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PFASのリスク評価過程における文書管理に関する質問主意書
参議院 第217回 第202号お答えすることは困難 ×5趣旨が明らかではない ×10
質問本文
環境省は、飲み水の水質管理においてPFOSとPFOAの合算値で五十ナノグラム・パー・リットル以下とする暫定目標値を定めている。その根拠とされる食品安全委員会の「食品健康影響評価(耐容一日摂取量)」の決定過程で開かれた非公開の打合せ(準備作業)について、令和七年三月二十四日の参議院環境委員会において、食品安全委員会は「(リスク評価の)手続をしっかりと進めていくためには準備作業が必要」と答弁している。
当該問題をめぐる七回の国会質疑の際、食品安全委員会は「行政文書として残っているものはすべて開示する」との意向を示し、同年六月十三日に対象文書の一部を開示した。しかし、実質的なリスク評価についての議論の記録は「廃棄済み」として開示されていないことから、以下質問する。
なお、六月十三日に開示された内容は以下五回の非公開会合の配付資料である。
「公開会議:第一回と第二回の間 四回分の非公開会合」
○令和五年四月十九日(水) 九時三十分~十二時三十分 打合せ会(疫学)
○令和五年四月二十日(木) 九時三十分~十二時三十分 打合せ会(実験動物)
○令和五年四月二十一日(金) 十四時~十七時 打合せ会(体内動態)
○令和五年五月十九日(金) 十四時~十七時 打合せ会(ばく露)
「公開会議:第六回と第七回の間 一回分の非公開会合」
○令和六年一月十五日(月) 十四時~十七時 打合せ会
一 開示文書について
1 開示された「議事次第」、「論文リスト」及び「委員コメント」は、それぞれ内閣府本府行政文書管理規則のいずれに該当するか、保存期間を含めて明らかにされたい。
2 「PFASワーキンググループ打合せ会」に関連して作成・取得した記録(前記「議事次第」、「論文リスト」及び「委員コメント」など)について、食品安全委員会事務局(以下「事務局」という。)はどのように保存・管理してきたか、共有パソコンのフォルダ名及び具体的な管理方法を明らかにされたい。
二 打合せの議事内容の記録について
1 「議事次第」はいずれも「PFASワーキンググループ打合せ会」と題され、リスク評価について長時間にわたって話し合われたことを裏付けている。打合せ会に関連して、「討議内容」以外に作成・取得された記録があるか示されたい。ある場合、記録の名称及び概要を示されたい。
2 前記二の1に関連して、「討議内容」以外の記録がある場合、廃棄されたと解して間違いないか示されたい。廃棄されている場合、当該時期及び理由を明らかにされたい。
3 国会質疑の答弁において、「討議内容」の記録について、「個人的メモ」又は「行政文書」と名称が統一されていなかったが、内閣府本府行政文書管理規則のいずれに該当するか、保存期間を含めて明らかにされたい。
4 「討議内容」の記録(文字起こし又は議事録など)の作成後、当該記録は出席した委員に共有されたか示されたい。
5 「討議内容」の記録(文字起こし又は議事録など)は作成後、廃棄されるまでの間、事務局内でどのように保存されていたか示されたい。また、共有パソコンのフォルダ名を明らかにされたい。
6 打合せ会における議論を基に、次に開かれる会議(第二回から第九回)に向けて、事務局が作成した各評価書案(ドラフト文書)について決裁文書は残されているか示されたい。また、当該文書は内閣府本府行政文書管理規則のいずれに該当するか、保存期間を含めて明らかにされたい。
7 中裕伸事務局長は「目的の資料に内容が反映された」ことをもって廃棄した旨の答弁をしているが、「目的の資料」について、資料の名称等を具体的に明らかにされたい。
8 評価書案作成に向けた「打合せ会」において、内閣府本府行政文書管理規則第十二条で規定される「政策立案や事務及び事業の実施の方針等に影響を及ぼす」やり取りが行われておらず、「文書を作成する」必要がある「打合せ等」に該当しない根拠を説明されたい。
9 前記に関連して、公開された会議だけでなく非公開の打合せについても「リスク評価に不可欠(姫野座長)」、「(リスク評価の)作業を進めてゆくには準備作業が必要(中事務局長)」とされるにもかかわらず、前者の議事録は保存期間「十年」、後者の「討議内容」の記録は「一年未満」である理由を説明されたい。
三 文献リストについて
文献リストに掲載されている各委員のコメントはリスク評価そのものであるため、文献が除外又は追加された理由に関わる可能性もある。リスク評価の内容及び委員名を全て黒塗りにしている理由を法的根拠とともに明らかにされたい。また、評価書案では、委員のコメント内容について一部を除き開示していることから、文献の評価についても同様に開示されたい。
四 資料一について
「PFAS担当分野」のエンドポイントごとの担当委員の名前を黒塗りにする理由を明らかにされたい。また、食品安全委員会は専門性に鑑みて委員を任命している上、公開した会議及び議事録においても担当委員は実名で発言している。さらに、食品安全委員会が委託したCERIでの論文選定事業においても担当分野は明示されていることから、エンドポイントごとの担当委員名を公開されたい。
五 その他の記録について
1 非公開会合に関するその他の記録を速やかに開示されたい。また、開示の時期を明らかにされたい。
2 前記三及び四で求めたように、非開示(黒塗り)部分を開示することについて再考されたい。
右質問する。
政府答弁書
一の1について
