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柏崎刈羽原子力発電所を含む西山丘陵の地殻構造運動に関する質問主意書

参議院 第169回 第20号お答えすることは困難 ×2

提出者
参議院
提出日
2008年2月4日
内閣転送 2008年2月6日
答弁書受領日
2008年2月12日
提出から8日
答弁の項目数
23
質問 3,270字/答弁 3,393字

質問本文

本年一月十八日に、私は、「柏崎刈羽原発の安全性と設置審査における国及び東京電力の責任に関する質問主意書」(第一六八回国会質問第一一三号)に対して、中越沖地震を踏まえても、柏崎刈羽原発敷地を含む西山丘陵の地殻構造運動はないとした見解の変更はないとする答弁書(以下「前回答弁書」という。)を受領した。

一般に柏崎刈羽の平野の西側、海岸線と柏崎刈羽の平野の西縁の間の柏崎刈羽原子力発電所敷地を含む地域を西山丘陵と呼んでいる。国土地理院は、GPS(全地球測位システム、以下「GPS」という。)基地を三十キロメートル間隔に設け常時観測しており、中越沖地震後の二〇〇七年七月十六日と七月二十日、柏崎刈羽原子力発電所周辺に設置されているGPS観測点の水平・垂直移動を公表した。西山丘陵の海岸線を走る国道三五二号線には約二キロメートル毎に一等水準点が設けられており、中越沖地震後に国土地理院が水準測量を実施して同年八月八日の地震調査委員会に報告している。中越沖地震後の同年七月十八日、独立行政法人産業技術総合研究所(以下「産業技術総合研究所」という。)は柏崎原発敷地北東の寺泊から柏崎市街地南西までの海岸を調査して海岸部の隆起や沈降を発表した。国土地理院は人工衛星「だいち」の測定結果を解析して、同年七月二十日には柏崎市椎谷の観音岬を中心とした西山丘陵の隆起を、同年十月二日には柏崎刈羽原発敷地東部の中央丘陵・小木ノ城背斜の隆起や柏崎刈羽平野の沈降を発表した。同年十月十二日、東京電力は岩盤に直接設置された、柏崎刈羽原子力発電所の原子炉建屋やタービン建屋が中越沖地震で傾いた事実を公表した。

これらの公的機関が公表した事や東京電力の発表した事は、「柏崎刈羽原発敷地を含む西山丘陵の地殻構造運動はない」とする前回答弁書とは矛盾すると考えるので、以下の質問をする。

一 西山丘陵の範囲、位置に関することについて

一般に西山丘陵とは、海岸と柏崎刈羽平野や出雲崎・旧和島村の平野西縁の間の丘陵部で、南西端は鯖石川までを西山丘陵と呼んでいる。

1 前回答弁書の西山丘陵とはどこか。一般にいう西山丘陵で良いか。異なるなら西山丘陵の範囲とその境界決定根拠を明示されたい。

2 出雲崎町から柏崎市までの国道三五二号線沿いの一等水準点(四四五一~四四六二)は西山丘陵に位置しているか。西山丘陵に位置していないならその根拠は何か。

3 GPS観測点「柏崎1」は、柏崎刈羽原発敷地から二キロメートル南西の柏崎市松波三丁目の柏崎市立松浜中学校に、「出雲崎」は出雲崎町の西山丘陵内に設置されている。これらの観測点は西山丘陵に位置するのか。西山丘陵に位置していないならその根拠は何か。

