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東京電力福島第一原子力発電所の原子力災害に関する質問主意書

参議院 第177回 第147号趣旨が明らかではない ×1承知していない ×1

提出者
参議院
提出日
2011年5月10日
内閣転送 2011年5月16日
答弁書受領日
2011年5月24日
提出から14日
答弁の項目数
11
質問 1,291字/答弁 2,686字

質問本文

東京電力福島第一原子力発電所一号機に係る原子力災害の初動態勢について、以下のとおり質問する。

一 三月十一日における初動対応について

1 午後三時四十一分発電所において全交流電源が喪失してから午後十時頃圧力容器内の圧力上昇が確認されるまでの間の政府の対応について、時系列的に明らかにしてほしい。

2 1と同時間における東京電力の対応について、時系列的に明らかにしてほしい。

二 三月十二日におけるベントの実施について

1 枝野幸男内閣官房長官は、午前三時の記者会見で「国民への発表が終わるまではベントをさせない旨指示している。」という趣旨のことを述べているが、この「指示」に対応する「発表」は、いつどのような形で行われ、枝野官房長官の指示が実行されたと考えたらいいのか。

2 菅直人内閣総理大臣は、ヘリコプターで被災地の視察に出発する時に、まだベントが行われていないことを知っていたのか。また、ヘリコプターに搭乗中、ベントの実施状況について、報告を受けていたのか。それとも、発電所到着時に、ベントが行われていないことを知ったのか。

3 菅総理が、自らベントを指示していながら、放射線防護服を着用しないで、発電所へ向かったのは、なぜか。

4 菅総理が、ヘリコプターに同乗した内閣官房職員に自身をビデオ撮影させたのは、なぜか。また、そのビデオを公開したのは、なぜか。

5 菅総理は午前一時三十分にベントの実施を決定しているが、実際にベントの作業を開始したのは、何時何分頃か。ベントの完了は、午後二時三十分頃と聞いているが、なぜこんなに時間が掛かったのか。時系列的にその理由を説明してほしい。

6 政府及び東京電力がベント弁のうち電磁弁が停電のため開かないと確知したのは、何時何分頃か。また、手動弁が圧縮空気が現場にないため開かないと確知したのは、何時何分頃か。また、圧縮空気が確保できたのは、何時何分頃か。

7 細野豪志内閣総理大臣補佐官がベントの遅れについて東京電力を批判する記者会見を行っているが、どういう理由で批判しているのか、具体的に明らかにしてほしい。

三 三月十二日における海水注入の実施について

1 東京電力清水正孝代表取締役社長は、午後二時五十分の淡水注入停止以前に海水注入を指示したと五月二日の参議院予算委員会で答弁しているが、実際に海水注入が行われたのは午後八時二十分であり、なぜこんなに時間が掛かったのか。時系列的に説明してほしい。

2 清水社長の海水注入の指示は、政府に伝わっていたのか。伝わっていたのならば、なぜ、午後六時に、菅総理が、改めて海水注入の指示をしたのか。また、菅総理は、午後二時五十分に淡水注入が停止することをあらかじめ知らなかったのか。菅総理が、淡水注入の停止を知ったのは、何時何分頃か。

3 菅総理が、午後六時に海水注入を指示しておきながら、海江田万里経済産業大臣が改めて午後八時五分に原子炉等規制法に基づく指示を出したのは、どのような理由からか。東京電力も、菅総理も、指示を出しているのであれば、改めての指示は不要ではないか。

右質問する。

参議院の原文・経過

政府答弁書

一について

東京電力株式会社福島第一原子力発電所(以下「福島第一原子力発電所」という。)の第一号機については、平成二十三年三月十一日午後三時四十二分に、全交流電源喪失を理由とする原子力災害対策特別措置法(平成十一年法律第百五十六号。以下「原災法」という。)第十条第一項に基づく通報が東京電力株式会社(以下「東京電力」という。)から経済産業省にあった。同日午後四時四十五分には、原災法第十五条第一項第二号の事象である非常用炉心冷却装置注水不能に該当するとの通報が東京電力から同省にあった。同日午後七時三分には、菅内閣総理大臣が、同条第二項に基づき「原子力緊急事態宣言」を発し、原災法第十六条第一項に基づき原子力災害対策本部を、原災法第十七条第八項に基づき原子力災害現地対策本部を設置し、直ちに、第一回原子力災害対策本部が開催された。同日午後九時二十三分には、原災法第二十条第三項に基づき、菅原子力災害対策本部長から関係地方公共団体の長に対し、福島第一原子力発電所から半径三キロメートル圏内の居住者等の避難のための立退き及び半径十キロメートル圏内の居住者等の屋内への退避について指示をした。同月十二日未明には、原災法第十五条第一項第二号の事象である原子炉格納容器内圧力異常上昇に該当するとの通報が東京電力から同省にあった。なお、「午後十時頃圧力容器内の圧力上昇が確認」されたとの御指摘については、東京電力から聞いておらず承知していない。

