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フッ素の安全性に関する質問主意書

衆議院 第102回 第11号お答えすることは困難 ×1承知していない ×17

提出者
衆議院
提出日
1984年12月21日
内閣転送 1985年1月9日
答弁書受領日
1985年3月1日
提出から70日
答弁の項目数
89
質問 15,569字/答弁 10,376字

質問本文

衆議院議長 ※(注)永健司 殿

フッ素の安全性に関する質問主意書

政府は、歯科保健対策の推進という名目で、虫歯の根本的予防策として五歳児幼若永久歯へのフッ化物塗布の試行的実施が三十五万都市八ヵ所において千三百万円の予算で行うとしている。

フッ化物塗布を含めてフッ素の虫歯予防への応用には、その安全性や効果に関し賛否両論があり、その取扱いには慎重を期さねばならない。

従つて、次の事項について質問する。

一 安全性や効果について

1 フッ素塗布事業の総責任は厚生省のどこにあり、更に実施に当たつての現場責任が保健所にあるのか、あるいは委託された歯科医師会又は歯科医師にあるのかを明確にされたい。

2 フッ素塗布に際しては、強制あるいは任意であるのか。

特に、フッ素塗布が保護者の意向を無視して子供に強制的に実施される危険性はないのか。

3 任意で保護者の同意書を得て実施した場合、副作用等についての政府の責任を明確にされたい。

4 副作用等のモニターシステムをどのように行い、かつモニターのための第三者機関を設置するつもりがあるか明らかにされたい。

5 フッ素塗布の疫学的効果をみるための追跡調査をどのような方法で行うつもりか明らかにされたい。

6 試行的実施であるので、今後の長期計画、今回の概要を明示すると同時にフッ素塗布対象者五千名の選定方法を明確にされたい。

7 厚生省は虫歯の原因をどのように考えているのか。また虫歯予防にはフッ素が最適であると判断しているのか明確にされたい。

二 フッ素の水質基準等について

1 我が国及び世界の主な国におけるフッ素の水質基準はどのように規定されているのか、示されたい。

2 虫歯予防のためのフッ素応用は、フッ素の過剰摂取を防ぎ、なおかつフッ素による虫歯予防効果を期待するものであるが、次のような疑問がある。

�@ 日本人はフッ素の一日摂取量として何mgを許容量としているのか、年齢に応じた許容量を示されたい。

�A 現在日本人は何mgのフッ素を毎日摂取しているのか、年齢に応じた摂取量を示されたい。

�B フッ素応用によつて何mgのフッ素を摂取することになるのか、フッ素塗布、フッ素洗口、フッ素入り歯みがき剤からそれぞれ何mgのフッ素を余分に摂取するようになるのか示されたい。

�C 日常生活で摂取するフッ素量とフッ素応用によつての摂取量にはそれぞれ幅があるが、フッ素摂取量を合計して何mgまで安全な摂取量と考えられるのか示されたい。

�D フッ素化合物は無機フッ素化合物と有機フッ素化合物とに分けられるが、現在までの測定方法では主として無機フッ素化合物のみの測定しか行われず、その結果に基づく研究の成果としてフッ素の総摂取量等の推定も行われてきたと聞くが、有機フッ素化合物に関しどのように考えているのか示されたい。

3 我が国では、水道水のフッ素濃度に関する水質基準について〇・八PPMと定められているが、

�@ 〇・八PPMの水質基準に決定された根拠となる研究、論文を明示されたい。

�A 〇・八PPMのフッ素濃度とは、フッ素の慢性中毒症状の一つである斑状歯が発症する濃度であるか否か、もし斑状歯が発症するとしたら何%の子供に出るのか示されたい。

�B 諸外国では、フッ素に関する研究の進展によつて水質基準を見直した例は有るのか無いのか、示されたい。

�C 国は〇・八PPMの水質基準を見直すつもりはないか。

4 飲料水のフッ素濃度と地域住民の斑状歯保有者率(判定基準の明確なもの)との関係について、

�@ 我が国でそのような調査をまとめた報告がある場合、アメリカのディーンらの同様の報告と比較してどのような違いがあるか、示されたい。

�A 前記日米の比較が可能であつたとき、その違いの根拠は何であるか示されたい。

5 京都市山科地区で京都大学美濃口教授の指導のもとに十一年間にわたつて水道水フッ素化をしたことがあつたが、

�@ フッ素濃度はどのくらいだつたか、九年目の口腔衛生学会の調査成績及び十一年目の美濃口教授の調査成績はどうであつたか、示されたい。

�A 以上の成績から見て、我が国の現行水質基準の健康に対する安全性についてどう考えるか、示されたい。

6 最近、中華人民共和国広州市において、十八年間にわたる水道水フッ素化を健康被害の発生のために中止したことに関する論文が発表されているが、

�@ 水道水フッ素化の濃度はどのくらいであつたか、発生した健康被害は何であつたか、そのような事態の発生した原因は何であつたと考えられるか、示されたい。

�A 以上の事実から考えて、我が国の現状水質基準の健康に対する安全性についてどう考えるか、示されたい。

7 我が国の水道水中のフッ素濃度について

�@ それは年間何回測定されているか、それはどのくらいの濃度がどのくらいの頻度で存在しているか、示されたい。

�A 各地域の住民は、その水道水のフッ素濃度についての測定データをどのようにすれば知ることができるか、示されたい。

8 骨中のフッ素濃度は年齢とともに増加していくといわれるが、我が国でそれを調査したデータがあるか。特に飲料水中のフッ素濃度と関係付けて調査したものがあるか。あるならそれを示されたい。

三 虫歯予防に使用するフッ化物の法律上の取扱いについて

1 米・国立労働安全衛生研究所編「化学物質毒性データ総覧」(一九七六)によれば、ラットにおける五〇%致死量は青酸ナトリウム六・四mg/kg(メルク・インデックスでは一五mg)であるのに対し、フッ化ナトリウムは一八〇mg/kgであり、フッ化ナトリウムの毒性はかなり強く、かつ最低致死量はヒト七五、マウス九七、イヌ及びウサギ一〇〇mg/kgとほとんど種差に関係せず、体重比で決まるとされている。

一方、骨フッ素症の家畜の骨からフッ化クエン酸が検出されたという報告もあり、最近のフッ化ナトリウム投与ラットでの観察所見に、これと符合するかのように生命現象にとつて最も基本的なエネルギー生産をつかさどる肝臓のTCAサイクル(クエン酸サイクル)の阻害をうかがわせるものが見られる。

以上の諸事実から考えるとき、フッ化物はいかなる目的といえども人体に適用してはならない毒物であるというべきであるという意見があるが、国のこれに対する見解と、その根拠を示されたい。

2 フッ素塗布に当たつて、口腔内に残留し体内に取り込まれるフッ素の害作用(腎機能障害のある者での排泄障害など)の存在を考慮するとき、腎機能検査を含む全身の診察を行わないで歯科医師がフッ素塗布を行うことは、医師法第二十条に規定されている無診察治療等の禁止に該当するものと考えられるが、政府の見解はどうか、示されたい。

