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再処理工場における高レベル放射性廃液の危険性と六ヶ所再処理工場のアクティブ試験の審査に関する質問主意書

参議院 第189回 第55号お答えすることは困難 ×2趣旨が明らかではない ×1承知していない ×1

提出者
参議院
提出日
2015年3月2日
内閣転送 2015年3月4日
答弁書受領日
2015年3月10日
提出から8日
答弁の項目数
6
質問 2,528字/答弁 2,440字

質問本文

東京電力株式会社福島第一原子力発電所事故(以下「福島第一原発事故」という。)で放出された放射性物質によって福島県を始め広い地域が汚染され、取り返しのつかないことになった。汚染地に住む人々は故郷を追われ、仕事をなくし、一家離散、自死など、まさに塗炭の苦しみを味わっている。

他方、日本原燃株式会社(以下「日本原燃」という。)六ヶ所再処理工場(以下「六ヶ所再処理工場」という。)や独立行政法人日本原子力開発機構(以下「原子力機構」という。)東海再処理施設(以下「東海再処理施設」という。)には原子力発電所をはるかに上回る大量の放射性物質が貯蔵されており、一旦事故が起これば、その影響範囲の広さ、長期にわたる健康被害、未来世代への遺伝的影響などその深刻さにおいて福島第一原発事故の比ではない。そのような観点から、以下質問する。

一 高レベル放射性廃液(原子力機構では「高放射性廃液」と呼称し、日本原燃では「高レベル廃液」と呼称するが、同じ定義である。)について

1 原子力機構は平成二十五年七月一日に原子力規制委員会に対し「「再処理施設に関するこれまでの検討チームにおける議論に対する意見」(東海再処理施設)」を提出している。同意見において原子力機構は「既に多くの高放射性廃液や、Pu溶液を保有しており、再処理運転の実施とは別に、可能な限り早期にこれらの溶液を固化し、安定化を図ることで、施設の潜在的なハザードを低減し施設の安全性を高めることが重要であると認識している」との問題提起をしている。

その後の原子力機構による東海再処理施設での高レベル放射性廃液の固化・安定化の進捗状況はどうなっているのか。また、固化・安定化を早期に開始し早期に終了させるよう指導強化する予定はないのか、政府の見解を示されたい。

2 六ヶ所再処理工場における高レベル放射性廃液の貯蔵の状況(排液量と含有核種・放射線量、貯槽毎の沸騰到達時間、水素爆発限界到達時間)とその固化計画の現状について示されたい。原子力機構は含有核種としてストロンチウム90、イットリウム90を国に報告しているにもかかわらず、日本原燃がこれを報告していないことは不誠実な対応であり厳重に注意すべきであると考えるが、政府の見解を示されたい。また、高レベル放射性廃液の危険性に鑑み、日本原燃へ早期に廃液の固化を求める必要性があると思われるが、政府の見解を示されたい。

3 高レベル放射性廃液はこの世の中で最も危険で不安定な液体である。冷却ができなくなり、一旦沸騰が始まれば、硝酸塩や放射線分解水素による爆発を免れなくなる。今後、六ヶ所再処理工場におけるこのような極めて危険な廃液の発生は、ガラス固化可能分だけに止め、常時貯蔵量をゼロにするよう規制するべきではないか、政府の見解を示されたい。

二 六ヶ所再処理工場のアクティブ試験について

原子力発電所で発生した使用済み核燃料を使用し、ウランとプルトニウムを取り出す試験操業をアクティブ試験と呼称しているが、同試験は二〇〇六年三月三十一日の開始後、四百二十五トンの使用済み核燃料を処理して二〇〇八年度に取り出しを終了していると承知している。

アクティブ試験の最終段階として、「第五ステップ」と呼ばれる最終試験がある。「工場全体の安全機能及び運転性能の確認」を行うものだが、六ヶ所再処理工場においては第四ステップから持ち越されてきた高レベル放射性廃液のガラス固化設備の不具合が続いてきたにもかかわらず、ガラス固化が二〇一三年五月に終了したとし、二〇一三年七月二十六日に報告書が国へ提出されている。この報告を原子力規制委員会は第五ステップの終了報告とみなしているようだが、この報告書について原子力安全・保安院時代には行われていた審査が原子力規制委員会ではいまだに行なわれていない。技術的に非常に問題があるガラス固化試験結果報告が提出されているのに、それを審査せず、核燃料施設の新規制基準適合性に係る審査だけで済ますようなことはあってはならない。

