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車庫証明の証明期間短縮等に関する質問主意書
衆議院 第159回 第108号個別の事案 ×1
質問本文
国民への行政サービスの向上、すなわち申請者負担軽減、また、行政事務の効率化の観点からワンストップ・サービス化が提唱されている。今国会提出の自動車関係手続における電子情報処理組織の活用のための道路運送車両法等の一部を改正する法律案もその一環であると考えられる。さらなる利便性の向上のため、行政書士制度を活用し、車庫証明等の期間短縮を図るべきとの観点から質問する。
一 自動車の保管場所について、警察署長が確認して証明書を発行する制度である以上、証明日数の短縮は車庫証明事務の委託先を拡大することではなく、調査員の増員でしか解決できない。このことは平成七年八月二十三日の東京新聞「愛知県自家用車協会が車庫証明をねつ造」の記事でも明らかである。しかしながら、調査員の増員はコスト高であるとともに、申請者負担の増大につながり、行政のスリム化に反する。政府の見解を問う。
二 自動車関係手続における電子情報処理組織の活用のための道路運送車両法等の一部を改正する法律案では、規制緩和に資するとして司法の役割(刑事罰による虚偽申請の抑制)が強調されているが、自動車の保管場所の確保等に関する法律第十七条の罰則の適用は、虚偽申請で取得した保管場所証明書使用による自動車登録が完了しなければ行えないのか。
三 虚偽申請を調査で発見した場合、不受理または不許可処分となるが、「警察署長に自動車の保管場所に関する虚偽の通知を行わせて、自動車の整備等を行った者について」のみ、刑事罰の対象となるのは、合理性を欠くことにならないか。また、その場合、警察署長の証明者としての責任は問われるのか。
四 自動車保有関係手続のワンストップサービスプロジェクトの報告書は、検査登録手続の九割が本人以外の代行手続であると指摘しており、四月二十日の参議院国土交通委員会で峰久国土交通省自動車交通局長は、「登録申請代行と車庫証明申請代行手数料は合わせて平均三万円」と答弁している。しかるに、これらの書類作成に行政書士が関与しない場合、行政書士法第十九条に抵触するかについて、政府の見解を示されたい。また、行政書士法の規定を遵守するため、書類作成は無料とし、添付書類の収集、申請書の提出の人件費および交通費等の実費を登録・車庫証明代行手数料と明示して料金を徴収する場合、行政書士法第一条の二に該当するのか。その場合、第十九条との関係はどうなるのか。
五 自動車販売店の中には、「行政書士でないものが自動車の登録・車庫証明代行費用を徴収してはいけないのは承知しているが、役所、特に取締機関である警察が無資格代行者の申請書を受け取る限り、手数料を徴収する」として、国民から不法な金額を徴収している例もあるが、こうした違法行為是正のための対応について、示されたい。
六 警察署の窓口では、申請代行者は書類を作成しているにもかかわらず、届けただけの「使者」扱いである。代行者が虚偽申請した場合、取り締まりの対象となるのか、また、罰則等が適用されるのは誰か。見解を示されたい。
七 行政書士法第一条の二における「権利義務又は事実証明に関する書類(実地調査に基づく図面類を含む。)を作成することを業とする」ことを根拠とすれば、行政書士が保管場所を調査作成した配置図を添付申請した保管場所証明申請について、警察署長は現地調査を省略し、翌日交付することが可能であると思量できるが、政府の見解を示されたい。この場合、行政書士が虚偽申請を行えば、警察署長は責任を問われることはなく、自動車の保管場所の確保等に関する法律第十七条に基づく罰則を直ちに適用できるとともに、罰則の担保により、より適正化が図られると考えられるが、如何か。車庫証明の現地調査業務の多くを占めている業務委託を法律に基づく執行とすることによって、委託費用が大幅に削減されることになる。これは、「関係法令との整合等が十分図られる必要がある」と指摘している「自動車保有関係手続のワンストップサービスプロジェクト最終報告」の方向性とも合致すると考えるが、見解は如何か。
