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定額減税と調整給付の合計額に関する質問主意書

参議院 第213回 第154号お答えすることは困難 ×3

提出者
参議院
提出日
2024年5月29日
内閣転送 2024年6月3日
答弁書受領日
2024年6月7日
提出から9日
答弁の項目数
5
質問 1,644字/答弁 2,773字

質問本文

今般、令和六年の所得税から三万円、令和六年度分の個人住民税所得割から一万円、合計四万円を控除する定額減税が実施される(以下「定額減税」という。)。あわせて、定額減税前の税額が少なく、定額減税し切れないと見込まれる者には、定額減税し切れないと見込まれる額について一万円単位で給付が行われる(以下「調整給付」という。)。つまり、定額減税し切れない額が仮に一円でも調整給付の額は一万円となるため、定額減税と調整給付の合計が四万円を超える者が出ることになる。また、調整給付については令和六年六月にも実施する予定であり(以下「当初給付」という。)、定額減税し切れるか否かの判定は令和五年の所得税額及び令和六年度分の個人住民税所得割額に基づいて行われることになるため、令和五年と令和六年を比較して所得に大きな変動があった場合、結果的に本来は調整給付が不要であった場合や所得税から三万円を減税し切れない場合も生じうる。

また、所得税から控除する方法について、給与所得者の場合、六月以降の給与等から源泉徴収する税額を控除し、控除し切れない額を翌月以降順次控除し、控除した総額が三万円になるまで毎月の税額から控除し続けるという事務が煩雑で負担がかかる方法となっている。

さらに、個人事業主などで確定申告によって納税を行っている者の場合、予定納税で納付している者はその際に減税されるが、そうでない者は確定申告を行う来年まで減税の恩恵を受けることができない。

以上のように、定額減税と調整給付を合わせた額が四万円を超える者がおり、受けられる金額に大きな差が出ることや、定額減税や調整給付が行われる時期が人によってばらばらであることから、公平な制度とは言い難い。

よって、税の公平性という観点から、定額減税と調整給付を組み合わせるのではなく、国民全員に給付を行うべきではないか。その方が源泉徴収義務者の負担が無く、前年度の所得を把握する必要がない分自治体の事務負担も少なく済み、全ての方に迅速かつ一斉に支給することができ、目的や効果も明確になるのではないかと考える。

以上を踏まえて、以下質問する。

一 定額減税と調整給付を組み合わせることとしたのは、納税額によっては満額を減税できない者がいることから、その不足分を調整給付することとしたと理解する。それならば、定額減税は行わず給付のみ行うべきであったと考えるが、定額減税と調整給付の組合せにした理由を明らかにされたい。

二 当初給付は、最大四万円となる可能性があるという認識でよいか(減税対象人数が一人の場合。次の各問において同じ。)。この認識とは異なる場合、当初給付の最大額を明らかにされたい。

三 令和五年と令和六年との間で所得に大きな変動があり、当初給付を受けた上で、定額減税も受けることができる者の場合、理論上、調整給付の額と定額減税の額を合わせた最大の額はいくらになるのか明らかにされたい。

四 個々の人によって受けられる定額減税と調整給付の総額に大きな差が出ることは公平ではないと考えるが、前記三にいう最大の額と定額減税四万円とで大きな差が生じることについて、公平性の観点から政府の見解を明らかにされたい。

五 令和五年度まで親の扶養に入っており、令和六年度から働き始めた新卒者等は令和五年度の納税額がゼロではあるが、当該新卒者は当初給付の対象になるのか。当初給付の対象にはならない場合で、令和六年の納税額から減税し切れない額があるとき、減税し切れなかった額はいつ給付されるのか明らかにされたい。

六 個々人で定額減税及び調整給付を受けられる額に差があり公平でない上に、その時期も人によってまちまちで令和六年度末まで受けられない場合もあり、現下の厳しい経済状況に対応する対策として機能しないことを考えると、定額減税と調整給付をやめて、国民全員に定額給付を行うべきであると考えるが、政府の見解をその理由を具体的に示して明らかにされたい。

右質問する。

参議院の原文・経過

政府答弁書

一及び六について

お尋ねについては、「デフレ完全脱却のための総合経済対策」(令和五年十一月二日閣議決定)において、「賃金上昇が物価高に追いついていない国民の負担を緩和するため、デフレ脱却のための一時的な措置として、国民の可処分所得を直接的に下支えする所得税・個人住民税の減税を行う。過去二年間で所得税・個人住民税の税収が三・五兆円増加する中で、・・・この税収増を納税者である国民に分かりやすく「税」の形で直接還元することとし、・・・物価高に最も切実に苦しんでいる低所得者には迅速に支援を届けることとし、・・・所得税・個人住民税の定額減税とこの住民税非課税世帯への支援は、支援の手法、対象となる所得層、実施時期が異なる中、両支援の間にある者に対しても丁寧に対応する」こととしており、また、令和六年五月二十八日の閣議後記者会見において、鈴木財務大臣が「定額減税と給付金の合計額が四万円を超える方もいらっしゃる認識をしております。・・・定額減税等とのバランスにおいて可能な限り公平となるように配慮しつつも、地方自治体の事務負担を極力少なくし、国民の皆さんに迅速に支援をお届けするために必要なものである」及び「今回の定額減税の意味、やはり今ずっと求めておりますのは、物価上昇を上回る所得増の実現ということでありますし、それから長年染みついたデフレマインドから脱却する、払拭する、そのきっかけをつくるということであります。そういう大きな政策目的と今回実際に実施する実務上の中、先程申し上げた定額減税と引き切れない方に対する給付金との関係、そのバランスの中でこういう制度になったということ」と述べたとおりであり、御指摘のように「定額減税は行わず給付のみ行うべき」であるとは考えていない。