二の1について

枝野内閣官房長官は、御指摘の「記者会見」において、東京電力から原子炉格納容器内の圧力を抑制する措置を行うとの報告を受けた旨発表しており、同記者会見並びにこれと同時並行で行われた海江田経済産業大臣及び東京電力小森常務取締役の臨時共同記者会見が、同措置の実施に係る国民への事前発表であったと認識している。

二の2について

菅内閣総理大臣が、ヘリコプターに搭乗する時点までに、福島第一原子力発電所の第一号機において原子炉格納容器内の圧力を抑制する措置が実施されたとの連絡はなかった。また、福島第一原子力発電所に到着した後、同措置がまだ実施されていないとの報告を受けた。

二の3について

視察団として線量計を携行し、絶えず放射線量を把握しながら視察を行ったところである。

二の4について

御指摘の「ヘリコプターに同乗した内閣官房職員」が映像撮影を行ったのは、視察を記録するためである。また、撮影した映像を報道機関に提供したのは、同職員以外に同ヘリコプターに映像撮影を行う者が同乗していなかったことから、報道機関から映像提供を要請されたためである。

二の5について

平成二十三年三月十二日午前一時三十分頃には、菅内閣総理大臣が、海江田経済産業大臣とともに、経済産業省原子力安全・保安院(以下「保安院」という。)、原子力安全委員会及び東京電力より原子炉格納容器内の圧力を抑制する措置の実施の必要性について説明を受け、これを了承した。同日午前六時五十分には、同大臣が、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律(昭和三十二年法律第百六十六号。以下「原子炉等規制法」という。)第六十四条第三項の規定に基づき、東京電力に対し原子炉格納容器内の圧力を抑制することを命令し、これを受け、同日午前十時十七分には、東京電力が同容器内の圧力を抑制する措置を実施した。

東京電力からは、同措置を実施するに当たっては、外部電源が喪失し、照明も点灯しない中、作業員が放射線量の高い区域で作業をせざるを得なかったため、一定の時間がかかったと聞いている。

二の6について

東京電力によれば、原子炉圧力容器内の圧力を抑制するための弁のうち電磁弁は電気がなければ開かないことについてあらかじめ承知しており、全交流電源喪失を理由とする原災法第十条第一項に基づく通報を行った平成二十三年三月十一日午後三時四十二分には、停電のために同弁が開かない可能性があることを認識していたとのことである。

また、お尋ねの「手動弁」とは空気操作弁のことを指すと考えられるが、東京電力によれば、同弁は圧縮空気がなければ開かないことについてあらかじめ承知しており、同通報を行った時には、圧縮空気が確保できず同弁が開かない可能性があることを認識していたとのことである。

さらに、東京電力によれば、二の5についてでお答えしたとおり、同日午前十時十七分には、原子炉格納容器の圧力を抑制する措置を実施しており、正確な時刻は明らかではないが、同措置の実施前に圧縮空気が確保できたとのことである。

二の7について

御指摘の「記者会見」がどの記者会見を指すのか必ずしも明らかではないが、平成二十三年四月二十五日に行われた福島原子力発電所事故対策統合本部合同記者会見において、細野内閣総理大臣補佐官が、原子炉格納容器内の圧力を抑制する措置が遅れた理由は技術的な問題及び作業現場の放射線量の高さであるとの報告を東京電力より受けた旨の発言をしたところである。

三の1について

東京電力によれば、清水代表取締役社長は、平成二十三年三月十二日午後二時五十分頃には、福島第一原子力発電所第一号機の原子炉圧力容器への海水注入の実施について確認・了解したが、同日午後三時三十分過ぎに水素爆発と思われる爆発が発生するなど作業の実施が極めて困難な状況であったため、同容器への海水注入が開始されない状況が続いていたとのことである。同日午後八時五分には、海江田経済産業大臣が、原子炉等規制法第六十四条第三項の規定に基づき、東京電力に対し原子炉容器への海水注入等の実施を命令し、これを受け、同日午後八時二十分には、東京電力が原子炉圧力容器への海水注入を開始した。

三の2について

東京電力によれば、福島第一原子力発電所第一号機の原子炉圧力容器への海水注入の実施に関し平成二十三年三月十二日午後二時五十分頃に東京電力の清水代表取締役社長が確認・了解したことについては、その時点では政府に連絡していなかったとのことである。

また、東京電力によれば、淡水注入の停止時刻については、政府に連絡していなかったとのことである。

三の3について

菅内閣総理大臣は、福島第一原子力発電所第一号機への海水注入について、平成二十三年三月十二日午後六時から、海江田経済産業大臣、保安院、原子力安全委員会、東京電力等の関係者とともに行った会議の中で、検討を指示し、その検討結果を踏まえて、同日午後七時五十五分に海水注入の指示を行ったものである。

参議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

趣旨が明らかではない ×1承知していない ×1

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

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