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酪農経営の安定対策に関する質問

参議院 第94回 第9号お答えすることは困難 ×2

提出者
参議院
提出日
1981年2月28日
内閣転送 1981年3月4日
答弁書受領日
1981年3月17日
提出から17日
答弁の項目数
5
質問 1,827字/答弁 1,766字

質問本文

酪農経営の安定対策に関する質問主意書

現在、わが国酪農は、四年間にわたる加工原料乳保証価格の実質的据置きに加え、乳製品の輸入外圧、生産調整、購入飼料など生産諸資材の価格高騰、乳用雄仔牛など個体販売の不振等にも追撃され、まさに危機に直面している。この危機克服は、すでに酪農家の自助努力をはるかに越えるものとなつている。

とりわけ北海道に多く見られる大規模酪農のような場合においては、短期間で近代化を成し遂げてきたことから多額の負債をかかえ死活にかかわる窮状にあるが、自給飼料への依存度の高い酪農の健全な発展は、食糧の安全保障確保の見地からも不可欠な課題である。従つて、これまで国の方針に従い生産、近代化への努力を重ねてきた酪農家に対し、長期展望を明示し、抜本的救済措置を講ずることは国の当然の責務であると言わねばならない。

このような基本的認識に基づき、以下、重点的に政府の見解を問うものである。

一 酪農経営危機に臨む基本的考え方について

1 政府は、窮迫する酪農家の現状をどう認識し、いかなる展望を持つているか。今後、いかなる基本的施策を講ずる用意があるか。

2 現在、政府は、昭和五十六年度産の加工原料乳価格など一連の酪農政策の決定を目前にしているが、昨今の窮迫した酪農経営の実情掌握は極めて不十分である。的確かつ速やかな救済措置を講ずるためにも、政府は、緊急に酪農経営の実情調査を実施すべきであると考えるがどうか。

二 金融対策について

1 北海道の酪農家のように、これまで急速な近代化を図つてきた大規模酪農家においては、一戸当たり三千万円~四千万円程度、ないしは、それ以上の多額な負債をかかえている場合が多い。従つて、これらの酪農家は、負債償還に加え、不足する運転資金を補うため農協のプロパー資金への依存を余儀なくされており、固定化負債は実質的に累増する傾向にある。こうした実情に照らしてみても、政府による負債対策の実施は、酪農経営救済策のキーポイントと言える。このような意味からも、政府は、借替資金の斡旋ならびに既往制度資金の枠の拡大、限度額の引上げ、金利の引下げ、償還期限の延長等について思い切つた措置を早急に講ずる必要があると考えるがどうか。

2 大規模酪農の特殊性を考慮し、他の先進国の例にならい各種制度資金を統合した大型の超長期超低利の酪農金融制度を創設することについて積極的に検討すべきであると考えるがどうか。

三 昭和五十六年度産加工原料乳の保証価格および限度数量について

1 政府が、昭和五十六年度産加工原料乳の保証価格を決定するにあたつては、加工原料乳の生産費と生産農家の所得を補償することを旨とし、生産者団体が納得できる価格で決定すべきであると考えるがどうか。

2 保証価格の算定にあたつては、本年一月以降の購入飼料価格の値上げ相当分を十分反映させるとともに、乳脂率三・二%換算を改め実乳量に即した計算をすることとし、また、自給飼料生産にかかわる家族労賃については他産業従事者なみに評価すべきであるがどう考えるか。

3 限度数量については、乳製品の輸入抑制および消費拡大等を図ることにより、枠の大幅拡大を行うべきものと考えるがどうか。

四 生乳・乳製品の過剰対策について

1 現在の生乳・乳製品の過剰基調は、大量の輸入を前提として創出されたものである。従つて、政府は、乳製品の輸入については、実効ある規制策を講じ、とりわけ偽装乳製品の輸入にみられる脱法的行為については即刻是正すべきであるがどう対処するのか。

また、「生乳需給計画」の策定にあたつては、年間輸入の見通しについても明示すべきであると考えるがどうか。

2 生乳の需給均衡回復のため、乳製品の過剰在庫解消策をはじめ生乳・乳製品の消費拡大対策については一層強力に推進すべきであるが、政府は、いかなる具体策を講ずる用意があるか。

