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参院選公示日の死刑執行に関する再質問主意書
衆議院 第143回 第4号検討してまいりたい ×1仮定の質問 ×4
質問本文
七月三十日付け「参院選公示日の死刑執行に関する質問主意書」(以下、前回主意書とする)に対して、八月七日付けの政府答弁書(以下、今回答弁書とする)が送付されたが、新聞やテレビで繰り返し報道された六月二十五日の死刑執行について「答弁を差し控えたい」としている。死刑執行にかかわる情報公開はこれまでも再三再四指摘してきたように、死刑の是非はともかくとして議論の基礎になるものであり、既に報道された事実の確認さえ拒むというのは、議論そのものの拒否に等しい。こうした姿勢を強く批判したい。
参院選後に選出された小渕恵三総理は所信表明演説で「政治主導の政策実行」「開かれた行政」を強調し、新任の中村正三郎法務大臣は死刑執行について「隠すことはない」と明言している。それなのに、新内閣が初めて答弁する国会議員の質問主意書に対して、答弁拒否というのは、あまりにも整合性に欠ける無責任な姿勢ではないか。この点についても厳しく指摘する。
答弁の拒否に伴い、今回答弁書は内容も不十分で、疑問点も数多くあるので、以下、再質問する。なお、死刑執行の報道や死刑執行に伴う税金の支出について、新たな質問も付け加えた。
一 死刑執行の事実確認について
(1) 七月三十一日付け東京新聞夕刊によると、小渕内閣の中村法務大臣は初閣議後の記者会見で、死刑執行について「法にのっとってやるのだから隠すことはない」と発言した。参院選公示日の死刑執行があったかなかったかをただした前回主意書に対し、今回答弁書「一の(1)について」は「答弁を差し控えたい」と執行の有無を隠しているが、法にのっとらずに執行したのか。
(2) 同夕刊によると、中村法務大臣は「日本は情報公開性が非常に低い。だから国民がどう判断していいか分からない。情報公開が徹底すれば行政改革の半分は成し遂げたと思っていい」とも発言しているが、情報公開を拒む今回の答弁は行政改革を成し遂げられないように画策する官僚が作成し、多忙な閣僚は見過ごしてしまったのか。
(3) いわゆる「知る権利」について、政府はどのように考えているか。また、「知る権利」にかかわる最高裁及び下級審の各判例をどのように解釈し、その後の行政に反映させてきたか。
(4) 行政の情報公開について、政府はどのように考えているか。また、情報公開法案を国会に提出した目的は何か。
(5) 国会に提出された情報公開法案第一条は「この法律は、国民主権の理念にのっとり、行政文書の開示を請求する権利につき定めること等により、行政機関の保有する情報の一層の公開を図り、もって政府の有するその諸活動を国民に説明する責務が全うされるようにするとともに、国民の的確な理解と批判の下にある公正で民主的な行政の推進に資することを目的とする」とあるが、今回の答弁書のように新聞、テレビで繰り返し報道された事実について、説明を拒否するのは「政府の有するその諸活動を国民に説明する責務」を全うしたことになるのか。「国民の的確な理解と批判の下にある公正で民主的な行政の推進」なのか。
(6) 小渕総理は八月七日の所信表明で「政治主導の下、責任の所在を明確にしながらスピーディーに政策を実行してまいります」と演説したが、既に新聞、テレビで繰り返し報道された死刑執行の事実を答弁しないのも「政治主導」なのか、それとも官僚主導で、多忙な閣僚は見過ごしたのか。
(7) 同所信表明では「責任の所在を明確にしながら」とも述べているが、既に新聞、テレビで繰り返し報道された事実を明らかにしなくても「責任の所在」は明確になると考えるか。
(8) 同所信表明では「国民に開かれた行政の実現を図ることも重要な課題」とも述べているが、今回の答弁書のように新聞、テレビで繰り返し報道された事実の確認さえ拒む政府の姿勢はそうした「重要な課題」を例示したのか。
(9) 既に新聞、テレビで繰り返し報道された事実について、何ひとつ具体的に説明しない今回の答弁書と同所信表明が同じ日になされたのは、今後の政府のダブル・スタンダードを示唆したのか。
(10) 死刑の執行をめぐり、重大な過失に基づく事故や執行にかかわる公務員による犯罪行為などがあった場合でも、今回の答弁書のように一切の説明を拒むのか。拒むとすれば、立法府はそうした過失や犯罪行為を再発させないため、どのようにして事実と責任の所在を確認するのか。立法府の責任追及を免れるため、一切の説明を拒否しているのか。
二 国政選挙について
