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日中戦争等における中国人被害者による損害賠償請求訴訟等に関する質問主意書
参議院 第162回 第14号
質問本文
旧日本軍の細菌戦部隊「七三一部隊」による生体実験や、南京虐殺・無差別爆撃などによって家族を殺傷されるなどの被害があったとして、中国人とその遺族計十人が、日本政府を相手取って謝罪と賠償を求めた訴訟の控訴審判決が本年四月十九日、東京高等裁判所で言い渡され、原告側の控訴は棄却された。
そこで、以下質問する。
一、一九九九年九月に東京地方裁判所において言い渡された一審判決では、「日中戦争は、中国及び中国人民に対する弁解の余地ない帝国主義的、植民地主義的意図に基づく侵略行為」「日本の侵略占領と、これに派生する非人道的行為が長期間続き、南京虐殺と言うべき行為があったのはほぼ間違いなく、七三一部隊が人体実験をしていたのも疑う余地がなく、多数の中国人民に甚大な戦争被害を与えたのは疑う余地のない歴史的事実」「我が国は真摯に中国人民に謝罪すべきだ」「日中間の友好関係と平和を維持発展させるには、相互の民族感情の宥和を図るべく我が国が更に最大限の配慮をすべきだ」などと戦時の事実関係を認め、日本政府に配慮を勧告している。今回の控訴審判決にはこうした事実認定の言及がないが、一審の事実認定自体を否定してはいないことから、事実認定は維持されたものと受け止めることができる。
今回の控訴審判決を政府がどのように受け止めているか、見解を示されたい。また、一審判決における事実認定が控訴審判決でも維持されているか否かについての政府の見解も示されたい。
二、控訴審判決は棄却だが、政府は一審判決の「最大限の配慮をすべきだ」という勧告にも従いつつ、本件の謝罪と賠償に関して政治的決着を図る決断はできないか。その理由も含めて明らかにされたい。
三、本件以外にも同種の訴訟がいくつかあり、これまでに判決が出たものはいずれもほぼ同様の判決内容となっている。本件と同様の判決が出た過去の訴訟、あるいは今後判決が出る訴訟に関して、政府に政治的決着を図る意思はないか。
四、本件一審判決の事実認定があるにもかかわらず、文部科学省検定の歴史教科書の中に、認定された事実に全く触れなかったり、日中戦争自体を日本に都合のいいように解釈したりする記述のある教科書があるため、対中関係をこじらせている。今月の外務大臣訪中時の提案の結果、今後、日中間で歴史専門家による歴史認識共有のための会合が開かれる可能性が出ているが、将来、そのような会合で共有された歴史認識が教科書の記述に反映されるべきだと政府は考えるか。
右質問する。
政府答弁書
一について
お尋ねの東京高等裁判所平成十七年四月十九日判決(以下「控訴審判決」という。)は、控訴をいずれも棄却しており、国側のこれまでの主張が認められたと考えている。
また、お尋ねの事実認定については、控訴審判決は、一審判決の認定事実を引用していないことから、その事実認定を維持する判断をしたものではないと理解している。
二及び三について
政府としては、戦後五十周年に当たる平成七年の終戦記念日に際し、内閣総理大臣談話を発表し、先の大戦に係る我が国の歴史認識を明確に表明している。また、中国との間でも、我が国は、昭和四十七年の日本国政府と中華人民共和国政府の共同声明(以下「日中共同声明」という。)、昭和五十三年の日本国と中華人民共和国との間の平和友好条約(昭和五十三年条約第十九号)及び平成十年の平和と発展のための友好協力パートナーシップの構築に関する日中共同宣言を通じ、先の大戦に係る歴史に対する深い反省を表明し、中国もこれを受け入れ、この三十余年間の日中友好関係が築かれてきたと考えている。
お尋ねの賠償については、先の大戦に係る日中間の請求権の問題は、昭和四十七年の日中共同声明発出後、存在しておらず、このような認識は、中国側も同様であると承知している。
四について
歴史教科書において、具体的にどのような歴史的事象を取り上げ、それをどのように記述するかは、基本的に執筆者の判断にゆだねられている。
歴史的事象に関する学問的成果が教科書に反映されるかどうかについては、当該成果が我が国の学界においてどのように位置付けられるか、また、これを踏まえ、執筆者において、どのような記述がなされるかによるものであると考える。
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件名と質問本文の冒頭の意味が近いものを、前もって計算しておいた表から近い順に8件並べました(multilingual-e5-large)。同じ言葉を使っていなくても出ます。論点が少しずれていることもあります。