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JR東労組の役員逮捕、家宅捜索及びJR東労組への革マル派浸透に関する質問主意書

参議院 第156回 第3号

提出者
参議院
提出日
2003年2月7日
内閣転送 2003年2月12日
答弁書受領日
2003年3月18日
提出から39日
答弁の項目数
11
質問 1,888字/答弁 1,582字

質問本文

平成十四年十一月一日、警視庁はJR東労組の役員ら七名を強要容疑で逮捕し、これまでに約七十か所に上る職場、組合役員宅等の家宅捜索を執行している。十一月二十二日には七名全員が起訴された。そして、事件の中心人物のJR東労組大宮地方本部副委員長は革マル派幹部と報道されている。かねてより警察庁警備局長は国会答弁で「JR東労組への革マル派の浸透」について明らかにし、治安問題と認識し注意を喚起してきたが、本件は、浸透による悪影響の具体的な表れであり、飽くまでも氷山の一角にすぎないと考える。我が国の重要な基幹産業であるJR東日本という公共交通機関の労働組合に過激派が浸透していることは、極めて憂慮すべき事態であり、一刻も早く正常化を図る必要があると考える。

このような認識から、次の事項について質問する。

一 本件の捜査状況を明らかにされたい。

二 JR総連、JR東労組に対し「革マル派が相当浸透している」といえる根拠と実態を明らかにされたい。

三 JR東労組への革マル派の浸透により、JR東日本会社内における職場管理、安全輸送等に関する影響の実態を明らかにされたい。

四 本件の中心人物とされるJR東労組幹部役員が革マル派幹部であることの根拠及び同人物の革マル派内での位置付けとJR東労組内での影響力について明らかにされたい。

五 過激派革マル派の社会的な危険性について見解を明らかにされたい。また革マル派がJR総連、JR東労組に浸透工作を働く真の狙いは何なのか。更に浸透が進めば、今後、どのような事態が起こり得ると考えられるか。

六 革マル派が国内最大の極左暴力集団になったとされるが、同派の活動資金の捻出、調達についてどのように考えるか。また、JR総連、JR東労組がその資金源になっているおそれはないのか、見解を明らかにされたい。

七 JR東労組の組織方針に従順でない組合員や、他労組組合員に対する集団的な追及、嫌がらせなどの犯罪的事態は他にも数多く発生している。今回の強要事件は、徹底した排他的性格を持つとされる革マル派の影響を受けた、JR東労組の組織方針に基づき発生したものと考えるがどうか。

八 JR東労組は今回の事態を憲法第二十八条が保障する団結権に基づく「組織を維持・防衛する活動」としているが、本件のような暴力的な強要行為は、正当な労働組合活動を大きく逸脱するものと考えるがどうか。

九 今回の強要事件は数十回、おおむね六か月間に及び、職場内で、あるいは勤務時間内に敢行されたとされる。当然、JR東日本の職場管理者はこれを把握していたと認識するが、これを黙認し、退職に至るまで適切な対応を欠いた会社の職場管理責任及び犯罪を助長、誘発した責任について、見解を明らかにされたい。

十 JR東日本は、我が国の重要な基幹産業、公共交通機関としての責務を有している。にもかかわらず、今回の事件でJR東労組の犯罪行為を黙認し、その経過を知りながら、提出された退職願を受理した。また、昨年二月に発令された東京支社における、元JR東労組役員の管理職人事の問題に関してJR東労組との間で対立があり、JR東労組松崎元会長は、この件について社長が労働組合に陳謝したと講演している模様だが、そうした事実はあるのか。さらに、昇進、昇格、配転などの会社人事で、JR東労組を極端に優遇し、社員の労働組合の所属による差別的な扱いが横行しているとも聞く。JR東日本のこのような姿勢は、既にJR東労組の組織を通じて、革マル派に会社の人事権を侵されていることの証左ではないかと危惧するが、見解を明らかにされたい。

十一 JR東日本は、我が国の重要な基幹産業、公共交通機関として、過激派を厳しく排除すべき責務を持つことは当然である。しかし同社社長は最大労組のJR東労組への革マル派浸透を再三指摘されてきたにもかかわらず、国会で「労働組合としてとくに問題があると思っていない」と答弁するなど、過激派排除に対する認識が極めて薄いと考えるが、こうした会社の姿勢に対する見解を明らかにされたい。

