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平成二十年度予算の四十七兆三〇〇〇億円という上限目標に関する第三回質問主意書

衆議院 第168回 第133号趣旨が明らかではない ×1承知していない ×1

提出者
無所属
提出日
2007年10月18日
内閣転送 2007年10月22日
答弁書受領日
2007年10月26日
提出から8日
答弁の項目数
8
質問 3,231字/答弁 1,778字

質問本文

平成二十年度予算の四十七兆三〇〇〇億円という上限目標に関する再質問に対する平成十九年十月十六日の答弁書(以下「答弁書」という)に関して、再び質問する。

一 答弁書には年金の『平成十六年財政再計算においては、平成二十年度までの経済前提については、「構造改革と経済財政の中期展望−二〇〇三年度改定参考資料」(平成十六年一月十六日経済財政諮問会議提出)を基に算出している一方、平成二十一年度以降の長期の経済前提については、御指摘の「経済予測シミュレーション」によらず、過去の実績を基礎としつつ、長期間における平均的な経済成長の見込み等を推計する際に一般的に用いられる手法を用いて算出している。』とある。平成二十一年までに行う「財政の現況及び見通し」の作成では、内閣府が公表した『日本二十一世紀ビジョン』で使われたモデル、あるいはその改良版が使われると理解していいのか。

二 年金財政においては、人口や経済の長期のすう勢がどのようになるかが重要であるということには同意するが、一〇〇年先まで考慮して現在の年金制度を決めるというやり方には賛成できない。例えば一〇〇年前にこのような制度があって、資金を積み立ててくれていたら、一〇〇年前に積み立てた資金が、果たして現在役に立つのだろうか。もちろん、役に立たない。資金を積み立てるより、経済発展に努力したほうが、一〇〇年先の日本を考えるなら余程ましだ。これまでの一〇〇年間には戦争があったから事情は違うとの主張があるかもしれないが、これからの一〇〇年間にはもっと大きな変化が予想される。コンピュータとロボットなど科学技術の発展、食料や資源の枯渇、世界の人口増大、環境破壊など、激変は目に見えており、一〇〇年後の日本の経済状態が予測できるわけが無く、今、積み立てた資金が一〇〇年後に役立つとはとても思えないが、一〇〇年間の計算にどのような意義があるのか。

三 年金財政のみならず、財政全般で「黒字化」が異常に重視され、デフレ脱却や成長加速が忘れられている。例えば『日本二十一世紀ビジョン』の二六五頁には、二〇〇五〜二〇三〇年の平均実質成長率がアメリカは三%なのに日本は一.五%程度となっている。もしこの成長率が二十五年続いたら、アメリカ経済は二.一倍になるが、日本経済は一.四五倍にしかならない。一〇〇年続いたらアメリカ十九.二倍、日本四.四倍だから実に四.三倍の差が出てしまう。国が豊かになれば、多く年金が払えるし、貧乏なら年金も少なくなる。経済成長があれば、それだけ政府の負担も国民の負担も軽くなる。答弁書で引用された「構造改革と経済財政の中期展望−二〇〇三年度改定参考資料」を是非読んでいただきたい。二〇〇六年度にはデフレ脱却となっていたし、その一年前の改革と展望には二〇〇五年度にはデフレ脱却するとあった。しかし、経済政策の失敗により、デフレ脱却ができず、今年になって二〇〇七年度もデフレ脱却はできないということになり、成長加速も、財政健全化もまたもや先送りとなった。

平成十九年四月二十七日の答弁書でお認めになったように、日本経済の停滞の原因はデフレである。思い切った経済刺激策でデフレを脱却し、日本も諸外国並の経済成長ができるようにし、経済成長による財政再建を目指したらどうか。