八 今後、電子化によるワンストップサービス化が図られた後においても、申請者側の事情等により、出頭主義の方が利便性が高い場合もあると考えられるが、存続についての見解と見通しを問う。
右質問する。
政府答弁書
一について
自動車保管場所証明に要する日数の短縮に関し、現地調査員の増員等のため予算措置を行うか否かは都道府県において判断されることとなるが、政府としては、自動車保有関係手続のワンストップサービス・システムの構築、現地調査に係る事務の委託先の拡大、自動車保管場所証明業務の効率化等を適切に推進するよう都道府県警察を指導することとしている。
二について
自動車関係手続における電子情報処理組織の活用のための道路運送車両法等の一部を改正する法律(平成十六年法律第五十五号)による改正後の自動車の保管場所の確保等に関する法律(昭和三十七年法律第百四十五号)(以下「保管場所法」という。)第十七条第二項第一号の規定は、自動車の保管場所に関する虚偽の書面を提出し、又は警察署長に自動車の保管場所に関する虚偽の通知を行わせて、保管場所法第四条第一項の規定による処分を受けた者に対して適用される。
三について
保管場所法は、保管場所法第一条に規定するとおり、自動車の保有者等に自動車の保管場所を確保し、道路を自動車の保管場所として使用しないように義務付けることをもってその目的としている。かかる義務の履行を担保する観点からは、単に虚偽の申請を行うだけでなく、保管場所法第四条第一項の規定による処分を受けるに至った者を罰則の対象とすれば十分であるとの判断の下に立法されたものと理解されるところである。
なお、警察署長は、自動車の保管場所に関する申請の内容の真偽を十分に判断すべきものであるが、そのように通常求められる職務上の注意を尽くして結果的に自動車の保管場所に関する事実と異なる通知を行うこととなった場合には、当該警察署長が行政上その他の責任を問われることとはならないと考えられる。
四について
他人の依頼を受け報酬を得て、道路運送車両法(昭和二十六年法律第百八十五号)第七条第一項に定める自動車の新規登録の申請手続等のうち申請書等を作成することは、行政書士法(昭和二十六年法律第四号)第一条の二の規定により、行政書士の業務とされており、行政書士でない者が業としてこれらの書類等を作成することは、他の法律で別段の定めがある場合を除き、同法第十九条第一項違反となる。
また、報酬を得ることなく官公署に提出する書類等を作成することは、同法第一条の二に規定する行政書士の業務には当たらないことから、行政書士でない者が報酬を得ることなくこれらの書類等を作成することは同法第十九条第一項違反とはならない。
五について
行政書士でない者が官公署に提出する書類等を作成する行為が行政書士法第十九条第一項の規定に抵触する場合には、捜査等を通じて厳正に対処することとしている。
六について
保管場所法第十七条第二項第一号の規定は、二についてで述べたとおり、保管場所法第四条第一項の規定による処分を受けた者に適用されることから、基本的には、虚偽の申請を行った申請者本人がこれに該当することとなるが、申請代行者が虚偽の申請を行った場合であっても、申請者本人との関係等個別具体的な状況において、同号の規定に抵触し、罰則が適用されることもあり得る。
七について
保管場所法第四条第一項の規定に基づき警察署長が行う証明は、道路使用の適正化、道路における危険の防止及び道路交通の円滑化を図ることを目的として行うこととされており、警察署長は、当該証明を行うに当たっては、自動車保管場所証明の申請に係る書類の記載内容と保管場所等の実態が符合しているか否かを確認する必要がある。したがって、行政書士が作成した保管場所の配置図が提出されたことをもって、その確認に必要な現地調査を省略できることにはならないと考える。
八について
自動車保有関係手続のワンストップサービス・システムの稼働開始後においても、自動車保管場所証明の申請者は、従来どおり、書面による申請を選択することができることとしている。
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