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六ケ所再処理工場アクティブ試験等に関する質問主意書

参議院 第204回 第84号お答えすることは困難 ×1趣旨が明らかではない ×2

提出者
参議院
提出日
2021年6月7日
内閣転送 2021年6月14日
答弁書受領日
2021年6月18日
提出から11日
答弁の項目数
7
質問 4,317字/答弁 2,043字

質問本文

日本原燃株式会社(以下「日本原燃」という。)六ケ所再処理工場で実際の使用済ウラン燃料(以下「使用済燃料」という。)を使用し、プルトニウムやウランを得る試験が二〇〇六年三月三十一日から開始され、使用済燃料のせん断溶解は二〇〇八年十月に終了した。

現在、アクティブ試験の総合進捗率は九十六%であり、未だ試験中である。試験計画書にはアクティブ試験の終了条件として、使用前検査を受け、福島第一原発事故前の使用済燃料の再処理の事業に関する規則(以下「再処理規則」という。)第六条の二(性能の技術上の基準)の七項目を満たすことが明記されていた。しかし、二〇一二年と二〇一七年の法改正により使用前検査の実施者は国から事業者に変更され、性能の技術上の基準の七項目については二項目が削除され、他の項目については各条文にあった「事業者の申請内容が満たされているか」どうかについて不問にされていることが分かった。

六ヶ所再処理工場の安全審査が二〇二〇年七月三十一日に終了し、稼働へ向けて次の審査最終段階になってきたが、前述のような国の責任回避や、検査の手抜きとなる安全軽視の法改悪としか言いようがない理解し難い動きが見られる。六ケ所再処理工場及び東海再処理工場には冷却が止まると、蒸発乾固、溶融揮発爆発を起こし、大量の放射能が放出されることにより国の存在すら危うくする超危険な高レベル放射性廃液(以下「高レベル廃液」という。)がある。また、六ケ所再処理工場には三千トンの使用済燃料が貯蔵されている。これらの再処理工場で、絶対に重大事故を起こさせないことは国の最大の使命であろう。この国を二度と放射能で汚染させてはいけない、二度と悲惨な避難民を出してはいけない。人々に安全と安心な生活を保障する国の責任がある。

以上を踏まえ、以下質問する。

一 核廃棄物の情報公開について

1 二〇一三年二月に川田龍平議員が提出した「東海再処理工場、六ヶ所再処理工場の安全規制等に関する質問主意書」に対する答弁書(内閣参質一八三第三一号)では、保有する高レベル廃液の量と、含まれる核種とその濃度についての質問に対し、東海再処理工場の事業主体である国立研究開発法人日本原子力研究開発機構(以下「原子力機構」という。)のホームページに公表されている旨答弁があり、二十五の含有核種を確認した。一方、六ケ所再処理工場の事業主体である日本原燃は七核種についてのみの回答で、しかも大量に含まれるストロンチウム九〇については答えがなかった。この件について、二〇二〇年九月、市民団体が日本原燃に対し、なぜ公開しなかったのか尋ねたところ、「商業機密で公開できない」との回答があったと聞いている。また、高レベル廃液に含まれ、超長半減期であるウランやプルトニウムについては、その同位体が大量に含まれているはずであるにもかかわらず、原子力機構及び日本原燃は答えていなかった。

重要な核種を「商業機密」として隠蔽するようなことでは国民の信頼がいつまで経っても得られないのではないか。また、事業者の受け売りでは答弁書として適正と信頼を欠くものであり、いつまでも事業者の情報隠しを不問にしておいてよいのか、見解を示されたい。

2 現在、高レベル廃液を閉じ込めたガラス固化体の最終処分場の建設候補地が現れ、文献調査中である。国民の生活や環境へ将来にわたり影響を与える核廃棄物に関わる情報公開は、事業者の商業機密に優先されるものではないのか。高レベル廃液やガラス固化体の含有放射性核種の組成や量等は、国が責任を持って明らかにし、情報を公開して民主的な判断に委ねるべきであると考えるが、見解を示されたい。

