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別寒辺牛川のイトウと砂防ダムに関する質問主意書

参議院 第156回 第5号お答えすることは困難 ×1趣旨が明らかではない ×1

提出者
参議院
提出日
2003年2月10日
内閣転送 2003年2月17日
答弁書受領日
2003年3月14日
提出から32日
答弁の項目数
7
質問 1,115字/答弁 1,629字

質問本文

北海道釧路管内厚岸町を流れる別寒辺牛川は、ラムサール条約登録湿地である別寒辺牛湿原・厚岸湖を抜ける準用河川である。上流部が陸上自衛隊矢臼別演習場内を流れることから開発を免れ、レッドデータブック絶滅危惧IB類のイトウ(サケ科)が生息するなど、原始的な姿を残した大変に貴重な河川である。

この別寒辺牛川において、防衛施設庁札幌防衛施設局は、米軍演習受入れの環境整備の一環として、砂防ダム建設事業(以下「当該事業」という。)を進め、既に一基の提体を完成させている。しかし、当該事業は、別寒辺牛川の貴重な自然環境に甚大な影響を与え、取り返しのつかない事態に発展するおそれがある。

以上の観点から、次の事項について質問する。なお、同様の文言が並ぶ場合でも、各項目ごとに平易な文章で答弁されたい。

一、政府は、イトウの保護について、どう認識しているのか。

二、別寒辺牛川の自然環境について

1 イトウは、同川の中下流部に生息し、上流部で繁殖すると聞く。当該事業によって、生活圏が分断され、繁殖及び生息が妨げられるのではないか。

2 当該事業は、同川下流部のラムサール登録湿地流域の河床低下を招き、ひいては河岸崩壊や湿地の乾燥化にまで至るおそれがあると聞くが、どうか。

3 当該事業において、環境アセスメントが実施されていないと聞くが、事実か。もし行われていないのであれば、同川が貴重な自然環境を有することを踏まえて、その理由を示されたい。

三、厚岸町周辺地域の基幹産業は、別寒辺牛川河口部を拠点とする水産業である。よって、当該事業が河口部の環境を変化させ、水産業に影響を与えることが懸念されているが、どうか。

四、陸上自衛隊矢臼別演習場は、陸上自衛隊によって約三十年にわたり実弾演習が行われ、現在まで土砂流出の被害は報告されていないと聞く。だが、当該事業は、米軍の実弾演習による土砂流出を理由として進められている。なぜ、陸上自衛隊の実弾演習では土砂流出がなく、米軍の実弾演習では土砂流出が起こるのか。合理的な理由を示されたい。

五、札幌防衛施設局は、土砂流出予想箇所に対し、原因対策を実施していないと聞くが、事実か。事実であれば、原因対策を実施せずに当該事業を行った理由を示されたい。

六、札幌防衛施設局は、環境保護団体等に対し、当該事業について砂防法も含めて一切の法令が及ばないと説明したと聞く。法治国家であるわが国において、一切の法令に根拠を置かず、自然河川に砂防施設を建設することができるのか。

七、別寒辺牛川の自然環境の重要性にかんがみ、当該事業を中止し、既に建設した砂防ダムについても撤去するべきだと考えるが、どうか。

右質問する。

参議院の原文・経過

政府答弁書

一について

イトウは、環境省が平成十一年二月十八日に作成した汽水・淡水魚類のレッドリストにおいて、近い将来における野生での絶滅の危険性が高い種として絶滅危惧ⅠB類に掲載されており、保護のため十分な配慮がなされるべき種であると認識している。

二について

札幌防衛施設局においては、別海矢臼別大演習場(以下「本演習場」という。)における自衛隊及び我が国に駐留するアメリカ合衆国軍隊(以下「合衆国軍隊」という。)の訓練の実施によって本演習場内の土地の形質が変化する等により、降雨又は融雪に伴い別寒辺牛川支流に土砂が流出しやすくなり、当該土砂の流出により生ずる障害を防止し、又は軽減するため、北海道厚岸町からの要望を踏まえ、ダムの建設の事業(以下「本件事業」という。)を計画したところである。本件事業については、別寒辺牛川の管理を行い、その周辺地域の状況に詳しい厚岸町に委託している。

本件事業は、環境影響評価法(平成九年法律第八十一号)及び北海道環境影響評価条例(平成十年北海道条例第四十二号)に定める環境影響評価の対象事業に該当しないため、これらに基づく環境影響評価を行っていない。しかしながら、厚岸町の意見を踏まえ、本件事業の実施に伴う環境への影響を最小限にするとの観点から本件事業の対象地域周辺の動植物の生息等に及ぼす影響について調査を行った結果、イトウを含む魚類が別寒辺牛川支流に生息していることが確認されたことから、これらの繁殖及び生息にできる限り影響を及ぼすことのない方策について検討を行い、これに有効と考えられる附帯施設として魚道を設置したところである。

なお、当該魚道におけるイトウの実際の遡上状況等について、今後、補完的に調査を行うとともに、その繁殖及び生息について、有識者から意見の聴取等を行うこととしている。

また、厚岸湖・別寒辺牛湿原周辺の河川の河床低下を招く等の御指摘については、その内容につき十分な知見が得られていないが、必要があれば関係機関と調整等を行ってまいりたい。

三について

本件事業については、二についてで述べたとおり、本演習場内から別寒辺牛川支流に流出する土砂により生ずる障害を防止し、又は軽減することを目的として実施するものであって、汚濁対策としては厚岸湖及び厚岸湾の漁業資源確保等に資するものとして、厚岸町からの要望を踏まえ行っているものである。

四について

本件事業については、二についてで述べたとおり、本演習場における自衛隊及び合衆国軍隊の訓練の実施によって本演習場内の土地の形質が変化する等により、降雨又は融雪に伴い別寒辺牛川支流に土砂が流出しやすくなり、当該土砂の流出により生ずる障害を防止し、又は軽減するために行っているものである。

なお、本演習場においては、合衆国軍隊による沖縄県道一〇四号線越え実弾射撃訓練を本土に移転して行う訓練が開始される以前からも、本件事業と同様の事業を行ってきたところである。

五について

お尋ねの「原因対策」の意味が必ずしも明らかではないが、土砂流出の発生場所である弾着区域等となっている箇所においては、土砂の流出防止対策を講ずることは困難であることから、本件事業を実施しているものである。

六について

札幌防衛施設局は、別寒辺牛川が河川法(昭和三十九年法律第百六十七号)の適用を受けない河川であるところ、厚岸町普通河川管理条例(平成十二年厚岸町条例第二十二号)に基づき河川の占用許可を受け、本件事業を行っているところである。

七について

本件事業については、これまで述べてきたように、本演習場内から別寒辺牛川支流に流出する土砂により生ずる障害を防止し、又は軽減することを目的として実施するものであって、汚濁対策としては厚岸湖及び厚岸湾の漁業資源確保等に資するものとして、厚岸町からの要望を踏まえ行っているものであり、これを中止し、既に完成しているダムの堤体を撤去する考えはない。

参議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

お答えすることは困難 ×1趣旨が明らかではない ×1

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

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