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集団的自衛権における「必要最小限度の実力行使」に関する質問主意書
参議院 第189回 第158号お答えすることは困難 ×1
質問本文
政府は、平成二十六年七月一日に「国の存立を全うし、国民を守るための切れ目のない安全保障法制の整備について」を閣議決定し、自衛の措置としての武力の行使の新三要件(以下「新三要件」という。)を満たす限りにおいて集団的自衛権の行使は憲法上も許容される、との見解を示している。
そして、新三要件の第三要件「必要最小限度の実力行使にとどまるべきこと」の意義について、安倍内閣総理大臣は、平成二十六年七月十五日の参議院予算委員会において、「この新三要件に言う必要最小限度とは、我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される原因をつくり出している、我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃を排除し、我が国の存立を全うし、国民を守るための必要最小限度を意味するわけであります。」と説明している。もっとも、「必要最小限度の実力行使にとどまるべきこと」と認められるためには、「我が国の存立を全うし、国民を守るための必要最小限度」にとどめなければならないのか、それとも、これに加えて「我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃を排除」することまで許容されるのかは、不明確な点がある。
また、「必要最小限度」の意味について、岸田外務大臣は、平成二十七年五月二十七日の衆議院我が国及び国際社会の平和安全法制に関する特別委員会において、「必要最小限度という用語ですが、国際用語で言う必要最小限度、国際法の用語としての必要最小限度、これは均衡性を意味する、委員御指摘のとおりであります。しかし、同時に、我が国においては、この三要件を通じて、我が国に対する武力攻撃、または我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由、幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険をつくり出している、我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃、これを排除する、こうしたために必要最小限度である、こういった枠を当てはめております。よって、我が国における必要最小限度、国際法の用語で言う均衡性という意味とは一致するものではありません。」という説明がなされており、新三要件における「必要最小限度」と国際法における「必要最小限度」の意味の乖離が問題となる。
そこで、以下質問する。
一 集団的自衛権の行使が許される「必要最小限度の実力行使」は、「我が国の存立を全うし、国民を守るための必要最小限度」にとどめなければならないのか。それとも、これに加えて「我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃を排除」することまで許容されるのか。また、我が国に対する武力攻撃が発生し、これを排除するために、個別的自衛権を行使する場合の「必要最小限度の実力行使」は、国際法上の均衡性と同一の範囲・内容のものとなるのか。我が国が、集団的自衛権を行使する場合と、個別的自衛権を行使する場合で、新三要件の第三要件にいう「必要最小限度の実力行使」の範囲・内容は異なってくるのか。
二 存立危機事態における自衛の措置としての武力行使が、新三要件における「必要最小限度の実力行使」を上回るために第三要件を満たさないものの、均衡性を満たすために国際法上の「必要最小限度」を満たす場合、かかる自衛の措置としての武力の行使は、国際法上適法か。憲法上の根拠を欠く自衛の措置としての武力行使の国際法上の評価について明らかにされたい。
三 新三要件の第三要件「必要最小限度の実力行使にとどまるべきこと」について、国内法ではどの法律のどの条文で担保されているのか。当該条文は、新三要件における「必要最小限度」と国際法における「必要最小限度」のどちらを意味するのか、その点が明確に認識できるように規定されているのか。
右質問する。
政府答弁書
一について
「国の存立を全うし、国民を守るための切れ目のない安全保障法制の整備について」(平成二十六年七月一日閣議決定)でお示しした「武力の行使」の三要件(以下「新三要件」という。)に該当する場合の自衛の措置としての「武力の行使」で、国際法上の根拠が集団的自衛権となるものについての「必要最小限度」とは、我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される原因を作り出している、我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃を排除し、我が国の存立を全うし、国民を守るための必要最小限度を意味する。
お尋ねの「我が国に対する武力攻撃が発生し、これを排除するために、個別的自衛権を行使する場合」の「必要最小限度」とは、武力の行使の態様が相手の武力攻撃の態様と均衡がとれたものでなければならないことを内容とする国際法上の用語でいう均衡性に対応するものであるが、これと必ずしも「同一の範囲・内容」となるものではない。
新三要件に該当する場合の自衛の措置としての「武力の行使」については、その国際法上の根拠が集団的自衛権となる場合であれ、個別的自衛権となる場合であれ、お尋ねの「必要最小限度の実力行使」の「範囲・内容」は、武力攻撃の規模、態様等に応ずるものであり、一概に述べることは困難である。
二について
お尋ねの「憲法上の根拠を欠く自衛の措置としての武力行使の国際法上の評価」については、政府として行っていない。
三について
お尋ねの「必要最小限度の実力行使にとどまるべきこと」については、新三要件の第三要件に対応するものとして、自衛隊法(昭和二十九年法律第百六十五号)第八十八条第二項並びに現在、国会に提出している我が国及び国際社会の平和及び安全の確保に資するための自衛隊法等の一部を改正する法律案による改正後の武力攻撃事態等及び存立危機事態における我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全の確保に関する法律(平成十五年法律第七十九号)第三条第三項及び第四項において明確に規定されている。
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件名と質問本文の冒頭の意味が近いものを、前もって計算しておいた表から近い順に8件並べました(multilingual-e5-large)。同じ言葉を使っていなくても出ます。論点が少しずれていることもあります。