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検察庁法改正案が東京高等検察庁検事長の勤務延長の解釈変更と因果関係的にも法的に一体である「黒川法案」というべき法の支配を破壊する暴挙であることに関する質問主意書

参議院 第201回 第183号

提出者
参議院
提出日
2020年6月17日
内閣転送 2020年6月17日
答弁書受領日
2020年6月30日
提出から13日
答弁の項目数
6
質問 1,472字/答弁 1,403字

質問本文

一 政府が今国会に提出した国家公務員法等の一部を改正する法律案のうち検察庁法の一部改正部分(以下「検察庁法改正案」という。)について、昨年の段階で、内閣法制局の担当部長(第二部長)の審査が終了したのはいつか。また、その際には検察官の役降り特例、勤務延長の条文は存在していたか。

二 法務省は「法務省においては、検察庁法の改正を含む法律案の提出に至らず、本年の通常国会への提出までに時間ができたことから、令和元年十二月頃から、改めて、法律案において、勤務延長制度や再任用制度をどのように取り扱うかを考える前提として、現行の国家公務員法と検察庁法との関係を検討していた。すなわち、検察官に勤務延長は適用されないとの従前の解釈を維持するのが果たして妥当かという観点に立ち戻って、検討・作業等を行った。」との見解を示しているが、内閣法制局の担当部長の審査が終了し、内閣法制局長官に審査資料が届けられている法律案について、その法律案にはない勤務延長制度や再任用制度について、「時間ができたことから、令和元年十二月頃から、改めて、法律案において、勤務延長制度や再任用制度をどのように取り扱うかを考える前提として、現行の国家公務員法と検察庁法との関係を検討していた。」などと主張するのは、余りにも見え透いた虚偽を語るものであり、検察官出身の幹部官僚らの所業として情けなさ過ぎるものではないか。また、虚偽を語るにしても、なぜ、もう少しまともな嘘を付けないのかについて政府の見解を示されたい。

三 「すなわち、検察官に勤務延長は適用されないとの従前の解釈を維持するのが果たして妥当かという観点に立ち戻って、検討・作業等を行った。」との見解について、なぜ、昨年の担当部長の法案審査が終了するまでにこうした観点に立ち戻って検討・作業等を行うことができなかったのか、その理由について具体的に示されたい。

四 省庁が内閣法制局の担当部長審査を終了し長官審査に入っている法律案について内閣法制局に告げることもなく、当該法律案では措置されていない政策を実施するためにそれに係る新規の条文案を検討し、法律案の変更を求めるなど前代未聞の事件であり、検察庁法改正案に措置された検察官の勤務延長に係る条文は、黒川東京高等検察庁検事長のための解釈変更と後付けで整合性を取るための立法事実なき暴挙ではないか。政府の見解を示されたい。

五 検察庁法改正案は、「定年により退職するという規範そのものは、検察官であっても一般法たる国家公務員法によっているというべきである」との旨の法令解釈に基づき作成されているものと理解してよいか。

六 検察庁法改正案において、検察官にも勤務延長が適用されるという解釈に基づいて設けられている条文と制度(附則における現行法で勤務延長した者の法律施行後の扱い、検察庁法二十二条の国家公務員法の読み替えで措置している勤務延長制度などが該当すると思料するところではある)を示されたい。

七 検察庁法改正案は検察官に勤務延長制度が適用できるという違法無効な解釈に基づくものであり、かつ、立法事実のない勤務延長制度等を措置したものであり、これを国会で審議し、法律として成立させることは、我が国の法の支配の破壊となるのではないか。政府の見解を示されたい。

八 政府は、検察庁法改正案は法律として成立させる必要があるものと考えているのか。政府において、今後の国会において検察庁法改正案を撤回する意思はないか。また、検察庁法改正案の審議を求めない意思はないか。

右質問する。

参議院の原文・経過

政府答弁書

一について

検察官の定年引上げ等を内容とする検察庁法(昭和二十二年法律第六十一号)の改正案(以下「検察庁法改正案」という。)については、令和元年十月末頃、その当時の案文について、内閣法制局第二部長の審査を終了したものであるところ、当該案文には御指摘の「検察官の役降り特例、勤務延長」に関する規定は設けられていなかった。

二から四までについて

検察庁法改正案について、令和元年十月末頃以降にその内容を変更したのは、本年四月二日の参議院法務委員会において、森法務大臣が「法務省においては、検察官の定年引上げに関する法律案策定の過程において、昨年十月末頃時点では、退官や異動により補充すべきポストが一斉に生じるおそれがあるか否かという視点のみから検討し、検察官については勤務延長及び役職定年の特例に相当する規定を設けなくとも公務の運営に著しい支障が生じるなどの問題が生じることは考え難いと結論付けておりました。しかしながら、検察庁法の改正を含む法律案の提出に至りませんでした。本年の通常国会の提出までに時間ができたことから、昨年十二月頃から担当者において改めて検討作業等を行ったものでございます。その際、検察官に勤務延長は適用されないとの従前の解釈を維持するのが妥当かどうかという観点に立ち戻って法務省において検討を行った結果、昭和五十六年当時と比べ、社会経済情勢は大きく変化し、多様化、複雑化しており、これに伴い犯罪の性質も複雑困難化している中、検察官においても、業務の性質上、退職等による担当者の交代が当該業務の継続的遂行に重大な障害を生ずることが一般の国家公務員と同様にあると考えて、昨年十月末頃時点の考え方とは別の視点から、検察官にも国家公務員法上の勤務延長制度の適用があるとの見解に至ったものでございます。」と答弁したとおりであり、適正に行われたものである。

五について

御指摘の法律案は、検察官は、検察庁法第二十二条及び国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)第八十一条の二第一項の規定に基づき定年により退官(退職)しているとの理解に基づき立案したものである。

六について

検察官に国家公務員法第八十一条の三の規定が適用されるという解釈に基づいて立案した条文としては、第二百一回国会に提出した国家公務員法等の一部を改正する法律案(以下「国公法等改正法案」という。)第四条の規定による改正後の検察庁法第二十二条第二項や国公法等改正法案附則第三条第七項等がある。

七について

一般職の国家公務員の定年制度の導入等を内容とする国家公務員法の一部を改正する法律(昭和五十六年法律第七十七号)が制定された昭和五十六年当時と比べ、社会経済情勢は複雑多様化し、それに伴い、犯罪情勢も複雑困難化するなど、検察官を取り巻く情勢は大きく変化しており、検察官についても、特定の職員に定年後も引き続きその職務を担当させることが公務遂行上必要な場合があるという考えに基づき、検察官にも国家公務員法第八十一条の三の規定が適用されるとの解釈を適正に行い、そのような解釈を前提に、国公法等改正法案を立案し、国会に提出したものであり、このことが「我が国の法の支配の破壊となる」との御指摘は当たらない。

八について

国公法等改正法案は、第二百一回国会で廃案となったところであり、今後の対応については、政府部内で検討を行ってまいりたい。

参議院の原文

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