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公共スポーツ施設の整備等に関する質問

参議院 第114回 第12号

提出者
参議院
提出日
1989年5月12日
内閣転送 1989年5月17日
答弁書受領日
1989年5月23日
提出から11日
答弁の項目数
3
質問 1,723字/答弁 290字

質問本文

公共スポーツ施設の整備等に関する質問主意書

わが国のスポーツ人口は以前と比べて増加してきているが、だれもが気軽に利用できる公共スポーツ施設は極めて不足している。千九百八十五年の文部省調査によると、わが国の社会体育施設は、保健体育審議会が千九百七十二年に答申した施設整備基準(最低必要数)に照らしても、体育館で五十二%、プールで二十九%、コートで二十四%を達成しているにすぎない。にもかかわらず、千九百八十九年度文部省予算案の社会体育施設整備費は、わずか約六十三億円にすぎず、しかもこれは、七年前のおよそ半額であり、大幅に削減されている。

他方、こうした公共スポーツ施設の不足とあいまって、最近、商業スポーツ施設が急増しているが、これに対して政府は、減免税、低利の融資、各種の規制緩和など積極的な支援措置を講じている。しかし、商業スポーツ施設は営利を目的とすることから、施設の種類や種目が限定されていること、高額な入会金や会費を必要とする会員制であることなど、だれもが気軽に利用できる実態にはない。さらに、ゴルフ場等の商業施設の開発認可にからむ汚職事件や自然破壊、農薬汚染などの社会問題が多発している。

こうして今日、国民のスポーツ活動の振興にとって、だれもが気軽に利用できる公共スポーツ施設の大幅な拡充が切実な問題となっている。

そこで、国の公共スポーツ施設の整備等に関する施策について、以下、質問する。

一 公共スポーツ施設は、いうまでもなく地方自治法第二百四十四条の「住民の福祉を増進する目的をもつてその利用に供するための施設」であり、「社会教育の奨励に必要な施設」(社会教育法)である。従って、公共スポーツ施設は、営利を目的とする商業スポーツ施設とは本質的に異なる性格のものであり、スポーツ振興法も「この法律に規定するスポーツ振興に関する施策は、営利のためのスポーツを振興するためのものではない」と規定している。ところが、政府は「民間活力の導入」と称して、商業スポーツ施設の育成のための一連の支援措置を講ずる一方、公共スポーツ施設については、その整備のための国の予算を大幅に削減してきたことに見られるように、それが商業スポーツ施設と競合するという立場から、その整備を抑制しているのである。こうした政府がとっている施策の方向は、国のスポーツ振興施策の基本にもとるものである。

そこで政府は、公共スポーツ施設整備に関する国の責任を明確にし、そのための国の予算を大幅に増額すべきであると考えるが、どうか。

二 千九百八十五年の文部省調査によると、体育館・プール・総合運動公園の公共スポーツ施設のうち、一部委託も含めて三十六・四%の施設で民間委託が行われており、そのうち四十四・五%の施設が民間企業に委託されている。これらの民間委託された公共スポーツ施設では、「自立・自助」の精神に基づく管理運営が押し付けられ、採算本位の運営が強いられていることから、収益性の高い事業に偏る傾向にある。そのため、「住民の福祉」とか「住民の利用に供する」という公共スポーツ施設の本来の目的が失われ、その性格が変質してきている。

こういう点から、国は公共スポーツ施設の管理運営の民間委託化の行政指導をやめ、だれもが低料金で利用できる住民本位の管理運営が確立されるようにすべきだと考えるが、どうか。

三 現在、指導者が配置されている公共スポーツ施設は、主要施設に限っても二十一・六%にすぎず、その配置率は、五年前の調査に比べて七・六%低下している状況にある。しかもそのうち、専任の指導者が配置されている施設は、さらに少ないのである。このことは、公共スポーツ施設が単なる「貸しホール」「貸し席」にとどまり、社会教育の機関、あるいは地域のスポーツ活動の拠点として機能しえていないことを示すものである。本来、公共スポーツ施設に専門の専任指導者を配置することは、建造物とともに公共施設整備の基本的な要件である。

この点で、公共スポーツ施設に専門的な専任指導者を配置するために、国が指導者の配置基準を策定し、助成制度を確立していくことが必要であると考えるが、どうか。

右質問する。

参議院の原文・経過

政府答弁書

一について

公共スポーツ施設については、現下の厳しい財政状況を踏まえつつ、国民の要望、地方公共団体の実情等を十分考慮し、今後ともその整備に努めてまいりたい。

二について

公共スポーツ施設の管理運営の民間への委託は、各設置者がその実情に応じ行っているものであり、当該施設の公共性を損うものではないと考えている。

三について

国民のスポーツ活動が極めて多種多様に行われ、そのニーズが多様化していること等を勘案すると、指導者の配置については、各公共スポーツ施設における利用の実態等に即して対応すべきであり、専任の指導者の配置について国が基準の策定等を行うことには困難な面があると考える。

参議院の原文

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