四 「六について」で、デフレが債務のGDP比を増やしたかどうか、断定できないとある。しかし、「断定できない」との表現は答弁に窮したためと受け取らざるを得ない。

デフレ下における日本経済において名目GDPの伸びは、ほぼゼロだった。しかし、国債費だけで二十兆円、その約半分は利払いだったわけで金利は下がっても利払いはゼロにはならないから、それだけですでに債務のGDP比は増える。更に資産デフレにより固定資産税の減少等も財政を悪化させる。プライマリーバランスを二十兆円の黒字にすることなど出来るわけが無く、デフレで名目GDPの伸びがゼロなら、債務のGDP比は増えざるを得ない。逆に、財政出動をしても、名目GDPの伸びが拡大すれば債務のGDP比は減少する可能性が出てくる。実際、名目GDPの成長率がゼロでない国は、日本のように債務のGDP比が百数十パーセントにまで増えていない。このことは認めるか。

五 内閣府の堀雅博・青木大樹氏による(二〇〇三)(ESRI Discussion Paper Series No.七十五)という論文には短期金利を固定したまま公共投資をGDPの一%相当額だけ継続的に増やした場合の試算が示されている。これによると、債務のGDP比は初年度は五.五六%減少、二年目は六.三九%減少、三年目は七.五五%減少となっている。日本経済研究センターによる同様な試算でも公共投資の増大により、債務のGDP比は減少するとなっている。政府はこのような試算結果をどのように評価しているのか。

六 前回の質問主意書の四では、自民党県連の圧倒的多数が財政出動を求めていることを指摘した。その後、朝日新聞社と東大の合同調査の結果が論座の十一月号(五十五頁参照)に発表され、多くの国民や国会議員が財政出動、公共事業による雇用創出を求めていることが明らかになった。驚いたことに、答弁書の「三から五まで及び八について」では、プライマリーバランスを黒字化するという方針を述べているだけである。質問主意書では、プライマリーバランスの黒字化が債務のGDP比を下げることに繋がらないと主張しているわけで、このような見当違いの答弁では、質問に対して全く不誠実と言わざるを得ない。これは質問を愚弄するものではないか。改めて右主張に対する政府の見解を明らかにされたい。

七 「七について」の答弁であるが、昭和恐慌の際の高橋是清蔵相による財政出動が景気の下支えには一定の効果があったとお認めになった。一方では、債務残高増大を指摘しておられる。しかし、債務残高は増大したものの、少なくとも高橋財政政策においては、債務のGNP比は七十%台に留まり、現在の百数十パーセントよりはるかに低い。つまり思い切った財政出動であれば、債務のGDP比はそれほど増やさず景気を回復させることが可能で、その後好景気が持続し、徐々に債務のGDP比は減少していくものと思われる。このことに同意するか。

八 十月十七日の経済財政諮問会議で名目成長率を三.〇%から二.二%に下方修正した場合、二〇一一年度にプライマリーバランスを黒字化するには、最大で六.六兆円の増税が必要になるという試算が示されたことがマスコミで大々的に報じられている。成長率が下がり景気が悪くなったら政府は景気を下支えすべきなのに、追い打ちをかけるように増税をして、更に景気を悪くしようとするのは問題ではないか。あの試算は、そのようなことを意図したものなのか。もしそうでないのなら、マスコミがもっと正しく試算の意味を国民に伝えるように、政府もこのような試算の発表の際にはもっと注意を払うべきではないか。

九 十月十七日の経済財政諮問会議で提出された「有識者議員提出資料(給付と負担の選択肢について)」の中の試算�U(二〇〇七年度〜二〇二五年度)で四頁に主要変数の動向が示されている。これを見ると、経済成長をしたほうが、そうでないほうに比べ、GDP比でみた医療・介護公費支出も、社会保障負担も、医療介護保険料もすべて低くなっている。つまり、経済成長が医療・福祉の負担を軽くするのである。だからこそ、政府が現在すべきことは、財政出動を行い、成長率を高めることである。財政出動は間違いなく名目成長率を高める。短期間の財政出動は国の債務を何十パーセントも増やすわけではないが、長期的に見れば、経済成長は、医療・福祉の負担を軽くし、財政健全化に大きな役割を果たすのではないか。これについて政府の見解を明らかにされたい。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一について

