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サハリンⅡ石油開発プロジェクトにおける石油流出事故対策等に関する質問

参議院 第145回 第32号承知していない ×1検討してまいりたい ×1

提出者
参議院
提出日
1999年8月13日
内閣転送 1999年8月13日
答弁書受領日
1999年10月12日
提出から60日
答弁の項目数
17
質問 4,129字/答弁 5,233字

質問本文

サハリンII石油開発プロジェクトにおける石油流出事故対策等に関する質問主意書

本年七月、ロシア極東・サハリン島北東部の大陸棚鉱区で石油天然ガス開発が始まった(サハリンII石油開発プロジェクト)。同開発事業はアメリカや日本企業の参画のもと、今後数十年間にわたりサハリン沖の二鉱区で石油・天然ガスを採掘するものである。

この開発プロジェクトの石油流出緊急防災計画(OSCP)において環境対策が不十分であるにもかかわらず、日本輸出入銀行が融資を決定し、本年七月に事業が開始されている。

わが国では二年前にナホトカ号の沈没による油流出事故が発生し、北陸一帯の豊かな漁業資源、環境資産が打撃をうけ、地元経済も大きな被害を被った。原油汚染の影響は現在でも深刻な爪跡を残しており、今後数十年にわたって完全に元に戻ることはないともいわれている。

この度のサハリンII石油開発プロジェクトに関しても、同様の油流出事故の発生が危惧されており、とりわけ採掘油の輸送タンカーの航路となっている北海道沿岸、東北地方の水産業関係者の不安は大きいものがある。また、これらの地域に限らず、事故発生の地点、規模によってはわが国のどこにでも、さらには東アジア地域にまで深刻な被害を及ぼすことがあり得るのである。

これらの懸念を解消し、オホーツク海の非常に豊かな漁業資源、環境資産を次の世代に無事に引き渡すためにも、政府は事故の未然防止策及び事故が起きたときの万全な緊急時対策を設定し、実効性あるものとしなければならない。

このような観点から、以下質問する。

一、ナホトカ号の石油流出事故において、政府の危機管理体制の脆弱さがもろくも露呈したとされているが、その後、危機管理体制についてどのように把握し総括を行い、どのような対策を講じているのか示されたい。

二、サハリンII石油開発プロジェクトに対して、特に油流出事故対策等が運輸省、通産省、資源エネルギー庁、海上保安庁、地元自治体及び直接に影響を受ける地元漁民の意見を取り入れることなく、日本輸出入銀行だけの判断で承認されることは問題であると思われる。

関係省庁間の話し合いの上で、油流出事故対策を十分に検討し、現在の対策にどのような問題点があるのか、さらにはどのような対策をとる必要があるのか十分に検討する必要があると思われるが、政府の見解を示されたい。

三、日本は、油流出事故が起こった際に直接的に非常に大きな影響を受けることになり、とりわけ北海道沖に影響が及ぶ場合は、日本政府も油流出事故に対応することが求められている。ところがこの油流出事故対策に関して、開発当事者であるサハリン・エナジー社が作成した油流出事故対策計画(OSCP)は、非常に重要な資料であるにもかかわらず現段階においても日本語版が作成されていない。この計画は英語、ロシア語で作成されているが、日本語版資料も作成する必要があると思われるが政府の見解を示されたい。

さらに、危機管理は情報の共有が生命線であることから、政府はこのOSCPをはじめとして、関連する情報を積極的に公開すべきである。北海道の主要な図書館等、公共の場において閲覧できるようにすべきであると考えるが、政府の見解を示されたい。

四、OSCPには「現時点では、ロシアの法によれば油の除去に化学薬品を使用することと燃焼による処理を行うことを禁止している・・・このような規制が撤廃されるためには啓蒙が必要である」とある。つまりこの計画で述べられている流出油の処理方法はロシアの現行法に違反している。これは、「サハリンII」に対する融資を行う国際金融機関(日本輸出入銀行、欧州復興開発銀行、米国海外投資公社)が定めた、融資を与える事業はその国の規制に従う、という規定にも違反する。しかし、サハリン・エナジー社のこの計画は、前述の国際金融機関の規定を無視する態度をとっていることになり、極めて問題である。政府は、ロシア国内法を順守するかたちで融資の判断をするよう日本輸出入銀行に指導していくべきであると思われるが見解如何。