四 フッ化物の歯面塗布について

1 昭和四十一年医発第五三七号の二厚生省医務局長名の「フッ化物歯面塗布実施要領について」なる通知について

�@ 当時、フッ化物塗布が有効と判断した根拠は何か、示されたい。

�A 当時、フッ素塗布を無効とする報告はなかつたか。あつたならそれらを示されたい。

�B 右記�@、�A両論があつた場合、特に�@を採用した根拠は何か示されたい。

2 前記「実施要領」において、一歳児、二歳児、三歳児に対する塗布の実施を規定していることについて

�@ 諸外国でこのような低年齢児に塗布を行つた報告が当時及び最近において見られているか否か、示されたい。

�A �@において低年齢児塗布の報告が見られない場合、その理由は何であると考えるか、示されたい。

�B 六歳以下の児童に実施すべきではないという見解を表明している報告を示されたい。

3 歯面塗布に用いられる薬液について

その薬品名は何か、それは医薬品であるのか。取扱い上の区分(普通薬、劇薬、毒薬又はそれに相当するもの)はどれに相当するか、示されたい。

4 昭和五十二年十月に開催された第二十六回日本口腔衛生学会のシンポジウム「広い視野からみたフッ素の諸問題」において、当時の厚生省医務局歯科衛生課能美課長は、これまでにフッ化物の塗布を受けた一〜十五歳未満の児童の数はおよそ四十四万人に達していると報告しているが、塗布の有効度及び塗布に伴う害作用についての調査を行つた成績があるか。また、前記時点以後の塗布状況及びその有効度並びに害作用についての調査結果があるなら示されたい。

5 昭和四十六年一月以降、中央薬事審議会医薬品再評価特別部会において、昭和四十二年九月以前に承認された医薬品の再評価が行われているが、虫歯予防のためのフッ化物歯面塗布について行われているならその状況を、行われていないならその理由を明らかにされたい。

6 何らかの形で経口摂取されたフッ化物の生体に及ぼす作用について

次の諸点について検討したなら、その見解を示されたい。

�@ 腸壁において、重要な栄養成分の吸収に及ぼす影響について、特にカルシウムの吸収の影響について

�A 体内に吸収された後、生理的に重要な科学物質との結合について。特に、フッ化酢酸を生成して肝臓でエネルギー生成を行うTCAサイクルを阻害する可能性について(発育、成長の阻害として現れる)

�B 染色体に各種の障害を与える可能性について

�C 骨の発育に及ぼす影響について

�D 腎臓の排泄機能に及ぼす影響について

7 フッ化物塗布の実施について

�@ フッ素塗布を実施する場合、口腔内に残存するフッ素量はどのくらいか、年齢別に示されたい。

�A 塗布後の血中フッ素濃度は時間的にどのような経過をたどるか、又はたどると推定されるか、示されたい。

�B 塗布前後の尿中フッ素及び尿中排泄量はどのように変動するか。それは年齢によつてどう変わるか、示されたい。

�C 腎機能の低下している児童とそうでない児童とで、塗布前後の尿中フッ素排泄量に差は見られないか、示されたい。

�D 塗布後、口内炎、歯肉炎などが訴えられることはないか。あるとすれば、それはフッ化物による刺激との関係はどうか、示されたい。

8 フッ化物塗布の有効性について

�@ 二重目かくし(二重盲検)のもとでの対照試験によつてフッ素塗布の効果を検討した報告があるか。あるなら国内及び国外の調査結果を示されたい。

�A 前記の調査結果がある場合、フッ化物塗布の虫歯予防効果はどのくらいのものか、示されたい。

�B 厚生省は保健所等を通してこれまで数十万人の児童にフッ化物塗布を行つたというが、その有効性について追跡調査を行つたことがあるか。あるならその調査結果を示されたい。

�C フッ化物塗布の虫歯予防効果は、塗布後何年くらいの持続性を有するかについて検討されたデータがあるか。あるなら調査結果を示されたい。(年齢階層別人員数とともに示されたい。)

9 フッ化物塗布の害作用について

�@ 塗布の反復によつて塗布性歯牙フッ素症が生ずる危険性について検討したことがあるか。あるなら、その結果を示されたい。

�A 乳歯期にフッ化物塗布を受けた児童の永久歯に、線状白斑その他の異常が見られないかどうかを検討したことがあるか。あるなら、その結果を示されたい。

�B フッ化物塗布を受けている児童の発育状態を、塗布を受けていない児童のそれと比較検討したことがあるか。あるなら、その結果を示されたい。

10 フッ化物歯面塗布とフッ素入り歯みがき剤の使用を比較し、その有効性と害作用において、特にフッ素塗布が有効と考えられる点があるか。あるなら、その根拠を示されたい。

五 フッ素入り歯みがき剤の使用について

1 フッ素入り歯みがき剤について

�@ 使用されているフッ化物の科学名及びその濃度はどのくらいか示されたい。

�A 一回の使用量中のフッ素の量はどのくらいか示されたい。

2 フッ素入り歯みがき剤の害作用・有効性について

�@ 一回の使用において、歯みがき剤中のフッ素はどのくらい口腔内に残存するか。年齢別に検討した内外の報告があるなら示されたい。

�A フッ素入り歯みがき剤の使用に年齢制限や腎機能障害のある者あるいは妊娠中、授乳婦などについて使用制限を設けている国はあるか。あるなら、その国名と、その理由を示されたい。

�B フッ素入り歯みがき剤を使用した場合、使用した妊婦の胎児に及ぼす影響、使用した授乳婦の乳児に及ぼす影響、腎機能障害のある者における排泄障害について検討した報告があるなら、その結果を示されたい。

�C 我が国において前項のような者について使用制限を設ける考えはないのか見解を示されたい。

�D フッ素入り歯みがき剤の使用による虫歯の予防効果を、二重目かくし(二重盲検)法のもとでの対照試験によつて検討した報告はあるか。あるなら、その結果を示されたい。

�E 前記の報告がある場合、その虫歯予防効果はどの程度のものか示されたい。

�F フッ素入り歯みがき剤について、「フッ素配合」と標示することを義務付ける考えはないか。ないならその根拠を示されたい。

六 最近の虫歯保有率の動向について

1 近年、我が国の三歳児検診において虫歯保有率の低下と重症度の軽減が見られていると報道されているが、右の事実を招来した原因は何であると考えられるか示されたい。

2 静岡県新居町では、松本歯科大学の指導のもとに地域住民の口腔衛生知識向上に努め、十年間に学童の虫歯保有者率を二・五分の一に減少させたと報告されているが、

�@ この事実を知つているか。

�A 知つている場合、ここで有効であつた方法は主として何であつたと考えられるか示されたい。

3 以上のほかに地域住民の虫歯保有者率の低下に成功した事例について調査したことがあるか。あるなら、その結果から特に有効と考えられるのはどのような方法であつたか示されたい。

4 虫歯の発生には、砂糖の含有率の高いジュース類、プリン、菓子などの消費が関係しているといわれるが、これらの菓子、清涼飲料水等の氾濫について、厚生省はどのような対策を行つてきたか、示されたい。

5 虫歯の発生予防には、食後の口腔清掃が重要であるといわれるが、この点について学校給食の献立及び食後の湯茶の提供などについてどのように配慮しているか、示されたい。

七 フッ化物による洗口及び新潟県における実施について

1 新潟県教育委員会は、市町村教育委員会教育長にあてた「通知」において「フッ素洗口法は、……副作用等の安全性にも問題はない……」と、小学校、保育所等に周知、助成措置を受けられるよう指導を指示している。

政府の「フッ素洗口」に対する見解並びに、新潟県教育委員会の「副作用等の安全性にも問題はない」とする判断に対する見解を示されたい。

2 新潟県教育委員会教育長は、フッ素洗口に伴い作成する「歯の検査(管理)票」を、学校保健法施行規則第六条で定める「歯の検査票」として取り扱うことを通知している。

�@ 政府は、学校保健法施行規則第六条で定める「歯の検査票」以外の文書を、「歯の検査票」と同等に取り扱うことができるかどうか、政府の見解を示されたい。また、取り扱うことができるとするなら、その法的根拠を示されたい。

