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事業仕分けによる刑事施設における物品販売事業からの地元事業者の締め出しに関する質問主意書

参議院 第178回 第5号承知していない ×1

提出者
参議院
提出日
2011年9月14日
内閣転送 2011年9月16日
答弁書受領日
2011年9月27日
提出から13日
答弁の項目数
6
質問 1,495字/答弁 2,029字

質問本文

平成二十二年五月二十五日に、内閣府の行政刷新会議において財団法人矯正協会に対するヒアリングが行われ、「物品取扱事業については、不正が生じるリスクがあるため、ディシプリンが働くメカニズムを導入すべき」との評価がなされた。

法務省は、この結果を受けて、平成二十三年三月四日、三井物産と米国企業グループを主要株主とするエームサービス株式会社に、今後五年間にわたる物品販売事業を一括指定することを決定した。

本決定に基づき、本年四月から全国八十二か所の刑事施設において、物品販売事業者が財団法人矯正協会からエームサービス株式会社への切替えが進む中、当該切替えにより、地元事業者の排除が進められている。

従来、刑事施設は地元住民との良好な関係を形成するため、物品販売事業等において地元事業者を活用するなどの長年の工夫を行ってきたが、民主党政権による事業仕分けにより、このような良好な関係にも影響が及ぶこととなりつつある。

特に、法務省の当該決定直後に起きた東日本大震災及び原子力発電所事故により苦難に直面している福島県においても、本年度中に、このような地元事業者の排除が進められることに、大きな困惑が広がっている。

そこで、以下のとおり質問する。

一 本年度から進められている刑事施設における物品取扱事業の一括指定に関し、財団法人矯正協会からエームサービス株式会社への切替えの進捗状況如何。八月までに何施設が切り替わったのか。その施設名をすべて明らかにされたい。また、当該切り替わった刑事施設のうち、地元物品販売・卸事業者等からの調達が打ち切られ、結果として地元事業者が排除されたのは何施設あるのか。

二 「物品取扱事業については、不正が生じるリスクがあるため、ディシプリンが働くメカニズムを導入すべき」という行政刷新会議の指摘は「地元事業者を排除すべき」という指摘なのか。どのような「不正」を回避しようとしたのか明確にされたい。

三 刑事施設が地元住民との良好な関係を形成するため、物品販売事業等において地元事業者を活用するなどの長年の工夫を行ってきたことは、「不正の温床」と考えているのか。野田政権の考え方を明らかにされたい。

四 刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律第五十一条には、「刑事施設の長は(中略)自弁物品等の購入について、刑事施設の管理運営上必要な制限をすることができる」とあるが、「刑事施設が地元住民との良好な関係を形成するため、物品販売事業等において地元事業者を活用するなどの長年の工夫」を行うことは、「刑事施設の管理運営上必要な制限」の範囲に全く含まれないと言えるのか。その法的根拠とともに明らかにされたい。

五 法務省とエームサービス株式会社との平成二十三年三月四日付け合意文書及び協定書には、「地元事業者の活用」についての条項は存在しないのか。存在しない場合、そのような規定を置かなかった法務省の判断の根拠は何か。「刑事施設が地元住民との良好な関係を形成するため、物品販売事業等において地元事業者を活用するなどの長年の工夫を行ってきたこと」について、法務省としてこれまで評価してこなかったのか、明らかにされたい。

六 前記五の合意文書及び協定書締結の後、東日本大震災及び原子力発電所事故が発生したことにかんがみ、少なくともこのような災害の影響を受ける地域の刑事施設においては地元事業者を当面引き続き活用するよう、政府はエームサービス株式会社と再協議を行うべきと考えるが、「福島の再生なくして日本の再生はない」と明言した野田政権の見解を明らかにされたい。