五、日本輸出入銀行の現在の体制では、こうした広範囲にわたる大型開発プロジェクトの社会環境対策に十分に対応できない。より一層の情報公開と、社会環境ガイドラインの作成、環境室のスタッフの充実等が緊急に求められていると思われる。現在の社会環境対策にかかわるスタッフの体制について政府はどのように把握しているか示されたい。

また、日本輸出入銀行は、情報公開の推進、社会環境ガイドラインの作成、社会環境対策部門の拡充をすべきであると考えるが、政府の見解を示されたい。

さらに、融資の決定に際しては、関連する環境保護団体等の意見をパブリックコメントのようなかたちで聴取し、融資決定の際の判断に資するべきであると考えるが、政府の見解を示されたい。

六、サハリン・エナジー社によって作成された油流出事故対策計画は、日本輸出入銀行、欧州復興開発銀行、海外民間投資公社によって承認されている。しかし、サハリンIIの石油開発に伴うオホーツク海での油流出事故対策、特にオホーツク海沿岸でのタンカー事故の対策が現在のところ不十分であることは明らかである。サハリン・エナジー社は「サハリン・日本間のタンカー航行における安全対策と事故の未然防止策は船主側の責任であり、船舶の安全航行確保については、当該領域を所管する政府の課題である」としている。政府としても開発当事者、荷主、船主等に対して何らかの助言・指導を行うべきであると考えるが政府の見解を示されたい。

七、サハリン・エナジー社、日本政府、ロシア政府、オホーツク海沿岸自治体、サハリン地方政府等との十分な協力の下、北海道、サハリンを含む地元漁業関係者との調整も行った上で、

1 サハリン・日本間のタンカー航行について安全対策と事故予防措置をとること

2 タンカーの石油流出事故の効果的な対策を立てること

3 流出事故が起こった場合、サハリンIIプロジェクトの実施会社やタンカー会社が十分な対策をとることができるよう、金銭的にも対策をとること

4 事故に対応できる十分な設備と人員を調達できるようにすること

の四点についての体制が確立されるよう早急に対応するべきであると考えるが政府の見解を示されたい。

八、さらに、北海道漁業協同組合長会議と北海道指導漁業協同組合連合会によって「サハリン海底油田開発事業に関する要請書」が本年七月、政府に提出されているが、

1 サハリン油田・天然ガス等開発計画の具体的な情報開示を行うこと

2 サハリン油田・油濁事故防災等に関する我が国アクションプログラム(行動計画)を早急に樹立すること

3 日本政府とロシア政府間のサハリン油田・油濁事故防災等に関する両国間協定を早期に締結すること

の三点について、政府はそれぞれどのような対応をとっているか、又はどのような検討をしているか示されたい。

九、アラスカ沿岸、北海道沿岸では、沿岸の油流出事故に対して、タンカー航路指定、オイルフェンスの長さ等、サハリンIIよりも厳しい事故対策がとられている。既に他の地域でとられている対策は、北海道沿岸部に多大な影響を及ぼすであろうオホーツク海での石油開発計画において採用されるべきであると考えるが政府の見解を示されたい。

十、現在、サハリン島沖ではサハリンIIだけでなく、サハリンI、III、IV、V等、次々と石油開発計画が進められているが、オホーツク海沿岸は石油資源のみではなく、世界で有数の水産資源の宝庫でもある。北海道指導漁業協同組合連合会によると、北海道だけでも漁業収益が年間二千億円、水産加工業が四千億円にものぼる収益をあげていると聞く。政府はこのような石油開発による水産資源への影響をどのように見ているのか。また、油流出事故の危険性が非常に高い地域であるオホーツク海で、今後どれほどの石油開発を見込んでいるのか明らかにされたい。

さらに、石油開発の利益と、それに伴う水産資源、自然環境の破壊のリスクとのバランスをどのように考えているのか、また、そのリスクを回避するために、どのような手だてを考えているか示されたい。

十一、本年七月二十三日、モスクワにおいて日露エネルギー協議が行われ、サハリンI、IIプロジェクトも議題にのぼったと聞く。その中で、油流出事故対策等の環境問題についても触れられたのか。俎上にのぼったとすると、どのような内容であったか示されたい。

また、日露環境保護合同委員会第二回会議が開催され、両国の直面する具体的な課題について議論したと聞いているが、どのような議論がなされたのか、概要を示されたい。とりわけサハリン沖での石油開発計画における環境汚染対策は俎上にのぼったか。またその内容を示されたい。