(1) 今回答弁書「二の(1)及び(2)について」によると、政府は国政選挙について「国権の最高機関である国会の構成員を決定する極めて重要な意義を有するもの」と考えているようだが、国権の最高機関である国会の構成員が国会法に基づき、現在の死刑制度について詳細な質問主意書を提出し、政府において答弁期間の延長を申し出て答弁を検討している最中、しかも国政選挙期間中に決してとりかえしのつかない死刑の執行はあり得るのか。
(2) 今回答弁書「二の(6)について」によると、英国では「各閣僚が選挙期間中に意思決定を行う場合には、当該決定が取り消せない性質のものでないものに限られる」とあるが、同国がこうした制限を設けている趣旨をどのように考えるか。
(3) 今回答弁書「二の(7)について」によると、米国で大統領や国会議員の選挙期間中、死刑が執行されたケースの有無は「承知していない」ということだが、それは調査せずに把握していないということか。それとも、答弁期間内では調査できなかったということか。もし、調査する気はあったが、期間内には不可能だったならば、あらためて調査の上、答弁されたい。
三 法務省の人事異動について
(1) 過去の死刑執行において、直前の人事異動による関係当局者の交代で、ミスが発生したことはあるか。
(2) 法務省の職員は勤務時間終了後、同省内でプライベートな時間を過ごすことがあるのか。
(3) 一九九八年六月二十五日午後七時ごろ、法務省内で刑事局職員と面談したが、職員はプライベートな立場で面談したのか。そうであるならば、法務省の職員は国会議員との面談をどのように考えているのか。
(4) 同日、法務省内では出先機関や関係機関の責任者を集めた会合後、酒食を伴う懇親会があったか。あったとすれば、その懇親会はいかなる会合に伴うもので、前記面談の相手となった職員はその懇親会に出席していたか。また、懇親会の会場費として、出席者は国庫にそれぞれいくら支払ったか。
(5) これまでに死刑を執行した日に法務省内で酒食を伴う懇親会が開かれたことがあるか。また、執行にかかわった職員の慰労会を開いたことはあるか。
(6) 凶悪事件の犯人だった可能性が大きい犯罪者とはいえ、国が死刑という刑罰によって人間を死亡させた日に所管官庁の庁舎内で酒食を伴う懇親会を開くことは適切と考えるか。ここで言う「懇親会」には、実際に死刑を執行した刑務官たちがやるせない気持ちから、特別手当の二万円を持ち寄るなどして開いた酒を飲む会は含まない。
四 衆院法務委員会での質疑について
(1) 今回答弁書「四の(2)について」によれば、政府は「死刑に関する事項については、毎年、死刑執行者数、死刑確定者数等を統計等により可能な限り公表している。また、死刑の言渡しがなされた個々の事件の裁判の内容については、裁判公開の原則により公にされているところである」ので、国会の議論に不都合はないと考えているようだが、国政選挙期間中の死刑執行で、事故や犯罪が発生した場合、どうするのか。
(2) 前記答弁では、だれが死刑になったかの情報公開は永久に必要ないと考えているようだが、なぜか。
(3) 刑を執行された死刑確定者が引き起こしたとされる事件で、被害者となった人の遺族には、死刑執行の事実を伝えているのか。伝えていないとすれば、なぜか。また、東京都世田谷区で起きた片山隼君の交通事故をきっかけに、法務・検察当局は事務手続きを改め、被害者側に被疑者の処分内容などを伝えるようになったが、これまで伝えてこなかった理由は何か。
(4) 刑を執行した死刑確定者が本当は無実だった可能性は全くないと言い切れるか。
(5) 死刑確定者の無実を示す証拠が刑の執行後に見つかり、死刑確定者の遺族が名誉回復と国家賠償のために再審と民事訴訟を起こした場合、政府はその死刑確定者の刑を執行したことを隠し続けるのか。
(6) 刑を執行された死刑確定者に身寄りがない場合、法務・検察当局者と市区町村の戸籍係以外、死刑確定者が死亡した事実を確認できないのか。
(7) 相続人のいない死刑確定者が所有する財産を公共施設などに寄付すると遺言し、刑を執行された場合、その遺言は守られるのか。
(8) 刑を執行された死刑確定者が自らの処刑を公表してくれるように遺言した場合、その遺言は守られるか。
五 質問主意書の答弁期間などについて
(1) 前回主意書で、六月十七日提出の「死刑制度などに関する質問主意書」に対する答弁期間の延長について、本当の理由は六月二十五日の死刑執行の準備作業で忙しかったのではないかとの趣旨をただしたところ、今回答弁書「五の(1)について」では、「指摘のような理由で答弁を先延ばしにしたものではない」と答えているが、この質問だけ具体的な死刑執行に関する事項にかかわる答弁をした理由は何か。
