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タクシー政策と規制改革会議に関する質問主意書

参議院 第189回 第60号お答えすることは困難 ×1

提出者
参議院
提出日
2015年3月3日
内閣転送 2015年3月9日
答弁書受領日
2015年3月13日
提出から10日
答弁の項目数
8
質問 1,715字/答弁 2,221字

質問本文

平成十四年の道路運送法及びタクシー業務適正化臨時措置法の一部を改正する法律の施行によりタクシー事業が規制緩和されたことで各社の増車が相次ぎ、供給過剰とみなすべき状態が生じることが多くなった。運転手の労働条件は悪化し、交通事故件数が増える事態となったこともあり、平成二十一年の通常国会において特定地域における一般乗用旅客自動車運送事業の適性化及び活性化に関する特別措置法(以下「タクシー特措法」という。)が全会一致で可決され成立するところとなった。しかし、同法が施行された後も制定当初に期待されたほどの政策効果が出なかったこともあり、タクシー利用の安全性やサービス水準を更に向上させるための制度の在り方について議論を重ねてきた自民党タクシー・ハイヤー議員連盟と公明党国土交通部会、さらには民主党タクシー政策議員連盟の間で平成二十五年六月にタクシー特措法などの改正を盛り込んだ議員立法の方針が合意された。この合意に基づき、同年十月末に三党の衆議院議員によるタクシー特措法等の一部を改正する法律案が国会に提出され、衆参両院での審議の後に、圧倒的多数で可決・成立した。

タクシーは公共交通の役割を担っており、過度な規制緩和は国民の生活を危険に晒すと考えている。しかしながら、現場の状況を理解していない規制改革会議が大きな影響力を持っている現状には大きな問題があると考えている。

そこで、以下質問する。

一 タクシー業界における新規参入や増車に関する規制緩和により、乗務員が過度な低賃金で勤務せざるを得ないような状況に追い込まれている現状は当初の政府の想定通りであったのかどうか、「はい」又は「いいえ」で示されたい。

二 平成二十六年六月、規制改革会議は「改正タクシー特措法の特定地域に係る指定基準に関する意見」において、「国交省の指定基準案を適用した場合、「地域の意向」の指標によっては、日本中の約6割のタクシーに特定地域の規制が及ぶことになり、裁量権の逸脱は明らかである」と述べている。裁量権の逸脱は明らかなのか、政府の見解を明らかにされたい。

三 規制改革会議は特定地域の指定基準について、憲法第二十二条第一項に規定する営業の自由を不当に制限することを危惧していると述べているが、これに対する政府の見解を明らかにされたい。

四 国会で審議された結果圧倒的多数で可決・成立した法律に対して、規制改革会議が述べた意見に基づき行政が対応する場合には、その根拠を明らかにされたい。また、対応するとなると、政府が立法府を無視しているものと考えるが、政府の見解を明らかにされたい。

五 国土交通省が策定した改正タクシー特措法の特定地域指定基準案によると、「30万人以上の人口」という要件がある。この要件により、本当に特定地域指定が必要な地域が指定を受けられない可能性があると考えているが、政府の見解を明らかにされたい。また、「30万人以上」の数的根拠を明らかにされたい。

六 本年一月、国土交通省が準特定地域における適正車両数の確定値を発表している。適正車両数の上限と下限の算定方法を明らかにされたい。また、その算定方法により適正な車両数を計算できると考えた根拠を明らかにされたい。

七 前記六に関して国土交通省は、平成二十五年度末の車両数や総実車キロ数、直近五年間平均の実車率等に基づいて適正車両数を算定している。しかし、例えば東北地方であれば震災復興のための来県人数が増えたことで特需があったように、平成二十五年度末の車両数や総実車キロ数、直近五年間平均の実車率等は現在の市場環境を反映しているとはいえず、実態と大きな乖離が生じていると考えているが、政府の見解を明らかにされたい。

八 前記六に関して適正車両数を設定する上で、地域の実態についてヒアリングや現地調査等を行ったのか明らかにされたい。また、ヒアリングや現地調査等を行ったのであれば具体的にどのように数字に盛り込んだのか明らかにされたい。もし、ヒアリングや現地調査等を行っていないのであれば、「適正」であるかどうか判断できないと考えるが、政府の見解を明らかにされたい。

右質問する。

参議院の原文・経過

政府答弁書

一について

政府としては、道路運送法及びタクシー業務適正化臨時措置法の一部を改正する法律(平成十二年法律第八十六号)の施行によるタクシー事業への参入や車両数の増加に関する規制緩和により、タクシーサービスの多様化や旅客の待ち時間の短縮等の一定の効果が認められる一方、地域によっては、需要が低迷する中、車両が増加する等の影響もあり、運転者の労働条件の悪化等の問題が生じていると認識している。

