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合併処理浄化槽の普及促進に関する質問主意書
衆議院 第147回 第9号
質問本文
平成一二年度における合併処理浄化槽の設置整備事業費(案)は、一六二億四、三〇〇万円とされたとのことである。
この合併処理浄化槽の設置事業に関しては、新設される合併処理浄化槽の一部にしか設置整備事業の国庫補助金が交付されていないという事実がある。
平成一〇年度は、一五三億円の補助金により九万八、九〇〇基の合併処理浄化槽が新設されたと聞く。ところが厚生省によれば、同年度は十五万二、九〇〇基の合併処理浄化槽が設置されたとのことであり、その差の五万四、〇〇〇基には補助金が交付されていないことになる。
また、平成一一年度の下水道事業費が一兆二、八六〇億円となっているのに対して、同じ生活排水処理施設である合併処理浄化槽の設置整備事業費は、わずかに一六〇億円にすぎず、両者の間には大変な格差が生じている。
合併処理浄化槽は建設費が著しく安い。しかも合併処理浄化槽の維持管理費用は個人払いであり、国や自治体には全く負担がない。
また、合併処理浄化槽の排水処理能力は単独処理浄化槽に比べ格段に優れている。つまり、合併処理浄化槽は環境保全の能力においても、経済性においても優れているのである。
これからの予算配分においては、合併処理浄化槽をも重視すべきと思われる。とくに下水道を設置することが難しい地域については、合併処理浄化槽の普及を積極的に検討すべきである。
その観点に立って、次の事項について質問する。
一 合併処理浄化槽の特徴、合併処理浄化槽の果たしうる役割について政府の見解を伺いたい。
二 合併処理浄化槽は下水道と同等の恒久的な生活排水処理施設と考えているが、政府の見解を伺いたい。
三 我が国における合併処理浄化槽の普及状況、これからの普及の見通しについて伺いたい。
四 合併処理浄化槽の普及促進のために、現在政府はどのような対策を講じているか伺いたい。
五 合併処理浄化槽を今後さらに普及させるためには、国と自治体との緊密な協力、あるいは合併処理浄化槽の積極的役割を国民に理解してもらうための広報活動が欠かせないように思う。政府としては普及促進のための課題をどのように認識しているか、そしてその課題をどのように解決したいと考えているか、見解を伺いたい。
六 新設の浄化槽は原則としてすべて合併処理浄化槽とし、また既設の単独処理浄化槽については合併処理浄化槽へ造り替えていくことが、環境保全のために重要であると考えるが如何か。
七 建築基準法施行令第三二条(水洗便所の屎尿浄化槽)に規定されている、放流水の生物化学的酸素要求量の基準については、二〇mg/l以下に改正すべきと考えるが如何か。
八 合併処理浄化槽の設置、既設の単独処理浄化槽の合併処理浄化槽への造り替えを推進する自治体に対し、国からの支援をさらに拡充すべきと考えるが如何か。
九 自治体が合併処理浄化槽の普及に積極的に取り組むことを援助し、最終的にはすべての合併処理浄化槽に設置整備事業費の補助金をつけられるようにすべきと考えるが如何か。
一〇 合併処理浄化槽にも、窒素・リン対策などの点で技術的課題が残されていると聞く。このような課題を乗り越えるための環境技術の開発を、政府は積極的に支援すべきと考えるが如何か。
右質問する。
政府答弁書
一について
合併処理浄化槽の特徴は、戸別に設置される個別処理システムであること、し尿と生活雑排水を併せて処理する生活排水処理施設であること、し尿のみを処理し、生活雑排水は未処理のまま放流する単独処理浄化槽よりも公共用水域の水質保全を図る上で優れていること等である。
生活排水処理施設には、合併処理浄化槽のほかに集合処理システムである下水道、農業集落排水施設等があるが、生活排水処理施設の整備率がいまだに低い市町村においては、今後その整備を推進していく必要性が高く、特に人口が散在している地域では、個別処理システムである合併処理浄化槽の普及が重要であると認識している。
二について
合併処理浄化槽及び下水道は、それぞれの特性に応じ、公共用水域の水質保全並びに生活環境の改善及び保全を図るための施設である。また、合併処理浄化槽は、適切な設置及び維持管理がなされれば相応の期間使用が可能である。
三について
