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平成二十年度予算の四十七兆三〇〇〇億円という上限目標に関する質問主意書
衆議院 第168回 第10号
質問本文
財務省は八月三十一日に二〇〇八年度の概算要求を締め切った。各省庁の要望を合算すると一般歳出総額は五十兆円強に上る見込みで、財務省は一般歳出について四十七兆三〇〇〇億円という上限内に収めようとしていると報じられている。このことに関して質問する。
一 四十七兆三〇〇〇億円という上限目標はどのようにして決められたのか。この数字の根拠を明らかにしていただきたい。
二 内閣府の発表によれば、日本の一人当たりの名目GDPは、一九九三年度、一九九四年度には世界一であったが、二〇〇六年度には世界十八位まで下落したとのこと。このことを図一に示した。世界十八位と言えば実に一九七一年度の水準である。一九七一年度から二十二年もかけて世界一豊かな国になった日本を、このように一気に貧乏にさせてもよいと政府はお考えか。今回の参議院選の与党大敗も、国を貧しくし、生活を苦しくした政府の政策への反発が一因であると考えるが、政府はこのような考えにどう対処しようとするのか。
三 図二は名目成長率の国際比較である。この図より日本が極端に低い成長率であることが分かる。フランスは日本の二倍以上も経済成長をしているのに、まだ低すぎるとして、積極財政で成長率を高めようとしているし、世界各国、経済成長率を高め、国を繁栄させようと努力している中、日本はこれだけ低い成長率であるにも拘わらず、最大限財政を削減して成長を低めようとしている。日本のこれだけ低い成長率をさらに低めてよいとお考えか。
四 デフレ下の日本では、予算を増やせばGDPが増大し豊かになるし、逆に予算を減らせばGDPは減り貧しくなるのは自明の理である。四十七兆三〇〇〇億円という額が今の日本にとって最良の額なのか、予算額を増やしたり減らしたりして、どのくらい日本が豊かになるか、あるいは貧しくなるかを示して頂きたい。
五 政府は、国の債務のGDP比が多いから、歳出を抑えなければならないという。しかし、無理な歳出削減に対しては、与党内からも従来の「歳出削減一本やり」では参議院選の惨敗から立ち直れないという危機感を背景に反発の声が上がっていると報じられている。例えば、公共投資を減らした場合、内閣府の試算によれば、少なくとも最初の一、二年は債務のGDP比は増加し財政悪化を招くとのことだが、誤差が大きくて試算自身が信頼できないというのが政府の見解だと理解している。そうであれば、現在の日本において、歳出削減は国を貧しくし、デフレ脱却を遅らせるのは間違いないが、財政悪化を招くか、財政健全化に貢献するかマクロモデルによる試算では結論が出ないというのが政府の見解だと思って良いか。
六 政府は歳出削減がGDPを減らし、デフレ脱却を遅らせることは熟知しているであろうが、その一方で歳出削減が財政健全化を導くかどうかは信頼できるマクロモデルによる試算で確固たる結論を得ていないようで、強引に歳出削減を続けており、それが国を貧しくし、国民を苦しめている。現在の日本において、歳出削減は本当にメリットがあるのか。その理論的根拠は何なのか。その理論に対する責任者は誰なのか。
七 八月一日、内閣府は二〇〇七年度の名目経済成長率の見通しを実質と同じ二.一%に下げると発表した。もともと二〇〇六年度にデフレ脱却をするというのは内閣の公約であり、今回の発表は二〇〇七年度もデフレ脱却ができないということであり、このように次々と経済見通しの下方修正を続けることに何の反省もないのか。
八 国民を苦しめている一つが社会保険料の値上げであり、これは増税と同様な意味を持っている。国の試算によれば、厚生年金積立金は二〇一五年頃まで減少を続けるとなっていて保険料の値上げをしなければ年金財政が危なくなるとしている。しかし、実際は平成十四年が一四一兆円、十五年が一四五兆円、十六年が一四七兆円、十七年が一五〇兆円というように、厚生年金積立金は増え続けている。ということは試算に誤りがあったということであり、適正な試算をしていたら、このように保険料の値上げは必要がないとの結論が出たところだ。つまり保険料の取りすぎということである。
マクロ経済スライドなどと称し、一〇〇年安心できる年金財政などと言っている。しかし、定率減税廃止で三.三兆円もの増税をしたのに加え、計算ミスが原因で不必要に高い保険料を取り、国民を苦しめ、経済を停滞させ、日本を貧乏にしてしまったら、一〇〇年後を目指して巨額の年金積立金をため込むことにどのような意味があるのか。
