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医師の応招義務及び不法滞在の外国人の医療費支払等に関する再質問主意書
参議院 第219回 第76号お答えすることは困難 ×1
質問本文
私が提出した「医師の応招義務及び不法滞在の外国人の医療費支払等に関する質問主意書」(第二百十九回国会質問第一二号)に対する答弁(内閣参質二一九第一二号)において、政府は医師の応招義務について、「一般的には、御指摘の「治療費を支払うことができないこと又は不法滞在者であること」のみを理由として診療を拒むことはできない。」と答弁した(以下「政府答弁」という。)。
また、不法滞在者等に対する診療により医療機関に未収金が発生した場合の費用負担については、「「外国人に係る医療機関の未収金について、公費で肩代りすることになれば、財政的な負担が増大するだけでなく、事実上、外国人は容易に無料で医療を受けられることとなるが、これが結果的には不法滞在の助長につながるおそれがあるほか、費用負担をしないで医療を受けることを目的として入国するという事態を招くのではないかという懸念がある」等とされているところであり、慎重な検討が必要と考えている。」と答弁した。
これらの答弁は、不法滞在者等に対する診療により医療機関に未収金が発生している現状に対して、政府は何もしないと言っているに等しく、極めて無責任である。
現在、医療機関の経営は厳しい状況に置かれている。一般社団法人日本病院会など四団体が公表した「二〇二五年度病院経営定期調査―中間報告(集計結果)―」によれば、医業利益の赤字病院割合について、令和六年度は七十三・八%になったと報告されている。多くの医療機関が経営に苦しんでおり、未収金を容認できるような状況にはない。
厚生労働省が実施した「令和六年度医療機関における外国人患者の受入に係る実態調査」によれば、令和六年九月の一箇月間に四百七十病院が外国人患者による未収金を経験し、その総額は二億三千万円を超えたと報告されている。また、東京都では、都立病院における外国人による未収金の額が令和六年度だけで一億七千万円を超えていると報道されている。医療機関は外国人による未収金だけでもこれほどの負担を強いられており、日本の医療制度が壊れることさえも懸念される状況である。
以上を踏まえて、以下質問する。
一 政府答弁は、倫理規定的な位置付けとされている医師の応招義務を利用して民間医療機関に責任を負わせるものであり、民間医療機関に対して拒否権のない裁判を行っているようなものと考える。他の民間業種で考えれば、料金未払は犯罪である。厳しい経営状況に置かれている医療機関において、未収金の発生は死活問題になりかねない。政府は国民のための医療に責任を持つべきであり、治療費を支払えない不法滞在者に対する医療提供や費用負担については政府が対応すべきと考えるが、見解を示されたい。
二 出入国在留管理庁は、令和七年六月末の在留外国人が三百九十五万人を超え、令和七年七月一日現在の不法残留者数が七万一千人を超えると報告している。政府として急増する外国人の医療提供や費用負担について責任を取れないのであれば、実質的な移民政策と指摘されている現在の外国人受入れ政策を一時休止すべきと考えるが、政府の見解を示されたい。
三 高市早苗内閣総理大臣は、令和七年十一月七日の衆議院予算委員会において「必ず、医療機関そして介護施設がこれ以上倒産しないように、守る」と答弁し、同月十一日の同委員会において「医療と介護、しっかりと守ってまいります。」と答弁した。
不法滞在者による未収金を医療機関に負担させ続ければ、未収金の負担により倒産する零細病院がいつ発生してもおかしくない。医療を守るという高市内閣総理大臣の決意を実現するためにも、不法滞在者による未収金への対応として医療機関への補助金が必要と考えるが、政府の見解を示されたい。
右質問する。
政府答弁書
一及び三について
お尋ねの「医療提供や費用負担」については、先の答弁書(令和七年十月三十一日内閣参質二一九第一二号。以下「前回答弁書」という。)三についてにおいて、「「治療費」の支払いについては、患者が不法滞在者であるか、また、診療を受ける時点で治療費を支払えるか否かにかかわらず、基本的には医療機関と患者の間の民法(明治二十九年法律第八十九号)上の債権債務関係として取り扱われるべき問題であるため、診療の申込みを受けた医療機関が患者に対して医療を提供し、当該患者がその費用を負担すべきものと考える」とお答えしたとおりである。また、お尋ねの「不法滞在者による未収金への対応として医療機関への補助金」については、前回答弁書四についてにおいて、「「外国人に係る医療機関の未収金について、公費で肩代りすることになれば、財政的な負担が増大するだけでなく、事実上、外国人は容易に無料で医療を受けられることとなるが、これが結果的には不法滞在の助長につながるおそれがあるほか、費用負担をしないで医療を受けることを目的として入国するという事態を招くのではないかという懸念がある」等とされているところであり、慎重な検討が必要と考えている」とお答えしたとおりである。いずれにせよ、御指摘の「不法滞在者による未収金」の問題については、前回答弁書二についてにおいて、「厚生労働省において、・・・対応を検討し、実施してきたところである。具体的には、同省において、救急医療制度の円滑な運営を確保する観点から、「医療提供体制推進事業費補助金交付要綱」(平成二十一年五月十三日付け厚生労働省発医政第〇五一三〇〇一号厚生労働事務次官通知別紙)に基づく救命救急センター運営事業として、「救急医療施設運営費等補助金(救命救急センター運営事業)に係る事務処理について」(平成八年五月十日付け指第三二号厚生省健康政策局指導課長通知)等に基づき、公立を除く「救命救急センターにおいて」、「我が国の公的医療保険制度に加入していない」「重篤な外国人救急患者の救命医療を行い」、「患者又は患者の保証人に対し、最低四半期に一回の督促」をしても未収金を回収できない場合には、前年度の未収金のうち一定額を超える額に対して補助を行っている」とお答えしたとおりである。
二について
御指摘の「実質的な移民政策と指摘されている現在の外国人受入れ政策」が具体的に何を指すのか明らかではないことから、お尋ねにお答えすることは困難である。いずれにせよ、政府としては、令和七年十一月四日の外国人の受入れ・秩序ある共生社会実現に関する関係閣僚会議における内閣総理大臣指示(外国人との秩序ある共生社会の実現について)に基づき、「不法滞在者ゼロプランの強力な推進」、「在留資格の審査の厳正な運用(納税状況等の活用を含む)と在留資格の在り方・・・の厳格化の検討」、「医療費(入国前の民間医療保険への加入の検討を含む)・・・をはじめとする各種制度・運用の見直し・適正化の推進」等を進めていくこととしている。