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一九七二年の沖縄返還時における有事の際の核持ち込みに係る密約に対する安倍晋三内閣の認識に関する質問主意書

衆議院 第185回 第36号

提出者
無所属
提出日
2013年10月25日
内閣転送 2013年10月30日
答弁書受領日
2013年11月5日
提出から11日
答弁の項目数
1
質問 1,549字/答弁 781字

質問本文

二〇〇九年九月十六日、当時の鳩山由紀夫内閣における岡田克也外務大臣は、以下の四点に関し、いわゆる密約があったと言われていることにつき、外務省において「いわゆる『密約』問題に関する有識者委員会」(以下、「委員会」という。)を立ち上げ、同年十一月末を目処にその存在の有無を徹底調査する旨の大臣命令を同省に出したと承知する。

�@ 一九六〇年一月の安保条約改定時の、核持ち込みに関する密約

�A 同じく、朝鮮半島有事の際の戦闘作戦行動に関する密約

�B 一九七二年の沖縄返還時の、有事の際の核持ち込みに関する密約

�C 同じく、原状回復補償費の肩代わりに関する密約

そして二〇一〇年三月九日、岡田大臣は、「委員会」の調査結果をまとめた報告書(以下、「報告書」という。)を公表した。

「報告書」には、�Bに関し、以下の記述がなされている。

第四章 沖縄返還と有事の核の再持ち込み

(1) 共同声明の核に関する交渉は、日本側提案の「事前協議制度に関する米国政府の立場を害することなく」に対する米国側返答がない中、若泉−キッシンジャー・ルートにおいても進められた。

(2) 「合意議事録」が、佐藤内閣の後継内閣をも拘束する長期的効力を持ったのかどうかについては、佐藤首相自身が否定的であったこと及び「合意議事録」の保管方法(引き継いだ節がない)から見て、否定的に考えざるを得ない。

(3) この「合意議事録」は、共同声明よりも、踏み込んだ内容であるが、共同声明の内容を大きく超える負担を約束するものではなく、必ずしも密約とは言えないだろう。

(4) 六十九年十一月の交渉成立に際して、この「合意議事録」が果した役割について判断するのは現時点では難しいが、これがなくとも、別途の方法により、合意は実現されたのではないかと思われる。

(5) 若泉−キッシンジャー・ルートが果した役割については、キッシンジャーというユニークなスタイルの外交指導者との交渉で落としどころを探る上では、同ルートが開かれたことは大いに評価。

右を踏まえ、以下質問する。

一 前文で触れた、�Bの密約に関する「報告書」の内容に対する安倍晋三内閣の認識如何。右は事実を反映したものであると認識しているか。

二 「報告書」では、�Bの密約について「必ずしも密約とは言えないだろう」とあるが、安倍内閣としても同じ認識を有しているか。

三 過去に鈴木宗男元衆議院議員が提出した質問主意書に対する政府答弁書では、�Bの密約の存在を明確に否定する答弁がなされていた。第一次安倍晋三、福田康夫、各内閣において�Bの密約はなかったと答弁が繰り返されてきた。特に、第一次安倍内閣の時に閣議決定された政府答弁書(例えば内閣衆質一六六第三九九号、四二二号)では、�Bの密約に関し「御指摘の報道等については承知しているが、日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約(昭和三十五年条約第六号。以下「日米安保条約」という。)の下での核兵器の持込みに関する事前協議制度についての日米間の合意は、日米安保条約第六条の実施に関する交換公文及びいわゆる藤山・マッカーサー口頭了解がすべてであり、秘密であると否とを問わずこの他に何らかの取決めがあるという事実はない。」との答弁がなされている。「報告書」における�Bの密約についての内容と右答弁の内容に齟齬はないか。安倍内閣の認識を示されたい。

四 かつて自民党政権が、三にあるように虚偽の答弁をし、国民に嘘をついていたことに関し、安倍内閣としてどのような認識を有しているか。

五 安倍内閣として、「報告書」の内容を踏まえ、今後�Bの密約に関し追加的な調査を行い、国民に更なる情報開示を図る考えはあるか。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一から五までについて

いわゆる「密約」問題については、この問題により、外交に対する国民の理解と信頼が失われているとの観点から、過去の事実を徹底的に明らかにするため、平成二十一年九月から外務省が徹底した調査(以下「外務省調査」という。)を行い、その結果を平成二十二年三月に公表したところである。この結果は徹底した調査によるものであり、お尋ねのような調査を更に行う考えはない。

また、「いわゆる「密約」問題に関する有識者委員会報告書」では、「合意議事録」は、共同声明よりも、踏み込んだ内容を持っているが、共同声明の内容を大きく超える負担を約束したものとはいえず、必ずしも密約とはいえないであろうとの見解が示されているが、他方で、外務省調査の報告書は、「「合意議事録」については、当時外務省として何ら了知していなかったことがうかがわれる。」とし、また、「外務省は、佐藤・ニクソン首脳会談において、沖縄返還後の有事核持込みについて「何らかの記録」作成が必要になる可能性を最終段階まで懸念し、その対応について大臣以下密かに準備研究を行っていた。しかし、結果的には、そのような文書なしにこの問題は決着したというのが当時の外務省の認識であった。」としている。

当時の状況については、簡単に判断できるものではなく、「いわゆる「密約」問題に関する有識者委員会報告書」においても、外交には、ある期間、ある程度の秘密性はつきものであるとした上で、外交に対する評価は、当時の国際環境や日本国民全体の利益・国益に照らして判断すべきものである旨述べられている。しかし一方で、この問題が、これほどの長期間にわたり、国民に対し、明らかにされてこなかったことは遺憾であると考えている。政府としては、今後とも、国民と共に歩む外交を実践し、国民の負託に応える外交の実現に努力していきたいと考えている。

衆議院の原文

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