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学校保健法にもとづく「学校病」指定に関する質問主意書

衆議院 第151回 第74号

提出者
日本共産党
提出日
2001年5月25日
内閣転送 2001年5月28日
答弁書受領日
2001年6月15日
提出から21日
答弁の項目数
1
質問 1,663字/答弁 440字

質問本文

学校保健法は、「児童、生徒、学生及び幼児並びに職員の健康の保持増進を図り、もって学校教育の円滑な実施とその成果の確保に資することを目的」としている。この目的の達成のために、経済的な困難をかかえる家庭の児童・生徒(要保護及び準要保護児童生徒)については、「伝染性又は学習に支障の生ずる疾病で政令で定めるもの」を治療するため、「医療に要する費用について必要な援助」を地方公共団体が行うことを定め、国についても予算の範囲内で、その「経費の一部を補助することができる」と定めている(第十七条、第十八条)。

九九年度に国に申請された治療費援助の件数は九万三三七二件(延べ件数)となっている。こうした施策は、子どもたちの教育を受ける権利を保障し、健康の保持増進をはかるうえで必要不可欠であり、子どもたちをとりまく生活・学校環境、医療の発展等に対応して、施策の発展が求められるところである。

ところが、「学校保健法施行令」(一九五八年制定)第七条に定める、治療費援助対象の疾病「学校病」は、制定から四十数年、指定する疾病の見直しが行われず、子どもたちをとりまく生活・学校環境や医学の発達に対応できていない。「学校病」指定について以下質問する。

一 皮膚病に関しては、「白癬、疥癬、および膿痂疹」と限定されているが、今日子どもの皮膚病として増加の傾向にある、アトピー性皮膚炎を加えるべきであるがどうか。

財団法人「日本学校保健会」発行の冊子でも、「近年、アトピーなどアレルギー性の病気は増加」していることが指摘され、「難治といわれ、自覚的にも、他覚的にも苦痛の伴うこの病気に対し、学校を含む周辺の人々の知識と理解、治癒への支援を行うことが求められている」との見解がしめされている。アトピー性皮膚炎は、治療費のほか、除去食などに相当な費用を必要とする場合もあり、治療費援助への要望が多く聞かれるところである。

一九九九年、私が同行した市民団体の文部省への陳情では、「学校病」にアトピー性皮膚炎などアレルギー疾患を含めるか等の質問に対し、「学校病」指定の疾病項目の見直しに前向きにとりくむ旨の回答があった。現時点で「学校病」指定の見直しの方向、改正の目途について明らかにされたい。

二 学校保健法施行令では「学校病」のうち、「う歯」についてのみ、治療費援助となる治療内容を示している。

この治療内容は、乳歯では「抜歯」としているが、小児歯科学会では、乳歯の早期抜歯は、永久歯の歯列不正、咀嚼障害、発音障害だけでなく、平衡感覚機能や運動能力発達に大きな影響を及ぼすと報告されている。文部省発行の「小学校 歯の保健指導の手引き」(一九九二年改訂版)でも「身体やあごの発達の最も著しい小学校の時期において、乳歯を健康に保つことは、永久歯や体の健全発育にきわめて重要である」と記している。

乳歯の抜歯に限定せず、必要な治療について援助を行えるよう改めるべきと考えるが、いかがか。

三 永久歯の「う歯」に対する治療費援助は、「アマルガム充填、複合レジン充填、銀合金インレーの治療」に限定されている。しかし歯科医師からは、銀合金は展延性が悪いため窩洞部への適合性に難があり、多大な咬合圧のかかる大臼歯部の歯冠修復などでは、二次カリエスを引き起こしやすいことや、口腔内で硫化し黒変するなどの問題が指摘され、金銀パラジウム合金の使用が最低限必要との意見が出されている。

また「う歯」が「C3」に進行した場合、抜髄処置をしなければ痛みを止められないが、これも治療費援助の対象外である。

こうした治療は、今日、生活保護、母子保健で保障される治療と比しても劣悪となっている。永久歯の治療についても現行の制度を見直し、保健適応の範囲まで広げるべきと考えるがいかがか。

四 今後、「学校病」指定の見直しを適宜行い、子どもをとりまく生活環境等の変化に対応できるようにすること、同時に、医療・教育関係者、父母などの意見を反映していくことが必要と考えるがいかがか。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一から四までについて

文部科学省は、児童及び生徒を取り巻く環境等が大きく変化してきていることから、平成十二年度から平成十四年度までの三年間の予定で、学校保健法(昭和三十三年法律第五十六号)で定める児童、生徒等の健康診断を始めとする学校における保健管理の在り方についての検討を財団法人日本学校保健会に委託し、同財団法人は、医療分野及び教育分野の専門家を構成員とする委員会において検討を行っているところである。学校保健法施行令(昭和三十三年政令第百七十四号)第七条で定める疾病(以下「政令で定める疾病」という。)についても、この結果を踏まえて検討することとしており、その際には、アトピー性皮膚炎や現在政令で定められていない治療方法によって治療される齲歯を政令で定める疾病に含めるかどうかについても検討することとしたい。

今後とも、政令で定める疾病については、医療分野及び教育分野の専門家等関係者の意見を踏まえつつ、児童及び生徒を取り巻く環境等の変化に応じて、適宜検討することとしたい。

衆議院の原文

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