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サロベツ地域の農業振興に関する質問主意書

衆議院 第163回 第30号

提出者
民主党・無所属クラブ
提出日
2005年10月26日
内閣転送 2005年10月31日
答弁書受領日
2005年11月4日
提出から9日
答弁の項目数
4
質問 868字/答弁 1,026字

質問本文

北海道宗谷支庁豊富町は、兜沼に入植した開拓民が苛酷な自然条件と闘い、つくりあげた町である。明治三二年の入植以来一〇〇年余、今日では道北一の酪農地帯にまで発展している。

しかしながら、サロベツ地域は泥炭地であり、不等沈下による農地のたん水被害や地下水位の上昇は、牧草の収量低下のみならず、農業機械の効率低下を招くなど酪農経営に大きな影響を与えている。

特に、融雪期等には農地の冠水被害は頻発し、洪水被害の軽減は喫緊の課題である。

従って、次の事項について質問する。

一 北海道農業に開拓者が果たしてきた役割をどのように認識しているか。また、北海道農業における酪農の位置づけ及び今後の酪農振興について政府の基本的考え方を明らかにされたい。

二 現在、サロベツ湿原については、ラムサール条約への登録が確定しており、立入禁止等の規制措置、湿原の生態系の維持、湿原の有形・無形の資源の持続的利活用等湿原保全に向けた基本原則が課せられることとなる。このことは、酪農経営の生命線でもある牧草地の保全にも多大な影響を及ぼすことは必至である。

このような中で、湿原保護と農地保全、治水対策等の調和をどのように図っていくのか。

また、地域の基幹産業である酪農を今後とも発展させていくため、自然と共生した農地の整備方針をどのように考えるか。

三 サロベツ川流域は、洪水が頻発しており、中山間地域直接支払いの対象地域として指定するなど、サロベツ地域の農業を存続させるための方途を講じることが必要ではないか。

また、国策により入植した地域が今回のラムサール条約への登録によって農業の存続が困難になることに起因して離農を余儀なくされる者に対して何らかの補償をすべきと考えるが、政府の見解をうかがいたい。

四 治水は国の基本的責務であるが、度重なる洪水被害を甘受せざるを得なかったサロベツ地域に対する冠水対策についてどのように考えていたのか。また、ラムサール条約への登録後におけるサロベツ地域の農地の冠水被害の防止等に向けた対策はどのように考えるのか。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一について

北海道の農地の多くは明治時代以降に開発が行われており、入植者が北海道における農業の振興に果たした役割は大きいと認識している。また、北海道における農業において、酪農は農業粗生産額の三割を占める基幹部門であり、酪農及び肉用牛生産の振興に関する法律(昭和二十九年法律第百八十二号)第二条の三第一項の規定に基づき北海道が作成した北海道酪農・肉用牛生産近代化計画の達成に向け必要な支援の実施に努めてまいりたい。

二について

特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約の指定湿地を指定した件(平成十七年環境省告示第百十一号)により指定されたサロベツ原野に係る湿地の区域(以下「サロベツ湿原」という。)には農用地は含まれていないが、サロベツ湿原の周辺の農用地における湛水を排除するため必要な排水施設の整備等の農地保全対策については、現在、当該農用地に隣接する湿原の乾燥化の抑制等周辺環境に配慮した事業の実施について検討が行われているところであり、今後とも、サロベツ湿原の保護に留意しつつ、必要な農地保全対策等の農地整備を適切に実施する必要があると考えている。

三について

サロベツ川流域に位置する北海道天塩郡豊富町及び幌延町においては、平成十六年度に約一万八千ヘクタールの農地に対し、中山間地域等直接支払交付金実施要領(平成十二年四月一日付け十二構改B第三十八号農林水産事務次官依命通知)に基づく交付金が交付されているところであり、今後とも、両町の農業者等のニーズに応じ、農業振興のために必要な支援の実施に努めてまいりたい。

二についてで述べたとおり、サロベツ湿原には農用地は含まれていないこと等から、サロベツ原野が特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約(昭和五十五年条約第二十八号)第二条1に規定される国際的に重要な湿地に係る登録簿に掲げられることにより、両町における農業の存続が困難になるとは考えていない。

四について

サロベツ湿原の周辺地域は泥炭地であり、湛水が生じやすい自然条件にあることから、昭和三十六年度から昭和四十三年度にかけて行われた国営サロベツ土地改良事業としてサロベツ川流域において延長約十二・八キロメートルの排水路の整備を実施する等、湛水の排除等の農地保全対策に努めてきたところである。今後とも、サロベツ湿原の周辺地域の湛水被害の抑制等を図るため、河川及び排水路の整備等の必要な施策の実施に努めてまいりたい。

衆議院の原文

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