二 プルトニウムとウランの回収率の公開について

六ケ所再処理工場のプルトニウムとウランの回収率は、「アクティブ試験経過報告書第四ステップ」(二〇〇八年二月二十七日)で両核種とも事業申請目標の九十八・二%を達成したと報告されていた。この報告ではBWR使用済燃料を約四・五トン再処理した場合の回収率であった。これはアクティブ試験全体で使用した使用済燃料四百二十五トンのわずか一%程度であり、この一度だけの収支で目標を達成したと言えるのか。日本原燃の六ケ所再処理工場に係る定期報告書では使用済燃料は約四百二十五トンが再処理され、ウラン製品が約三百六十六トン、プルトニウム製品が約六千六百五十八キログラム生産されたと明記されている。アクティブ試験全体で回収されたウランとプルトニウム各々の回収率をその計算根拠とともに示されたい。

三 使用前検査条件からプルトニウムとウランの回収率を外したことについて

前記二のプルトニウムとウランの回収率に関して、福島第一原発事故前の再処理規則第六条の二(性能の技術上の基準)の第七項目に事業者の申請回収率を達成することが使用前検査合格の条件と規定されていた。しかし、二〇一二年の法改正で廃止され、二〇二〇年四月から施行されている「再処理施設の技術基準に関する規則」からも外したことを国は認めているが、この第七項目を外した趣旨と事業者申請回収率を不問にして済ませるようにした理由は何かを明示されたい。

四 ガラス固化の使用前検査について

1 二〇二〇年八月三十一日に行われた新規制基準適合性に係る審査会合に関し、ガラス固化試験については「事業者が行う使用前検査を終えた後に設備の動作確認をする方針」との報道があった。本来、実廃液(高レベル廃液と不溶解残渣廃液。以下同じ。)を使用したアクティブ試験中に使用前検査を行う(「再処理施設試験運転全体計画書」七頁。二〇〇五年七月六日付け。)はずであったが、行われたのか。もし行われていないのならば、なぜ使用前検査を行わずに終了報告書が政府へ提出されることになったのか、見解を示されたい。

2 二〇一三年五月にA系列ガラス溶融炉試験が終了してから約八年が経過した今、炉も傷んでおり、動作確認を伴わない使用前検査はありえないのではないか。このガラス固化に係る使用前検査は高レベル廃液の安定化上最も重要なものであり、実廃液を使用し、動作確認を含む厳重な使用前検査を行うことが重大事故防止のための必須条件であると考えるが、見解を示されたい。

五 旧基準「使用前検査」の具体的取り扱いについて

「再処理施設アクティブ試験計画書(使用済燃料による総合試験)」(二〇一一年十月十三日付け)三十三頁の八.アクティブ試験の終了条件に、(二)使用前検査の終了、(三)その他・使用前検査に合格していることとある。この時点では、使用前検査は当時国が行う使用前検査であったはずである。それが、福島第一原発事故後、法改正され、事業者が行う使用前事業者検査に変更されていた。(二)使用前検査の終了には、福島第一原発事故前の再処理規則第六条の二(性能の技術上の基準)の七項目が明記されている。この中の「製品中の原子核分裂生成物の含有率測定検査」や「製品の回収率測定検査」は、どの機関がどのように行うのか、この事業者作成の試験計画書の「使用前検査」の具体的取り扱いはどうなるのか、法律との整合性はどうなのか、見解を示されたい。

