Kurage 質問主意書アシスト

ことばで探す › 衆議院 第102回

自動車損害賠償責任保険の料率引上げに関する質問主意書

衆議院 第102回 第2号

提出者
衆議院
提出日
1984年12月1日
内閣転送 1984年12月5日
答弁書受領日
1984年12月18日
提出から17日
答弁の項目数
9
質問 1,936字/答弁 1,458字

質問本文

衆議院議長 ※(注)永健司 殿

自動車損害賠償責任保険の料率引上げに関する質問主意書

政府は、交通事故による保険収支の悪化並びに保険金支払い限度額引上げを理由として自賠責保険(自動車損害賠償責任保険)の料率引上げを検討し、現在、自動車損害賠償責任保険審議会に諮問中である。

私はこの件に関し、第九十五回国会決算委員会、第九十六回国会交通安全対策特別委員会、第九十八回国会予算委員会で問題点を指摘したが、これらの解決のないまま料率引上げが審議され決定されることは極めて遺憾である。

しかも自賠責特別会計から二千五百六十億円もの巨額の運用益を一般会計に繰り入れた状況での料率引上げは、昨年、衆参両院で「今回の繰入を理由として安易な保険料の引上げを行わないよう努めること」との附帯決議違反でもある。これでは国会審議は全く形骸化し納得できるものではない。

自賠責保険は、自動車全保有者に加入を義務付けている強制保険であり、「準税金」的性格を有するものである。また、自動車、オートバイの保有台数が約六千万台に達していることから、保険料率の引上げは国民生活に重大な影響を及ぼすことは明らかである。

更にユーザー及び国民にとつて自賠責保険制度は、その収支状況等が全般的に不明瞭かつ理解しにくい制度となつているため、収支悪化を理由とした保険料値上げに強い不信感を抱いている。保険料率の引上げを極力抑制し、国民負担の軽減を図るとともに、国民に保険制度をより明確に理解させる必要から自賠責保険に関し、次の事項について質問する。

一 現在、自賠責保険の運用益は、国の特別会計で五千七百六十億円、損保会社など八百二十億円、合計六千五百八十億円に達している。こうした運用益については、過去数次にわたる自賠責保険審議会の答申が示すとおり保険料負担の軽減(昭和四十四年答申)及び収支改善の財源(昭和四十八年、昭和五十三年答申)に資すべきであると考えるが、政府の見解を伺いたい。

二 自賠責保険が制度的に定着した現在、再保険する必要性はなくなつたと考えられるが、再保険制度を見直す考えはないか見解を明らかにされたい。

三 自賠責保険料率の引上げとともに農協共済の保険料率の引上げが検討されているが、収支内容の異なる農協共済の保険料を自賠責保険料と同率の引上げをする理由を明確にされたい。

四 自賠責保険の収支、料率算定については、自動車保険料率算定会の算出する資料に基づいているが、自賠責保険収支状況は、昭和五十八年のデータと昭和五十九年のそれとでは大幅な格差が見られる。年度予測に格差が生じた理由とその積算根拠を明らかにされたい。

また、自賠責保険の収支は、毎年度どの様な方法で算出されているのか具体的に説明されたい。

五 自賠責保険の単年度収支は、昭和五十三年度以降から、また累積収支は、昭和五十七年度以降から、それぞれ赤字となり、赤字幅は拡大傾向にあると指摘されているが、今日まで収支改善策がとられなかつた理由を明らかにされたい。

六 医療費が傷害の損害額の大半を占め、慰謝料休業補償などの生活保障金が少なくなつているが、医療費の適正化については、自賠責保険審議会の昭和四十四年答申においても指摘されており、その対応が遅れている行政の責任は大きいといわざるを得ない。医療費適正化について、具体的にいつどの様な措置を講ずるのか見解を伺いたい。

七 後遺障害の認定は、現在、自動車保険料率算定会調査事務所において、後遺障害認定担当者が後遺障害診断書の審査に当たつていると聞くが、その審査業務を担当している者の資格基準及び後遺障害審査基準を明らかにされたい。

八 自動車損害賠償保償法第二十六条は、責任保険については「損害保険料率算出団体に関する法律第十条の二の規定は適用しない」とし、利害関係者の異議申し立てはできないこととしている。それだけに、自賠責保険審議会は、審議に当たつて、ユーザーの意見を十分反映させることに努めるべきである。しかし、現在の審議会の構成からは、ユーザーの意見が反映されているとは考えにくい。ユーザー代表といわれる代表委員は臨時委員に過ぎない。この際、ユーザー代表の委員を審議会委員とすべきであると考えるが政府の所見を問いたい。