�A 学校保健法施行規則第六条で定める「歯の検査票」と同等に価値ある諸票として取り扱う場合(例えば、「歯の検査(管理)票」)の基準は何かを示されたい。

3 新潟県教育委員会教育長は、「この事業(フッ素洗口事業)を実施する場合、学校においては保健管理の一環として位置づけ、学校長、学校歯科医、学校薬剤師、保護者等と十分協議連絡し理解を得た上で実施すること。」と、市町村教育委員会教育長あて通知の中で述べている。

�@ フッ素洗口が各学校において実施されるとき、「保健管理の一環として位置づける」ことのできる法律的根拠を、政府の見解に基づき示されたい。

�A 新潟県教育委員会教育長がフッ素洗口が「学校においては保健管理の一環」であるとするなら、ことさら保護者との十分な協議、連絡、理解を求めなければ実施することができないのか、政府の判断と見解を示されたい。

�B 新潟県教育委員会教育長が、フッ素洗口が「学校保健管理の一環」とするなら、フッ素洗口を拒否する児童・生徒保護者は、学校保健管理上の義務違反となり、何らかの法的制裁を免れないものと思われる。その時の法的根拠と制裁内容について政府の見解を示されたい。

4 新潟県におけるフッ素洗口実施学校数は、昭和五十八年三月現在、三百二十七実施学校数、実施率一六%と報告されている。政府が把握するう蝕予防に係るフッ素利用の校種別学校数並びに人数を都道府県別に、また年度別実施状況を示されたい。

5 新潟県衛生部公衆衛生課、同民生部青少年福祉課、同教育庁保健体育課連名の冊子「昭和五九年度フッ素洗口研究協議会報告書」を昭和五十九年七月に発行している。この公的文書の中で「III、特別講演抄録」として、新潟大学歯学部文部教官筒井昭仁氏の「フッ素洗口法の安全性について」を収録している。この抄録によれば、筒井昭仁氏はフッ素洗口について「学者間で、賛否両論あると聞くが……」という設問を立て、自ら答えて「学者間で賛否両論は、ありません。」と述べている。

�@ 政府は、公的文書において掲載されている筒井昭仁氏の「賛否両論がない」見解に同意されるかどうか示されたい。もし、同意されるとするならその根拠を示されたい。

�A 公的文書において発行責任主体が何らの評価も加えず前記主張を掲載することは、同主張に発行責任主体が同意していると通常受け取られる。この件に関しての政府の見解を示されたい。

6 新潟県を始め、フッ素洗口を実施している施設に対して、また保護者に対して、フッ素洗口によるう蝕予防に賛否両論があることの情報を公平に提供されるべきと考える。

�@ 新潟県を始め、フッ素洗口を実施している施設並びに保護者に対して、いかなる情報が公平に提供・伝達されているか実態を明らかにされたい。

�A 政府は、フッ素洗口に関して、いかなる公平な情報(賛否両論を含め)が、提供されるべきと考えるか、提供されるべき具体的文書・文献名を示されたい。

7 フッ素洗口実施校の一部においては、フッ素洗口法による「フッ素うがい」を「学校行事(遠足・運動会等)や教科(国語・社会・算数・理科等)の学習と同じ学校教育であります。」また、フッ素うがいをやらない子供がいることは、望ましい教育の姿ではないと保護者に主張している。

�@ フッ素洗口法による「フッ素うがい」が、学校行事や教科と同じ学校教育であるか、政府の見解を示されたい。また、同じであるとするなら、その法的根拠を示されたい。

�A フッ素洗口によるフッ素うがいをやらない子供がいることは、望ましい教育の姿ではないとする見解に対する政府の判断を示されたい。

�B フッ素洗口によるフッ素うがいは、本来任意であり、親権に属するものと思われるが、「フッ素うがい」は、施設設置者である各自治体・法人の権限であるのか、保護者の権限にあるのか、政府の見解を示されたい。

�C 各自治体の保健行政(指導)の名のもとで、各学校長が保護者に対して、フッ素洗口法によるフッ素うがいを「全員が行うことになつております」と主張することができるか、できるとするなら法的根拠を含めて政府の見解を示されたい。

8 学校の養護教員が、フッ化ナトリウムを薬剤師・医師・歯科医師から計量してもらい、学校においてポリタンク等に調合する行為は、適法的行為かどうか、政府の見解を示されたい。

9 一般に劇薬指定された薬から普通薬を作る行為は、いかなる資格又は免許・許可された者が行うことができるのか、法的根拠を含めて政府の見解を示されたい。

10 政府は、フッ素洗口を禁止又は停止すべき児童・生徒の健康的・身体的・精神的基準を持つているか。基準を持つていないならば、その理由を示し、基準があるならば一つ一つの項目につき根拠を示されたい。

11 次記の職務命令は成立するか、成立するとすればその法的根拠を示されたい。新潟県衛生部長の通知(昭和五十六年十二月四日付け公第二一九〇号及び昭和五十七年二月六日付け公第一八〇号)に基づき、各市町村自治体が管内の学校で「フッ素洗口」実施を決定し、教育委員会(教育長)を通じ管内学校長に実施するよう文書が配布された。

�@ 校長は、フッ素利用の安全性等未解決な問題があると判断し、教育委員会(教育長)に意見具申を行うとともに、当校ではフッ素洗口を実施しないと決定した場合、職務命令違反となるか否か。

�A 校長が、教育委員会の文書に基づきフッ素洗口の実施を決定し、口頭で教職員に通知した。教諭の一人又は数人が、フッ素洗口に疑義をもち、自己の学校での実施を拒んだ。この場合、職務命令違反となるか否か。

12 新潟県衛生部公衆衛生課は、昭和五十九年一月十三日中頸城郡吉川町を経由して提出された質問に対し「フッ素の予防効果以外の好ましい副次効果を生んだことは、フッ素洗口を実施したことに起因し、これも含めてフッ素洗口の効果と呼んで良いと考えます。」と、回答を行つている。

�@ 政府は、フッ素洗口効果を判定する場合、新潟県衛生部公衆衛生課のかかる「副次効果」まで含めてフッ素洗口効果と見なし得るとの見解を支持されるか否か、示されたい。

�A 新潟県下のフッ素洗口実施校においては、いわゆる副次効果まで含めてフッ素洗口効果として一率に統計を作成し公表されているが、そのような統計上の指導を政府が行つているのか否か、示されたい。

13 政府は、「小学校・歯の保健指導の手引」(昭和五十三年七月三十一日発行)の三十三頁で「集団的にフッ素塗布、フッ化物などによるうがいを行うときは、十分に専門的な理解をもつた上で、適切な手段の下で注意深く行わなければならない」、と述べている。

�@ 「十分に専門的な理解」とは、具体的にいかなる内容を指示しているのか回答されたい。

なお、回答に当たつては、フッ素塗布、フッ化物などによるうがいのそれぞれについて、各職種(医師、歯科医師、薬剤師、養護教諭、施設の長、保母、一般教諭)並びに自治体別に具体的に示されたい。

�A 「適切な手段の下で注意深く行われなければならない」という具体的内容を示されたい。フッ素塗布、フッ化物などによるうがいを実施している自治体・施設に対し前記の点に関する指導監督上、いかなる手段をとられているのか、またいかなる文書を発行されているか示されたい。

14 日本口腔衛生学会・フッ素研究部会(委員長 堀井欣一)は、一九六九年第二十二回WHO(世界保健機構)総会の勧告文の一部を引用し、同学会誌に「う蝕予防プログラムのためのフッ化物応用に対する見解」(一九八二年)を発表している。同見解は、「WHO総会の勧告文・諸決議などを、自己のフッ化物利用の正当性の根拠の一つとし、さらに生涯を通じて有効である」と述べるに至つている。