六 ガラス固化体製造について

六ヶ所再処理工場でガラス固化体は、二〇〇七年十一月から二〇〇八年一月までに五十七本(廃液約三十立方メートル)、二〇〇八年二月から二〇一三年七月に二百八十九本(廃液約九十五立方メートル)が製造された。後者の廃液の閉込率は〇・三三立方メートル/本となり日本原燃が当初予定していた〇・五二立方メートル/本の約六割の閉込率になる。六ヶ所再処理工場製のガラス固化体と英国セラフィールド工場製の返還固化体である二十八本のセシウム一三七(二〇〇三年から二〇〇五年に製造)の閉込量を比較すると、六ケ所再処理工場製のガラス固化体は英国セラフィールドで製造された固化体の約二割の閉込率であった。これでは当初の目標や英国の固化体を大きく下回る廃液の閉込率であり、六ケ所再処理工場のガラス固化は失敗だったことになるのではないか。見解を示されたい。

七 ガラス固化体製造のトラブル原因について

六ケ所再処理工場のプルトニウムとウランの回収目標率は九十八・二%であり、未回収の一・八%分の多くは高レベル廃液に含まれるものと推察される。この高レベル廃液中に両元素と他の超ウラン元素(Np、Am、Cm)の量は、白金族元素(Ru、Rh、Pd)よりも圧倒的に多く含まれているのではないか。ウランやプルトニウムの比重は二十近い値であり、これら白金族元素(比重約十二)よりもはるかに重く、不溶解残渣にも多量に混入してくるのではないか。ガラス固化がうまくいかないのは、このウラン・超ウラン元素が主たる影響を及ぼしているからではないか。ガラス溶融炉モックアップ試験の模擬廃液は非放射性物質を使用していると聞くが、そのような廃液を使用して試験をしても全てが放射性であるウラン・超ウラン元素を含む廃液のガラス固化の成否を判断できないと思われるが、見解を示されたい。

八 ガラス固化方式の英仏方式(AVM)への変更について

二〇〇八年十二月に下田敦子議員が提出した「日本原燃(株)六ケ所再処理工場の安全に関する質問主意書」に対する答弁書(内閣参質一七〇第一二三号)で、高レベル廃液のガラス固化技術について、外部専門家により技術の成立性が実証された核燃料サイクル開発機構(当時)が開発した技術である旨答弁があった。しかし、核燃料サイクル開発機構の後継組織である原子力機構の東海再処理工場では、現在、ガラス固化はトラブル続きで止まっている。そのため、大事故があれば北半球へ大きな影響を与える潜在的危険が甚だしい高レベル廃液が減少せず、そのままの量が保管されている。一九九五年一月、東海再処理工場でガラス固化が開始されて以来二十六年経過し、未だガラス固化はトラブル続きである。原子力機構が技術開発したガラス固化技術は根本的な欠陥が未だ解決されていないのではないか。六ケ所再処理工場、東海再処理工場のガラス固化体製造LFCM方式にいつまでもこだわらず、英仏方式(AVM)に切り替える時期ではないか。

人々が安心して暮らすため高レベル廃液を一日も早く減らすべきである。東海再処理工場が大津波の襲来を受けていたならば首都圏は壊滅だったはずだ。もういつまでも我慢しているわけにはいかない状況である。英仏方式(AVM)に切り替えるべきと考えるが、見解を示されたい。

右質問する。

参議院の原文・経過

政府答弁書

一について

核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律(昭和三十二年法律第百六十六号。以下「原子炉等規制法」という。)第四十七条及び使用済燃料の再処理の事業に関する規則(昭和四十六年総理府令第十号。以下「再処理規則」という。)第八条の規定により、再処理事業者は、ガラス固化体等を廃棄施設に廃棄した都度、当該ガラス固化体等に含まれる放射性物質の数量等を記録し、これを保存しておかなければならないこととされているが、放射性物質の放射能量について公表すべきこととはされておらず、公表の要否については、再処理事業者が個別に判断すべきものと考えている。

二について

お尋ねの「BWR使用済燃料を約四・五トン再処理した場合の回収率」の意味するところが必ずしも明らかではないが、日本原燃株式会社(以下「日本原燃」という。)がフランス企業から導入した技術を用いて得られたウラン、プルトニウムの回収率等に係る情報等については、民間企業の商業上の秘密に関することであり、政府としてお答えすることは差し控えたい。