(2) 前回主意書では、質問主意書の答弁期間中の参院選公示日に死刑が執行されたと報道されたことや法務省の原田明夫前刑事局長(現事務次官)らを信用するとともに誠意ある対応を期待してきたことが大きく裏切られた可能性が極めて大きかったことから、法定の期間内に答弁を求めたが、実際のところ答弁のための準備時間は足りなかったか。
(3) 今回答弁書の十四項目中、「差し控えたい」が八項目を占めたが、答弁期間が短すぎたか。
六 死刑執行の報道について
(1) 行政にかかわる重要な事項が国内のほとんどすべての新聞、テレビで同じように報道された場合、政府は報道内容を事実と信じる国民はどの程度いると考えるか。
(2) 行政にかかわる重要な事項が国内のほとんどすべての新聞、テレビで同じように報道されたが、政府がその報道内容を事実かどうか明らかにしない場合、国民の報道に対する信用が損なわれても構わないと考えているのか。
(3) 行政にかかわる重要な事項が国内のほとんどすべての新聞、テレビで同じように報道され、国会議員から事実かどうか質問されたケースで、政府が答弁を拒んだことはこれまでにあるか。あるとすれば、その事例と理由、根拠法令などを明らかにされたい。
(4) 日本の行政にかかわる重要事項が国外に報道されたが、政府がその報道内容を事実かどうか明らかにしない場合、国際的にどのような影響を与えると考えるか。
(5) 日本における死刑の執行が報道され、外国からそれが事実かどうか確認を求められた場合も今回答弁書同様、答えないのか。死刑廃止国と存置国でその対応には、違いが生じるのか。
七 死刑執行に伴う税金の支出について
(1) 納税者は行政による税金の支出内容をどの程度まで知る権利があると政府は考えているか。
(2) 税金の支出を伴う死刑の執行で、納税者にだれの執行に税金を支出したか、適正に支出されたかなどを知らせなくてもいいと考える理由は何か。自分たちに誤りはないと考えているからか。
(3) 法務省は組織の判断に決して誤りはないと考えているか。考えているならば、その根拠を示されたい。
右質問する。
政府答弁書
一の(1)について
個々具体的な死刑の執行に関する事項については、答弁を差し控えたい。
なお、御指摘の報道があったことは承知しているが、会見の際、法務大臣は個々具体的な執行の事実については言えない旨発言しているところであって、「個々具体的な死刑執行に関する事項については、答弁を差し控えたい。」とする御指摘の答弁書の内容と矛盾するものではない。
また、一般論として申し上げれば、死刑の執行については、法令に従い適正に行っているところである。
一の(2)について
御指摘の答弁書については、法務大臣の決裁を了した後、閣議に付議し、その決定を得ている。
一の(3)について
いわゆる「知る権利」の概念には多くの理解の仕方があるのが現状であると認識しているところ、最高裁判所の判例においては、「知る権利」が表現の自由を定めた憲法第二十一条から導き出されるものとして説明されることがあり、それは、国民が様々な情報等に接し、これを摂取する自由、すなわち国家によって侵害されてはならない自由権として言及されているものと承知している。政府としては、この権利に言及した最高裁判所の判例の趣旨を尊重しつつ行政を運営してきたものである。
一の(4)について
行政の情報公開は、国民に開かれた信頼される行政を実現するために重要な課題であると認識している。
また、御指摘の「行政機関の保有する情報の公開に関する法律案」(以下「情報公開法案」という。)は、国民主権の理念にのっとり、行政文書の開示を請求する権利につき定めること等により、行政機関の保有する情報の一層の公開を図り、もって政府の有するその諸活動を国民に説明する責務が全うされるようにするとともに、国民の的確な理解と批判の下にある公正で民主的な行政の推進に資することを目的としている。
一の(5)について
情報公開法案においても、一定の情報を除く「個人に関する情報(事業を営む個人の当該事業に関する情報を除く。)であって、当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等により特定の個人を識別することができるもの(他の情報と照合することにより、特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)又は特定の個人を識別することはできないが、公にすることにより、なお個人の権利利益を害するおそれがあるもの」等は、不開示情報とされているところであり、個々具体的な死刑の執行に関する事項につき答弁を差し控えることは、情報公開法案の趣旨に反するものではないと考えている。
