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秋田県警本部の連続児童殺害事件への対応に関する質問主意書

衆議院 第165回 第174号

提出者
民主党・無所属クラブ
提出日
2006年11月24日
内閣転送 2006年11月29日
答弁書受領日
2006年12月5日
提出から11日
答弁の項目数
4
質問 1,462字/答弁 1,261字

質問本文

本年四月一〇日、畠山彩香さんが遺体で発見され、続いて、近所に住む米山豪憲さんが同じく遺体で発見された事件に関する秋田県警の対応については、豪憲さんの父である米山勝弘氏が秋田県公安委員会に苦情申立てを行い、去る一一月九日、秋田県公安委員会より苦情処理結果通知書(秋公委総第二八号)が回答されているところである。しかし、その中身を見ると、看過することができない捜査のミス、職務懈怠が散見される。

本件に関し、国民の前に事実を開示し、警察に対する国民の不信を取り除くために、次の事項について質問する。

一 秋田県公安委員会の回答には「秋田大学で女子児童の遺体を司法解剖した結果、女子児童の直接の死因は溺水による窒息死であると判明したものの、遺体に事件性をうかがわせるような特異な損傷はありませんでした」、「遺体に特異な損傷がなかったこと等の状況から、事件又は事故のいずれか断定できなかったものの、女子児童の自宅付近の藤琴川の川岸から川に落ちて流された事故の可能性が高いと判断しました」との記述がある。しかし、その後の報道では、頭蓋骨が陥没し頭部及び頸部に骨折が見られたことが明らかになっている。これらは、適正な検視を行っていれば見逃されるはずはなく、「特異な損傷がなかった」と判断していることは極めて不可解である。また、擦り傷等の状況を検視すれば、女児が転落したとされる現場から遺体が発見された場所まで流された可能性が低いことは明らかであったはずである。

右について、政府は事実を確認したのかしなかったのか、秋田県警の対応は誤りだったのか誤りでなかったのかを明らかにされたい。

二 秋田県公安委員会の通知書では、秋田県警が女子児童の着衣等を女子児童の母親に引き渡したこと、また、関係地区の住民に対する聞き込みを行わなかったことをはっきりと認めている。これは、同通知書中の「事件又は事故のいずれか断定できなかった」との記述と矛盾する対応であり、この判断ミスが事件解決を遅らせ、二人目の児童殺害に結びついた虞が強い。

右について、政府は事実を確認したのかしなかったのか、秋田県警の対応は誤りだったのか誤りでなかったのかを明らかにされたい。

三 秋田県公安委員会の通知書では、秋田県警が平成一一年に定めた基準どおりに巡回連絡を行っていなかったことを認めている。治安の悪化が指摘される中、秋田県警同様の職務懈怠は全国に蔓延している虞がある。

右について、政府は事実を確認したのかしなかったのか、秋田県警の対応は誤りだったのか誤りでなかったのかを明らかにされたい。また、全国の都道府県警で巡回連絡が基準どおりに実施されているか早急に確認する必要があると考えるが政府の見解を示されたい。

四 秋田県公安委員会の通知書は「事故の可能性が高いと判断したこと及びこうした判断の下で進められた捜査は必ずしも十分なものでなかったことは、反省すべき点であると考えております」、「秋田県公安委員会としては、反省点を今後の捜査にいかすよう、秋田県警察を督励してまいります」と締めくくられているが、適切な捜査が行われ、早期に被疑者が特定されていれば、第二の児童殺害は未然に防ぐことができた可能性もあると考えると、あまりにも安易な総括と言わざるを得ない。以上を踏まえた上で秋田県警本部の連続児童殺害事件捜査に係る重大な捜査ミス及び職務懈怠について、政府は秋田県警に対してどのような指導監督を行ったのか、あるいは今後行っていくのか、見解を示されたい。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一について

警察庁においては、秋田県公安委員会が作成した「苦情処理結果通知(回答)書」(平成十八年十一月九日付け秋公委総第二十八号)に記載された内容について、秋田県警察から報告を受けて承知している。畠山彩香さんの遺体の状況については、畠山彩香さんが殺害された事件の公判の開廷前であることから、その詳細を明らかにすることはできないが、警察庁としては、秋田県警察において、検視及び司法解剖を適正に実施した結果、事件性をうかがわせるような特異な損傷はなかったものと承知している。また、警察庁としては、秋田県警察において、警察犬による臭気追跡の結果、畠山彩香さんの自宅付近の藤琴川の川原に行き着いたこと、藤琴川の川岸に滑ったようなこん跡があったこと、畠山彩香さんが流されるのに十分な水量が藤琴川にあったこと等から、畠山彩香さんが自宅付近の藤琴川の川岸から川に落ちて流された可能性が高いと判断したものと承知しているが、この判断は、結果的に事実と異なるものであったと認識している。

二について

警察庁としては、秋田県警察において、畠山彩香さんの着衣等は、所要の採証措置が講じられた後に、畠山彩香さんの母親に適正に引き渡されたものと承知している。また、警察庁としては、秋田県警察において、畠山彩香さんが死亡した原因は事故である可能性が高いという結果的に事実と異なる判断の下、秋田県山本郡藤里町粕毛地区(以下「粕毛地区」という。)等関係地区の住民に対する聞き込みを行わなかったものと承知している。

三について

警察庁としては、秋田県警察において、平成十一年におおむね年一回以上の頻度で巡回連絡を実施するという基準を定めたところ、その後の県内の治安情勢の悪化を受け、パトロール及び検挙活動に重点を置いた地域警察活動を推進してきたことから、当該基準に沿った巡回連絡を実施することが困難となり、粕毛地区においても、必ずしも当該基準に沿った巡回連絡が実施されていなかったが、パトロールの強化等により、粕毛地区の実態把握に努めていたものと承知している。また、警察庁としては、地域警察活動は各都道府県の実情に応じて柔軟に行われるべきものであり、現時点においては、各都道府県警察における巡回連絡の実施状況について改めて確認する必要はないと考えている。

なお、今後とも、警察庁において、各都道府県の実情に応じた地域警察活動により地域の実態把握が一層適正に行われるよう、都道府県警察を指導してまいりたい。

四について

警察庁としては、畠山彩香さんが死亡した原因について事故の可能性が高いと判断したこと及びこうした判断の下で進められた捜査が必ずしも十分なものではなかったことは、秋田県警察において真摯に反省すべきであると認識しており、今後の捜査においては、犯罪捜査規範(昭和三十二年国家公安委員会規則第二号)第九十六条の規定に基づき、すべての資料を総合的に検討した上で捜査方針を立て、必要な体制を確保して捜査を行うよう、秋田県警察を指導しているところである。

衆議院の原文

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