�@ 政府の一九六九年第二十二回WHO総会勧告文全文に対する見解を示されたい。

�A 前記WHO勧告文中の、フッ素研究部会が引用・評価を避けたと思われる次記の内容に関し、政府の見解を示されたい。

第一に、フッ化物の使用をそれぞれの住民集団の総意に任せるという決議をWHO総会が採択したこと並びに内容について

第二に、WHOの事務局長に要請された ― 本質的な医学的な問題点のより深い研究の要請、全体のフッ素摂取量を問題にすべきだという指摘など ― 諸研究の推進に関する内容について

�B WHOの第二十二回総会以降、第二十八回総会(一九七五年)、第三十一回総会(一九七八年)においてフッ化物利用に関する勧告・決議並びにWHOによつて発行された専門委員会の発言があります。

第一に、各総会で採択された諸文書は、全出席国代表の全員の賛成を得たものかどうか示されたい。満場一致の賛成でないのならば、賛成、反対、棄権等の各国の態度の内容を示されたい。

第二に、専門委員会の次の文書に対する見解・認識を示されたい。

WHO Techn. Report No. 494: The Etiology and Prevention of Dental Caries. Genf 1974, ref. GWF 115(1974)

�CWHOは、飲料水フッ素化の無条件な推奨を主張していないし、フッ素研究部会の見解にみられるごとく「生涯を通じて有効である」と主張していないと考えるが、政府の見解を示されたい。

15 日本歯科医師会企画調査室は、「フッ素化に対する基本的見解」を一九七一年に発表した。

これに対し日本口腔衛生学会は、「上水道弗素化推進に関する見解についての答申書」(一九七二)において全面的支持を与えている。

政府は、この「基本的見解」「答申書」に対して、いかなる見解を保持されているか明らかにされたい。

16 中華人民共和国広州市は、広州市衛生局による調査の結果、十数年来の実験で水道水フッ素添加は多害少利という結論に基づき、水道水フッ素添加を一九八三年十月一日より禁止し、水道局は直ちにフッ素添加を停止した。

この処置に対して、日本の一部の自治体、団体、学者は、広州市行政の責任ある地位にあり医学者でもある広州市副市長陳氏の否定にもかかわらず、「技術上のミス」「フッ素濃度が高すぎたため」と、一方的主張を行つている。

�@ 政府は、前記の広州市の決定について、外交ルートを通じ正式に広州の水道水フッ素添加禁止の事実と理由を問う考えがあるか態度を明らかにされたい。なお、問い合わせの必要を認めないならば、その理由を示されたい。

�A 政府の監督、指導下にある(新潟県)自治体衛生部等が、広州市の処置に対し「技術上のミス」「フッ素濃度が高すぎたため」とする見解を掲載した文書を配布していることに、いかなる見解を持つているか示されたい。

17 フッ素洗口実施校でのフッ化ナトリウム粉末の管理は、通常有資格者が計量分包し、保健室に保管されているのが実態である。

政府は、劇薬であるフッ化ナトリウムを非資格者のみしかいない施設で常時保管されている状態について、法的に問題がないか見解を示されたい。

18 フッ素洗口に使用されているフッ化ナトリウム粉末(易水溶性)の人における服用量、致死量について、示されたい。

19 フッ素が人体にとつて必須栄養素であり、フッ素の利用が自然の法則を我々人類が見つけ出し、その自然の法則を応用したにすぎないとする学者・諸団体がある一方で、全身へのフッ素摂取量を考慮すべきであり、迷惑物質である。また、フッ化物は地球規模で監視測定すべき環境汚染物質であるとの反論もある。その主張が真つ向から対立している。

政府は、フッ素(フッ化物)が人体並びに環境にとつていかなる物質であると判断されているか示されたい。

20 フッ素の人体への有害性について、二つの相反する見解がある。

一つは、「各国別一人当たりの食糧供給量から一日フッ素摂取量を算出してみると国別の差違はほとんど認められない」として、気温の相違による水分摂取量のみを考慮し、いわゆる至適フッ素濃度を決定する見解である。今一つは、我が国の研究をみても、フッ素の有害性を肯定することができ、フッ素汚染地帯では、食品中のフッ素含有率が異なり食品そのものによつても含有率が異なつていることから、気候の相違からくる水分摂取量のみでなく、生活様式・食物の差・環境等を考慮し、人体内へ侵入する総フッ素量を考えるべきである。フッ素は人体にとつて蓄積毒とする見解であるが、政府のフッ素の人体・環境への影響についての基本的見解を示されたい。

21 フッ素利用を推進する学者・諸団体が、最終目標を水道水フッ素添加に置いていることは、政府も十分承知されていると思う。水道水にフッ化物が添加される場合、様々な問題が生じると思われるが、

�@ いわゆる至適フッ素濃度について、学者又は学会等における統一見解があるのか。政府は、至適フッ素濃度についていかなる見解を有しているのか。また、その濃度を定められているなら数値を示されたい。

�A 水道水フッ素添加は、個々の住民は好むと好まざるとを問わず飲用せざるを得ない。水を飲む習慣の相違(例えば、高熱作業に従事する人)、年齢差があつても体内フッ素摂取量に問題はないか否か。

�B 水道水フッ素添加は、人工透析を受けるような比較的重症の腎障害者に新たな問題を生じさせないか否か。

もし、腎障害者にとつて好ましくないとするなら、フッ素添加された水道水から腎障害者が自己防御するためにいかなる手段が可能か。

�C 水道水フッ素添加は、虫歯予防を目的とするものであるが、一方で住民を選択することなくフッ化物の常時服用を強要する結果を招来させます。ところで、フッ素による虫歯予防を必要としない個人(良い歯の所有者や総義歯所有者)や、フッ素供給を行つてはならない個人(腎疾患患者、過敏症者、妊婦など)が、この強要から免れるためにはどうしたらよいか。

�D 公共上水道は、公共性が著しく高いために厳しく水質基準の保持を義務付けられている。水道水フッ素添加に同意しない被供給者が、水質基準に義務付けられた水道水の供給を要求することができるか否か。

虫歯予防を目的とする水道水フッ素化と消毒を目的で行われている水道水塩素添加は、目的においても人体・環境への作用上においても異なつていると思われます。水道水フッ素添加をしようとするとき、被供給者・被供給施設の同意を個々に得る必要があるか否か。

�E 水道水フッ素添加は、公共上水道に関係する諸法律において、現行法律上可能であるか否か。可能・不可能いずれの場合も、その法的根拠を示されたい。

22 水道水フッ素添加が、いわゆる至適フッ素濃度によつてコントロールされたとしても、年齢差のある(例えば、出生時の乳児、六歳児、十二歳児)子供が、飲料水消費量を異にする中で、それぞれ正しいフッ素用量摂取を行うことができるのか、政府の見解を示されたい。

例えば、次記のような場合、明らかに水消費と特殊なフッ素摂取量との間に不一致が生じる。ある学者の見解によれば「幼児における受け入れ可能な毎日の至適濃度一歳から十五歳まで〇・〇三mg/kg、最高値は〇・〇四mg/kgにある」、また別の学者によれば「乳児には一日用量〇・二五〜〇・五mgのフッ素三歳までの子供たちには〇・五mg」という研究報告がなされている。