一の(6)及び(7)について
御指摘の内閣総理大臣の所信表明演説は、「今日、わが国は、急速な少子高齢化、情報化、国際化などが進展する中で、大きな変革期に直面しております。国民の間に、わが国経済・社会の将来に対する不安感が生まれています。政治は、国民の不安感を払拭し、国民に夢と希望を与え、そして国民から信頼されるものでなければなりません。私は、この難局を切り拓き豊かで安心できる社会を築き上げるため、政治主導の下、責任の所在を明確にしながらスピーディーに政策を実行してまいります。」というものであり、死刑に関する情報公開の在り方について言及したものではない。したがって、右の内閣総理大臣の所信表明演説と個々具体的な死刑の執行に関する事項につき答弁を差し控えることとは関係がないものと考えている。
一の(8)について
内閣総理大臣は、御指摘の部分に続いて「継続審議となっている情報公開法案について、速やかな成立にご協力をお願いいたします。」と述べているところであり、御指摘の部分は情報公開法案に関連して言及したものである。一の(5)についてでお答えしたとおり、個々具体的な死刑の執行に関する事項につき答弁を差し控えることは、情報公開法案の趣旨に反するものではないと考えている。
一の(9)について
御指摘の答弁書の提出と内閣総理大臣の所信表明演説とが同じ日になされたことについては、特段の理由はない。
一の(10)について
仮定の御質問には、答弁を差し控えたい。
なお、一般論として申し上げれば、死刑の執行については、法令に従い適正に行っているところである。
二の(1)について
個々具体的な死刑執行に関する事項については、答弁を差し控えたい。
なお、一般論として申し上げれば、憲法第七十三条第一号は、法律を誠実に執行することを内閣の事務として定めており、国政選挙期間中であると否とを問わず、また、質問主意書に対する答弁を検討中であると否とを問わず、政府としては、国会によって制定された法律を誠実に執行しなければならないと考えている。
二の(2)について
英国が、選挙期間中に各閣僚が意思決定を行う場合に、慣習上、当該決定が取り消せない性質のものでないものに限っているのは、民意の反映の観点から、新規政策や重要案件の決定は選挙後に行うとの趣旨だと理解している。
二の(3)について
御質問の点について今回調査し、把握し得た範囲でお答えすると、次のとおりである。
我が国と米国の選挙制度は異なっており、米国の大統領選挙や上下両院議員選挙の期間とは何かが明らかではないが、大統領選挙について、政党から指名を受けた各党の大統領候補者が指名受諾演説を行ってから本選挙が行われるまでを選挙期間とした場合、例えば、千九百九十六年においては、民主、共和、改革各政党の大統領候補者がすべて指名受諾演説を終えた八月二十九日から大統領選挙人を選出するいわゆる本選挙が行われる前日の十一月四日までの間、サウスカロライナ州外四州で合計六件の死刑が執行されている。
また、上下両院議員選挙について、予備選挙により各党の候補者が選出されてから本選挙が行われるまでを選挙期間とした場合、州によって日程は異なるが、例えば、千九百九十六年においては、フロリダ州において各党の予備選挙が行われる十月一日から本選挙が行われる前日の十一月十一日までの間、同州で一件の死刑が執行されている。
三の(1)について
個々具体的な死刑執行に関する事項については、答弁を差し控えたい。
なお、一般論として申し上げれば、死刑の執行については、法令に従い適正に行っているところである。
三の(2)について
勤務時間終了後の職員のプライバシーにかかわる事項については、お答えする立場にはない。
三の(3)について
法務省職員は、職務として保坂展人衆議院議員に面会したものである。
三の(4)について
御質問のような懇親会は、開かれていない。
三の(5)及び(6)について
個々具体的な死刑執行に関する事項については、答弁を差し控えたい。
なお、一般論として申し上げれば、勤務時間終了後の職員のプライバシーにかかわる事項については、お答えする立場にはない。
四の(1)について
仮定の御質問には、答弁を差し控えたい。
四の(2)について
国家の刑罰権の作用は、本来、刑の執行そのものに限られるのであって、それを超えて、国家機関が刑の執行の事実を殊更に公表して、刑の執行を受けた者やその関係者に、刑の執行そのものを超えた不利益や精神的苦痛を与えることは相当でないと考えている。このような考え方に基づき、個々具体的な死刑執行の事実を公表することについては、死刑を執行された者の遺族の感情、他の死刑確定者の心情の安定等に配慮し、答弁を差し控えてきたところであり、今後ともその公表を差し控えるのが相当であると考えている。
