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東京高検検事長の行動と品格に関する質問主意書

衆議院 第145回 第24号

提出者
衆議院
提出日
1999年4月9日
内閣転送 1999年4月12日
答弁書受領日
1999年4月16日
提出から7日
答弁の項目数
11
質問 1,440字/答弁 1,313字

質問本文

前法務事務次官の則定衛東京高検検事長の女性スキャンダルが四月九日発売の月刊誌「噂の真相」に掲載されていることが、同日付け朝日新聞朝刊で報じられた。「噂の真相」を取り寄せ、当該記事を読んだところ、到底見過ごせない内容だった。

検察は本来の使命に従い、四大証券と第一勧業銀行の利益供与事件、大蔵省の接待汚職、防衛庁汚職などの摘発に尽力してきた。半面、片山隼くんの事故捜査などで早急に改めなければならない問題点も明らかになった。また、現在の検察と法務省には、死刑や組織犯罪対策法案の通信傍受などは任せられないことを質問主意書や委員会質問などで指摘してきたとおりである。

今回の「則定スキャンダル」は、公僕としての責務と謙抑的姿勢を忘れた検察と法務省の現状を象徴する不祥事ではないか。取り急ぎ、事実関係と責任の所在について、以下質問する。検察首脳である国家公務員の行動と品格について、給料を支払っている納税者・国民に詳しく、わかりやすい内容の答弁を求める。検事長の任命権者は内閣総理大臣であり、迅速に調査したうえ、国会法所定の回答期限内のできるだけ早期に答弁されたい。

一 事実関係

(1) 則定検事長は東京・銀座のクラブ「コスモ」や「ロイヤルサルート」などに公務の関係者と行ったことはあるか。あるとすれば、具体的にいつ、だれと遊興し、その代金はいくらで、だれが支払ったか。具体的に明らかにされたい。

(2) 前記「コスモ」や「ロイヤルサルート」などで働いていた女性に法務省や検察庁の名刺を出したことはあるか。

(3) ホテルに偽名で宿泊したことはあるか。

(4) 一九九四年七月二十一日(木曜日)と同年九月五日(月曜日)は、どのような職務に当たっていたか。具体的に明らかにされたい。

(5) 公務出張に女性を同伴したことはあるか。また、公務出張前日の日曜日などに女性と一緒に出張先へ出かけたことはあるか。その費用はだれが支払ったか。

(6) 公務関係者と行った銀座のクラブ従業員に小切手を渡したことがあるか。あるとすれば、どのような趣旨で渡したのか。

(7) 公務関係者と行った銀座のクラブ従業員が妊娠中絶した際、その費用を負担したことはあるか。あるとすれば、具体的に明らかにされたい。

(8) 公務関係者と行った銀座のクラブ従業員に「銀座のホステスのくせにオギノ式も知らないのか」と言ったことはあるか。

(9) クラブに勤める女性を蔑視した感覚を持っているのか。

(10) 公務関係者とのクラブ遊興費やクラブの女性従業員との交際費を他人に負担してもらったことはあるか。あるとすれば、どのような人にどういう理由で負担してもらったのか。具体的に明らかにされたい。

二 責任の所在

(1) 政府は今回の「噂の真相」の記事を受け、事実関係をどのような手順で調査したか。また、現在までの調査結果も明らかにされたい。

(2) 則定検事長に国家公務員の検事として、不適切な行動はあったと考えるか。

(3) 不適切な行動があったと判断しているとすれば、則定検事長とその監督責任者らの責任をどのように考えるか。どのような処分を検討しているか。

(4) 一九九五年、女性スキャンダルを質問主意書で指摘された札幌高検検事長がその後、辞職したが、その際の調査はどのようになされたか。国民に対する責任はどのような形で明らかにされたか。

(5) 法務・検察の現状について、政府はどのように考えるか。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一の(1)について

「公務の関係者」の意味は明確でないが、法務省倫理規程(平成八年法務省人訓第二千九百八十三号大臣訓令)にいう「関係業者等」の趣旨であれば、御指摘のような事実はない。

一の(2)について

御指摘の件は、個人のプライバシーにかかわる事項であるので、お答えする立場にない。

一の(3)について

御指摘のような事実はあったものと認められる。

一の(4)について

御指摘の件は、平成六年七月二十一日は、法務省刑事局長として、同省庁舎内において平常どおりの勤務をし、同年九月五日は、法務省刑事局長として、公務で山口県下関市内において開催された会議に出席した。

一の(5)について

則定氏が出張に女性を同伴した事実はない。

同氏が出張前日の休日に女性とともに出張先への経由地まで行った事実はある。その費用は同氏が支払った。

一の(6)から(8)まで及び(10)について

「公務関係者」の意味は明確でないが、法務省倫理規程にいう「関係業者等」の趣旨であれば、同氏が関係業者等と行った事実はない。

同氏が飲食店従業員に対し、小切手及び現金で合計八十万円を渡した事実はある。

御指摘に係るその他の点については、個人のプライバシーにかかわる事項であるので、お答えする立場にない。

一の(9)について

個人の内心に関しての御質問であり、お答えする立場にない。

二の(1)について

最高検察庁において、同氏や関係者から事実関係を聴取するとともに必要な裏付けを行うなどの調査をした。

その結果、同氏が、飲食店の女性従業員と交際した事実、同女性従業員に対し八十万円を支払った事実等が認められた。

二の(2)について

飲食店の女性従業員と不適切な交際をし、結果として、清廉であるべき検察への信頼を損ないかねない事態を招いたことは、遺憾である。

二の(3)について

同氏の一連の行為は、私事にわたることでもあり、国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)上、懲戒処分に付すべき事案であるとは認められなかったが、結果として、清廉であるべき検察への信頼を損ないかねない事態を招いたものであり、その地位、職責に照らし不適切であったので、同氏に対しては、検事総長が厳重に注意した。

その監督者については、あえて責任を問うまでの事案とは認められないので、その処分は行っていない。

二の(4)について

御指摘の山口氏本人から事実関係を聴取するなどの調査を行ったところ、同氏の一連の行為は、私事にわたることでもあり、国家公務員法上、懲戒処分に付すべき事案であるとは認められなかったが、結果として、清廉であるべき検察への信頼を損ないかねない事態を招いたものであり、その地位、職責にかんがみ、遺憾である旨を法務省において発表した。

二の(5)について

法務省及び検察庁は、社会正義の実現という重大な職責を担っており、その職員は、国民の疑いや批判を受けることのないよう、自らを律しなければならないにもかかわらず、今回の幹部職員の不適切な行動が、私事にわたることとはいえ、結果として、国民の疑惑を招き、検察官への信頼を損ないかねないものであったことは、遺憾である。

衆議院の原文

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