右質問する。
政府答弁書
一について
平成二十年度予算については、「平成二十年度予算の概算要求に当たっての基本的な方針」(平成十九年八月十日閣議了解)において、「経済財政運営と構造改革に関する基本方針二〇〇六」(平成十八年七月七日閣議決定。以下「基本方針二〇〇六」という。)で示された歳出改革を軌道に乗せる上で極めて重要な予算であり、引き続き歳出全般にわたる徹底した見直しを行い、歳出の抑制と所管を越えた予算配分の重点化・効率化を実施するとの基本的考え方を踏まえ、一般歳出の概算要求について、各経費につき平成十九年度当初予算額をもとに具体的な基準となる額が定められ、それらの総額が約四十七兆三千億円となった。
二及び三について
政府としては、「経済財政改革の基本方針二〇〇七」(平成十九年六月十九日閣議決定。以下「基本方針二〇〇七」という。)等に沿って、成長力の強化等に取り組むこととしている。こうした取組を通じて、安定した経済成長を続け、経済社会の各層に雇用拡大や所得の増加という形で成長の成果を広く及ぼすことにより、国民が未来に夢や希望を持ち、より安心して生活できるような社会の実現を目指す必要があると考えている。また、現在の極めて厳しい財政状況等を踏まえれば、経済成長を維持しながら、歳出・歳入一体改革に正面から取り組むことが必要であると考えている。
四について
政府としては、基本方針二〇〇七において、予算編成の原則として、民間需要主導の経済成長を目指し、景気を支えるために政府が需要を積み増す政策はとらないこととしている。
現在の極めて厳しい財政状況等を踏まえれば、経済成長を維持しながら、歳出・歳入一体改革に正面から取り組むことが必要であると考えている。
五について
計量経済モデルによる計算結果は、誤差を伴うため、相当の幅をもって解釈すべきものである。このため、現実の経済政策を行うに当たっては、計量経済モデルによる計算結果を参考としつつも、その時々の経済状況等を十分に踏まえて総合的に判断することが必要である。
なお、政府としては、現在の極めて厳しい財政状況等を踏まえれば、経済成長を維持しながら、歳出・歳入一体改革に正面から取り組むことが必要であると考えている。
六について
政府としては、我が国の極めて厳しい財政状況を放置すれば、財政の持続可能性に対する疑念の高まりが経済成長自体を阻害するおそれがあり、財政再建がなければ持続的な経済成長も実現しないとの考え方に基づき、基本方針二〇〇六及び基本方針二〇〇七において、歳出・歳入一体改革を実行するとしたところであり、その実現に向け、正面から取り組むことが必要であると考えている。
七について
政府としては、経済見通しの策定に当たって、従来より、その策定の時点で入手可能な情報を基に、慎重に分析、検討を行い、的確な見通しを行うよう努めているところである。我が国の経済は民間活動がその主体をなすものであること、国際環境の変化には予見し難い要素が多いこと等にかんがみ、経済見通しの諸計数は、ある程度幅を持って考えられるべきものである。
八について
平成十六年年金制度改正においては、長期的な給付と負担の均衡を確保し、制度を持続可能なものとするため、上限を固定しつつ保険料の引上げを行うとともに、積立金については、少子高齢化のピークを迎える平成六十二年頃から取り崩して給付に充て、おおむね百年後の積立金の水準を、給付に支障が生じない水準として給付費の一年分程度に抑制する等の措置を講じたところである。
平成十六年財政再計算においては、保険料引上げの途上にあること等により、平成二十一年度までは積立金を取り崩すと見通していたが、御指摘の平成十五年度から平成十七年度までの間における運用利回りの実績が見込みを上回ったこと等により、厚生年金保険及び国民年金の積立金が増加し、平成十七年度末で約百五十兆円となったところである。
しかしながら、年金財政においては人口や経済の長期のすう勢がどのようになるかが重要であるため、少なくとも五年に一度、新たな実績を踏まえ長期的な財政収支の見通しを見直すこととしており、御指摘の三年間の積立金の運用利回りの実績が見込みを上回ったことにより、直ちに法律で定められた将来の保険料を引き下げることは適当ではないと考えている。
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件名と質問本文の冒頭の意味が近いものを、前もって計算しておいた表から近い順に8件並べました(multilingual-e5-large)。同じ言葉を使っていなくても出ます。論点が少しずれていることもあります。