1 アクティブ試験第五ステップ終了が正式に認められてから、新規制基準の申請をするのが順序に思えるが、日本原燃から第五ステップ終了報告はなされたのか。国は第五ステップ終了報告を原子力規制委員会のどの機関で審査するのか。また、アクティブ試験全体の終了報告書の審査と現在行われている核燃料施設の新規制基準適合性に係る審査との関係はどうなっているのか、示されたい。さらには、審査から本格稼働までの審査計画はどのようになっているのか、審査の流れを明らかにされたい。

2 アクティブ試験においてトラブル続きだったガラス固化溶融炉の試験運転は、二〇一二年六月からそれまでとは異なり極めて順調に進み、二〇一三年に終了したと聞いている。その報告書が国へ提出されているが、同報告書の審査は行われたのか示されたい。ガラス固化における白金族の問題が本当にクリアできたのか疑問がある。厳重な審査を行い、審査機関の議事録を原子力安全・保安院時代同様に公開するべきではないか。

3 現在の溶融炉は天井レンガが剥離するなどかなり傷んでいるものと思われる。新型炉が完成していると聞いているが、この新型炉の使用前検査等はどのように行われるのか。また、その審査機関の名称及び構成メンバーの氏名を示されたい。

4 ガラス固化体の品質基準を示されたい。本年一月三十日に私が行った市民との意見交換会では、「アクティブ試験で発生したガラス固化体三百四十六本のうちガラス固化体の品質基準を満たしていない固化体は存在しない」との政府回答があったが、二〇一一年三月五日の東奥日報には「製造、貯蔵されているガラス固化体百十七本のうち、通常の固化体は五十四本で、残りはガラスの充てん量が少なかったり、洗浄運転などで発生した「逸脱」や「非定常」に該当する固化体である」と報じられていた。これら通常ではない固化体はどのように最終処分されるのか、他の固化体と同様に扱ってもよいのか示されたい。容器は地下埋設し数十万年腐食せずに耐えるものか、その科学的根拠とともに示されたい。

右質問する。

参議院の原文・経過

政府答弁書

一の1について

独立行政法人日本原子力研究開発機構(以下「原子力機構」という。)によれば、原子力機構の核燃料サイクル工学研究所再処理施設(以下「東海再処理施設」という。)における高レベル放射性液体廃棄物(以下「高レベル廃液」という。)の固化及び安定化の進捗状況については、現在、東海再処理施設の運転準備を進めているところであり、平成二十七年度中にガラス固化処理を開始する予定とのことである。政府としては、これらの作業が安全かつ早期に終了するよう、原子力機構に対し、必要に応じて指導を行ってまいりたい。

一の2について

平成二十七年三月四日時点における日本原燃株式会社(以下「日本原燃」という。)の再処理事業所再処理施設(以下「六ヶ所再処理施設」という。)における高レベル廃液の貯蔵量については、日本原燃から、約二百二十三立方メートルであると聞いており、また、当該高レベル廃液に含まれる放射性核種について、確認できる範囲でお示しすると、ルテニウム一〇六、アンチモン一二五、セシウム一三四、セシウム一三七、ユウロピウム一五四、アメリシウム二四一及びキュリウム二四四であると聞いている。また、平成二十三年六月九日付けで日本原燃から提出された「福島第一、第二原子力発電所等の事故を踏まえた再処理施設の緊急安全対策に係る実施状況報告(改正版)」においては、「全交流電源供給機能が喪失した場合、現在貯槽に保有している高レベル濃縮廃液及びプルトニウム濃縮液が沸騰に至るまでの時間は一日程度」、「全交流電源供給機能が喪失した場合、水素濃度が可燃限界濃度に達するまでの時間が最も早い機器(高レベル廃液混合槽)で三十五時間程度」と評価されていることは承知している。なお、お尋ねの「六ヶ所再処理工場における高レベル放射性廃液」の「放射線量」については、何を指すのか明らかではなく、お答えすることは困難である。

