ことばで探す › 参議院 第104回
いわゆる「スパイ天国」論に関する質問
参議院 第104回 第39号
質問本文
いわゆる「スパイ天国」論に関する質問主意書
中曽根総理は、衆参両院の本会議及び予算委員会など公式の場で、「日本ぐらいスパイ天国はないのだ」と繰り返し喧伝してきた。
私は、本年二月五日提出の質問主意書で、総理のいう「スパイ天国」とは、具体的にどういうことを指しているのか、また、日本がその「スパイ天国」であるという事実を実証的に示されたいとのお尋ねをした。
これに対する答弁書(内閣参質一〇四第一〇号)は、「我が国では、現行法制上いわゆるスパイが自由に活動し得る余地があり、これを「スパイ天国」と称することが可能である。」と述べている。
これは、中曽根総理が声高に述べる「スパイ天国」論の説明としては、いかにも迫力不足であり、私のお尋ねしたことに、正面からお答えいただいたとは、到底思えない。
そこで、前記答弁書の内容に沿つて、更に具体的に質問する。
一 国内の各種法令に違反すれば、一般の国民と同様に検挙を受けるわけで、その点、「スパイ」が自由に活動できるわけではないと思われるが、答弁書のいう「現行法制上いわゆるスパイが自由に活動し得る余地があり」とは、具体的にはどういうことを指しているのか。
二 国内の各種法令に違反すれば、いわゆる「スパイ」である人も、いわゆる「スパイ」でない人も、検挙を受ける。
ところで、日本国憲法は、言論、出版、その他一切の表現の自由をはじめとして、国民の基本的人権を保障している。
そこで伺うが、答弁書のいう「現行法制上いわゆるスパイが自由に活動し得る」とされる領域は、表現の自由をはじめとして憲法が国民に保障する法領域と密接不離の関係にあるのではないか。
三 中曽根総理が繰り返し述べる「スパイ天国」の例証として、答弁書は、「戦後我が国において検挙された各種のスパイ事件は、六十件余に達している」ことをあげる。
果たして、日本が「スパイ天国」と呼べるのかどうか、政府の把握しているこれら六十件余のスパイ事件の件名(通称)、検挙年月日及び事件の概要を関係国別に明らかにされたい。
四 日本国憲法施行後、今日までの間において、現行法制では国家秘密の保護という観点から十分対処し得なかつた「スパイ行為」の事例があれば、明らかにされたい。なお、なければない旨を明らかにされたい。
右質問する。
政府答弁書
一について
我が国の現行法制では、外国のために国家秘密を探知、収集し、あるいはこれを外国に通報するようないわゆるスパイ行為一般を直接に取り締まる法規は存しない。したがつて、スパイ活動に関連して行われる行為が各種法令に違反し、それによつて処罰されるとしても、法定刑が軽いことなどからスパイ行為に対する法規制として必ずしも十分とは言い難い場合がある上、例えば、国家秘密の探知、収集に関しては、その手段、方法のいかんによつては処罰することができないなど現行法令で対処し得ない場合も存するところである。このような我が国の現状をとらえ、「現行法制上いわゆるスパイが自由に活動し得る余地がある」旨答弁したものである。
二について
いわゆるスパイ活動をめぐる法規制については、表現の自由等の基本的人権を尊重する観点からも慎重に検討されるべきものであるが、いわゆるスパイによる国家秘密の探知、収集等の行為を処罰すること自体は、基本的人権の保障に何ら反するものではない。
三について
別紙のとおりである。
四について
我が国には、いわゆるスパイ行為一般を直接取り締まる法規がないことから、いわゆるスパイ事件が検挙されるのは、原則としてスパイ活動に関連して各種法令違反の事実を伴つた場合に限られることになる。
また、これら各種法令違反の事実により検挙された戦後のスパイ事件の中でも、特に国家秘密が外国に通報された事例等にあつては、それぞれの処分にもかんがみ、現行法制では国家秘密の保護という観点から十分対処し得なかつたとする意見も存するところである。
別紙 1/8
別紙 2/8
別紙 3/8
別紙 4/8
別紙 5/8
別紙 6/8
別紙 7/8
別紙 8/8
似た質問主意書
件名と質問本文の冒頭の意味が近いものを、前もって計算しておいた表から近い順に8件並べました(multilingual-e5-large)。同じ言葉を使っていなくても出ます。論点が少しずれていることもあります。