Kurage 質問主意書アシスト

ことばで探す › 参議院 第221回

六ヶ所再処理工場のアクティブ試験等に関する質問主意書

参議院 第221回 第81号趣旨が明らかではない ×1

提出者
参議院
提出日
2026年7月16日
内閣転送 2026年7月16日
答弁書受領日
2026年7月28日
提出から12日
答弁の項目数
7
質問 2,525字/答弁 2,735字

質問本文

日本原燃株式会社(以下「日本原燃」という。)は二〇二二年八月二十三日、「六ヶ所再処理工場の概要」を公表した。同資料では、六ヶ所再処理工場(以下「再処理工場」という。)の竣工までに、「中断していたアクティブ試験の再開」、「ガラス固化設備の使用前検査」等の六項目を実施するとされた。しかし、日本原燃は二〇二五年十二月、失敗が続く高レベル廃液のガラス固化について、使用前事業者検査の対象とせず、竣工後に先送りするという方針に転換した。ガラス固化検査を含むアクティブ試験は、再処理工場が計画どおり運転できるか見極めるための最も重要な総合試験と考える。ガラス固化検査を行わないまま竣工を急ぐことは、安全面から望ましくないと考える。

再処理工場に貯蔵されている高レベル廃液は、二〇二五年三月現在で二百二十七立方メートルとされている。再処理工場の電源喪失等により当該廃液が冷却不能になった場合、化学爆発及びセシウム137等の放射性物質の拡散が危惧される。脱原発政策実現全国ネットワークが、放射性物質については均等に円状に降下すると仮定し、セシウム137による汚染の範囲についてはチェルノブイリ原発事故時を基準として想定したところ、居住禁止区域は半径二百九十一キロメートルとの結果が得られた。また、移住必要区域は半径四百七十五キロメートルとなり、この場合、北海道から福島県までが同区域に入ることとなる。

再処理工場の操業に当たっては極めて高度な安全性の確保が求められると考える立場から、以下質問する。

一 ガラス固化検査を含むアクティブ試験は、再処理工場が正常に機能するか、日本原燃が再処理工場を計画どおり安全に運転できるかを見極めるための最も重要な総合試験と考えるが、政府の見解を示されたい。

二 日本原燃は二〇一一年十月十三日、「再処理施設アクティブ試験計画書(使用済燃料による総合試験)」を公表した。同計画書では、アクティブ試験の終了条件として、「ガラス溶融炉等の処理能力検査(高レベル廃液ガラス固化設備及び低レベル固体廃棄物処理設備の処理能力)」、「製品中の原子核分裂生成物の含有率測定検査」、「製品の回収率測定検査」を含む使用前検査が全て終了していること、「アクティブ試験結果を評価することにより、しゅん工にあたって反映すべき安全対策等の有無について確認し、必要に応じ保安規定の変更、認可を得ていること」等が挙げられている。当初の計画に反し、日本原燃がガラス固化検査を先送りすることは不適切と考えるが、政府の見解を示されたい。

三 使用済燃料の再処理の事業に関する規則(昭和四十六年総理府令第十号)第六条の二(性能の技術上の基準)が二〇一三年に削除されたことを理由に、日本原燃の社長は「ガラス溶融炉の処理能力に関する要求はなくなったというのが法令上の整理」と主張し、ガラス固化検査を先送りする方針に転換した。同規則の削除を決定した主体及び削除した理由を示されたい。また、有識者会議等の意見を受けて削除を判断したか示されたい。さらに、削除された同条第二号、第六号、第七号が規定していた再処理の処理能力や製品の性質等の担保については、現行規則のどの条項に該当するか示されたい。

四 日本原燃は二〇一三年七月二十六日、「再処理施設アクティブ試験におけるガラス固化試験結果等に係る報告書」を原子力規制委員会に提出した。しかし、その後、二〇一三年十二月に新規制基準が施行されたことを理由にアクティブ試験を停止し、残っている同試験については追加工事等の終了後、試験結果を取りまとめた報告書を作成することとした。

原子力規制委員会は、二〇一三年に提出された同報告書の審査を行ったのか示されたい。行っていない場合、その理由を示されたい。また、アクティブ試験の第五ステップで行われるはずだったBWR(沸騰水型軽水炉)燃料を用いた試験は行われていない。同試験は再処理工場の竣工前に行われるべきと考えるが、政府の見解を示されたい。

