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国家安全保障戦略における「積極的平和主義」、「国際協調主義」の意味に関する質問主意書

参議院 第198回 第89号

提出者
参議院
提出日
2019年6月26日
内閣転送 2019年6月26日
答弁書受領日
2019年7月5日
提出から9日
答弁の項目数
2
質問 1,023字/答弁 961字

質問本文

一 国家安全保障戦略(平成二十五年十二月十七日国家安全保障会議決定、閣議決定)に記載されている「積極的平和主義」の意味について分かりやすく説明されたい。

二 憲法の定める平和主義とは何であるかを示した上で、当該平和主義と国家安全保障戦略に記載されている「積極的平和主義」がどのような関係にあるのか、すなわち、同趣旨なのか、同趣旨でないなら何がどう異なるのか等について、論理的に説明されたい。

三 国家安全保障戦略において「平和主義」という文言が一言もない理由について述べられたい。国家安全保障戦略において「平和主義」という文言が一言もないことは、平和主義を基本原則とする我が国の国家戦略として不適切ではないか。安倍政権は憲法の定める平和主義を否定しようとして、国家安全保障戦略に「平和主義」という文言を記載していないのではないか。

四 国家安全保障戦略における、「他方、現在、我が国を取り巻く安全保障環境が一層厳しさを増していることや、我が国が複雑かつ重大な国家安全保障上の課題に直面していることに鑑みれば、国際協調主義の観点からも、より積極的な対応が不可欠となっている。我が国の平和と安全は我が国一国では確保できず、国際社会もまた、我が国がその国力にふさわしい形で、国際社会の平和と安定のため一層積極的な役割を果たすことを期待している。」、「これらを踏まえ、我が国は、今後の安全保障環境の下で、平和国家としての歩みを引き続き堅持し、また、国際政治経済の主要プレーヤーとして、国際協調主義に基づく積極的平和主義の立場から、我が国の安全及びアジア太平洋地域の平和と安定を実現しつつ、国際社会の平和と安定及び繁栄の確保にこれまで以上に積極的に寄与していく。このことこそが、我が国が掲げるべき国家安全保障の基本理念である。」及び「これらの国益を守り、国際社会において我が国に見合った責任を果たすため、国際協調主義に基づく積極的平和主義を我が国の国家安全保障の基本理念として、以下の国家安全保障の目標の達成を図る。」などの記述に示されている「国際協調主義」の意味について分かりやすく説明されたい。

五 憲法の定める国際協調主義とは何であるかを示した上で、当該国際協調主義と国家安全保障戦略に記載されている「国際協調主義」がどのような関係にあるのか、すなわち、同趣旨なのか、同趣旨でないなら何がどう異なるのか等について、論理的に説明されたい。

右質問する。

参議院の原文・経過

政府答弁書

一、二、四及び五について

憲法の基本原則の一つである平和主義については、憲法前文第一段における「日本国民は、・・・政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し」の部分並びに憲法前文第二段における「日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであつて、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。」及び「われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。」の部分がその立場に立つことを宣明したものであり、憲法第九条がその理念を具体化した規定であると解している。

また、国際協調主義については、憲法前文第二段及び第三段がその立場に立つことを宣明したものであり、憲法第九十八条第二項が我が国が締結した条約及び確立された国際法規の遵守義務を規定しているのも、その現れの一つであると解している。

国家安全保障戦略(平成二十五年十二月十七日閣議決定)においては、こうした憲法の基本原則に示された理念を当然の前提として、国際社会の中で我が国の進むべき針路を定める観点から、国家安全保障の基本理念として、「国際協調主義に基づく積極的平和主義」を掲げているものである。すなわち、同戦略においては、「平和国家としての歩みを引き続き堅持し、また、国際政治経済の主要プレーヤーとして、国際協調主義に基づく積極的平和主義の立場から、我が国の安全及びアジア太平洋地域の平和と安定を実現しつつ、国際社会の平和と安定及び繁栄の確保にこれまで以上に積極的に寄与していく」としており、「国際協調主義に基づく積極的平和主義」の下での具体的な取組には、国際社会における人権擁護の潮流の拡大への貢献や、貧困削減、国際保健、教育、水等の分野における取組の強化なども含まれているところである。

三について

国家安全保障戦略における国際協調主義に基づく積極的平和主義については、一、二、四及び五についてで述べたとおり、平和主義等の憲法の基本原則に示された理念を当然の前提としたものであり、「憲法の定める平和主義を否定しようとして、国家安全保障戦略に「平和主義」という文言を記載していない」等の御指摘は当たらない。

参議院の原文

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