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同和問題の完全解決に関する質問主意書
衆議院 第131回 第1号
質問本文
一 同和問題の本質について、「同和」対策審議会・答申は、「日本社会の歴史的発展の過程において形成された身分階層に基づく差別」と規定している。さらに憲法第十四条にいう「社会的身分」という文言を使っている。前記の「身分階層構造」、「社会的身分」とは、今日の社会的現実から分析して、いかなる状況・態様をなすものか、政府の認識を聞きたい。
二 さらに「同和」対策審議会・答申によれば、「その早急な解決こそ国の責務であり、同時に国民的課題である」としているが、現時点における地域改善対策協議会はこれまでの同和地区として指定した地域に対する行政効果を測定し、「一般行政への円滑な移行」をめざしていることは、歴代内閣の国会答弁でうかがえるところであるが、村山内閣としては、なおハード、ソフトの両面に格差が認められる場合は法的措置を継続するとの考えであるか。
三 現在進行中の地域改善対策協議会が想定している協議のプロセスと次なる同和行政に対する意見をまとめる時期は、現在の地対協委員の任期切れの来年二月と見るべきか、再度二年任期の委員を任命し、その委員の協議を経て、地対財特法の失効との関係で、一九九六年秋の頃か、一九九七年の春頃と予想しておくべきものか。なお、すでに同和地区実態調査についての結果の分析、評価は、いかなる手順でいつ頃終了するものか、政府の考えているところを聞きたい。
四 現在、政府が取り組んでいる同和地区実態調査については、四千六百三地区の、法に基づく対象地域と指定されたところに限っているが、前記審議会・答申のいう「国の責務」とは、残されたおおよそ一千ヶ所の被差別地域に対しても、部落差別の完全な行政的解決のために重要なことと考えられる。これまでの歴代内閣は、これを否定しつづけているが、村山内閣としては何らかの方法でこれを実施し、さきに実施された四千六百三地区の調査とあわせて、民間運動団体が要請している部落解放基本法を制定する政府の方針を樹立すべきではないか。
五 当面は、来年度予算編成の段階を迎えているが、すでに取り組んできた四千六百三ヶ所の実態調査とは別に、日本における同和問題解決のために、残されたおおよそ一千ヶ所の被差別地域の差別実態の把握及びそれに伴う前近代的な意識、観念の現状の分析のために予算措置を講じて、これと取り組むつもりはないか、お尋ねしたい。
六 細川連立内閣成立間もない頃、参議院本会議において、当時の細川首相は現在民間運動団体が取り組んでいる部落解放基本法制定要求には、否定的な答弁をし、現行法の枠内における「啓発」をもって解決に努めるという主旨のことを表明されている。今回の村山首相の答弁は、現在取り組んでいる実態調査の結果を分析し、次なる方策を考えたいとの答弁であったように聞いている。一方、マスコミの報ずるところによると、閣僚懇などで社会党閣僚から部落解放基本法の制定に協力を要請したとも聞いている。政府は今日的段階でこれを実現するため与党各党と政策調整段階に入ったと理解してよいか。「同和」対策審議会・答申は、差別の現実を「実態的差別と心理的差別の相互因果関係」だと分析している。意識や観念の啓発だけでは、実効が上がらないと考えるが、そのために民間運動団体は部落解放基本法の制定を要求していると見るべきで、差別事件があとを絶たない現状に照らしてこの「相互因果関係」の論理をいまもなお政府は整合性のある分析と考えているかについて見解をうけたまわりたい。
七 「同和」対策審議会・答申は、「部落差別を支えている歴史的社会的根拠」なるものを「わが国の産業構造は『二重構造』といわれる構造的特質をもっている」からだとしている。自民党政権時代も、しばしばその視点に基づく答弁を多くの閣僚が行ってきた。昨年の総選挙以後成立した細川内閣は、これに対してかくたる態度表明を私の前回の「質問主意書」に対してもなされなかった。「人にやさしい」村山内閣としては、これの解消に向けていかなる政策を推進しようとされているか。
右質問する。
政府答弁書
一について
政府としては、同和問題は憲法に保障された基本的人権にかかわる重要な問題であるとの認識の下に、昭和四十四年の旧同和対策事業特別措置法(昭和四十四年法律第六十号)以来、三度にわたって制定された特別措置法に基づき、二十五年間にわたって関係諸施策の推進に努めてきたところである。
この結果、平成三年十二月の地域改善対策協議会(以下「地対協」という。)の意見具申においても指摘されているとおり、同和地区の生活環境等の劣悪な実態は大きく改善をみ、同和地区と一般地域との格差は、全般的には相当程度是正されている一方、心理的差別の解消は、改善の方向にあるものの、結婚や就職等に関連した差別事象が依然としてみられ、十分な状況とは言い難いと考えている。
二について
地域改善対策特定事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律(昭和六十二年法律第二十二号。以下「地対財特法」という。)の有効期限後の施策の在り方については、地対協に設置された総括部会において審議が行われているところである。
三について
地対協総括部会の意見については、平成七年度末ごろまでに取りまとあることとされている。また、平成五年度に実施した同和地区実態把握等調査については、既に平成六年九月末に生活実態調査及び意識調査についての中間報告を取りまとめたところであるが、平成六年度末を目途に調査全体について最終報告を取りまとめる予定である。
四及び五について
同和地区実態把握等調査については、平成三年十二月の地対協の意見具申において指摘されているとおり、これまでの地域改善対策の効果を測定し、同和地区の実態や国民の意識等について把握することを目的としていることから、地対財特法に基づく地域改善対策特定事業が実施される地域(以下「対象地域」という。)に係る調査を実施したところであるが、地対財特法においては新たな対象地域の追加は行われないこと等から、今後とも、対象地域以外の地域に係る実態調査を行う考えはない。
六について
平成三年十二月の地対協の意見具申においては、「今日、物的事業が相当進捗し、これからは就労対策、産業の振興、教育、啓発等非物的な事業に重点をおいた施策の積極的な推進が重要な課題であると考える。」と指摘されたところであり、政府としては、これを踏まえ、同月策定した「今後の地域改善対策に関する大綱」において、「今後、就労対策、産業の振興、教育、啓発等非物的な事業に重点をおいて施策を積極的に推進する。」としたところである。このような政府の方針に基づき、平成六年十月の参議院本会議において、村山内閣総理大臣は、「啓発等の各般の事業を積極的に推進することにより同和問題の早期解決に努力したい。地対財特法の有効期限後の在り方については、地対協総括部会において現在精力的に審議を進めていただいている」との趣旨の答弁を行ったところであり、また、与党各党間における話合いも進められているので、その議論の動向にも十分留意しながら対処してまいりたい。
七について
昭和四十年八月の同和対策審議会答申において、経済の二重構造について指摘されているが、対象地域の中小企業を始め、中小企業は我が国経済の重要な担い手であり、その自立的発展を図ることは、我が国経済の安定的発展を図る上で不可欠であると認識している。
以上のような基本的認識に立って、政府としては、対象地域産業を含めた中小企業の振興のため、種々の施策を講じてきたところであり、村山内閣においても、経営の改善・発達、中小企業構造の高度化等を推進することにより、大企業と対象地域産業を含めた中小企業の格差の是正に努めてまいりたい。
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件名と質問本文の冒頭の意味が近いものを、前もって計算しておいた表から近い順に8件並べました(multilingual-e5-large)。同じ言葉を使っていなくても出ます。論点が少しずれていることもあります。