五 日本原燃は、使用前事業者検査では実廃液ではなく模擬廃液を用いるとしている。日本原燃は二〇二六年四月二十七日、第五百八十回核燃料施設等の新規制基準適合性に係る審査会合に「設工認申請の対応状況について」を提出した。同資料の「ガラス溶融炉に関する漏えい確認について」という部分には、模擬廃液と実廃液の比較表が掲載されているが、実廃液の成分にウランや超ウラン元素は記載されていない。また、同表の実廃液の粘性・接触角・比抵抗の数値について、「実廃液の白金族成分等を模擬した高模擬廃液の溶融ガラスの値を記載。」との注釈が付されており、高模擬廃液の値を実廃液のように記載している。ウランや超ウラン元素の同位体は全て放射性核種であり、安定同位体はなく、非放射性元素を用いてウランやプルトニウム含有実廃液に似せた模擬廃液を調製することは不可能と考える。使用前事業者検査で模擬廃液を用いることの是非について、政府の見解を示されたい。

六 再処理工場に現在保管されている高レベル実廃液、使用前事業者検査で使用する予定の非放射性の高模擬廃液及び模擬廃液について、含有する元素名と含有率をそれぞれ示されたい。また、実廃液に関し、ガラス固化対象である高レベル廃液、アルカリ濃縮廃液及び不溶解残渣廃液について、含有する元素名と含有率をそれぞれ示されたい。

七 事故発生時に想定される被害の甚大さを考慮すれば、アクティブ試験を当初の計画どおり終了させ、その結果を取りまとめた報告書を作成し、原子力規制委員会による厳密な総合評価・審査を受けるべきである。これらを公開し、外部の専門家・市民等の意見を募集した上で、再処理工場の操業の可否を慎重に判断すべきである。

ガラス固化検査を含むアクティブ試験を先送りすることは、日本原燃が再処理工場を運転する能力を有するか十分確認しないまま操業を許可することにつながり、容認できない。アクティブ試験を含めた慎重な審査を行うことが再処理工場の重大事故を防ぎ、我が国の人々を守ることにつながると考えるが、政府の見解を示されたい。

右質問する。

参議院の原文・経過

政府答弁書

一並びに三の前段及び中段について

従来、原子力規制委員会設置法(平成二十四年法律第四十七号)による改正前の核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律(昭和三十二年法律第百六十六号。以下「旧法」という。)第四十六条の規定に基づき、再処理事業者(旧法第四十四条の四第一項に規定する再処理事業者をいう。)は、再処理施設(旧法第四十四条第二項第二号に規定する再処理施設をいう。以下同じ。)について、その性能が、原子力規制委員会設置法の一部の施行に伴う関係規則の整備等に関する規則(平成二十五年原子力規制委員会規則第十六号)第七条の規定による改正前の使用済燃料の再処理の事業に関する規則(昭和四十六年総理府令第十号。以下「旧再処理規則」という。)第六条の二に規定する技術上の基準に適合するかについて、経済産業大臣の検査を受け、これに合格した後でなければ、再処理施設を使用してはならないとしていたところである。日本原燃株式会社(以下「日本原燃」という。)は、これに従って、日本原燃が有する再処理事業所再処理施設について、御指摘の「アクティブ試験」を実施し、取得した結果等により、当該技術上の基準に適合するかについて検査を受けようとしていたところである。その後、東京電力福島第一原子力発電所事故の教訓等を踏まえ、原子力規制委員会が設置され、同委員会において、外部有識者も参加する「核燃料施設等の新規制基準に関する検討チーム」を設置し、新たな基準について議論を行い、当該議論を踏まえ、当該基準の骨子案や関係法令等の条文案を作成し、行政手続法(平成五年法律第八十八号)に基づく意見公募手続及び同法に基づかない任意の意見公募を実施した上で、地震や津波への対策の強化や重大事故対策の導入等を定めた新規制基準(以下単に「新規制基準」という。)を策定し、旧法第四十六条の規定に基づく検査の基準として、新規制基準を用いることとし、性能の技術上の基準を定めていた旧再処理規則第六条の二は削除したところである。現在は、日本原燃が御指摘の「アクティブ試験」を行ったとしても、同委員会は、新規制基準への適合性を確認することはできないと考えている。