この度の日露環境保護合同委員会のように、隣国との環境問題についての協議をすることは安全保障の観点からも非常に重要であると考える。とりわけ日露間における環境協議について、シベリア・極東ロシア地域の環境問題関係者はモスクワ地域とは異なる課題を抱えているとも聞く。今後、環境協議の場をハバロフスク等極東地域で開催することを検討すべきである。また、あわせて地域の環境保護団体の代表者も協議に参加できるようにすべきである。これらについての政府の見解を示されたい。

十二、一九八九年に米国・アラスカ湾で起きたエクソン・バルディーズ号の原油流出事故の後、海洋の油汚染事故に関する国際的な取組がG7で取り上げられ、国際海事機構(IMO)の主導で一九九〇年末、「油による汚染にかかわる準備、対応及び協力に関する国際条約(OPRC条約)」が採択され、我が国も国内体制を整えているが、ロシアは未加入である。

この際、サハリン沖の石油開発を進めるに当たって、自然環境、水産資源等、オホーツク海の豊かな資源を共有する隣国として、ロシアに対しOPRC条約に加盟するよう積極的に働きかけて行くべきと思われるが、政府の見解を示されたい。

右質問する。

参議院の原文・経過

政府答弁書

一について

政府の危機管理体制に関しては、大規模な災害、事故、事件等の緊急事態が発生した場合の対処等に係る体制整備を内容として盛り込んだ行政改革会議の最終報告を踏まえ、平成十年四月、危機管理機能を強化するため内閣官房に内閣危機管理監が設置され、これに伴う体制の整備を図ったところである。

このような体制の中で、油流出事故を含め、災害、事故、事件等への各種対処マニュアルの作成等を行い、緊急の事態における応急対策等に万全を期しているところである。

二について

ロシア国内で実施されるサハリンII石油開発プロジェクト(以下「サハリンIIプロジェクト」という。)は、ロシア政府の規制を受けるものである。サハリンIIプロジェクトの実施主体であるサハリン・エナジー・インベストメント社(以下「サハリン・エナジー社」という。)の作成した環境対策を含めた開発計画は、ロシア政府の審査及び承認を受けており、サハリン・エナジー社の油流出事故対策は十分なものであると聞いている。

三について

政府としては、サハリン・エナジー社に出資している我が国企業を通じ、サハリン・エナジー社に対して、御指摘の「油流出事故対策計画(OSCP)」(以下「OSCP」という。)の日本語による情報開示を要請しており、同社は、これに応じる意向であると承知している。

また、サハリン・エナジー社は、OSCPを既にロシア国内では開示しており、我が国においても、情報開示を行う意向があると承知している。

四について

OSCPについては、その作成過程において、化学薬品の使用と海上燃焼処理がロシアの現行法において禁止されている旨の表現が一時盛り込まれていたことは、御指摘のとおりである。

しかしながら、その後、化学薬品の使用と海上燃焼処理がロシア現行法で禁止されているとの事実はないことが確認されたことから、当該記述は事実誤認に基づくものであるとして、OSCPから削除されたものと承知している。したがって、本年三月に完成したOSCPにおいては、当該記述は盛り込まれていないところである。

以上にかんがみれば、OSCPで述べられている流出油の処理方法がロシアの現行法に違反しているとの御指摘は当たらず、また、日本輸出入銀行等による融資が行われる本件事業が、ロシアにおける規制に違反しているという御指摘も当たらない。

なお、念のため一般論として申し上げれば、こうした政府系金融機関による融資の判断が融資対象国の国内法や規制等を遵守する形でなされるよう、政府として適切に対処すべきことは当然であり、今後とも引き続きそのように努めてまいりたい。

五について

日本輸出入銀行では、出融資を検討する案件の中で環境への影響が大きくなる可能性があると判断されるものについて、審査部内に設置されていた環境室が審査を行ってきたと聞いている。環境室においては、日本輸出入銀行で規定する環境チェックリストを活用するとともに、必要に応じ外部専門家を活用する等して、効率的な環境審査を実施してきたと承知している。