三について

再処理施設の技術基準に関する規則(令和二年原子力規制委員会規則第九号。以下「技術基準規則」という。)は、技術上の基準として安全上必要な事項を定めるものであることから、お尋ねの「福島第一原発事故前の再処理規則第六条の二(性能の技術上の基準)の第七項目」に規定されていた製品の回収率については規定していない。

四の1について

原子力規制委員会では平成二十五年十二月から適用された再処理規則及び再処理施設の位置、構造及び設備の基準に関する規則(平成二十五年原子力規制委員会規則第二十七号)等に定める基準に係る適合性審査を行っており、高レベル廃液ガラス固化建屋ガラス溶融炉の性能に係る使用前検査は実施していない。

なお、お尋ねの「終了報告書」は、日本原燃が同年七月二十六日に提出した「再処理施設アクティブ試験におけるガラス固化試験結果等に係る報告について」と考えられるが、平成二十二年十二月十日付けの経済産業省原子力安全・保安院(当時)(以下「保安院」という。)文書「「再処理施設高レベル廃液ガラス固化建屋 ガラス溶融炉運転方法の改善検討結果について」について」を受けて、日本原燃が保安院に提出したものである。

四の2及び五について

原子力利用における安全対策の強化のための核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律等の一部を改正する法律(平成二十九年法律第十五号)第三条の規定による原子炉等規制法第四十六条第一項の改正により、原子力規制委員会による検査(使用前検査)が使用前事業者検査へ改められたが、同条第三項において、使用前事業者検査についての原子力規制検査により、設置又は変更の工事が認可された設計及び工事の計画に従って行われたものであること並びに原子炉等規制法第四十六条の二の技術上の基準に適合するものであることについて同委員会の確認を受けた後でなければ、再処理事業者は再処理施設を使用してはならないこととしている。

現在、同委員会において、令和二年十二月二十四日付けで日本原燃が認可を申請した再処理施設に係る設計及び工事の計画の審査を行っているところであるが、同年六月二十四日に開催された令和二年度第十二回原子力規制委員会において、日本原燃再処理施設に係る設計及び工事の計画の認可の審査、使用前事業者検査の確認等の進め方を議論した結果を踏まえ、原子力規制委員会は審査の中で、御指摘の「実廃液を使用し、動作確認を含む」ガラス溶融炉の動作の確認方法等、日本原燃が実施する使用前事業者検査の実施方針等について確認することとしている。

原子力規制委員会設置法の一部の施行に伴う関係規則の整備等に関する規則(平成二十五年原子力規制委員会規則第十六号)第七条の規定による改正前の再処理規則第六条の二第六号及び第七号に規定されていた製品中の原子核分裂生成物の含有率や製品の回収率は、技術基準規則に規定されておらず、お尋ねの「製品中の原子核分裂生成物の含有率測定検査」及び「製品の回収率測定検査」について、日本原燃が実施する使用前事業者検査で適合性確認を求めるものではない。

なお、お尋ねの「法律との整合性」が、どの検査についての原子炉等規制法との整合性を指すのか明らかではないが、同委員会は原子炉等規制法に従い適切に対応している。

六及び七について

お尋ねの「ガラス固化は失敗だったこと」及び「ガラス固化の成否」の具体的に意味するところが明らかではないため、お答えすることは困難である。

八について

国立研究開発法人日本原子力研究開発機構の核燃料サイクル工学研究所再処理施設では、高レベル廃液のガラス固化体を、お尋ねの「LFCM方式」で三百十六本(令和三年三月末現在)製造した実績があるが、いずれにせよ、ガラス固化体の製造方法については、まずは事業者が判断するものと考えている。

参議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

お答えすることは困難 ×1趣旨が明らかではない ×2

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

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