二について

御指摘の「ガラス固化検査」は、「アクティブ試験」の一環として行われるものであるところ、一並びに三の前段及び中段についてでお答えしたとおり、現在は、「アクティブ試験」を行ったとしても、原子力規制委員会は、新規制基準への適合性を確認することはできないと考えられることから、必ずしも御指摘のように「先送りすることは不適切」であるとは考えていない。

三の後段について

お尋ねの趣旨が必ずしも明らかではないが、一並びに三の前段及び中段についてでお答えしたとおり、再処理施設の性能が、新規制基準に適合しなければ、再処理施設を使用してはならないとしたものである。なお、旧再処理規則第六条の二第二号、第六号及び第七号において、「放射性廃棄物の廃棄施設の処理能力が、申請書等・・・に記載した能力以上であること」、「製品中の原子核分裂生成物の含有率が、申請書等・・・に記載した値以下であること」及び「製品の回収率が、申請書等・・・に記載した値以上であること」とそれぞれ規定されていたところ、これらについては、従来、旧法第四十六条の規定に基づく使用前検査において適合性を確認すべき性能の技術上の基準として定められていたものであるが、新規制基準の策定に伴い、これらの規定そのものは、適合性を確認すべき基準ではなくなったことから、旧再処理規則から第六条の二を削除した。同条第二号、第六号及び第七号を含む同条に規定されていた、安全上必要な事項については、現在、再処理施設の技術基準に関する規則(令和二年原子力規制委員会規則第九号)に規定されているものである。

四について

前段のお尋ねについては、平成二十五年七月二十六日付けで、日本原燃から、「再処理施設アクティブ試験におけるガラス固化試験結果等に係る報告について」(以下「報告書」という。)が提出されたが、当時、同年十二月から新規制基準が適用される予定であったことから、原子力規制委員会としては、新規制基準への適合性の確認を優先して行うことが必要であると判断し、同月の新規制基準の適用後これまで、当該確認を行ってきており、報告書の内容についてお尋ねの「審査」は行っていない。

後段のお尋ねについて、御指摘の「BWR(沸騰水型軽水炉)燃料を用いた試験」を含む「アクティブ試験」については、一並びに三の前段及び中段についてでお答えしたとおりである。

五について

お尋ねについては、御指摘の「使用前事業者検査」で「模擬廃液」を使用しても、「実廃液」と同様に、高レベル廃液ガラス固化建屋ガラス溶融炉における放射性物質の閉じ込め機能の確認ができ得るものと考えており、令和八年五月二十日に開催された第十回原子力規制委員会資料一において、「使用前事業者検査」において「閉じ込め機能の確認における検査条件としては、実液又は模擬廃液のいずれを使用しても成立しうると評価する」としているとおりである。

六について

御指摘の「再処理工場に現在保管されている高レベル実廃液」には「高レベル廃液」、「アルカリ濃縮廃液」及び「不溶解残渣廃液」が含まれるところ、お尋ねの「含有する元素」の一例としては、それぞれ、セシウム、ナトリウム及びジルコニウムがあり、また、御指摘の「非放射性の高模擬廃液」を「使用前事業者検査で使用する予定」はなく、また、御指摘の「非放射性の・・・模擬廃液」に「含有する元素」の一例としては、セシウムがある。

お尋ねの「含有率」について、「高レベル廃液」、「アルカリ濃縮廃液」及び「不溶解残渣廃液」については、蒸発及び蒸発に伴う水又は硝酸の追加のたびに変動するものであり、お示しすることは困難であり、また、「非放射性の・・・模擬廃液」に関しては、民間企業の個別の技術に関することであり、商業上の秘密に関することでもあるので、お示しすることは差し控えたい。

七について

お尋ねについては、一並びに三の前段及び中段についてでお答えしたとおり、現在は、御指摘の「アクティブ試験」を行ったとしても、新規制基準への適合性を確認することはできないと考えている。いずれにせよ、新規制基準に係る適合性審査及び原子力規制検査(核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律第六十一条の二の二第一項の規定に基づく原子力規制検査をいう。)により、新規制基準への適合性の確認を適切に行うことで、重大事故を防ぐことにもつながるものと考えている。

参議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

趣旨が明らかではない ×1

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

件名の語が重なる質問主意書

この論点で次の質問を書くなら

アシストで並べる