この研究結果に立脚すれば、水道水フッ素化によつてすらフッ素の過量摂取といえないであろうか。

政府は、「同じ地域に生活している子供達の飲水量にはほとんど同じ量になる」と主張されるであろうか、政府の見解を示されたい。

この見解を支持されるとするならば、飲水量の増大する期間・日数が、どの程度まで安全と認識されているか、科学的根拠を示されたい。

23 フッ素利用による集団において、歯牙萌出遅延、斑状歯の出現が世界各国の少なからずの研究・報告書の中に散見されるが、

�@ フッ素利用と歯牙萌出遅延と密接な関連があると政府は考えているか、考えていないのならば根拠を示されたい。

�A フッ素の影響による斑状歯の出現について、二つの見解がある。一つは、中等以上の斑状歯において、審美的に問題であるにすぎないとする見解である。一つは、斑状歯は、この唯一の症候に限定されることのない他の疾患を予告する前兆であり、物質代謝の障害の警告合図であるとする見解である。

政府は、いずれの見解又は第三の見解を有するか示されたい。

24 フッ素利用による虫歯予防の効果を主張する場合、統計の科学的な方法論と医・歯科学上の二重盲検法に基づくものでない限り、厳密な意味で効果の数値に信頼性を欠くと思わざるを得ないと考えるが、政府の見解を示されたい。

25 フッ素の障害を起こす要因として、カルシウムの摂取不足、フッ素による甲状腺腫にはヨードの摂取不足が関連していることは確実であるといわれている。そうすると日本人は、国民栄養調査でも日本人平均一人一日当たりのカルシウム摂取量不足が指摘されている中で、虫歯予防とはいえ、フッ素利用を行うことが、一層フッ素障害を助長する要因となるのではないか。政府の見解を示されたい。

26 新潟県で実施されているフッ素洗口は、口腔内残留量からみて又は口腔粘膜から急速に吸収される量において、斑状歯で有名な宝塚市や我が国の研究者の成績に示されている〇・五〜〇・六PPMより斑状歯が急上昇するという量と関連して問題がないのか。政府の見解を示されたい。

27 水道水フッ素は、虫歯予防を目的としながらも、フッ素による虫歯予防を必要としない人(総義歯所有者、良い歯の所有者)、フッ素供給を行うことが望ましくない人(腎疾患患者、過敏症者、妊婦など)、フッ素供給を拒否する人や施設においても事実上の強要とならざるを得ない。

この強要は、憲法第十一条〔基本的人権の享有〕、第十三条〔個人の尊重と公共の福祉〕、第二十五条〔生存権、国の社会的使命〕に著しく抵触する疑いがあると考えられるが、政府の法的見解を示されたい。

28 新潟県においてフッ素洗口の安全性を論ずるときに一週間に一回、二回、五回と異なる回数洗口を行つているのに、毎回飲み込むフッ素量を一週間七日で除して一日に飲み込む量を計算し安全性を論じている。

これは、一週間分の薬を毎日七回に分けて服用する場合と、一週間分を一回で服用する場合の薬品の安全性とを同一視する誤つた考え方へ国民を導く危険な考え方だと考えるが、政府の見解を示されたい。

八 フッ素の環境汚染問題について

1 国は医薬部外品としてフッ素添加歯みがき剤を認可し、フッ素洗口剤ミラノールを医薬品として認可し、フッ素塗布を推進しているが、

�@ 前記二つ以上のフッ素応用法を併用しても問題はないのか、見解を示されたい。

�A フッ素の摂取量をコントロールする、つまり個人のフッ素摂取量を一定に保ち、フッ素による健康被害を防ぎつつ、フッ素による虫歯予防効果のみを得ようとする場合、例えば二人の子供がいて、それぞれ食事、飲料水、茶から異なる量のフッ素を摂取し、なおかつ、フッ素添加歯みがき剤を異なる量、異なる回数使用し、異なる量のフッ素を摂取し、なおかつ、フッ素洗口、フッ素を飲み込みながら、二人とも一定の量のフッ素摂取量にコントロールする方法があれば、示されたい。

�B 国がフッ素洗口剤として認可しているミラノールについて、注意書に腎疾患児への投与を避けるよう指示していますが、フッ素洗口のときに飲み込むフッ素量は、フッ素塗布、フッ素入り歯みがき剤を使用するときに飲み込むフッ素量と大体同じ量であると考えられるが、腎疾患を持つ子供へのフッ素塗布やフッ素添加歯みがき剤の使用は問題があるのか否か、政府の見解を示されたい。

2 フッ素化合物による環境汚染が問題となつており、フッ素化合物による環境汚染地域で農産物、特に米と葉茶類のフッ素濃度が高まり、それを食べることによつてフッ素の過剰摂取となる可能性を指摘する研究が発表されているが、

�@ 国は、全国各地のフッ化物による大気汚染の実態を把握しているのか否か、把握していないのなら、今後調査を必要と考えているのか否か、見解を示されたい。

�A 国は、全国各地のフッ化物による大気汚染地区から産出される白米と青緑色野菜類のフッ素含有量を把握しているのか否か、見解を示されたい。

�B フッ化物による大気汚染地区では、大気からと大気中のフッ素を濃縮蓄積した農作物から過量のフッ素を日常的に摂取することとなり、このような地区での虫歯予防のためのフッ素応用は行うべきではないと考えるが、見解を示されたい。

�C 少なくともフッ化物による大気汚染の可能性のある地区においては、虫歯予防のためのフッ素応用は中止すべく指導すべきだと考えるが、早急にフッ素による大気汚染地区を定めるべきではないのか、見解を示されたい。

3 近年有機フッ素化合物の工業的利用が進んでいるが、有機フッ素化合物による生体へのフッ素負荷について、

�@ 有機フッ素化合物の環境汚染、生体への汚染について研究はあるのかどうか、把握しているなら示されたい。

�A 有機フッ素化合物の生体への負荷が高まつた場合の生体への影響には、どのようなものが考えられているのか、把握しているなら示されたい。

�B 無機フッ素化合物の動植物生体内での有機フッ素化はあるのか否か。あるとするとどのような影響を生体に与えるのか示されたい。

4 フッ素化合物による環境汚染が今後、進行するのか軽減していくのか、見解を示されたい。

�@ フッ素化合物排出源としてどのような産業が考えられているのか、フッ素化合物排出量は年間何tと推定されているのか。

�A 今後フッ素化合物の排出量は増加するのか、減少するのか、フッ素化合物による大気汚染の地域は広がつているのか、狭まつているのか。

5 国は、フッ素化合物による環境汚染防止のため大気汚染防止法及び水質汚濁防止法にフッ素化合物を定め、フッ素による環境汚染の防止に努めているが、他方、フッ化物応用による虫歯予防も推進しているが、この矛盾について、

�@ フッ化物による環境汚染を防止する目的は動植物に対する被害の防止、人体へのフッ素による健康被害の防止のはずであるが、虫歯予防のためのフッ化物応用は、直接子供達の身体にフッ化物を飲み込ませることとなるが、法律の目的に反する行為ではないのか。

�A フッ化物による環境汚染が進行した場合、虫歯予防のためのフッ素応用は中止しなければならなくなると考えるが、その場合の基準をどのように考えているのか。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一の1、2及び6について

今回の事業は、厚生省健康政策局が企画し、国の補助事業として市町村が実施主体となつて行うものである。

昭和六十年度においては、五歳時に萌出する幼若永久歯(第一大臼歯)のむし歯予防手法の確立を図るため、歯科医師等の専門家による委員会を設置し検討を行うとともに、幼若永久歯むし歯予防のモデル調査事業を実施することとしているが、この事業では、五市町村の五歳児を対象として歯科医師等の専門家により歯科健康診査、正しい歯磨き等の保健指導にあわせて、御指摘のフッ化物の歯面塗布も行うものである。

