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福岡県大牟田市に設置されているゴミ固形燃料焼却・発電施設の事故に関する質問主意書
衆議院 第161回 第75号
質問本文
福岡県大牟田市のゴミ固形燃料焼却・発電施設(以下「RDF」という)は、稼働中の施設としては国内では最大規模で、昨年の十二月に稼動を開始したが、その直後の一月、五月、八月に五回の連続事故が発生し、四回の運転中止を余儀なくされている。同じ八月に三重県多渡市のRDFが爆発事故を起こし七人の犠牲者をだしている。RDFの稼動に対して大牟田市民をはじめ福岡県民は強い不安を抱いている。施設で働く従業員の方はもとより地域住民の生命・身体の安全に危険を及ぼし、環境を破壊し、回復不能な損害を与えかねない恐れがある。
そもそも当該施設は、環境省がダイオキシン対策の一環として、全国の地方自治体に対して新しい廃棄物処理システムとして推奨してきたものである。しかしRDFのシステムや処理技術は、まだ確立されておらず安全性や有効性について学者等の間からも疑問が指摘されていたのである。にもかかわらず環境省は、独自の徹底した調査と実証試験による検証を実施することなく、施設の設置の推進を奨励してきたとの指摘があり、その責任が問われている。
以下質問する。
一 昨年福岡県大牟田市のRDF及び三重県多渡市のRDFの事故概要と原因について把握していると思うが明らかにされたい。また事故調査にあたって国はどのように関与したのか。
二 大牟田市のRDF及び三重県のRDFの事故対策について、国はどのように考えているのか。また地域住民の生命・身体の安全、環境保護についての対策と見解を伺いたい。
三 環境省は、RDFのシステムと処理技術は確立されているとの考えか。もし確立されているとの考えであれば、その技術方法を明らかにされたい。また、RDFに係るシステム及び処理技術の調査、実証試験を行なったのか。実証試験を行なった主体(機関)、試験場所、試験期間、試験に使用した試料、試験方法、試験で得たデータや資料の概要を明らかにされたい。
四 大牟田市のRDFは、稼働中の事故についてはメーカーの責任で施設の修理がなされるが、修理についての補償期間が切れれば、もしその後に、施設の故障や事故の発生により施設が破壊、損傷するようなことが起こったときには、これに係る修理費用はすべて当該施設の負担となり、最終的にはこれに参加する地方自治体の負担となる。
システム及び処理技術が確立されていないRDFの事故ということを考慮して、このような場合においてもメーカーと国の責任において負担すべきだと考えるがどうか。
五 施設の故障や事故が発生した場合に、メーカーは施設に係る技術は「秘匿」と称して、故障箇所の技術情報の細部については、大牟田市にも全く公表せず、立会人もなくあくまでメーカーが対応し、施設の修理費用の算定についてもメーカーの裁量に委ねられているのが現状である。
施設の修理についての補償期間が切れた後については、もし施設の故障、事故による施設の破壊、損傷が起きた場合には、メーカーに対して故障箇所の技術情報等を完全に公開させるべきと考えるがどうか。また、メーカーと協力しつつも大牟田市の裁量の下で施設を運営していくのが適切と考えるが見解を伺いたい。
六 RDFは、当初予想もされなかった施設の故障や事故が連続して発生している。そのための修理費用だけでなく、その都度、施設の改善措置を講じる必要性がでてくるのは当然のことであるが、この改善措置に要する経費も嵩み、大牟田市の大きな負担となっている。このままでは、RDF運営の採算は悪化し、赤字運営を強いられる可能性がある。
少なくともRDFの処理技術が確立するまでの間、改善措置に係る経費についても国が何らかの助成措置を講ずるべきではないか。
右質問する。
政府答弁書
一について
大牟田リサイクル発電所において、平成十五年八月、同年十月及び平成十六年三月にボイラー内の配管が破損し、それぞれについて同発電所の設置者から九州経済産業局長に対して電気事業法(昭和三十九年法律第百七十号)第百六条の規定に基づく報告がなされている。本報告によれば、当該各事故の原因は、配管に局所的な摩耗減肉が発生したことである。
また、三重ごみ固形燃料発電所において、平成十五年八月十四日に貯蔵槽内でごみ固形燃料の異常発熱による熱風が発生して作業員四名が負傷し、その後、その消火活動を行っていたところ、同月十九日に貯蔵槽内で爆発が発生して消火作業中の消防職員二名が死亡し、作業員一名が負傷した。当該事故についても、同発電所の設置者から中部経済産業局長に電気事業法第百六条の規定に基づく報告がなされたほか、政府において、当該事故の原因の究明及び再発防止対策を検討するために、総務省消防庁は「ごみ固形化燃料等関係施設の安全対策調査検討会」を、経済産業省原子力安全・保安院は「ごみ固形燃料発電所事故調査ワーキンググループ」を、環境省は「ごみ固形燃料適正管理検討会」を設け、三省間で密接な連携を取りつつ調査及び検討を重ね、平成十五年十二月にそれぞれ報告書を取りまとめたところである。各報告書によれば、当該事故については、ごみ固形燃料の品質管理及び貯蔵管理並びに貯蔵槽の安全設備がそれぞれ不十分であり、これらの要因が重なって事故が発生したものと推定されている。
二について
政府としては、一についてで述べた報告書を踏まえ、総務省、経済産業省及び環境省において、所要の制度改正を行い、ごみ固形燃料貯蔵設備等の技術上の基準を定めたほか、ごみ固形燃料に係る保安対策について市町村条例で定めるものとすることとし、設備の安全確保や生活環境の保全を図っているところである。
今後とも必要に応じ、ごみ固形燃料貯蔵設備等の設置者に対し、設備の維持管理に関して、その安全の確保や生活環境の保全が図られるよう指導してまいりたい。
三について
環境省では、平成十五年九月から、学識経験者等で構成される「ごみ固形燃料適正管理検討会」において、ごみ固形燃料の製造及び利用に関する課題について調査及び検討を行い、同年十二月にごみ固形燃料の性状管理の在り方並びにごみ固形燃料化施設及びごみ固形燃料焼却施設における対策を内容とするガイドラインを取りまとめたところであり、ごみ固形燃料の製造及び利用については十分に実用段階にあるものと考えている。
なお、環境省としては、実証試験は実施していない。
四及び六について
政府においては、ごみ固形燃料化施設及びごみ固形燃料焼却施設の設置者に対し、当該施設に安全対策上必要な設備の追加を行う際の経費について国庫補助を行っている。これらの施設の設計者又は施工者による当該施設に係る費用負担については、設計又は施工に関する契約の内容に応じて判断されるべきものと考える。
五について
お尋ねの大牟田市の施設については、福岡県、電源開発株式会社、川崎重工業株式会社及び大牟田市その他の当該施設を利用する市町村の共同出資によって設立された大牟田リサイクル発電株式会社が設置し、管理及び運営を行っている。
当該施設の管理及び運営は、大牟田リサイクル発電株式会社において、当該施設の設計及び施工を行った川崎重工業株式会社から必要な情報の提供を受けた上で行うべきものであると考える。
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