二 海岸の隆起・沈降と地殻構造運動の関係について

1 国は、産業技術総合研究所が公表した、中越沖地震で柏崎刈羽原発敷地北東の出雲崎町から敷地南西部の柏崎市荒浜までの海岸で隆起や沈降が観測された事実を認めるか。

2 海岸の隆起の事実は地殻構造運動が起こったことを示すと考えるがそれでよいか。

3 海岸の隆起が地殻構造運動でないなら、他に何が考えられるのか。

三 GPS観測点の水平・垂直移動と地殻構造運動の関係について

1 西山丘陵やその縁辺地域に設置されたGPS観測点が中越沖地震で水平・垂直に移動した事を国土地理院が公表している。国は、GPS観測点の移動を認めるか。

2 新潟県中越沖地震の激震地を中心としたGPS観測点が移動した事は、地域の地殻構造運動を示すと考えるがそれで良いか。

3 前回答弁書は「西山丘陵の地殻構造運動はない」と述べている。中越沖地震でのGPS観測点の移動を地殻構造運動以外で説明するならそれは何か。

四 一等水準点の隆起沈降と地殻構造運動の関係について

1 国道三五二号線沿いの一等水準点が中越沖地震で隆起・沈降した事を国土地理院が公表している。これらの一等水準点の隆起・沈降を認めるか。

2 中越沖地震で国道三五二号線沿いの一等水準点が隆起・沈降した事は、地域の地殻構造運動を示すと考えるがそれで良いか。

3 前回答弁書は「西山丘陵の地殻構造運動はない」と述べている。中越沖地震での国道三五二号線沿いの一等水準点が隆起・沈降を地殻構造運動以外で説明するならそれは何か。

4 国道八号線沿いの一等水準点が中越沖地震で隆起・沈降した事を国土地理院が公表している。これらの一等水準点の隆起・沈降を認めるか。

5 中越沖地震で国道八号線沿いの一等水準点が隆起・沈降した事は、地域の地殻構造運動を示すと考えるがそれで良いか。

6 前回答弁書は「西山丘陵の地殻構造運動はない」と述べている。中越沖地震での国道八号線沿いの一等水準点が隆起・沈降を地殻構造運動以外で説明するならそれは何か。

五 人工衛星だいちの観測結果と地殻構造運動の関係について

1 人工衛星だいちの観測結果は西山丘陵と中央丘陵・小木ノ城背斜の隆起と柏崎刈羽平野の沈降を干渉縞で示している。西山丘陵と中央丘陵・小木ノ城背斜の隆起と柏崎刈羽平野の沈降した事実を認めるか。

2 西山丘陵と中央丘陵・小木ノ城背斜の隆起と柏崎刈羽平野の沈降は、地殻構造運動を示すと考えるがそれで良いか。

3 前回答弁書は「西山丘陵の地殻構造運動はない」と述べている。人工衛星だいちの示した西山丘陵と中央丘陵・小木ノ城背斜の隆起と柏崎刈羽平野の沈降を地殻構造運動以外で説明するならそれは何か。

六 原子炉建屋・タービン建屋の傾きと地殻構造運動の関係について

1 東京電力の建屋の水準測量結果の解析は、中越沖地震で岩盤に設置した原子炉建屋やタービン建屋が隆起・沈降し、傾いたことを示している。この事実を認めるか。

2 国は、柏崎刈羽原発の原子炉建屋やタービン建屋が傾いていたことをいつ知ったか。知った後、東京電力にどのような指示をしたか。国の内部でどのような検討をしたか。

3 国は、岩盤に立地した原子炉建屋やタービン建屋が傾くことを想定していたのか。想定していたならばその証拠を示す資料の概要を示されたい。

4 強固な岩盤に設置するといわれた原子力発電所の原子炉建屋やタービン建屋が地震で傾くなど、およそ想定できないことである。原子力発電所の原子炉建屋・タービン建屋の傾きに関する指針や手引き、通達は何か。

5 岩盤に設置した原子炉建屋やタービン建屋が隆起・沈降し、傾いた事実は、中越沖地震で、建屋直下で断層や褶曲などの地殻構造運動が起こったと考えることが常識的である。そのように考えないのか。

6 岩盤に設置した原子炉建屋やタービン建屋が隆起・沈降し、傾いた事実を地殻構造運動以外で説明するならそれは何か。

七 柏崎刈羽原子力発電所を含む西山丘陵の地殻構造運動はないとの見解について

1 前回答弁書の「柏崎刈羽原子力発電所を含む西山丘陵の地殻構造運動はない」との見解は、国土地理院や産業技術総合研究所の見解と異なると考える。国のどこの部署が、何を根拠に「原発敷地や刈羽村寺尾を含む西山丘陵の後期更新世の地殻構造運動はない」と判断し、答弁書を作成したのか。

2 地殻構造運動の調査を担当する国の部署は、国交省の国土地理院でないのか。

3 国土地理院以外が「原発敷地や刈羽村寺尾を含む西山丘陵の後期更新世の地殻構造運動はない」との見解を出したなら、その理由は何か。

4 柏崎刈羽原発敷地周辺の一等水準点の隆起沈降や、西山丘陵や中央丘陵・小木ノ城背斜の隆起と柏崎刈羽平野の沈降を公表している国土地理院は「原発敷地や刈羽村寺尾を含む西山丘陵の後期更新世の地殻構造運動はない」との見解を了承しているのか。