また、この事業は、各実施市町村において希望者を対象として行うこととしている。

一の3及び4について

むし歯予防のためのフッ化物の応用については、WHO(世界保健機構)の勧告もあり世界各国で広く活用されており、我が国においても、専門団体である日本歯科医師会及び日本口腔衛生学会は安全かつ有効であるとの見解を示しており、その安全性については問題がないと考えている。また、今回のフッ化物歯面塗布事業を行うに当たつてモニターのための第三者機関を設置する必要はないものと考えている。

一の5について

御指摘の疫学調査は、フッ化物歯面塗布の有効性が確認されているので行う考えはない。なお、今回の事業は、その施策効果を測定し、これを各都道府県に示すことにより普及を図ろうとするものである。

一の7について

むし歯は多くの要因によつて発生するものと考えられているが、基本的には原因菌、砂糖の摂取及びむし歯に対する歯質の抵抗力が問題になる。

その予防法としては、歯磨き、甘味の制限、フッ化物の応用という方法が一般的であるが、WHO、日本歯科医師会及び日本口腔衛生学会においては公衆衛生学的手法としてはフッ化物の応用が最も効果的な方法であるとされており、厚生省としても歯磨き、甘味の制限と併せてフッ化物の応用を行うことが最適のむし歯予防法と考えている。

二の1について

我が国のフッ素の水質基準は、一リットル当たり〇・八ミリグラム以下と定められている。

また、米国においては気温の高低により異なるが、最も厳しいところで一リットル当たり一・四ミリグラム以下と定められている。

なお、各国が水質基準を定める場合のガイドラインとしてWHOの示している値は、一リットル当たり一・五ミリグラム以下である。

二の2の�@及び�Cについて

飲料水中からフッ素を摂取することにより生ずる慢性中毒には、歯牙フッ素症、骨フッ素症等があるが、このうち、歯牙フッ素症については、一リットル当たり二ミリグラム以上のフッ素を含む飲料水を歯の形成期に長期間にわたつて飲用した場合に問題となる症状が生ずるといわれ、骨フッ素症については、一リットル当たり八ミリグラム以上のフッ素を含む飲料水を長期間にわたつて飲用した者の一部に発生するとされている。しかしながら、フッ素を食物から摂取することにより、歯牙フッ素症等の慢性中毒が生じたとする報告はない。

このようなことから、摂取形態が異なるものを単純に合算してフッ素の許容量を論ずることはできないと考えられる。

二の2の�Aについて

日本人の食物からの一日フッ素摂取量は、成人一日当たり〇・四八ミリグラムから二・六四ミリグラムといわれている。また、小児の場合は食物の摂取量も少ないので、成人の数値に比して一日フッ素摂取量も少なくなる。

二の2の�Bについて

フッ化物局所応用法のうち、フッ化物歯面塗布は乳歯あるいは幼若永久歯に対し年一回から四回行われるものであるが、各回ごとの口腔内フッ素残留量はおよそ一ミリグラムから三ミリグラムであり、また、フッ化物水溶液による洗口の場合で一回およそ〇・五ミリグラムから一・五ミリグラム、フッ化物を含有する歯磨き剤の使用の場合一回でおよそ〇・一ミリグラムから〇・三ミリグラムとされている。

二の2の�Dについて

有機フッ化物の通常の生活環境における体内摂取量は、極めて少なく無視し得る量である。

さらに、無機フッ化物及び有機フッ化物の生理作用は異なるものであることから、両者の総摂取量が人体にどのような影響を与えるかという形で論ずることはできない。

二の3の�@について

制定当時の諸外国における水質基準、日本人の食習慣及び科学的知見に基づき総合的な検討を行い、制定したものである。

二の3の�Aについて

我が国における歯牙フッ素症の調査では、フッ素濃度一リットル当たり〇・八ミリグラム程度の飲料水の飲用によつて問題となる症状の発現はないとされている。

二の3の�B及び�Cについて

米国及びWHOにおいて、水質基準等の改正が行われたことについて承知している。

なお、我が国においては、直ちにフッ素に関する水質基準を見直す必要はないと考えている。

二の4について

我が国における北津軽地方、岡山県笠岡市、沖縄地方の歯牙フッ素症の調査結果から判断する限り、ディーンの報告とそれほどの差はないと考えられる。

二の5について

フッ素濃度は、一リットル当たり〇・六ミリグラムであつた。御指摘の調査においては、問題となる歯牙フッ素症の増加等は認められなかつたとされている。

なお、現行水質基準の安全性に問題はないと考えている。

二の6について

中国広州市の水道水フッ素添加事業の中止については、現在、中国側に対し照会中である。

二の7について

水道水におけるフッ素に関する水質検査は、法令上、おおむね一月に一回行うことを原則としているが、原水及び浄水におけるフッ素濃度が水質基準に比して十分低い等検査を行う必要がないことが明らかであると認められる場合には、省略することができるとされている。しかし、この場合においても、少なくとも一年に一回は検査するよう指導しているところである。これらの検査によれば、水道水におけるフッ素濃度は、おおむね一リットル当たり〇・二ミリグラム以下であり、すべて水質基準に適合している。

なお、水質検査の結果については、水道事業者に照会することにより知ることができる。

二の8について

我が国における飲料水濃度と骨中のフッ素濃度とを関係付けた調査については、承知していない。

三の1について

フッ化物がむし歯予防に有効であることは広く知られており、フッ素の大量摂取による有害性をもつて直ちにその有用性が否定されるものではない。

現在、WHOの勧告もあり、世界各国でむし歯予防の目的でフッ化物は使用されているが、これまでのところ、安全性の面で特に問題になつたとの報告は承知しておらず、現在のところ、フッ化物歯面塗布等フッ化物をむし歯予防に用いることに問題はないと考えている。

三の2及び四の6の�Dについて

フッ化物歯面塗布溶液の通常使用量に含まれるフッ素量が腎機能に影響を及ぼすことは、その口腔内残留量からみて考えられず、また、腎機能障害のある者における排泄障害についても、むし歯予防に使用されるフッ化物量及び摂取頻度からみてそのおそれはないとされている。

四の1の�@及び�Bについて

当時の内外の多くの研究成果を基に、フッ化物歯面塗布がむし歯予防手段として有効であると判断したものである。

四の1の�Aについて

フッ化ナトリウムを用いたフッ化物歯面塗布を無効とする報告はない。ただし、使用薬液が八パーセントフッ化スズであるものについて無効であるとする研究としては米国のウエロックの報告(一九六五年)が一例あるが、他の研究者によれば試験研究方法そのものに不備があるとされている。

四の2の�@及び�Aについて

米国のアストによる報告(一九五〇年)があり、二歳児から七歳児二六〇人を対象に、二パーセントフッ化ナトリウム水溶液年四回塗布法を実施し、その結果、一年後に二十二パーセントの抑制率を報告している。

四の2の�Bについて

御指摘のような報告は、承知していない。

四の3について

現在、むし歯予防の目的で歯面塗布に用いられている製剤は、フッ化ナトリウムを有効成分とする医薬品であり、市販されているものは、いずれも薬事法に規定する毒薬又は劇薬に該当しないものである。

四の4について

フッ化物歯面塗布の実施状況については、歯科疾患実態調査や保健所運営報告により把握されており、それによれば、フッ化物歯面塗布経験のある者は十五歳未満のもので二十二・三パーセント(昭和五十六年歯科疾患実態調査)、保健所で受けた乳幼児四十九万七千八百四人(昭和五十八年保健所運営報告)と報告されているが、昭和五十二年以前にもまたそれ以後についても害作用があつたとの報告は受けていない。また、その有効性については、大阪府八尾保健所の藤沢(昭和五十年)、新潟大学の大沢(同五十七年)、大阪府八尾保健所の安倍(同年)、新潟県長岡保健所の小泉(同五十九年)等の報告がある。