お尋ねの「「論文リスト」及び「委員コメント」」及び「内閣府本府行政文書管理規則のいずれに該当するか」の意味するところが必ずしも明らかではないが、令和七年六月十三日に御指摘の「開示した」文書(以下「開示文書」という。)については、公文書等の管理に関する法律(平成二十一年法律第六十六号。以下「公文書管理法」という。)第十条第一項の規定に基づく内閣府本府行政文書管理規則(平成二十三年内閣府訓令第十号)第十六条第一項の規定に基づき作成された食品安全委員会事務局(総務課、評価第一課、評価第二課、情報・勧告広報課)の行政文書に関する保存期間基準(令和七年四月一日改訂。以下「保存期間基準」という。)における「二十一 国会及び審議会等における審議等に関する事項」の「審議会等文書(二十九の項)」に分類し、保存期間は十年としている。
一の2について
お尋ねの「「PFASワーキンググループ打合せ会」に関連して作成・取得した記録」及び「共有パソコンのフォルダ名及び具体的な管理方法」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないため、網羅的にお答えすることは困難であるが、例えば、開示文書については、公文書管理法第七条第一項に規定する行政文書ファイル管理簿(以下「管理簿」という。)に記載された事項をお示しすると、「大分類」は「食品安全委員会」、「中分類」は「有機フッ素化合物(PFAS)ワーキンググループ」、「名称(小分類)」は「令和五年度有機フッ素化合物(PFAS)ワーキンググループに関する文書」及び「令和六年度有機フッ素化合物(PFAS)ワーキンググループに関する文書」、「保存場所」は「共有フォルダ」である。また、保存期間を一年未満とした行政文書については、管理簿に記載されず、保存期間が満了したものは保存されていないため、お尋ねにお答えすることは困難である。
二の1及び2について
お尋ねの「「討議内容」以外に作成・取得された記録」の具体的に意味する範囲が明らかではないため、お答えすることは困難であるが、「打合せ会」(以下「打合せ会」という。)の議事録は作成していない。
二の3について
御指摘の「国会質疑の答弁において、「討議内容」の記録について、「個人的メモ」又は「行政文書」と名称が統一されていなかった」の意味するところが必ずしも明らかではないが、打合せ会の議事録は作成していない。
二の4及び5について
お尋ねの「「討議内容」の記録」の意味するところが必ずしも明らかではないが、打合せ会の議事録は作成していない。
二の6について
前段のお尋ねについては、お尋ねの「次に開かれる会議(第二回から第九回)に向けて、事務局が作成した各評価書案(ドラフト文書)」の意味するところが必ずしも明らかではないが、食品安全委員会に設置した「有機フッ素化合物(PFAS)ワーキンググループ」(以下「ワーキンググループ」という。)及び打合せ会における配布資料については、決裁を行っておらず、お尋ねの「決裁文書」は存在しない。
後段のお尋ねについては、お尋ねの「当該文書は内閣府本府行政文書管理規則のいずれに該当するか」の意味するところが必ずしも明らかではないが、一の1についてで述べたとおり、当該配布資料については、保存期間基準における「二十一 国会及び審議会等における審議等に関する事項」の「審議会等文書(二十九の項)」に分類し、保存期間は十年としている。
二の7について
お尋ねの「資料の名称等」の意味するところが必ずしも明らかではないが、御指摘の答弁における「目的の資料」とは、ワーキンググループ又は打合せ会における配布資料のことである。
二の8について
お尋ねについては、令和七年六月十二日の参議院環境委員会において、政府参考人が「内閣府本府文書管理規則第十二条第二項では、業務に係る政策立案や事務及び事業の実施の方針等に影響を及ぼす打合せについては記録を作成することとされております。当該条項における・・・事務の実施の方針については、PFASの食品健康影響評価のプロセスの中では、PFASワーキンググループ本体において議論がなされているところでございます。具体的には、例えばワーキンググループにおいて、国際機関等がそれぞれ異なったエンドポイントに基づいて異なった健康影響に関する指標値を出していくことを踏まえて、それらについての知見を十分に吟味して評価をしていくといった方針が合意され、これを受けてその作業が進められていくという形が取られております。準備作業においては、むしろ、これらのワーキンググループから示された方針に基づいて個別具体の作業が行われたものであって、準備作業自体は本条項の事務の実施の方針等に影響を及ぼす打合せには該当しないというふうに考えております。」と答弁したとおりである。
二の9について
お尋ねの「公開された会議だけでなく非公開の打合せ」及び「「討議内容」の記録」の意味するところが必ずしも明らかではないが、ワーキンググループの議事録は、保存期間基準に基づき、保存期間は十年としている。また、打合せ会の議事録は作成していない。
三及び四について
御指摘の「文献リスト」、「リスク評価の内容」、「文献の評価」及び「資料一」の意味するところが必ずしも明らかではないが、開示文書においては、行政機関の保有する情報の公開に関する法律(平成十一年法律第四十二号)第五条第五号又は第六号に掲げる不開示情報に該当する部分を不開示としており、開示の範囲を変更することは困難である。
五の1について
お尋ねの「非公開会合に関するその他の記録」の意味するところが必ずしも明らかではないが、打合せ会における配布資料のうち開示文書以外のものについては、速やかに開示を行うべく事務処理を進めているところである。
五の2について
三及び四についてで述べたとおり、開示文書の開示の範囲を変更することは困難である。