5 柏崎刈羽原発敷地周辺の海岸の隆起・沈降を公表している産業技術総合研究所は「原発敷地や刈羽村寺尾を含む西山丘陵の後期更新世の地殻構造運動はない」との見解を了解しているのか。

6 省庁間で異なる見解の答弁書は改めなくてよいのか。

右質問する。

参議院の原文・経過

政府答弁書

一の1について

参議院議員近藤正道君提出柏崎刈羽原発の安全性と設置審査における国及び東京電力の責任に関する質問に対する答弁書(平成二十年一月十八日内閣参質一六八第一一三号。以下「先の答弁書」という。)で述べた西山丘陵は、東京電力株式会社柏崎刈羽原子力発電所原子炉設置変更許可申請書のうち二号機から七号機までの設置変更許可申請に係るものに記載されている西山丘陵のことを指すが、御指摘の「海岸と柏崎刈羽平野や出雲崎・旧和島村の平野西縁の間の丘陵部で、南西端は鯖石川まで」とほぼ同様の範囲を想定している。

一の2について

西山丘陵の範囲を厳格に画定することは困難であるが、国土地理院が設置した一等水準点標石番号第四千四百五十一号から第四千四百六十二号までのうち、一等水準点標石番号第四千四百五十三号付近から第四千四百五十九号付近までは、西山丘陵の範囲に位置していると考えられる。

一の3について

西山丘陵の範囲を厳格に画定することは困難であるが、国土地理院が設置した電子基準点柏崎一及び電子基準点出雲崎のうち、電子基準点出雲崎は、西山丘陵の範囲に位置していると考えられる。

二の1について

平成十九年新潟県中越沖地震(以下「今回の地震」という。)により、御指摘の海岸で隆起や沈降があったと承知している。

二の2及び3について

御指摘の海岸の隆起は、地殻構造運動により引き起こされた今回の地震の発生に伴う地殻変動によるものと考えられるが、当該海岸の観測結果のみをもって、当該海岸近傍における地殻構造運動を示すものとはいえず、地震を引き起こす可能性のある地殻構造運動に伴う褶曲及び活断層が柏崎刈羽原子力発電所の敷地及びその近傍に存在するかどうかについては、現在、東京電力株式会社において調査中である。

三の1について

地震調査研究推進本部地震調査委員会(以下「調査委員会」という。)は、国土地理院が実施した電子基準点柏崎一における観測の結果に基づき、今回の地震の発生に伴って、当該基準点が柏崎市の沿岸部で北西方向へ最大約十七センチメートル移動したと評価している。また、電子基準点出雲崎については、地盤の局所的な変形の可能性があることから、当該基準点が移動したとは評価していない。

三の2及び3について

三の1についてで述べた電子基準点柏崎一の移動は、地殻構造運動により引き起こされた今回の地震の発生に伴う地殻変動によるものと考えられるが、当該基準点における観測結果のみをもって、当該基準点の近傍における地殻構造運動を示すものとはいえず、地震を引き起こす可能性のある地殻構造運動に伴う褶曲及び活断層が柏崎刈羽原子力発電所の敷地が含まれる西山丘陵に存在するかどうかについては、現在、東京電力株式会社において調査中である。

四の1について

調査委員会は、御指摘の一等水準点について国土地理院が実施した水準測量の結果に基づき、今回の地震に伴って、柏崎市観音岬を中心とする最大約二十五センチメートルの隆起と柏崎験潮場における約四センチメートルの沈降が観測されたと評価している。

四の2及び3について

御指摘の隆起及び沈降は、地殻構造運動により引き起こされた今回の地震の発生に伴う地殻変動によるものと考えられるが、御指摘の一等水準点における観測結果のみをもって、当該水準点の近傍における地殻構造運動を示すものとはいえず、地震を引き起こす可能性のある地殻構造運動に伴う褶曲及び活断層が柏崎刈羽原子力発電所の敷地が含まれる西山丘陵に存在するかどうかについては、現在、東京電力株式会社において調査中である。