四の5について

フッ化ナトリウムを含有する歯面塗布剤については、現在、中央薬事審議会において再評価の審議が行われているところである。

四の6の�@及び�Aについて

むし歯予防のためのフッ化物歯面塗布により口腔内に残留する微量のフッ素が嚥下されることで、栄養吸収あるいはTCAサイクルに影響を及ぼすという報告は、承知していない。

四の6の�Bについて

むし歯予防のためのフッ化物歯面塗布が生体の染色体に影響するという報告は、承知していない。

また、WHOの附属機関である国際がん研究所(IARC)の報告によつても否定されている。

四の6の�Cについて

むし歯予防に用いるフッ化物利用で骨等の発育に悪影響を及ぼすという報告は、承知していない。

なお、微量のフッ素は骨の発育を促進するとされている。

四の7の�@について

フッ化物歯面塗布一回当たりのフッ素の口腔内残留量は、およそ一ミリグラムから三ミリグラムである。

四の7の�Aについて

血中フッ素濃度は、塗布後一時的に上昇するが、塗布濃度により約一時間から数時間後には通常濃度に復帰し、その変動範囲も生理的範囲にあるとされている。

四の7の�Bについて

塗布後二時間の尿中フッ素濃度は、一時的に塗布前の約十倍の濃度に上昇し、塗布後二十四時間の尿においては塗布前と同じになると報告されている。

四の7の�Cについて

腎機能の低下している児童とそうでない児童とで、塗布前後の尿中フッ素排泄量に差があるとする報告は、承知していない。

四の7の�Dについて

フッ化物歯面塗布により口内炎・歯肉炎等の症状が発生するとする報告は、承知していない。

四の8の�@及び�Aについて

二重盲検法によるフッ化物歯面塗布の効果を調査した報告としては、国内では新潟大学の木次による報告(昭和五十二年)、国外ではオランダのハウインクの報告(一九七四年)が挙げられる。木次による報告によれば、小学校入学時から開始した場合、四年後に一人平均永久歯むし歯数で十六・三パーセントの抑制率を示した。また、ハウインクの報告によれば、七歳から開始した場合、九年後に永久歯むし歯歯面数で三十七パーセントの抑制率を示した。

四の8の�Bについて

厚生省として全国的に一斉に調査したものはないが、保健所の歯科医師の最近の報告例として、四の4についてにおいて述べた藤沢(昭和五十年)、大沢(同五十七年)、安倍(同年)、小泉(同五十九年)等の報告がある。これらの報告では、例えば、小泉によれば抑制率は三歳児の一人平均むし歯数で五十一・三パーセントが示されているように、いずれもフッ化物歯面塗布は有効であるとしている。

四の8の�Cについて

米国のクヌトソンとアームストロングによる報告(一九四六年)がある。この報告では、七歳から十五歳児二百四十二人にフッ化物歯面塗布を行い、塗布実施三年後において永久歯むし歯数で抑制率三十六・七パーセントを示した。

四の9の�@及び�Aについて

歯牙フッ素症は、その発現形態からして、フッ化物歯面塗布による発症は全く考えられないところである。

四の9の�Bについて

水道水フッ化物添加地域児童の発育状態については、米国のシュレージンジャー等が十年間ニュー・ヨーク州で調査し、他地区に比して何ら異常はないと報告(一九五三年)しているが、フッ化物歯面塗布についてもその使用量及び使用回数から問題はないと考えられる。

四の10について

フッ化物歯面塗布によるむし歯抑制率は、およそ二十パーセントから五十パーセント、フッ化物含有歯磨き剤によるむし歯抑制率は、およそ十五パーセントから二十五パーセントとされており、いずれも有害作用はないものといわれている。

五の1について

歯磨き剤に含有されているフッ化物はモノフルオル燐酸ナトリウムであり、その濃度はフッ素として〇・一パーセントである。一回の歯磨き剤の使用量を〇・五グラムから一グラムと考えると、フッ素の量は〇・五ミリグラムから一ミリグラムとなる。

五の2の�@について

フッ化物含有歯磨き剤の使用によるフッ素の口腔内残留量について年齢別に検討した報告としては、ドイツ連邦共和国のアイヒレル(一九五五年)、スウェーデンのエリクソン(一九六九年)、米国のバーンハルト(一九七四年)等の報告があり、フッ素の口腔内残留推定量には、それぞれの報告により幅があるが、平均的にみて二十パーセントから三十パーセント程度とされている。

五の2の�Aについて

フッ化物含有歯磨き剤について、年齢制限等の使用制限を設けている国は、承知していない。

五の2の�B及び�Cについて

フッ化物含有歯磨き剤を使用することにより、安全性の面で御指摘のような問題があるとの報告は承知しておらず、現在のところその使用に制限を設ける必要性はないものと考える。

五の2の�D及び�Eについて

フッ化物含有歯磨き剤のむし歯予防効果について二重盲検法試験により検討した報告としては、イギリスのネイラー(一九六七年)、米国のフランクル(一九六八年)、東京歯科大学の竹内(一九六八年)、デンマークのリンド(一九七四年)等の報告があり、むし歯抑制率には、それぞれの報告により幅があるが、おおむね十五パーセントから二十五パーセント程度といわれている。

五の2の�Fについて

フッ化物含有歯磨き剤については、フッ化物によりアレルギー障害等有害な作用が発現したとの報告は承知しておらず、現在のところ成分の記載を義務付けることは考えていない。

六の1について

昭和五十五年度三歳児歯科健康診査状況の全国集計によれば、同歯科健診受診児のうち、むし歯があつたものは六十一・七パーセントであつたが、昭和四十一年度の集計七十八・三パーセントに比べて十六・六パーセントの減少であり、重症のむし歯の率も十五・八パーセントから十・六パーセントに減少している。これは、歯についての国民の保健意識の向上と関係者の努力によるところのものと考えられる。また、昭和五十二年度から開始された一歳六か月児歯科健康診査における歯科検診と保健指導も効果を挙げているものと考えている。

六の2について

御指摘の事実については、承知していない。

六の3について

長野県佐久市、新潟県東頸城郡牧村、岐阜県、福岡県等各地域での例があるが、近年、特にフッ化物水溶液による洗口を積極的に利用した事例が多く報告されている。

六の4について

一歳六か月児歯科健康診査及び三歳児歯科健康診査等を中心とする歯科保健活動を通じて、糖分の適正な摂取について指導しているところである。

六の5について

むし歯の予防には、歯口清掃が重要であることにかんがみ、学校給食の実施に当たつては、食後においてうがいや歯ブラシの励行など歯口清掃に努めるよう指導しているところである。

七の1について

フッ化物水溶液による洗口の有効性、安全性については、内外の専門機関が一致して認め、WHOでも広く推奨しており、新潟県の見解についても問題はないと考える。

七の2について

新潟県教育委員会作成の「歯の検査(管理)票」は、学校保健法施行規則第三号様式と同内容であり、問題はないと考える。

七の3の�@について

学校におけるフッ化物水溶液による洗口は、学校保健法第二条に規定する学校保健安全計画に位置付けられ、学校における保健管理の一環として実施されているものである。

七の3の�Aについて

フッ化物水溶液による洗口の実施に当たつては、フッ素の身体に及ぼす影響について不安を持つ保護者もあるので、事前に保護者に対しその趣旨の説明を行い、その理解と協力を求めたものと聞いている。

七の3の�Bについて

フッ化物水溶液による洗口は、任意に行われるものであるので、それを拒否した場合、学校における保健管理上の義務違反にはならないと考える。

七の4について

御指摘の状況については、把握していない。

七の5及び6について

むし歯予防のためのフッ化物応用については、WHOの勧告もあり世界各国で広く活用されており、我が国においても、日本歯科医師会及び日本口腔衛生学会の専門団体は安全かつ有効であるとの見解を示しており、その安全性については問題がないと考えている。

