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田母神俊雄前航空幕僚長の「日本は侵略国家であったのか」という題で発表された論文に関する質問主意書
参議院 第170回 第82号お答えすることは困難 ×1
質問本文
田母神俊雄前航空幕僚長が「我が国が侵略国家だったなどというのは正に濡れ衣」等と主張する論文を民間企業の懸賞論文で発表したことが明らかになった。同論文は、日中戦争での日本の侵略や植民地支配を正当化する内容で、浜田靖一防衛大臣は十月三十一日、「政府見解と異なり不適切だ。職にとどまるべきではない」と述べ、同航空幕僚長を同日付で解任した。しかし、この論文は極めて問題であり、更迭すれば良いというものではなく、この際、事実関係や政府解釈を確認する必要がある。
そこで、以下のとおり質問する。
一 田母神俊雄前航空幕僚長の「日本は侵略国家であったのか」という題で発表された論文(以下、「田母神論文」という。)は政府の考え方と食い違っているとされているが、論文にある次の部分は、政府の考え方と食い違っているか、それともそうではないかを明らかにされたい。政府の考え方と食い違っている場合にはどう違っているのか、政府見解を示されたい。
1 日本は「朝鮮半島や中国大陸に軍を進め」たが、「相手国の了承を得ないで一方的に軍を進めたことはない」という部分。
2 「我が国は蒋介石により日中戦争に引きずり込まれた被害者」という部分。
3 我が国は「穏健な植民地統治をした」という部分。
4 日米戦争は「日本を戦争に引きずり込むために、アメリカによって慎重に仕掛けられた罠であった」という部分。
5 「多くのアジア諸国が大東亜戦争を肯定的に評価している」という部分。
6 「我が国が侵略国家だったなどというのは正に濡れ衣」という部分。
二 政府は田母神論文の存在をいつ、どのようなことから認識したか。
三 防衛省の内規では論文寄稿については事前の届け出が必要であったにもかかわらず、この手続きをとらなかったと報道されているが、これは事実か。事前に何らの届け出も通知もなかったのか。
四 田母神俊雄前航空幕僚長以外にも前記民間企業の懸賞論文に寄稿した防衛省の公務員がいたと報じられているが、これは事実か。また寄稿した公務員らは事前の届け出をしていたかどうかを明らかにされたい。
五 過去二十年以内に、論文寄稿については事前の届け出が必要とされる防衛省の内規に違反した事例があるか。あればその内容、寄稿者の当時の肩書き、寄稿先、文書の題名及びその概要、報酬・賞金等名目の如何を問わないが金員の受領の有無等を明らかにされたい。また違反に対してはどのような制裁ないし処分がなされたか、それとも全くお咎めなしであったか。
六 防衛省内部では、前記第一項の各号に記載しているような趣旨に沿った教育ないし研修を行ったことはないか。
七 田母神俊雄前航空幕僚長は、田母神論文にあるような内容をこれまで防衛省内部で発言、発表したことはないか。
八 田母神論文は最優秀として賞金三百万円が授与される予定と報じられているが、防衛省内規に違反したうえ、その内容も極めて問題があるから、返上すべきものと考えるが、政府はこうした指導を行ったか、あるいは行う予定があるか。
右質問する。
政府答弁書
一について
先の大戦に関する政府の認識については、平成七年八月十五日及び平成十七年八月十五日の内閣総理大臣談話等において示されてきているとおりである。御指摘の論文(以下「当該論文」という。)には、このような政府の認識と明らかに異なる見解が述べられていると考えている。
二について
防衛省としては、平成二十年十月三十一日に、懸賞論文の主催者が、受賞論文を公表したことにより、当該論文の存在を認識したところである。
三について
当該論文については、「部外に対する意見の発表について」(昭和五十六年二月二十三日付け官広第八百十四号。以下「官房長通知」という。)に定める通報が田母神前航空幕僚長から適切になされなかった。
四について
田母神前航空幕僚長以外の隊員による今般の懸賞論文への応募について、防衛省が調査を行ったところ、平成二十年十一月十二日現在、九十七名が応募し、そのうち九十四名については、官房長通知等に定める事前の上司への届出を行っていたことが確認されている。
五について
防衛省において、過去二十年以内に、官房長通知に定める届出又は通報をすることなく部外に論文を寄稿したことを網羅的に把握することは困難であるが、届出又は通報をすることなく部外に論文を寄稿したとして懲戒処分を受けた隊員の事例については、現時点において確認されていない。
六について
防衛省においては、政府の認識とは異なる見解を教えることを目的として、教育又は研修が行われたという事実は確認されていない。
七について
防衛省として、田母神前航空幕僚長の防衛省内部における発言等をすべて把握しているわけではないが、同氏が当該論文と同様の見解を述べているものとしては、例えば、航空自衛隊幹部学校幹部会「鵬友」発行委員会が発行する刊行物「鵬友」平成十九年五月号があると承知している。
八について
田母神前航空幕僚長が、退職後に賞金を受けるか否かについては、本人が判断すべき問題であると考えている。
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件名と質問本文の冒頭の意味が近いものを、前もって計算しておいた表から近い順に8件並べました(multilingual-e5-large)。同じ言葉を使っていなくても出ます。論点が少しずれていることもあります。