情報公開については、日本輸出入銀行は、法律の規定に基づく措置以外にも、出融資案件について随時新聞発表を行うなど積極的に対応してきたところである。社会環境ガイドラインについては、環境配慮のためのガイドラインを策定し、本年九月十四日に公表した。なお、旧日本輸出入銀行と旧海外経済協力基金の各業務を継承して本年十月一日に発足した国際協力銀行においても、それらの業務の目的や性格を踏まえつつ、統合された環境ガイドラインを策定する予定である。また、社会環境対策部門については、国際協力銀行において、旧日本輸出入銀行、旧海外経済協力基金のそれぞれの環境担当部署を統合し、部と対等の独立室として環境社会開発室を設置し、両機関が有していたノウハウ及び経験を活用して環境配慮を行う体制の一層の強化を図ったところである。政府としては、環境配慮の観点から、これらの点につき引き続き適切に対処してまいりたいと考えている。

環境保護団体等からの意見については、日本輸出入銀行はこれまでもその聴取に努め、適切な指摘については必要に応じて環境審査の内容に盛り込むなど活用してきたところであり、国際協力銀行においても今後とも意見の聴取等が適切になされるよう、政府として引き続き努めてまいりたい。

六について

タンカーからの油流出事故の未然防止対策については、船舶の設備及び構造、船員の資格等について、千九百七十三年の船舶による汚染の防止のための国際条約に関する千九百七十八年の議定書(昭和五十八年条約第三号)等により基準が定められており、船舶の登録国は自国の船舶に対しこの基準に適合するよう義務付けることとなっている。また、これらの条約において寄港国政府がその港にある外国船舶に対し、国際条約の適合の有無を確認する目的で立入検査を実施することができ、一定の場合には、当該外国船舶の航行を差し止める等の措置をとることとなっている。これらの内容は、海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律(昭和四十五年法律第百三十六号)等の我が国国内法で規定されており、具体的な措置が講じられているところである。

七の1について

サハリンIIプロジェクトに係るタンカーからの油流出事故の未然防止対策については、六についてで述べたとおり、必要に応じ国際条約に基づく立入検査等を実施することができるよう措置しているところである。

七の2について

政府としては、我が国沿岸部に影響を及ぼす油流出事故が発生した場合には、「油汚染事件への準備及び対応のための国家的な緊急時計画」(平成九年十二月十九日閣議決定。以下「緊急時計画」という。)において定めるところに従い、関係省庁間で十分に連携を図り、迅速、的確に対応していくこととしている。

具体的には、ナホトカ号海難・流出油災害等の教訓を踏まえ、外洋においても対応可能な大型油回収装置、高粘度油にも対応できる油回収装置その他の大規模油流出事故に対応するために必要な油防除資機材の整備に努めるとともに、油防除の専門家である機動防除隊の増強、大型浚渫船兼油回収船の建造を行う等流出油防除体制の強化を図っているところである。

七の3について

サハリンIIプロジェクトにおける生産施設からの油流出事故については、事業主体であるサハリン・エナジー社は、当該事故に対する所要の資金手当が可能であると聞いている。

また、タンカーからの油流出事故については、千九百六十九年の油による汚染損害についての民事責任に関する国際条約を改正する千九百九十二年の議定書(平成七年条約第十八号)等により、二千トン以上の油を運搬するタンカーの船主は、一定額の保険契約等の締結を義務付けられている。さらに、当該保険契約等で填補される額を超えた場合は、被害者は千九百七十一年の油による汚染損害の補償のための国際基金の設立に関する国際条約を改正する千九百九十二年の議定書(平成七年条約第十九号)等により、一定額までの被害について、国際基金から補償を受けることができることとなっているところであり、これらの内容は我が国の油濁損害賠償保障法(昭和五十年法律第九十五号)で規定されている。

七の4について

サハリンIIプロジェクトにおける生産施設からの油流出事故については、サハリン・エナジー社において、生産施設に近いノグリキ市に油回収船(オイルフェンス等搭載)を配備しているほか、サハリン州政府所有の機材を活用する計画を有しているとともに、人員の訓練を行う等、迅速に所要の設備と人員の配置ができるような体制を整備していると聞いている。

また、我が国沿岸部に影響を及ぼす油流出事故が発生した場合には、七の2についてで述べたとおり、緊急時計画に定めるところに従い、関係省庁間で十分に連携を図り、迅速、的確に対応してまいりたい。