七の7の�@について

フッ化物水溶液の洗口は、学校における保健管理の一環として実施されているものである。

七の7の�Aについて

フッ化物水溶液による洗口は任意に行われるものであるので、「フッ素うがい」を行わない児童生徒がいても問題はないと考える。

七の7の�B及び�Cについて

フッ化物水溶液による洗口の実施に当たつては、事前に保護者に対しその趣旨の説明を行い、その理解と協力を求めてこれを実施することが望ましいものと考える。

七の8及び9について

劇薬から劇薬でない医薬品を業として製造するには、薬事法に基づく製造業の許可が必要である。しかし、学校の養護教諭がフッ化ナトリウムを含有する医薬品をその使用方法に従い、溶解、希釈する行為は、薬事法及び薬剤師法に抵触するものではない。

七の10について

適切な方法によるフッ化物水溶液による洗口については安全性に問題はないことから、フッ化物水溶液による洗口を禁止又は停止すべき児童生徒についての基準は、設けていない。

七の11について

学校におけるフッ化物水溶液による洗口は、学校における保健管理の一環として実施されるものであるが、その性格にかんがみ、これを実施しようとする市町村教育委員会は、職務命令という手段で行うことは適当ではなく、事前に校長等の教職員はもとより、児童生徒の保護者や学校歯科医、学校薬剤師等にも十分説明し、その理解を得て協力体制を確立した上で実施することが望ましいと考える。

七の12について

公衆衛生施策の施策効果としては、副次的効果も含めて考えるのが妥当であると考える。

なお、政府は、御指摘のような統計上の指導はしていない。

七の13について

学校においてフッ化物水溶液による洗口を実施する場合においては、それに携わる関係者が、フッ化物によるむし歯予防の基礎知識やフッ化物水溶液による洗口の実施方法等について十分理解した上で適切に行うよう研修会等の機会を通じて指導しているところである。

七の14の�@について

我が国は一九六九年の「飲料水へのフッ素添加及び歯科衛生に関する第二十二回WHO総会決議」に加わつており、その内容について歯科関係方面へ連絡しているところである。

七の14の�Aについて

御指摘の内容については、承知していない。

七の14の�Bについて

各総会決議が採択される際の各国の表明態度については、WHOの公式記録には見当たらない。

また、御指摘のWHOの専門委員会の文書については、フッ化物利用を主としたむし歯予防対策について述べたものであり、その内容については問題はないと考える。

七の14の�Cについて

WHOの見解は、水道水フッ化物添加はむし歯予防に有効であり、生涯を通じてその有効性は持続するとしている。

七の15、21、22及び27について

水道は清浄にして豊富低廉な水の供給を図ることを目的としており、むし歯の予防等健康増進を目的としていないこと、給水量に比して飲用に供される量が極めて少ないこと、及び至適濃度の管理が難しいこと等の理由により、現在のところ水道水へのフッ化物添加を指導する考えはない。

七の16について

中国広州市の決定については、現在、中国側に対し照会中である。

なお、御指摘の新潟県の件については、新潟県における独自の調査及び判断により行つたものと聞いている。

七の17について

薬事法第四十八条第一項において、業務上劇薬を取り扱う者は、これを他の物と区別して貯蔵し、又はこれを陳列しなければならないことが規定されているが、これに従つて保管する限り、同法に抵触しない。

七の18について

フッ化物水溶液による洗口では、フッ化ナトリウムの一回使用量は十一ミリグラムから二十二ミリグラム(フッ素として五ミリグラムから十ミリグラム)であり、七十キログラムの成人の場合のフッ化ナトリウムの致死量は五グラムから十グラムとの報告がある。

七の19及び20について

フッ素は、種々の元素と結合し自然界に広く存在する物質であり、適量では人体に必要な栄養素であるといわれているが、大量に環境中に放出された場合、大気汚染による植物等の被害や水質汚濁による魚への被害が生ずるため、環境への排出について規制している。

なお、むし歯予防のために使用されるフッ化物については、微量であるので影響はないものと考える。

七の23の�@について

むし歯予防のためのフッ化物利用で歯牙の萌出遅延は起こらないとされている。代表的な報告としては、ドイツ民主共和国力ールマルクス市におけるエルフルト大学のキュンツェル等の広範な疫学調査(一九七六年)が挙げられる。

七の23の�Aについて

フッ素による慢性中毒として現在までに確認されているのは歯牙フッ素症、骨フッ素症等であるが、これらの発現形態が異なることから、軽度の歯牙フッ素症の発現が骨フッ素症等の発現を予告する前兆として考えることは妥当ではない。

七の24について

フッ化物の応用によるむし歯予防の効果については、二重盲検法及び被検査者盲検法によつて有効であるという報告が既になされている。

なお、フッ化物の応用によるむし歯予防の判定においては、その対象が硬組織疾患であることから、他の疾患の場合に比してより客観的な判定が可能であり、したがつて、二重盲検法のみが有効であるとは考えていない。

七の25について

カルシウムの摂取量、フッ素の摂取量及び甲状腺腫の三者の関係を示す報告は、承知していない。

七の26について

歯牙フッ素症は、その発現形態からして、フッ化物水溶液の洗口による発症は全く考えられないところである。

七の28について

新潟県において御指摘のような計算方法を採つているのは、長期間の平均フッ素摂取量の目安とするためと聞いている。

八の1の�@について

フッ化物含有歯磨き剤がフッ化物水溶液による洗口又はフッ化物歯面塗布と併用された場合、人体に対して有害であるとの報告は承知しておらず、また、そのフッ素推定摂取量から見ても、現段階では特に問題はないものと考えている。

八の1の�Aについて

通常の生活で摂取するフッ素量には個人差があるが、その変動範囲は十分に生理的範囲内にあるので、健康被害に対するおそれはない。

八の1の�Bについて

腎障害がある場合でも、むし歯予防の目的で使用されるフッ素製剤からのフッ素推定摂取量からみて、現段階で特に問題はないものと考えている。

なお、御指摘のミラノールの使用上の注意事項については、国が企業に対し指示した事実はなく、企業が自主的に記載したものと推察される。

八の2の�@について

フッ化物による大気汚染の実態については、大規模なフッ化物の排出源がある地域等について把握している。

八の2の�A及び�Bについて

フッ化物による大気汚染地区の定めはない。したがつて、御指摘のような白米と青緑色野菜類のフッ素含有量に関する調査はなく、また、むし歯予防のためのフッ化物応用についても、地域事情を勘案する必要はないものと考える。

八の2の�Cについて

大気汚染防止法に基づき、工場又は事業場に設置されているフッ化物の排出施設について排出規制を実施しているところであり、フッ素による大気汚染地区を定める必要はないと考えている。

八の3について

御指摘のような点に関連する研究及び科学的知見は、把握していない。

八の4について

フッ化物の排出源としてはアルミニウム精錬工場、燐酸系の肥料工場等がある。

フッ化物の発生源については、業種、排出形態、規模等が多岐にわたつており、年間排出量や今後の増減等について推定することは困難である。

八の5について

むし歯予防のために使用するフッ化物は、微量であることから、人体への影響と環境への影響との両面からみても問題となる事態を引き起こすことは考えられない。

また、むし歯予防のために使用するフッ化物は、環境汚染防止の観点から規制の対象となつているフッ化物とは化学的性状が異なり、人体に影響を及ぼす場合の過程も異なつている。

右答弁する。

衆議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

お答えすることは困難 ×1承知していない ×17

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

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