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関西電力によるアメリカへの劣化ウランの無償譲渡に関する質問主意書
衆議院 第151回 第97号
質問本文
関西電力は四月二五日、市民団体との交渉の場で、劣化ウランの「所有権」を、濃縮役務を委託しているアメリカ合衆国・ウラン濃縮会社(以下、USEC社)に「無償で移転」しているという事実を明らかにした。また無償譲渡の理由については、「いらないもの」だからとしている。
原子力委員会長期利用計画策定会議第二分科会報告(平成一二年六月五日)は、「ウラン濃縮に伴い発生する劣化ウラン」を、「将来の高速増殖炉等」で「利用」する核燃料物質と位置づけている。劣化ウランは、「核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律」(原子炉等規制法)に規定される核燃料物質であり、資源の有効利用を謳う政府の原子力政策においては将来的利用に備えて「適切に貯蔵していく」べき燃料資源のはずである。
劣化ウランを「いらないもの」とし、アメリカへ無償譲渡するという関西電力の行為は、原子力基本法に謳う政府の原子力政策と明らかに矛盾するものである。また本件行為は、劣化ウラン弾の原料物質の提供であり、当時の三木武夫総理が一九七六年二月二七日に衆院予算委員会で述べた武器輸出三原則にも反し、かつ憲法九条で掲げる平和原則にも抵触している。
外交と原子力に関する政府の基本政策に背馳する行為であり、政府の監督責任が問われるべき重大問題であると考える。
よって以下、関西電力によるアメリカへの劣化ウランの無償譲渡について質問する。
一 劣化ウランを「いらないもの」とする関西電力の見解は、劣化ウランを将来の核燃料と位置づける政府の見解と矛盾するのではないか。矛盾しないとするのであれば、その理由を明確に説明されたい。また、アメリカへの所有権移転は、「将来におけるエネルギー資源」の確保を原子力利用の推進理由と規定している原子力基本法に背反するのではないか。
二 アメリカUSEC社のパデューカ濃縮工場およびポーツマス濃縮工場の劣化ウランから劣化ウラン弾が製造されていることは、通信社・ロイターが二〇〇一年一月二〇日に報じるなど周知の事実である。関西電力が無償譲渡した劣化ウランが兵器の材料として使用されている可能性は否定できない。したがって、関西電力によるアメリカへの劣化ウランの譲渡は、原子力基本法第二条に定める基本方針「原子力の研究、開発及び利用は、平和の目的に限」る規定に反し、先に述べた政府の武器輸出三原則および憲法の平和原則にも背反するのではないか。政府の見解を説明されたい。
三 青森県六ヶ所村のウラン濃縮工場には現在、約六七〇〇トンの劣化ウランが六フッ化ウランの形で保管されている。また、核燃料サイクル開発機構も、人形峠の濃縮パイロットプラントで作り出した約二四〇〇トンの劣化ウランを六フッ化ウランの形で管理している。政府は劣化ウランを将来の核燃料物質としているが、具体的な使用計画はどうなっているのか、明らかにされたい。また六フッ化ウランは、放射性物質であると同時に、化学的反応性と毒性の非常に強い気体であり、漏れ出した場合、深刻な被害を引き起こす。六フッ化ウランの形態での貯蔵は大変危険であると考えるが、いつまで現状の形態での保管を続けるのか、見通しを明らかにされたい。
右質問する。
政府答弁書
一について
海外の事業者に委託して行うウラン濃縮に伴い発生する劣化ウランの所有権を受託者に移転することについては、原子力基本法(昭和三十年法律第百八十六号)等にこれを禁止する規定は存在しない。また、御指摘の原子力委員会長期計画策定会議第二分科会報告(平成十二年六月五日)は、「なお、国内でのウラン濃縮に伴い発生する劣化ウランは、将来の高速増殖炉等への利用に備え、適切に貯蔵していくことが望まれます。」と述べているが、海外の事業者に委託して行うウラン濃縮に伴い発生する劣化ウランの取扱い方等については、何ら言及していない。現時点では、海外の事業者に委託して行うウラン濃縮に伴い発生する劣化ウランの取扱い方等については、政府として特定の見解を有していない。
二について
御指摘のロイター社の報道に係る事実関係について、米国USEC社からは、関西電力株式会社から委託されたウラン濃縮に伴い発生した劣化ウランを劣化ウラン弾の製造のために使用したことはない旨の説明を得ている。
三について
青森県六ケ所村所在の日本原燃株式会社ウラン濃縮工場において保管されている劣化ウランについては、同社が設置を計画している「MOX燃料工場(仮称)」においてウラン・プルトニウム混合酸化物燃料の母材等として利用することを見込んでいると聞いており、その具体的な利用計画については、同社が検討していくものと承知している。また、核燃料サイクル開発機構人形峠環境技術センターにおいて保管されている劣化ウランについては、将来高速増殖炉等で利用することを見込んでいると聞いており、その具体的な利用計画については、やはり、同機構が検討していくものと承知している。
同社及び同機構が現在行っている劣化ウランの貯蔵については、同社及び同機構に対する核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律(昭和三十二年法律第百六十六号)第十三条等の規定による加工の事業の許可等に際し、核燃料物質による災害の防止上支障がないものであることを審査等しており、今後とも、同社及び同機構の加工施設のうち貯蔵施設の性能については毎年一回の定期検査を適切に実施してまいりたい。
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件名と質問本文の冒頭の意味が近いものを、前もって計算しておいた表から近い順に8件並べました(multilingual-e5-large)。同じ言葉を使っていなくても出ます。論点が少しずれていることもあります。