お尋ねの六ヶ所再処理施設の高レベル廃液の固化計画については、承知していない。

また、御指摘の原子力機構の東海再処理施設における高レベル廃液に含まれるストロンチウム九〇及びイットリウム九〇の濃度については、平成二十五年十月二十九日に原子力規制庁が実施した「独立行政法人日本原子力研究開発機構再処理施設における潜在的ハザードの実態把握にかかるヒアリング」において、原子力機構から提出されたデータであり、法令等に基づいて提出を求めているものではなく、「日本原燃がこれを報告していないことは不誠実な対応であり厳重に注意すべきである」との御指摘は当たらないものと考えている。

さらに、お尋ねの「日本原燃へ早期に廃液の固化を求める必要性」については、平成二十六年一月七日付けで、日本原燃から、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律(昭和三十二年法律第百六十六号。以下「原子炉等規制法」という。)第四十四条の四第一項の規定に基づく再処理事業に係る変更の許可を求める申請(以下「再処理事業変更許可申請」という。)がなされており、六ヶ所再処理施設について、原子力規制委員会において、原子炉等規制法第四十四条の二第一項第四号の規定に基づき定められている再処理施設の位置、構造及び設備の基準に関する規則(平成二十五年原子力規制委員会規則第二十七号)等(以下「新規制基準」という。)に係る適合性審査を進めているところである。

一の3について

政府としては、六ヶ所再処理施設の高レベル廃液について、冷却機能の確保が重要と考えており、今後の新規制基準に係る適合性審査において確認してまいりたい。

二の1及び2について

平成二十五年七月二十六日付けで、日本原燃から、「再処理施設アクティブ試験におけるガラス固化試験結果等に係る報告について」が提出されたが、同年十二月から再処理設備及びその附属施設(以下「再処理施設」という。)に係る新たな規制基準が適用される予定であったことから、原子力規制委員会としては、当該基準に係る適合性審査を優先して行うことが必要であると判断し、当該報告に関する内容について確認は行っていない。

一方、平成二十六年一月七日付けで、日本原燃から、再処理事業変更許可申請がなされ、現在、新規制基準に係る適合性審査を行っており、当該審査終了後に原子炉等規制法第四十六条の規定に基づく使用前検査を実施する段階において、高レベル廃液ガラス固化建屋ガラス溶融炉(以下「ガラス溶融炉」という。)の性能を含めて、再処理施設の性能が技術上の基準に適合するものであること等を確認することとしている。

また、お尋ねの「原子力規制委員会のどの機関」が何を指すのか明らかではないが、事業者が実施するアクティブ試験の結果の取扱いについては現時点では決まっていない。

なお、同委員会が実施した使用前検査の結果等については、同委員会のホームページにおいて公表している。

二の3について

お尋ねの「新型炉の使用前検査等」については、日本原燃から、新しいガラス溶融炉の設置に係る再処理事業変更許可申請はなされておらず、今後、日本原燃から当該申請がなされれば、原子力規制委員会において、その内容について、新規制基準に係る適合性審査を行うこととなる。

二の4について

お尋ねの「ガラス固化体の品質基準」が何を指すのか明らかではないが、現時点において、ガラス固化体の埋設の方法による最終処分に関し、原子炉等規制法に基づく当該ガラス固化体に係る技術上の基準は存在しない。当該基準については、今後、高レベル廃液の最終処分に係る取組の進捗状況を踏まえて、検討すべきものと理解している。

また、御指摘の「通常ではない固化体」の意味するところが必ずしも明らかではないが、お尋ねの「容器」の問題も含めて、「固化体はどのように最終処分されるのか」については、廃棄物埋設施設の設計等によって定まるものであり、現時点でお答えすることは困難である。

参議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

お答えすることは困難 ×2趣旨が明らかではない ×1承知していない ×1

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

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