九 更にユーザー等の意見を審議に反映させるため、公聴会を開催すべきであると考えるが、政府は審議会にその意向を表明する考えがあるか見解を伺いたい。

十 過去数次の自賠責保険審議会答申が指摘した自賠責保険の改善対策

(1) メリット・デメリット制の導入

(2) 重複支払いの廃止

について、今後具体的にどの様に措置するか明らかにされたい。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一について

自動車損害賠償責任保険(以下「自賠責保険」という。)の累積運用益は、保険契約者が納付した保険料を原資として発生してきたものであるので、基本的には契約者の利益のために活用する必要があると考えており、現在、その活用策につき自動車損害賠償責任保険審議会(以下「自賠責審議会」という。)において御審議願つているところである。

二について

自動車事故による被害者の保護を目的とした強制保険である自賠責保険については、自賠責保険制度の性格等にかんがみ、国が再保険を通じてその運営に関与し、適正な運営を確保する必要があると考えている。

三について

いかなる自動車も自賠責保険又は自動車損害賠償責任共済のいずれかの契約が締結されていない限り、これを運行の用に供することができず、かつ、そのいずれを選ぶかは、原則として契約者の自由であるから、当該保険及び当該共済は、制度として均一なものである必要がある。このため、保険料率についても、従来から自賠責保険、自動車損害賠償責任共済を通じて同一としているところである。

四について

自賠責保険の収支については、毎年度、自動車保険料率算定会が、前年度までの保険金支払等の実績に基づいて、翌契約年度分までを算出しているが、自動車事故が増加傾向にある現状では、保険金支払の実績が予測を上回る結果となるのはやむを得ないと考える。

五について

自賠責保険の収支は、昭和五十三年度以降単年度で赤字となつたが、累積収支では黒字であつたため、料率改定を行わなかつたものである。

また、昭和五十七年度の累積収支が赤字であることは、昭和五十九年初めの検証で判明したため、その後、自賠責審議会に報告し、現在、同審議会において収支改善策等につき御審議願つているところである。

六について

医療費については、自動車保険料率算定会における調査を充実する等、従来からその支払の適正化に努めているところであるが、引き続き努力してまいりたい。

七について

後遺障害の認定については、自動車保険料率算定会の後遺障害認定担当者が、労働者災害補償保険における後遺障害の認定の方法等を参考にして行つており、この認定に基づいて損害保険会社が保険金支払を行つている。これらの担当者に対しては、自動車保険料率算定会において、十分な教育訓練を施すとともに、その認定に当たつては、顧問医から意見を聴取する等、公正な認定に努めているところである。

八及び九について

自賠責審議会の委員には、学識経験者四人及び自動車運送関係者二人(ほかに臨時委員一人)も任命されており、同審議会の審議には自動車ユーザー等の意見も十分反映されていると考えている。

十について

(1) 昭和四十五年に死亡事故に係る追加保険料の支払制度を創設したが、その他のメリット・デメリット制度を導入することは、自賠責保険契約が車両単位で強制されるものであること等から、困難ではないかと考えている。

(2) 複数の車両の共同不法行為による事故の場合には、それぞれの契約の保険金額の合計額を限度として被害者の損害額につき保険金の支払が行われているが、自賠責保険が車両ごとに保険金額を契約しているものであること等に照らし、この取扱いを変更することは適当ではないと考えている。

なお、一車両に重複して自賠責保険契約が締結されている場合については、昭和四十五年の自動車損害賠償保障法の改正により、一つの契約についてのみ保険金が支払われることとされたところである。

右答弁する。

衆議院の原文

似た質問主意書

件名と質問本文の冒頭の意味が近いものを、前もって計算しておいた表から近い順に8件並べました(multilingual-e5-large)。同じ言葉を使っていなくても出ます。論点が少しずれていることもあります。

提出 1985年5月21日 草川昭三 答弁 1985年6月7日
衆議院 第102回 第33号お答えすることは困難 ×1
提出 1985年11月2日 草川昭三 答弁 1985年11月19日
衆議院 第103回 第6号
提出 2002年1月28日 櫻井 充 答弁 2002年3月5日
参議院 第154回 第2号
提出 2023年12月7日 神津 たけし(立憲民主党・無所属) 答弁 2023年12月19日
衆議院 第212回 第99号承知していない ×1
提出 1976年5月21日 林百郎 答弁 1976年5月28日
衆議院 第77回 第32号

この論点で次の質問を書くなら

アシストで並べる