平成二十一年までに行う「財政の現況及び見通し」の作成に用いる賃金上昇率等の経済前提をどのように設定するかについては、現在、社会保障審議会年金部会経済前提専門委員会において、金融や経済の専門家により検討を行っているところである。

二について

年金制度は、人の一生にわたる非常に長期の制度であることから、少なくとも五年ごとに行う「財政の現況及び見通し」の作成における財政均衡期間(年金財政において収支を均衡させる期間をいう。)をおおむね百年間とすることが法律で定められている。

三及び七について

御指摘の「思い切った経済刺激策」及び「思い切った財政出動」の趣旨が必ずしも明らかではないが、政府としては、「経済財政改革の基本方針二〇〇七」(平成十九年六月十九日閣議決定。以下「基本方針二〇〇七」という。)等に沿って、成長力の強化等に取り組むこととしている。また、政府としては、我が国の極めて厳しい財政状況を放置すれば、財政の持続可能性に対する疑念の高まりが経済成長自体を阻害するおそれがあり、財政再建がなければ持続的な経済成長も実現しないとの考え方に基づき、「経済財政運営と構造改革に関する基本方針二〇〇六」(平成十八年七月七日閣議決定)及び基本方針二〇〇七において、歳出・歳入一体改革を実行することとしたところであり、その実現に向け、正面から取り組むことが必要であると考えている。

四について

経済協力開発機構が本年六月に公表した「エコノミック・アウトルック八十一」によれば、イタリア共和国は、一九九三年以降、名目成長率は二・五パーセントから八パーセント程度で、一般政府部門の債務残高のGDP比は百十五パーセントから百三十パーセント程度で推移していると承知している。

五について

御指摘の論文において用いられている「短期日本経済マクロ計量モデル(二〇〇三年版)」(以下「短期日本経済マクロ計量モデル」という。)は、経済理論を踏まえ、過去における変数相互の関係を精査した上で作成されたものであるが、これを含めた計量経済モデルによる計算結果は、誤差を伴うため、相当の幅をもって解釈すべきものである。さらに、短期日本経済マクロ計量モデルの主たる目的は、短期の経済変動の分析にあることに留意する必要がある。

「日本経済研究センターによる同様の試算」については、詳細を承知しておらず、評価は差し控えたい。

六について

債務残高の対GDP比率は、国・地方の基礎的財政収支が黒字化する場合においても、名目成長率と名目金利の推移によって増加する場合もあれば、減少する場合もあり、政府としては、「財政健全化はまだ道半ば」であるとの認識に基づき、先の答弁書(平成十九年十月十六日内閣衆質一六八第七四号。以下「前回答弁書」という。)三から五まで及び八についてにおいて「二〇一〇年代半ばに向け、国と地方を合わせた債務残高の対GDP比率を安定的に引き下げることを目指し、まずは二〇一一年度には、国と地方を合わせた基礎的財政収支を確実に黒字化することとしている」と答弁したものである。

なお、政府としては、基本方針二〇〇七において、予算編成の原則として、景気を支えるために政府が需要を積み増す政策をとらないこととしており、前回答弁書三から五まで及び八についてで述べたとおり、基本方針二〇〇七等に沿って、成長力の強化等に取り組むことを通じて、安定した経済成長を続け、経済社会の各層に雇用拡大や所得の増加という形で成長の成果を広く及ぼしていくことが必要であると考えている。

八について

御指摘の資料は、給付と負担の選択肢についての議論に資するために、経済財政諮問会議の有識者議員が同会議に提出したものである。

九について

政府としては、少子高齢化が進展する中で、将来にわたり持続可能な社会保障制度を構築するためには、給付と負担の両面から見直しを図るとともに、経済・財政とバランスのとれたものとすることが必要であると考えている。社会保障制度を維持していくためにも、経済成長は不可欠であり、基本方針二〇〇七等に沿って、成長力の強化等に取り組むこととしているが、現在の極めて厳しい財政状況等を踏まえれば、経済成長を維持しながら、歳出・歳入一体改革に取り組むことが必要であると考えている。

衆議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

趣旨が明らかではない ×1承知していない ×1

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

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