八の1について

政府としては、北海道漁業協同組合長会議及び北海道指導漁業協同組合連合会の関係者に対し、サハリン・エナジー社の作成した資料に基づき、サハリンIIプロジェクトの具体的な内容についての説明を行った。また、当該関係者が、同社に出資している我が国企業に対し当該プロジェクトに関し直接説明を受けることを希望していたため、当該我が国企業に対して、当該関係者の要請内容を伝達するとともに、当該関係者から説明を求められた場合には積極的に対応してほしい旨依頼したところである。政府としては、今後とも、我が国関係企業に対し、サハリンIIプロジェクトに関する情報開示を積極的に求めてまいりたい。

八の2について

政府としては、ナホトカ号海難・流出油災害等の教訓を踏まえ、機動防除隊の増強、大型浚渫船兼油回収船の建造等我が国周辺海域で発生する大規模油流出事故に対する防除体制の強化を図っているところである。

八の3について

御指摘の点については、海上保安庁とロシア運輸省海運局海洋汚染防除・救助部との間で油流出事故発生時に備えて相互に連絡窓口を設定するとともに、日本国、ロシア及びアメリカ合衆国の三か国で油防除合同訓練を実施し、並びに日本国、ロシア、大韓民国及び中華人民共和国の四か国で実務者会合を開催してきているところであり、引き続き、こうした機会を通じて、我が国とロシアとの連携及び連絡を密にしていく必要があると考える。

両国間の協定の締結に関しては、政府としては、ロシアが事故発生時の迅速な協力の実施を確保するための千九百九十年の油による汚染に係る準備、対応及び協力に関する国際条約(以下「OPRC条約」という。)を早期に締結することが、まずは重要であると考えている。

九について

二についてで述べたとおり、サハリン・エナジー社の油流出事故対策は十分なものであると聞いている。

また、我が国沿岸部に影響を及ぼす場合の我が国における油流出事故対策については、六について及び七の2についてで述べたとおり、必要な措置が講じられているところである。

十について

政府としては、サハリン・エナジー社は、事故防止に必要な対策を講じており、万が一事故が発生した場合であっても、迅速な対応を行うことにより、周辺環境に極力被害が及ばないように安全対策を講じている旨を聞いている。

また、オホーツク海における今後の石油開発の全体像は必ずしも把握していない。

なお、政府としては、エネルギー供給源の過半を石油に依存する我が国においては、その石油のほぼ全量を輸入に依存し、中東依存度が高いなど石油の供給構造が脆弱であり、緊急時において安定的な供給が期待される原油の確保が必要であるため、自主開発政策を推進しているところであるが、その実施に当たっては、産油国の規制を遵守するとともに、周辺の水産資源及び自然環境に十分配慮するよう我が国関係企業に促してまいりたい。

十一について

本年七月二十三日、モスクワにおいて開催された第二回日露エネルギー協議では、サハリン・プロジェクトの進ちょく状況について意見交換がなされた。その中で日露双方は、サハリンIIプロジェクトが七月から石油生産を開始することを評価した上で、更にプロジェクトを円滑に実施していくための措置につき意見交換を行ったが、油流出事故対策については特にやりとりは行われなかった。

本年六月二十九日から三十日までモスクワにおいて開催された日露環境保護合同委員会第二回会議では、両国の環境行政及び環境政策、両国における環境問題及び地球環境問題に対する取組等について話し合われたが、サハリン沖での石油開発計画における環境汚染対策については議論にのぼらなかった。

環境の保護の分野における協力に関する日本国政府とソヴィエト社会主義共和国連邦政府との間の協定(平成三年四月十八日署名)に基づき設置された日露環境保護合同委員会をロシア極東地域において開催すること及び同委員会に地域の環境保護団体の代表者を参加させることは、政府としては、現段階において考えていないが、今後検討してまいりたい。

十二について

OPRC条約は、船舶、油取扱施設等から生ずる油による汚染事件を原因とする被害を最小限に抑えるための国内の体制を整備すること及びかかる事件に対して迅速かつ効果的な措置をとるための国際協力の枠組み等について定めるものであり、我が国は平成七年十月に本条約を締結したが、ロシアは未締結である。

政府としては、平成九年一月のナホトカ号海難・流出油災害後、ロシアに対して本条約の早期締結を申し入れたが、より多くの国が本条約を締結することが海洋環境の一層の保全に資すると考えられるところ、今後とも、ロシアに対し本条約を早期に締結するよう働きかけてまいりたい。

参議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

承知していない ×1検討してまいりたい ×1

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

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