二について

御指摘の「当初給付」に係る事業は、都道府県及び市町村(特別区を含む。)(以下「地方公共団体」という。)が作成した物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金実施計画(以下「実施計画」という。)等に基づいて実施される事業であるため、お尋ねについて一概にお答えすることは困難であるが、都道府県に対し、「令和五年度一般会計原油価格・物価高騰対策及び賃上げ促進環境整備対応予備費の使用の閣議決定を踏まえた「重点支援地方交付金」の取扱い等について」(令和五年十二月二十二日付け内閣官房令和五年経済対策給付金等事業企画室、内閣府地方創生推進室及びデジタル庁デジタル社会共通機能グループ事務連絡)において示した当該事業の「標準事業」の考え方及びウェブサイト「内閣官房・内閣府総合サイト地方創生」に掲載している資料「令和五年度物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金(給付金・定額減税一体支援枠)~低所得者支援及び定額減税補足給付金~自治体職員向けQ&A(令和六年五月十六日版(第五版))」(以下「Q&A」という。)において示した考え方等に基づけば、その最大額は四万円となる。

三について

御指摘の「当初給付」及び「調整給付」に係る事業は、地方公共団体が作成した実施計画等に基づいて実施される事業であるところ、御指摘の「令和五年と令和六年との間で所得に大きな変動があり、当初給付を受けた上で、定額減税も受けることができる者」及び「理論上」の意味するところが明らかではなく、また、お尋ねの「調整給付の額と定額減税の額を合わせた最大の額」は個々の所得状況等により様々であると考えられることから、お尋ねについてお答えすることは困難である。

四について

御指摘の「前記三にいう最大の額」に関しては、三についてでお答えしたとおりであるが、いずれにせよ、お尋ねについては、令和五年十月二十七日の衆議院予算委員会において、岸田内閣総理大臣が「定額減税については先ほど申し上げました。そして、そこで対象とならない特に困っておられる方々に対しては、給付という形で迅速にこの支援を行う、こうしたことを考えているわけですが、その両者の間におられる方にもしっかりと配慮しなければならないと思っています。(中略)できるだけ早く結論を出した上で実行に移していく、たちまち困っておられる方に給付を支給する、これはまず第一でありますが、その次の、間にあられる方への支援もできるだけ急いでいきたいと考えています。」と答弁し、また、同年十二月十五日の閣議後記者会見において、新藤国務大臣が「この措置のコンセプトとして、まずは「簡素」、分かりやすくて事務負担が少ない。それから「迅速」、特に物価高の影響が大きい低所得層の方々。それから「適切」、できるだけ公平にということで、この三つをバランスを取ったものにできる限り工夫する、配慮するという形で今回、対策を組み上げたわけであります。(中略)所得税などの定額減税は、これは本人に加えて配偶者を含む扶養親族一人当たり四万円の減税ということでございます。例えば本人プラス扶養親族三人。四人家族の場合は四万円かける四人ということで十六万円の減税になります。一方、それほど多くの住民税と所得税を払っていない方については、四万円を超えない場合には減税しきれないわけであります。こうした方につきましては、・・・令和七年三月の確定申告、だから再来年三月になりますが、そこの確定情報を待っていては支給がかなり遅れてしまいますので、令和六年中に入手可能な情報をもとにして、減税しきれないと見込まれる額を前倒しで給付すると考えております。」と述べたとおりである。

五について

前段のお尋ねについては、「令和五年度まで親の扶養に入っており、令和六年度から働き始めた新卒者等は令和五年度の納税額がゼロではある」及び「当初給付の対象になる」の意味するところが必ずしも明らかではなく、一概にお答えすることは困難であるが、いずれにせよ、御指摘の「新卒者等」が無収入であること等により、御指摘の「当初給付」に係る事業について地方公共団体が作成した実施計画等に定める支給対象者に該当しない場合は、「当初給付」の支給対象者とはならない。

後段のお尋ねについては、「当初給付の対象にはならない」及び「令和六年の納税額」の意味するところが必ずしも明らかではなく、また、御指摘の「減税し切れなかった額」の給付に係る事業は地方公共団体が作成した実施計画等に基づいて実施されるものであるが、いずれにせよ、Q&Aにおいて、「令和六年分所得税及び定額減税の実績額等が確定した後、調整給付に不足が生じる場合には、不足分の給付を行うことを検討しています。」、「具体的には、令和六年分所得税額の確定申告後に行うことが考えられます。」及び「詳細な実施時期や制度設計については、おってご連絡いたします。」と記載しているとおりである。

参議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

お答えすることは困難 ×3

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

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