右質問する。

参議院の原文・経過

政府答弁書

一について

御指摘の行政刷新会議の事業仕分けにおいて、物品販売事業(刑事施設に収容されている被収容者に交付しようとする物品又は被収容者が購入しようとする自弁物品等であって、刑事施設の長が定める種類のものを販売する事業をいう。以下同じ。)については、「現職の刑務官が中心となって会費を出し合っている公益法人に当該事業を担わせる仕組みを改める」べきであるとの指摘を受け、財団法人矯正協会が指定事業者(刑事施設及び被収容者の処遇に関する規則(平成十八年法務省令第五十七号)第二十一条第二号による刑事施設の長の指定を受けて物品販売事業を行う者をいう。以下同じ。)とされている刑事施設について、その指定事業者を、平成二十三年度中に、順次、変更することとしており、平成二十三年六月一日から市原刑務所、府中刑務所、静岡刑務所及び東京拘置所の四施設において、同年八月一日から富山刑務所、金沢刑務所、福井刑務所、岐阜刑務所、笠松刑務所、岡崎医療刑務所、名古屋刑務所、豊橋刑務支所、岡崎拘置支所、三重刑務所、名古屋拘置所、一宮拘置支所及び半田拘置支所の十三施設において、それぞれ同協会からエームサービス株式会社に指定事業者を変更している。

また、「地元物品販売・卸事業者等からの調達が打ち切られ、結果として地元事業者が排除された」の意味するところが必ずしも明らかでないが、指定事業者が物品販売事業を行う際の物品の調達先については、指定事業者がその判断により決するものであり、政府として網羅的に把握していない。

なお、従前から同協会以外の業者が指定事業者とされていた場合は、これを変更することはしていない。

二について

お尋ねの「行政刷新会議の指摘」については、評価結果ではなく評価者のコメントの一つであり、物品販売事業の事業仕分けにおいては、「地元事業者を排除すべき」といった議論は行われておらず、物品販売事業の実施主体である財団法人矯正協会の会員である刑務所長等が、同協会が設定する物品提供の価格が適正であるかどうかを判断するのは不適切ではないかといった議論が行われ、一についてで述べたとおりの評価結果が出されたところである。

三について

「物品販売事業等において地元事業者を活用するなどの長年の工夫」の意味するところが必ずしも明らかでないが、指定事業者として、又は指定事業者が物品販売事業を行う際の物品の調達先として、「地元事業者」を活用することが「不正の温床」となるとは考えていない。

四について

刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律(平成十七年法律第五十号)第五十一条は、「刑事施設の長は、この節に定めるもののほか、法務省令で定めるところにより、差入人による被収容者に対する金品の交付及び被収容者による自弁物品等の購入について、刑事施設の管理運営上必要な制限をすることができる。」と規定し、当該規定を受けて、刑事施設及び被収容者の処遇に関する規則第二十一条は、刑事施設の長の行う制限につき、「被収容者に対する金品の交付の申出及び被収容者による自弁物品等の購入の申請の日及び時間帯」及び「一人の者が一定の期間内に一人の被収容者に交付する物品の種類ごとの数量及び被収容者が一定の期間内に購入する自弁物品等の種類ごとの数量」の制限並びに「被収容者に交付しようとする物品又は被収容者が購入しようとする自弁物品等であって、刑事施設の長が定める種類のものについて、刑事施設の長が指定する事業者から購入するものに制限すること」を規定するが、この「刑事施設の管理運営上必要な制限」には、御指摘の「刑事施設が地元住民との良好な関係を形成するため、物品販売事業等において地元事業者を活用する」ことは、含まれないと考えている。

五について

財団法人矯正協会が指定事業者とされていた刑事施設における物品販売事業については、公募の結果、平成二十三年三月四日にエームサービス株式会社を指定事業者として選定し、同年四月二十一日付けで、法務省矯正局長と同社代表取締役社長との間で、同社が行う物品販売事業に係る総括協定書を取り交わしているが、同社の物品の調達先については、同社において決するものであり、「地元事業者の活用」についての条項は存在しない。

また、「刑事施設が地元住民との良好な関係を形成するため、物品販売事業等において地元事業者を活用するなどの長年の工夫を行ってきたこと」の意味するところが必ずしも明らかでないが、同協会が指定事業者として物品販売事業を行った際の物品の調達先についても、同協会がその判断により決しており、その具体的な調達先について、法務省として把握して評価したことはない。

六について

お尋ねの「地元事業者を当面引き続き活用する」の意味するところが必ずしも明らかでないが、現時点において、物品販売事業について、エームサービス株式会社と再協議を行うことは予定していない。

参議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

承知していない ×1

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

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