五 飼料価格安定対策および乳肉一体化政策の推進について

1 配合飼料価格安定基金への助成強化など飼料価格安定のための施策については、一層の拡充強化を図るべきであるがどうか。

2 酪農経営の安定を図るためには、酪農と肉用牛の複合による乳肉一体化政策を強力に推進すべきものと考える。この意味から、政府は、牛肉の価格・輸入対策および仔牛生産振興事業の継続、肥育素牛価格の安定対策等について特段の措置を講ずべきであると考えるがどうか。

右質問する。

参議院の原文・経過

政府答弁書

一について

1 我が国の酪農は、経済の高度成長に伴う需要の増加に即応して、急速な規模拡大により生産の増大を図り、順調な発展を遂げてきたが、近年、生乳の供給過剰状況を生じ、生産を抑制せざるを得なくなつている。

酪農経営については、生産資材価格の上昇等コストアップ要因がみられるものの、生産性は向上している。また、負債額は急速な規模拡大のため増加したが、反面、資産額も着実に増加している。

生乳需要については、従来のような伸びを見込むことが困難であるとしても、将来とも安定した伸びが期待されるので、今後の酪農対策の基本は、需要に即した計画生産を進めるとともに、酪農経営の合理化及び体質強化に重点を置き、その安定的な発展を図ることにあると考えている。

2 酪農経営の実情については、地方公共団体及び関係団体とも協力し、そのは握に努めてまいりたい。

二について

1 酪農経営については、従来から、酪農経営安定推進資金、自作農維持資金等の長期低利の資金の融通により、その安定化に努めているところである。

なお、既貸付金の償還条件の緩和措置については、関係金融機関に対し依頼したところであり、今後とも現行制度の下で、資金の種類及び借入者個々の実情に応じて対処してまいりたい。

2 酪農経営の改善を図るため、従来から長期低利の資金の融通に努めてきたところであり、今後とも必要に応じ、現行の制度資金の円滑な融通に努力してまいりたい。

三について

1及び2 昭和五十六年度の加工原料乳の保証価格については、加工原料乳生産者補給金等暫定措置法に基づき、生乳の生産条件及び需給事情その他の経済事情を考慮し、生産される生乳の相当部分が加工原料乳であると認められる地域における生乳の再生産を確保することを旨として畜産振興審議会の意見を聴いて昭和五十六年三月末日までに適正に決定することとしている。

3 昭和五十六年度の加工原料乳の限度数量については、加工原料乳生産者補給金等暫定措置法に基づき、生乳の生産事情、飲用牛乳及び乳製品の需給事情その他の経済事情を考慮し、畜産振興審議会の意見を聴いて昭和五十六年三月末までに適正に決定することとしている。

四について

1(一) 近年、生乳生産が需要の伸びを上回つて増大したことから大幅な供給過剰となり、生乳需給が緩和基調で推移していることにかんがみ、バター、脱脂粉乳等について畜産振興事業団による一元輸入を停止しているところである。また、いわゆる「擬装乳製品」と言われている調製食用脂の輸入問題については、我が国酪農が当面している諸困難を踏まえ適切な対応を図るべく、関係輸出国と鋭意協議を続けているところであり、できる限り早期に具体的な解決策を考えてまいりたい。

(二) 畜産振興審議会に提出している「生乳需給見通し」は試算値であり、「生乳需給計画」は策定していない。「生乳需給見通し」においては、輸入自由化品目については、計画を立てて輸入するという性格のものではないこと、また、内外価格差の現状から輸入品が国産品により代替することが困難であること等から輸入の見通しは行つていないところである。

2 牛乳・乳製品の消費拡大を図るため、学校給食における牛乳の飲用促進、飲用牛乳の普及宣伝及び消費者啓発の推進等を行つているところであり、今後ともこれらの一層の促進に努めてまいりたい。

五について

1 国際価格の上昇に起因する飼料穀物等を原料とする配合飼料の価格の上昇に対しては、畜産経営に与える影響を緩和するため、配合飼料価格安定基金の財源確保に努めてきているところであり、今後とも、配合飼料価格安定制度の一層の適切な運用に努めてまいりたい。

2 牛肉については、畜産物の価格安定等に関する法律に基づき、価格の安定を図るとともに、その輸入については、国内生産で不足する分について行うという基本的方針の下に、関係諸外国との友好関係の維持増進に留意しつつ輸入割当制度の運用を行つており、かつ、畜産振興事業団が一元的な運営機能を有効に発揮することができるようにしている。また、子牛生産の振興を図るため、従来から各般の施策を講じているところであり、肥育素牛価格の安定対策としては、肉用子牛価格安定事業を実施しているところである。

参議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

お答えすることは困難 ×2

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

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