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定率減税の廃止、税源移譲による年間での税負担及び広報に関する質問主意書
衆議院 第166回 第429号お答えすることは困難 ×2
質問本文
平成十九年から、国から地方への税源移譲に伴い所得税と住民税の税率などが変更された。政府は、所得税が減る一方、住民税が増えるため、税源移譲に伴う所得税と住民税とを合わせた年間での税負担額は変わらないとの理由から、定率減税廃止による住民税の負担増と重なるこの時期に、『年間での税負担は変わりません』との政府広報を、新聞、雑誌、TV等を通じ累次にわたり行っている。
しかし、年間での税負担額には、定率減税の廃止に伴う負担増分も含むが、政府広報を鵜呑みにした納税者においては、税負担額が変わらないものと勘違いする恐れがある。
よって、定率減税の廃止、税源移譲による所得税と住民税の税率変更及び広報に関して以下の点について明らかにされたい。
一 大蔵省(当時)のパンフレット「平成十一年度税制改正の手引き」では定率減税を「恒久的な減税」と位置付け、財務省のパンフレット「平成十七年度税制改正」では「臨時異例の措置」、同「平成十八年度税制改正」では「暫定的な税負担の軽減措置」としているが、大蔵省(当時)・財務省が定率減税の性格を変更した理由は何か。
また、国会答弁においても、定率減税につき、導入当時、宮澤大蔵大臣(当時)は「恒久的減税」と言っていたが、谷垣前財務大臣は当初「恒久的減税」、途中から「臨時異例の措置」と言い換え、尾身財務大臣は当初から「臨時異例の措置」と言っている。歴代の大蔵大臣(当時)・財務大臣の発言が「恒久的減税」から「臨時異例の措置」へと変遷している。
さらに、歴代の首相の発言をみても、小渕首相(当時)は当初「恒久減税」、途中から「恒久的減税」と言い、小泉前首相と安倍首相は当初から「暫定的な税負担の軽減措置」と言っており、首相の発言も変遷している。
以上のように、定率減税についての首相や大蔵大臣(当時)・財務大臣の発言が変遷している理由は何か。
二 尾身財務大臣は衆議院財務金融委員会(平成十九年六月十三日)において「定率減税を二年がかりで廃止するという措置をいたしました。増税といえば確かに増税であります」と答弁している。
この際、定率減税廃止は増税ということでよろしいか。
三 国から地方への税源移譲に伴う所得税と住民税の税率変更により、所得税が減り、その分住民税が増えるだけなので、所得税と住民税とを合わせた個々の納税者の税負担額は変わらないということでよろしいか。
四 右三において、税源移譲に伴う所得税と住民税の税率変更により税負担額は変わらないとしても、右の財務金融委員会において尾身財務大臣が「定率減税を二年がかりで廃止するという措置をいたしました。増税といえば確かに増税であります」と答弁している。この政府答弁によれば、平成十九年六月以降は税源移譲とは別に、所得税と住民税とを合わせた個々の納税者の実際の税負担額は増えることとなるが、これ即ち『年間での税負担は増える』ということでよろしいか。
五 財務省主税局「税制主要参考資料集」による夫婦子二人のサラリーマン世帯における、年収三百万円、五百万円、七百万円、一千万円、一千五百万円それぞれの場合の所得税と住民税とを合わせた平成十九年の税額は、平成十八年と比べてどれだけ増えるか。
このことは増税と言えるか。仮に、政府が増税と言わなければ、この事柄については何と言うのか。
六 財務省、国税庁または総務省など政府が、過去、個人負担の税の増税措置について納税者の理解を求めるべく広報を行ったことがあるか。
行ったことがある場合、どの省庁が、どのような増税措置について、どの期間、どのようにして広報を行ったのか。また、これらの広報のために費やしたそれぞれの費用の額は。
七 今回の税源移譲に係る広報活動に対し、財務省、国税庁及び総務省など政府全体が費やした、或いは今後費やす費用の額は。
全国で、六月の給与明細や市町村役場からの住民税の案内を受けて混乱する国民の皆様が理解できる回答を期待する。
右質問する。
政府答弁書
一について
定率減税は、経済社会の変化等に対応して早急に講ずべき所得税及び法人税の負担軽減措置に関する法律(平成十一年法律第八号)及び地方税法の一部を改正する法律(平成十一年法律第十五号)において、著しく停滞した経済活動の回復に資するために、我が国経済の状況等を見極めつつ抜本的な見直しを行うまでの間の所得税法(昭和四十年法律第三十三号)の特例及び個人住民税の特例措置として導入されたものであり、こうした位置付けを踏まえて国会答弁等において説明しているところである。
二について
定率減税の縮減・廃止は、近年の経済状況の大幅な改善を踏まえ、景気対策として導入した暫定的な税負担の軽減措置を平成十八年及び十九年の二年間で段階的に縮減・廃止し、元の税負担に戻すものである。
このような趣旨で、尾身財務大臣は、平成十九年六月十三日の衆議院財務金融委員会において、「増税といえば確かに増税でありますが、特別の減税をやめたという意味では、純粋な増税ではないと考えております。」と答弁したところである。
三について
税源移譲においては、個々の納税者の税負担の年額について、年間の所得等が変動しない場合には、税源移譲の前後で所得税と個人住民税所得割を合わせた税額は基本的に変わらない。
四及び五について
財務省主税局の税制主要参考資料集によれば、「夫婦子二人世帯」の給与所得者の年収が、それぞれ三百万円、五百万円、七百万円、一千万円、一千五百万円である場合における平成十九年分の所得税と平成十九年度分の個人住民税を合わせた税額は、平成十八年分の所得税と平成十八年度分の個人住民税を合わせた税額と比べて、それぞれ一千円、一万八千円、四万一千円、八万九千円、十三万七千円の増加となっている。
これは、税源移譲については、個々の納税者の税負担の年額について、年間の所得等が変動しない場合には、税源移譲の前後で所得税と個人住民税所得割を合わせた税額は基本的に変わらないが、近年の経済状況の大幅な改善を踏まえ、景気対策として導入した暫定的な税負担の軽減措置を平成十八年及び十九年の二年間で段階的に縮減・廃止し、元の税負担に戻したことによるものである。
六について
個人の税負担の変更を伴うものを含めた毎年度の税制改正の内容については、財務省等が、説明会の開催、パンフレットの配布、ホームページへの掲載等の方法により、広報を行っているところであるが、個人の税負担の変更を伴う税制改正についての広報を抜き出して、その実施省庁、期間、方法及び費用についてお答えすることは困難である。
七について
事業者との間で広報内容を確定せずに年度ごとに契約を行っている場合、六についてで述べた毎年度の税制改正の内容について広報を行っている場合等、税源移譲の広報のみに要した費用を算出することができないものを除き、これまでに政府が行った税源移譲に係る広報活動の費用は約二億七千九百万円である。
また、お尋ねの「今後費やす費用」については、現時点では今後の広報内容を確定できないことから、お答えすることは困難である。
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