四の4について

国土地理院が実施した水準測量により、今回の地震において、御指摘の一等水準点の多くが沈降したとの結果が得られている。

四の5及び6について

御指摘の沈降は、地殻構造運動により引き起こされた今回の地震の発生に伴う地殻変動によるものと考えられるが、御指摘の一等水準点における観測結果のみをもって、当該水準点の近傍における地殻構造運動を示すものとはいえず、地震を引き起こす可能性のある地殻構造運動に伴う褶曲及び活断層が柏崎刈羽原子力発電所の敷地が含まれる西山丘陵に存在するかどうかについては、現在、東京電力株式会社において調査中である。

五の1について

今回の地震において、陸域観測技術衛星(ALOS)からの観測により、西山丘陵と中央丘陵・小木ノ城背斜が隆起し、また、柏崎市を中心とする鯖石川・鵜川流域の柏崎平野が沈降したと考えられる結果が得られている。

五の2及び3について

御指摘の隆起及び沈降は、地殻構造運動により引き起こされた今回の地震の発生に伴う地殻変動によるものと考えられるが、御指摘の地域における観測結果のみをもって、当該地域の近傍における地殻構造運動を示すものとはいえず、地震を引き起こす可能性のある地殻構造運動に伴う褶曲及び活断層が柏崎刈羽原子力発電所の敷地が含まれる西山丘陵に存在するかどうかについては、現在、東京電力株式会社において調査中である。

六の1について

今回の地震後に実施した柏崎刈羽原子力発電所の建屋の水準測量の結果、今回の地震の前後において原子炉建屋やタービン建屋が傾斜したことの報告を東京電力株式会社から受けているが、原子炉建屋やタービン建屋の隆起・沈降については、現在、東京電力株式会社において調査中である。

六の2について

柏崎刈羽原子力発電所の原子炉建屋やタービン建屋の傾斜については、平成十九年十月十二日に開催された総合資源エネルギー調査会原子力安全・保安部会耐震・構造設計小委員会地震・津波・地質・地盤合同ワーキンググループにおいて、東京電力株式会社から報告を受けている。同ワーキンググループにおいては、今回の地震後の当該建屋の傾斜が安全上重要な設備に与える影響について厳正に検討を行うことが必要であるという旨の指摘がなされており、この指摘を受け、東京電力株式会社において、建屋の傾斜が安全上重要な設備に与える影響について検討が行われているものと承知している。

六の3及び4について

原子炉の設置許可に係る安全審査においては、「原子力発電所の地質・地盤に関する安全審査の手引き」(昭和五十三年八月二十三日原子炉安全専門審査会)等に基づき、原子炉施設の基礎岩盤について、支持力、すべり及び沈下に関して評価を行い、基礎岩盤が十分な安全性を有することを確認し、その結果については、いわゆる安全審査書として取りまとめている。

六の5及び6について

原子炉建屋やタービン建屋の隆起・沈降と敷地直下における地殻構造運動に伴う褶曲及び断層活動との関係については、現在、東京電力株式会社において調査中である。

七の1について

地震を引き起こす可能性のある地殻構造運動に伴う褶曲及び活断層が柏崎刈羽原子力発電所の敷地が含まれる西山丘陵に存在するかどうかについては、現在、東京電力株式会社において調査中であることから、原子力安全・保安院としては、現時点で「柏崎刈羽原子力発電所の敷地及び刈羽村寺尾を含む敷地付近の西山丘陵地域において少なくとも第四紀後期における地殻構造運動に伴う褶曲及び断層活動はない」という安全審査時の判断を変える状況には至っていないと考えており、先の答弁書三についてのようにお答えしたものである。

七の2について

国土地理院は、土地の測量、地図の調製及びこれらに関連する業務に関すること等を所掌する機関であり、その業務の一環として地殻変動の調査を行っているが、地殻構造運動の調査を所掌する機関ではない。

七の3について

原子力安全・保安院においては、原子炉の設置に係る安全審査を所掌する立場から、先の答弁書三についてのようにお答えしたものである。

七の4について

七の2についてでお答えしたとおり、国土地理院は地殻構造運動の調査を所掌する機関ではないことから、御指摘の見解について了承する立場にない。

七の5について

独立行政法人産業技術総合研究所は、先の答弁書三についてで原子力安全・保安院がお答えした内容について了解する立場にない。

七の6について

柏崎刈羽原子力発電所を含む西山丘陵の地殻構造運動について、省庁間で異なる見解はないと考えている。

参議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

お答えすることは困難 ×2

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

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