相談があった際には、適切な対応を講じているものと承知している。
また、「ひきこもり」の状態にある者やその家族が利用できる相談支援機関としては、「ひきこもり地域支援センター」のほか、生活困窮者自立支援制度による相談支援窓口等があり、関係機関が連携して対応していく必要があると考えている。
十三について
御指摘の報告書によれば、生活困窮者自立支援制度の自立相談支援機関における新規相談者の特性として、年齢の区分にかかわらず、「経済的困窮」、「就職活動困難」、「病気」、「家族関係・家族の問題」、「住まい不安定」等といった多岐にわたる課題を複数抱えている状況にあることから、お尋ねについて一概にお答えすることは困難である。
十四について
お尋ねの「わかものハローワーク」等については、一労働局を除き、おおむね四十五歳未満の者を対象としており、当該対象年齢については周知を図っているところである。また、お尋ねの「三十五歳以上の職業紹介、正職員化」については、いわゆる就職氷河期世代を含むフリーター等に対する正規雇用化に向けた就職支援の必要性が特に高い地域において「わかものハローワーク」等を設置しているほか、これ以外の地域でもハローワークにおいて利用者のニーズを踏まえた就職支援を行っており、こうした現行の窓口を活用し、対応してまいりたい。
十五について
お尋ねの地域若者サポートステーション(以下「サポステ」という。)の対象年齢の引上げについて、厚生労働省としては、平成三十年度概算要求において、いわゆる就職氷河期世代に該当する四十歳代前半の無業者を対象に、これまでのサポステ事業のノウハウを活用した就職支援を十か所のサポステでモデル的に実施し、御指摘の「四十歳代前半の無業者の実態」の把握や、御指摘の「これらの者に対するサポステにおける職業的自立に向けた支援方法の有効性等」についての検証を行うための費用を計上しているところである。
十六について
政府としては、「人づくり革命」を断行し、我が国の社会保障制度を子供・若者から高齢者まで誰もが安心できる「全世代型の社会保障」へ大きく転換していくこととしている。このため、「新しい経済政策パッケージ」(平成二十九年十二月八日閣議決定)では、お尋ねの「三十歳代後半及び四十歳代の世代への支援」にも資するものとして、幼児教育の無償化、待機児童の解消、高等教育の無償化等を盛り込んだところであり、当該パッケージに基づきこうした施策を講じていく。
また、お尋ねの「政府等が実施する子育て世代に対する支援のような恩恵を受けることができない、子どものいない非正規雇用労働者や無業の者に対する支援」については、「働き方改革実行計画」(平成二十九年三月二十八日働き方改革実現会議決定)等に基づき、三十五歳を超えて離転職を繰り返すフリーター等に対し、同一労働同一賃金制度の施行を通じて処遇改善を図るとともに、個々の対象者の職務経歴、職業能力等に応じた集中的な就職支援等による正社員化に取り組んでまいりたい。
似た質問主意書
件名と質問本文の冒頭の意味が近いものを、前もって計算しておいた表から近い順に8件並べました(multilingual-e5-large)。同じ言葉を使っていなくても出ます。論点が少しずれていることもあります。