二について

政府としては、規制改革会議が公表した「改正タクシー特措法の特定地域に係る指定基準に関する意見」(平成二十六年六月十三日公表。以下「意見」という。)は、特定地域及び準特定地域における一般乗用旅客自動車運送事業の適正化及び活性化に関する特別措置法(平成二十一年法律第六十四号。以下「法」という。)第三条第一項の規定に基づく特定地域(以下「特定地域」という。)の指定基準について、行政の裁量権の範囲の逸脱又はその濫用にならないよう慎重に設定すべきであるとの趣旨であると認識している。

三について

政府としては、意見は、特定地域の指定基準について、行政の裁量権の範囲の逸脱又はその濫用によって、憲法第二十二条第一項の規定により保障される営業の自由を不当に制限することのないよう慎重に設定すべきであるとの趣旨であると認識している。

四について

国土交通大臣は、法第三条第一項の規定に基づき、特定の地域において、タクシー事業が供給過剰であると認める場合であって、当該地域におけるタクシー事業の一定の状況に照らして、当該地域における供給輸送力の削減をしなければ、タクシー事業の健全な経営を維持し、並びに輸送の安全及び利用者の利便を確保することにより、その地域公共交通としての機能を十分に発揮することが困難であるため、当該地域の関係者の自主的な取組を中心としてタクシー事業の適正化及び活性化を推進することが特に必要であると認めるときは、当該特定の地域を、期間を定めて特定地域として指定することができるとされており、同大臣が特定地域として指定するか否かの判断を行う場合の基準(以下「指定基準」という。)を策定したところである。指定基準の策定に当たっては、タクシー事業が供給過剰である地域で、供給過剰を効果的に解消するとともに、運転者の労働条件の改善やタクシーのサービス水準の向上等を実現し、タクシー事業を利用者にとって更に安全で、安心して利用できる公共交通機関として進化させるという議員立法である特定地域における一般乗用旅客自動車運送事業の適正化及び活性化に関する特別措置法等の一部を改正する法律(平成二十五年法律第八十三号)の趣旨を尊重するとともに、「特定地域の指定については、その法的効果に鑑み厳格に行うこと」とした「特定地域における一般乗用旅客自動車運送事業の適正化及び活性化に関する特別措置法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議」(平成二十五年十一月八日衆議院国土交通委員会)及び「特定地域における一般乗用旅客自動車運送事業の適正化及び活性化に関する特別措置法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議」(平成二十五年十一月十九日参議院国土交通委員会)や内閣総理大臣の諮問機関である規制改革会議が公表した意見を勘案したところである。

五について

人口三十万人以上の都市を含む地域であることを特定地域の指定の要件としているのは、このような地域においては、営業所以外の場所におけるタクシーによる運送の引受け(以下「流し営業」という。)が多く行われており、タクシー事業の供給過剰による弊害が、そうした流し営業が行われている地域において顕在化しやすいことを踏まえたことによるものである。

六について

お尋ねの「適正車両数」については、各地方運輸局等において算定しているものである。

例えば、東北運輸局においては、まず、当該年度の前年度の総実車キロに当該年度前五年度の総実車キロの対前年度比率の平均値を乗じて得た数を、当該年度前五年度の総走行キロの平均値に平成十三年度の実車率を乗じて得た数を当該年度前五年度の実働車両数の平均値で除して得た数により除して得た数を、さらに、三百六十五で除して得た数を算出する。その上で、当該数を、平成十三年度の実働率又は当該年度前五年度の実働率の平均値のいずれか低い数値で除して得た数を適正車両数の上限とし、平成十三年度の実働率又は当該年度前五年度の実働率の平均値のいずれか高い数値で除して得た数を適正車両数の下限としている。

適正車両数は、その他の地方運輸局等においても、東北運輸局と同様に、総実車キロにより示された直近の需要量及び総走行キロ、実働率等により算出された一日一台当たりの直近の供給量に基づき、直近の需要量に対応した車両の数を算定しているものであり、直近の需要と供給の動向を踏まえた適正なものと認識している。

七について

六についてで述べたとおり、適正車両数の算定に当たっては、直近の需要と供給の動向を踏まえており、「現在の市場環境を反映しているとはいえず」との御指摘は当たらないものと認識している。

八について

適正車両数は、道路運送法(昭和二十六年法律第百八十三号)に基づく営業区域ごとに、当該営業区域に事業所を置く事業者の輸送実績報告に基づき算定しており、地域の需要と供給の動向を踏まえたものと認識している。

参議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

お答えすることは困難 ×1

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

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