合併処理浄化槽については、第八次廃棄物処理施設整備計画(平成八年度から平成十四年度まで)の中で六百九十四万人分の整備を予定している。
平成十年度末に設置されている浄化槽は約八百四十一万基であり、そのうち約十四パーセントの約百十四万基が合併処理浄化槽である。また、平成十年度に新たに設置された浄化槽は約三十一万基であり、そのうち約半数の約十五万基が合併処理浄化槽である。平成十一年の四月から十二月までに新たに設置された浄化槽のうち合併処理浄化槽の占める割合は約六十四パーセントとなっており、この割合は年々高まってきている。
四について
合併処理浄化槽による生活排水処理を推進するため、昭和六十二年度に、合併処理浄化槽を設置する者に対して市町村が補助する事業に対する国庫補助事業を創設するとともに、平成六年度には、市町村自らが設置主体となって戸別の合併処理浄化槽を整備する事業に対する国庫補助制度を創設したところであり、これらに係る平成十一年度第二次補正後の予算額は、約二百五億円である。
また、合併処理浄化槽、下水道、農業集落排水施設等の各施設の特徴をいかして生活排水処理施設の効率的な整備を進めるため、厚生省、建設省及び農林水産省の連携により、毎年度末の生活排水処理施設の整備状況を公表するとともに、都道府県による汚水処理施設の総合的な整備に関する「都道府県構想」の作成を支援し、各施設の特徴をいかして効率的かつ計画的な生活排水処理施設の整備を図る市町村に対する補助金の優先交付等を実施しているところである。
五について
今後とも、地方公共団体の協力を得て、合併処理浄化槽の役割やその設置に対する補助事業について周知を図ってまいりたい。
また、地方公共団体との緊密な連携の下に、地域の実情に適した生活排水処理施設の整備を行うことが重要であると考えており、厚生省、建設省及び農林水産省が連携を図りつつ、各施設問の設置費用、維持管理費用等の比較が可能となる資料を整備する等の方策を講じてまいりたい。
六について
生活環境の保全及び公衆衛生の向上の観点から、新設の浄化槽は原則として合併処理浄化槽に限るとともに、既設の単独処理浄化槽については他の生活排水処理施設によって生活雑排水が処理される場合を除き合併処理浄化槽に置き換えていくことが重要であると認識している。
七について
建築基準法施行令(昭和二十五年政令第三百三十八号)第三十二条第一項においては、屎尿浄化槽を設ける区域及び処理対象人員の区分に応じ、屎尿浄化槽からの放流水の生物化学的酸素要求量の上限値として、一リットルにつき百二十ミリグラムから三十ミリグラムまでの数値を定めているところである。
この値は、建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)に定める建築物の構造に関する最低の基準として、汚物を衛生上支障がないように処理するために屎尿浄化槽が有するべき性能を示す値としては、適切なものであると考えている。
なお、水質汚濁防止法(昭和四十五年法律第百三十八号)第三条第一項又は第三項の規定に基づき、同法第二条第一項に規定する公共用水域に放流水を排出する屎尿浄化槽に関して更に厳しい排水基準が定められている場合には、建築基準法施行令第三十二条第三項に基づき、当該屎尿浄化槽には当該排水基準に適合するよう建設大臣が別に定める構造基準が適用されることとなっている。
八について
今後とも、各市町村からの要望を踏まえ、合併処理浄化槽の設置に関する補助事業について所要の予算を確保するとともに、既設の単独処理浄化槽から合併処理浄化槽への置換えに対する支援にも取り組んでまいりたい。
九について
政府としては、生活環境の保全及び公衆衛生の向上のため、市町村が合併処理浄化槽を設置する者に補助する事業及び市町村自らが設置主体となって戸別の合併処理浄化槽を整備する事業に対して補助しているところであり、今後とも市町村の要望にできる限りこたえられるよう、所要の予算を確保してまいりたい。
十について
戸別の合併処理浄化槽による生活排水中の窒素の除去は実用化されているが、燐の除去については実用化に向けた技術的課題が残っていることから、後者に重点を置いた技術開発に取り組んでまいりたい。
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