ことばで探す › 衆議院 第201回
合併処理浄化槽の運用に関する質問主意書
衆議院 第201回 第58号趣旨が明らかではない ×2
質問本文
合併処理浄化槽(以下「浄化槽」という。)は、公共下水道の未整備地域で設置される汚水及び生活雑排水を処理する施設である。全国の(もしくは、「総人口に占める全国の汚水処理施設の処理人口の割合である」)汚水処理人口普及率は平成三十年度末に九十一・四%となり、汚水処理人口のうち公共下水道利用者が八十六・八%、浄化槽利用者が十・一%、その他の汚水処理施設の利用者が三・一%となっている。一方で、未だに約一千百万人が公共下水道又は浄化槽その他のいずれの汚水処理施設も利用できない状況であり、これを早期に解消する必要がある。
環境省の資料によると、人口五万人以下の自治体や人口密度の低い地域では、公共下水道よりも各戸個別処理の浄化槽が効率的であるとされる。公共下水道は、人口減少に伴い下水道使用料収入が不足する懸念や、大規模な敷設費用の後年度負担や老朽化に伴う更新費用を要することから、自治体によっては、汚水処理方式の見直しも始まっている。
しかしながら、浄化槽の普及にあたっての課題の一つは、公共下水道と比べて住民の自己負担が高額となることである。その負担額は、浄化槽設置から定期的な保守点検・清掃や法定の定期検査を含めると、一般的な公共下水道の接続費用や使用料を上回っている。
以上を踏まえ、次の事項について質問する。
一 浄化槽法第十一条に定められた浄化槽の定期検査は年一回実施とされているが、この頻度とした根拠は何か。ここ数年の定期検査結果によると、不適正の発生率は毎年五%程度であり、設置年数の浅いものは複数年に一回でも定期検査の目的は果たされるのではないか、政府の見解を問う。
二 環境省関係浄化槽法施行規則第五十五条によれば、定期検査の指定検査機関は公的な第三者機関として一般社団法人又は一般財団法人のみを選定対象としている。公的サービスの産業化は政府の方針であり、指定検査機関についても、民間の活力を引き出す観点から、信頼性、公平性、安定性の点で審査した上で保守点検業者を含む民間事業者も含めて認定していくべきではないか、政府の見解を問う。
三 保守点検業者による年三回の保守点検時か年一回の清掃時に右記定期検査に定められた項目を調べて産業廃棄物管理票と同様の方式で証明書を発行し行政に報告することで、定期検査に代替させることができるのではないか。そうすることで低い現状の受検率も向上すると考えられるが、政府の見解を問う。
四 浄化槽の設置費用は公的助成があるものの総額の六割が住民負担であり、定期検査の受検費用も設置者の自己負担が基本とされ、さらに住民が使用量に応じた維持管理費を負担することで行政に代わって水質保全の役割を担っている。公平負担の観点から行政が公共下水道を整備していない地域について、衛生環境を保持するための定期検査受検費用を自治体の業務範囲として負担させ、国がこれを補助するべきと考えるが、政府の見解を問う。
五 人口減少等の社会情勢の変化を踏まえ、自治体は公共下水道から浄化槽による整備区域へ変更することも考えられるが、その見直しに要する経費が課題となっている。国がこれを後押しするためにも現状の浄化槽の設置補助金に加え、公共下水道区域から浄化槽処理促進区域へ見直すための補助事業が必要と考えられるが、政府の見解を問う。
六 定期検査の受検率は、都道府県により大きな差が見られるが政府はどのようにこの格差を解消していくつもりなのか。一方、浄化槽法第六十六条の二において検定義務違反者には罰則が科されることになるが、検定を受けていなくても違反として処罰されることは稀であり、そうしたことから受検率も非常に低位である。こうした現状をどのように考えているのか。政府の見解を問う。
右質問する。
政府答弁書
一について
お尋ねの「浄化槽法第十一条に定められた浄化槽の定期検査」の頻度については、議員立法の内容に関する事項であり、立法趣旨の詳細は必ずしも明らかではないが、政府としては、浄化槽法(昭和五十八年法律第四十三号。以下「法」という。)第十一条第一項に規定する検査(以下「定期検査」という。)については、浄化槽の保守点検及び清掃が適正に実施され、浄化槽の機能が正常に維持されているか否かを確認するため、年一回実施する必要があるものと理解している。
二及び三について
お尋ねの「保守点検業者を含む民間事業者」の意味するところが必ずしも明らかではないが、定期検査は、浄化槽の保守点検及び清掃が適正に実施され、浄化槽の機能が正常に維持されているか否かを確認するものである。このため、浄化槽の保守点検を業とする者や浄化槽清掃業者が自ら保守点検や清掃を行う浄化槽の定期検査を併せて行うことは、定期検査の目的に照らして、検査業務を公正に実施することができないおそれがあり、適切ではないと考える。
四について
お尋ねについては、浄化槽法の一部を改正する法律(令和元年法律第四十号。以下「改正浄化槽法」という。)において、市町村が浄化槽を管理する公共浄化槽制度が創設されたことにより、市町村が管理主体として定期検査を受けることが可能となっている。
五について
汚水処理施設の整備に関しては、地方公共団体が、各種汚水処理施設の有する特性、経済性等を総合的に勘案し、地域の実状に応じた効率的かつ適正な整備手法を選定した上で、適切に事業を実施していくことが重要であると考えている。
このような考え方に基づき、農林水産省、国土交通省及び環境省においては、社会情勢の変化等を踏まえた効率的な汚水処理施設の整備を推進する観点から、都道府県が市町村と連携して作成している、汚水処理施設の整備に関する総合的な構想である「都道府県構想」について、人口減少等の社会情勢の変化を踏まえた見直しを行うよう地方公共団体に対して助言しているところである。また、環境省において、令和二年度予算に浄化槽処理促進区域の設定に必要な調査費用について市町村に対する国庫補助を計上しているところである。
六について
御指摘の「定期検査の受検率」については、定期検査は浄化槽の機能が正常に維持されているか否かを確認するために重要であることから、その向上を図る必要があると考えている。
政府としては、定期検査の受検率向上のためには、浄化槽の設置状況や維持管理状況について正確に把握することが重要であると考えており、改正浄化槽法により新設された法第四十九条第一項の規定に基づき都道府県知事等が作成することとされた浄化槽台帳の整備が円滑に進むよう、環境省において浄化槽台帳システムを作成する等、きめ細かな支援を行ってまいりたい。これにより、都道府県知事等による浄化槽の設置状況、維持管理状況等の把握が進み、都道府県知事等が定期検査の未受検者に対する受検指導に取り組むことにより受検率の向上を図ることが可能となると考える。
似た質問主意書
件名と質問本文の冒頭の意味が近いものを、前もって計算しておいた表から近い順に8件並べました(multilingual-e5-large)。同じ言葉を使っていなくても出ます。論点が少しずれていることもあります。