十二 国土交通大臣は昨年十二月四日の衆議院国土交通委員会でJR東労組への革マル派浸透問題に関し、安全運行確保の視点からJR東日本を指導していく旨の答弁を行った。監督官庁はJR東日本に対し、今日までどのような指導を行ってきたのか。また、大臣答弁を踏まえ、今後どのような指導を行っていく考えか明らかにされたい。

十三 JR総連本部及びJR東労組以外のJR総連加盟の労働組合への革マル派の浸透の実態はどうなのか。

右質問する。

参議院の原文・経過

政府答弁書

一について

お尋ねの件については、捜査当局において、平成十四年十一月一日に被疑者七人を強要罪で逮捕し、関係箇所約七十箇所に対する捜索、被疑者の取調べ、証拠品の分析、関係者に対する事情聴取等所要の捜査を行ったものと承知している。

なお、同月二十二日に、七人全員について同罪で東京地方裁判所に公訴が提起されたものと承知している。

二について

警察においては、平成八年以降、日本革命的共産主義者同盟革命的マルクス主義派(以下「革マル派」という。)の非公然アジト十五か所を摘発しているが、これらのアジトの一部から押収した資料を分析するなどした結果、全日本鉄道労働組合総連合会(以下「JR総連」という。)及び東日本旅客鉄道労働組合(以下「JR東労組」という。)内における革マル派組織の存在を確認するなど、革マル派がこれらの組織に相当浸透している実態を解明しているものと承知している。

三について

安全の確保は、公共交通機関である鉄道輸送にかかわるすべての関係者の基本的な責務である。今後、東日本旅客鉄道株式会社(以下「JR東日本」という。)に、鉄道輸送の安全に係る問題が出てくるのであれば、安全で安定した鉄道輸送の確保の観点から適切に対処してまいりたい。

四について

お尋ねの件で逮捕された七人の中には、革マル派活動家とみられる者がいると承知しているが、現在、当該事件は東京地方裁判所に係属中であるので、具体的な事項については答弁を差し控えたい。

五について

革マル派は、共産主義革命を起こすことを究極の目的としている極左暴力集団であると承知しており、これまでにも、火炎びんの使用等の処罰に関する法律(昭和四十七年法律第十七号)違反事件や対立するセクトとの間での殺人事件など多数の刑事事件を引き起こしているところである。また、革マル派は現在、組織拡大に重点を置き、党派性を隠して基幹産業の労働組合等各界各層への浸透を図っており、JR総連及びJR東労組への浸透もそうした組織拡大戦術の一環であると考えられる。

なお、JR総連及びJR東労組という公共交通機関の労働組合における革マル派の動向については、公安の維持の観点から重大な関心を払っている。

六について

革マル派の資金源には、機関紙の売上代金、同盟費等があるものと承知しているが、JR総連及びJR東労組がその資金源になっているおそれの有無については、今後の警察活動に支障を来すおそれがあることから、答弁を差し控えたい。

七について

お尋ねの件については、現在、当該事件が東京地方裁判所に係属中であるので、答弁を差し控えたい。

八について

一般論としては、暴力の行使や脅迫は、労働組合の正当な行為であるとはいえないが、お尋ねの件については、現在、当該事件が東京地方裁判所に係属中であるので、答弁を差し控えたい。

九から十一までについて

お尋ねの点については、JR東日本が適切に事業を運営していく上で必要となる労使関係をいかに構築していくかということを始めとする同社の経営上の問題であるので、政府として答弁する立場にない。

十二について

安全の確保は、公共交通機関である鉄道輸送にかかわるすべての関係者の基本的な責務である。この点については、国土交通省においても、従来から安全を確保するための適切な取組を行ってきたところであり、JR東日本に対しても、例えば平成十二年以降の三年間に、鉄道輸送の安全確保に関し、鉄道運転事故や輸送障害等に対し、文書により計九件の厳重注意や再発防止の指示等の指導を行ってきたところである。今後とも、鉄道輸送の安全の確保に万全を期してまいりたい。

十三について

JR総連加盟の労働組合でJR東労組以外のものへの革マル派の浸透実態については、現在、警察等において鋭意解明に努めているものと承知している。

参議院の原文

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