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サムット・プラカン汚水処理プロジェクトに関する質問
参議院 第148回 第2号
質問本文
サムット・プラカン汚水処理プロジェクトに関する質問主意書
現在、タイ国のチャオプラヤ川河口付近サムット・プラカン県クロンダン区において汚水処理施設の建設が進んでいる。この施設は、旧海外経済協力基金によるタイ環境保全基金へのツー・ステップ・ローンから六十八億円、及び日本が最大の出資国であるアジア開発銀行から二億三千万ドルの支援を受けている。
ところが、このプロジェクトに対して、地域住民から強い懸念の声が出されている。この施設は工場からの排水を扱うにもかかわらず、重金属類を処理するように設計されておらず、豊かな自然の残る地域の海岸の生態系、及びその中で漁業を営む地域住民の生活に大きな影響を与える可能性があるためである。タイ環境技術協会のスチット・パナパプティクン博士は、本プロジェクトが他の代替案と比べて効率的でないと批判しており、三回にわたって行われた技術ヒアリングでも、多くの学者がクロンダン区における建設の問題点を指摘してきた。
さらに、この施設の建設地はフィジビリティ・スタディで検討された候補地から変更され、実際の建設地であるクロンダン区においては、環境影響評価が行われていない。この事実はタイ政府も認めており、現在新たに環境影響評価のやり直しが進められているほか、アジア開発銀行も独自に本プロジェクトについての調査ミッションを派遣すると聞いている。
「環境配慮のためのOECFガイドライン」は、下水道プロジェクトについて悪臭、水質悪化、生態系への影響への配慮を求めているが、本プロジェクトにおいてこうした点についての調査が不十分であることは、事業者側がこれから調査するという事実からみて明白である。また、どのような影響が出るかは未だ明らかでない。
よって、日本政府及び海外経済協力基金の業務を引き継いでいる国際協力銀行は、タイ政府への貸付実行を一時停止し、タイ政府による環境影響評価のプロセス完了を待ち、影響がどの程度あるかどうかをしっかりと把握し、環境ODAによる環境破壊を未然に防ぐべきであると考えるが、政府の見解を明らかにされたい。
右質問する。
政府答弁書
タイのサムット・プラカン県全域を対象として汚水の回収及び処理を行うプロジェクトとして現在行われている事業(以下「本事業」という。)については、タイの環境保全基金から資金の供与が行われているが、当該資金は、旧海外経済協力基金がタイ政府に対して供与した円借款の一部を利用しているものである。
本事業については、タイの科学技術環境省公害管理局が、タイの法令に基づいてサムット・プラカン県全域を対象とした調査を行い、環境面で特段の影響がないことを確認している。また、タイの環境保全基金が本事業に資金を供与するに当たって、旧海外経済協力基金は、「環境配慮のためのOECFガイドライン」(平成元年八月同基金作成)に基づいて、右調査について外部の専門家を交えて適正に審査した結果、環境面で特段の影響がないと認めている。
本事業の契約業者によって現在実施されている環境影響評価は、本事業を実施するに当たって、事業の具体的内容に即して行われているものであるところ、この環境影響評価においても、環境面で特段の影響がないことがおおむね確認されているものと承知している。また、御指摘の重金属類の処理方法については、本事業の施設の設計において、その大部分を沈殿させて処理することができるように配慮されているものと承知している。
このように、関係の調査等において、本事業について環境面で特段の影響がないと認められていることから、国際協力銀行がタイ政府に対して供与している円借款の貸付実行を現時点において停止する必要はないと考えている。
なお、政府としては、本事業に対して地域住民から懸念の声が出されていることを踏まえ、政府ミッション派遣の機会をとらえて、タイ政府に対し、地域住民との対話の重要性を指摘する等の働きかけを行ってきたところであり、今後とも本事業が円滑に実施されるように適切に対処してまいりたい。
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件名と質問本文の冒頭の意味が近いものを、前もって計算しておいた表から近い順に8件並べました(multilingual-e5-large)。同じ言葉を使っていなくても出ます。論点が少しずれていることもあります。