四の(3)について
被害者の遺族に死刑執行の事実を伝えることは、その精神的平穏を乱すおそれがある上、そこから死刑執行の事実が公になれば、死刑を執行された者の遺族の感情、他の死刑確定者の心情の安定等に影響を及ぼすこととなるので、被害者の遺族に対しても死刑執行の事実を伝えていない。
また、現在多くの検察庁においていわゆる被害者等通知制度を実施しているが、制度実施前においても、検察官等が相当と認めた場合には、処分結果等を被害者等に通知してきたところである。
四の(4)について
我が国においては、令状主義及び厳格な証拠法則が採用され、三審制が保障されるなど、捜査公判を通じて慎重な手続により有罪が確定されている上、再審制度が保障されており、有罪を認定することについては、適正な判断がなされているものと考えている。加えて、死刑は、その言渡しを受けた者の生命を断つ極刑であり、一度執行されれば回復し難いこととなるものであるから、死刑の執行停止、再審及び非常上告の事由の有無等について慎重に検討するために、判決及び確定記録の内容を十分精査せしめているので、死刑を執行した者の中には誤判による無実の者が含まれていることはないものと確信しているものである。
四の(5)について
仮定の御質問には、答弁を差し控えたい。
なお、一般論として申し上げれば、検察、法務当局は、再審請求事件及び国家賠償法(昭和二十二年法律第百二十五号)に基づく民事訴訟事件に対しては、法令に従い適切に対処することとなる。
四の(6)について
四の(3)についてでお答えした理由から、執行を受けた者の親族を除いては、その執行の事実は明らかにしていない。
四の(7)について
遺言は、法律上有効なものである限り、遺言者の死亡の時からその効力を生じ、法律の規定に従って実現されるべきものであって、これは、遺言者が死刑確定者であっても何ら異なることはない。
四の(8)について
遺言が相手方のない単独行為であるという性質上、民法(明治二十九年法律第八十九号)は法的効力を有する遺言事項を限定しているところ、自己の死刑執行の公表を求めることは、民法の定める遺言事項には当たらない。したがって、右の内容の遺言は、法律上の効果を有しない。
五の(1)について
御指摘の答弁書については、答弁期間の延長をお願いした理由についてお答えしたものであり、個々具体的な死刑執行に関する事項を答弁したものではない。
五の(2)について
御指摘の質問主意書については、国会法(昭和二十二年法律第七十九号)第七十五条第二項に従い誠実に答弁したところである。
五の(3)について
御指摘の答弁書において答弁を差し控えたのは、御質問の内容が個々具体的な死刑執行に関する事項であったこと等の理由によるものである。
六の(1)から(4)までについて
御質問の「行政にかかわる重要な事項」及び「日本の行政にかかわる重要事項」が具体的にいかなるものを指すのか判断しかねるので、答弁を差し控えたい。
なお、報道内容に対する国民の受け取り方や国民の報道に対する信用については、お答えする立場にはない。
六の(5)について
仮定の御質問には、答弁を差し控えたい。
七の(1)について
これまで政府は、我が国の財政状況について国民に理解を深めていただくため、憲法第九十一条、財政法(昭和二十二年法律第三十四号)第四十六条等に従い、我が国の財政状況に関する情報を公表している。また、これらの規定に従い、行政に対する国民の信頼の確保及び行政情報の有効利用の観点から、行政機関が管理する文書を広く公開するという「行政情報公開基準」(平成三年十二月十一日情報公開問題に関する連絡会議申合せ)の趣旨も踏まえつつ、国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)等の守秘義務規定により非公開とする場合等を除き、国民に対して適宜適切に財政状況に関する情報の公開を行ってきたところである。
なお、現在国会で審議中の情報公開法案が成立し、施行された後には、これに従い、今後とも適切な情報公開を行ってまいりたい。
七の(2)について
一般論として申し上げれば、国の支出内容については、可能な限り情報を公開する必要があると考えるが、四の(2)についてでお答えしたとおり、個々具体的な死刑執行に関する事項については、公表を差し控えるのが相当であると考えている。
七の(3)について
法務省においては、その所掌事務を法令に従って誠実に執行しており、その判断に誤りなきを期しているところである。
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